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蜘蛛の巣の対策|軒下・ベランダ・玄関に張られる理由と家にあるものでできる取り方

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玄関灯のまわり、軒下、ベランダの手すりと壁のあいだ。ホウキで払ったばかりなのに、数日たつとまた同じ場所に蜘蛛の巣が張られている——外まわりの掃除をしている方から、いちばんよく聞く「終わらない作業」がこれです。

同じ場所に張り直されるのには理由があります。クモは、エサになる小さな虫がよく通る場所に網を張るからです。網だけを取り続けても、その場所に虫が来る条件が残っていれば、作業の回数は減りません。逆にいえば、虫を呼んでいる条件を1つ減らすほうが、払う手間は確実に軽くなります。

この記事では、千葉市保健所環境衛生課・広島市健康福祉局保健部環境衛生課・環境省・堺市・福岡県・独立行政法人国民生活センター・東京都生活文化局が公開している資料と、東邦大学の観察の手引きをもとに、張られやすい場所の共通点、家にあるものでできる取り方、再発を減らす打ち手、そして自分で手を出さないほうがよい場面までを整理しました。クモそのものを全部いなくすることは目的にしていません。虫の写真は使わず、線画の図解だけで進みます。

読者
玄関灯の下の蜘蛛の巣を毎週払っているのに、数日でまた張られます。もう対策スプレーを買うしかないでしょうか。
編集部
スプレーの前に確かめてほしいことがあります。その玄関灯、夜どのくらいの時間ついていますか。光に集まる小さな虫がいると、そこはクモにとって「網を張る価値のある場所」になります。順番を整理しますね。

【一言でいうと】蜘蛛の巣の対策は「取る」より「エサになる虫を減らす」が先

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

蜘蛛の巣は、エサになる虫が通る場所に張られます。千葉市保健所環境衛生課のクモの生態と防除方法は、セアカゴケグモの生息場所について「巣を作る隙間があり、日当たりがよく、暖かく、餌となる昆虫のいる所に巣を作り繁殖します」と説明しています。すき間・環境・エサの3つがそろう場所が選ばれているという見方です。

つまり、網を取る作業は「今ある網を消す」ことしかしていません。手間を減らしたいなら、取る作業と並行して、その場所に虫を集めている条件を減らすほうへ寄せていくことになります。下の表は、蜘蛛の巣の対策としてよく挙がる5タイプを、性質の違いで並べたものです。

対策のタイプ やること 手間 効き方の性質 この記事の該当箇所
物理的に取る 柄の長い道具で網を絡め取り、面を拭く その都度 今ある網は消えるが、条件が残れば張り直される 取り方の手順
エサになる虫を減らす 夜の明かり・水たまり・生ごみを見直す 最初だけ手間がかかる 張られる回数そのものに効く可能性がある 再発を減らす対策
張られにくくする すき間をふさぐ、物を密着させて置かない 糸を渡せる場所を減らす方向の工夫 張られやすい場所
薬剤を使う 適用害虫と使用場所を確認して使う 製品ごとに対象と範囲が異なる。効果は製品表示の範囲 スプレーの確認事項
相談・依頼する 自治体の窓口や駆除業者に相談する 連絡の手間 高所・大量・共用部など自分で無理な場面向け 相談先

※各機関が公開している2026年8月時点の情報を当メディア編集部が整理したものです。効果の出方は場所・季節・クモの種類によって異なります。

蜘蛛の巣が張られやすい場所|軒下・ベランダ・玄関・物干し竿・カーポート

「なぜウチはこの場所ばかりなのか」は、網がどうやって作られるかを知ると見当がつきます。場所を覚えるより、条件を覚えるほうが応用が効きます。

図解
当メディア編集部作成

クモの網は「2点の間に糸を渡せる場所」から始まる

東邦大学生物多様性学習プログラム BioLTop の蜘蛛類の同定と観察の手引きは、オニグモの造網過程を「クモはまず一定の場所を定めて糸を出して風に流す」「糸の先がどこかに引っかかると、これを補強して橋糸をつくり」と説明しています。最初の1本が渡らなければ、円い網は始まりません。

この造網過程を踏まえると、風が通り、少し離れた2点に糸が引っかかる場所が候補になりやすいと考えられます。手すりと壁、物干し竿とフェンス、カーポートの柱と梁、門扉と塀、車のドアミラーとボディのように、住まいのまわりには「渡せる2点」がいくつもあります。

なお、同じ手引きはクモ類を節足動物門のクモ形綱に属する動物の総称とし、昆虫類とは別のグループとして扱っています。「虫」とひとまとめにされがちですが、生き物としての区分は昆虫と異なります。

網の型がちがえば、張られる場所も変わる

同じ手引きは網を型ごとに分類しています。円網はオニグモ・ゴミグモ・アシナガグモなど、蹄型円網はジョロウグモ、棚網はクサグモ、不規則網はオオヒメグモ、受信糸網はヒラタグモなどが挙げられています。垂直円網については「横方向に空中を移動する飛翔昆虫を捕らえるのに適し」、水平円網は「羽化して水面から上昇する昆虫を捕らえるのに適す」と説明されています。

大きく開けた空間を横切るように張られている網と、部屋やベランダの隅にもやもやと不規則に張られている網では、そもそもねらっている獲物が違うということです。隅にできる細かい網は「そこに小さな虫が歩いている・落ちている」というサインとして読むと、掃除の当てどころが決まります。

相談が多い場所を、条件ごとに並べる

  • 玄関・玄関前・外灯まわり — 夜の明かりに小さな虫が寄る。人の出入りで網が壊れても張り直されやすい
  • 軒下・外壁の上部・屋根まわり — 雨が当たらず風で壊れにくい。脚立が必要になりやすい場所でもある
  • ベランダ・物干し・物干し竿 — 手すりと壁、竿と竿受けという「渡せる2点」が多い
  • 庭木・植木・植栽・フェンス — 枝と枝、フェンスの縦桟のあいだ。落ち葉の下に小さな虫が集まる
  • 駐車場・車庫・ガレージ・カーポート — 柱と梁のあいだ。夜間は照明に虫が寄る
  • 自転車置き場・駐輪場・原付やバイクのまわり — 動かさない期間が長いほど張られやすい
  • 車の外側(ドアミラー・ワイパー・ナンバープレートの裏) — 駐めたままの時間が長い車ほど目立つ
  • 防犯カメラ・センサーライトの周辺 — 機器の光と熱に虫が集まりやすい位置にある

共通しているのは、「風が抜ける」「壊されにくい」「近くに小さな虫がいる」の3つです。同じ家の中でも、この3つがそろっていない面には網はあまり残りません。

蜘蛛の巣の取り方|家にあるものでできる手順

クロスで拭き掃除をする手元
写真はイメージです

専用の道具を買い足さなくても、家にあるもので片づく場面がほとんどです。順番だけ守ってください。特に最初の1手を飛ばすと、けがのリスクだけが上がります。

1手が届く高さかどうかを先に決める

背伸びやつま先立ちで届く高さなら、その場で始めて構いません。脚立が必要な高さなら、この記事の後半にある注意点を読んでから道具を出してください。迷ったら「今日は届く範囲だけ」と決めて切り上げるほうが、結果的に作業は続きます。

2乾いているうちに、柄の長い道具で絡め取る

ホウキ、フローリングワイパー、使い古しの毛ばたきなど、柄の長いものを使います。千葉市保健所環境衛生課は、家に入ってきたクモへの対応として「ホウキや掃除機を使って取り除きましょう」と案内し、「クモには直接素手で触らないようにしましょう」とも記しています。濡れた網は道具にまとわりついて広がるため、雨上がりより乾いた日のほうが片づきます。

3くるくる巻き取って、袋の口を閉じて捨てる

払い落とすと足元に糸が散り、後で靴や裾に付きます。先端を軸にして巻き取り、そのまま袋に入れて口を閉じるところまでを1セットにしてください。掃除機で吸う場合は、千葉市の案内どおり、ごみといっしょに捨てるところまでを想定しておきます。

4張られていた面を水拭きする

糸の残りや、虫の細かい破片が面に残ります。ここを拭いておくと、次に来たときに「新しく張られたのか、取り残しなのか」がひと目で分かります。外壁や手すりは水拭き、格子やフェンスは濡らした布を巻いて引くと届きます。

5同じ場所が続くなら、日付と場所をメモしておく

週に一度の作業で、どの面が何回目かが分かるようにしておきます。回数が集中している面が、次の章で扱う「エサになる虫を呼んでいる場所」の候補です。写真を1枚撮っておくだけでも十分です。

車・自転車・物干し竿は「取ったあとに拭く」まで

車のドアミラーやワイパーまわりは、糸が細く残りやすい場所です。乾いた布でこすると塗装面に糸を引きずるため、水で流すか、濡らした布で押さえてから取るほうが跡が残りにくくなります。洗車のついでに済ませてしまうと二度手間になりません。

自転車や原付は、動かさない期間が長いほど張られます。カバーをかける場合は、かける前に一度きれいにしてからにしてください。物干し竿は竿受けとの接点に残りやすいので、竿を一度外して拭くと早く終わります。

スプレー以外の対策と、市販のスプレーを使うときに確認すること

モップで床を掃除する様子
写真はイメージです

売り場には「クモ」と大きく書かれた製品が並びます。ただ、どの虫にどこまで効く想定なのかは、パッケージの裏面を読まないと分かりません。当メディアでは製品の順位付けはせず、選ぶ前に確認することだけを整理します。

「適用害虫」と「使用場所」は製品ごとに違う

独立行政法人国民生活センターはつり下げタイプの虫よけ、効く虫は?(2014年6月9日公表)で、パッケージのイラストと実際の適用対象が食い違って見える例を取り上げ、「パッケージの説明書をよく読み、適用害虫を確認しましょう」と回答しています。

同ページは、「家庭用の害虫防除剤(殺虫剤、防虫剤、忌避剤、誘引剤などを指す)には、使用される成分や、適用害虫によって『医薬品・医薬部外品』とそれらに当てはまらない雑品扱いのものがある」とも説明し、「パッケージを丁寧に読み、製品の範囲や限界を理解して選ぶことが求められます」「効果がよく分からないものをムリに選ばない、店員に詳細を尋ねるというのも方法です」と案内しています。適用害虫・使用場所・使用量は、いずれも手元の製品の表示に従ってください。

使い方についても、千葉市保健所環境衛生課は「殺虫剤は、使用上の注意をよく読んでから適量を使用しましょう」と記しています。同課はアシダカグモについて「害虫ではないので、専用の殺虫剤や忌避剤は販売されておらず、市販の殺虫剤でも効果はあると思われます」とも説明しており、クモ向けの製品選びは前提そのものが他の害虫と異なります。

屋外で使うときは、風向きにも注意してください。ベランダや窓際で噴霧したものは、隣の住戸や下の階の洗濯物へ流れることがあります。火気のそば、食品や食器のまわり、水槽・鳥かごの近くでは使わない、噴霧後は換気する——このあたりは製品の注意書きに必ず書かれています。

ハッカ油・シリコンスプレーを試す前に確かめること

ハッカ油や、金属部の潤滑に使うシリコンスプレーを蜘蛛の巣対策に使う、という情報がよく見られます。ただし、これらについてクモへの効果を確かめた公的機関の資料は、今回の調査では見当たりませんでした。効果があると断定もできませんし、無いとも言い切れないというのが正確なところです。

そのうえで、使う前に確かめておきたいのは次の点です。製品に書かれた用途に、その使い方が含まれているか。塗装面・樹脂・ゴム・木部を傷めないか。床や踏み台にかかって滑らないか。ペットや小さなお子さんが触れる場所か。精油をペットのいる住まいで使うことに不安があるなら、かかりつけの動物病院や製品の販売元に確認してからにしてください。

手を動かす順番としては、ここまでに書いた「取る・拭く・条件を減らす」を先に一巡させるほうが、費用も労力もかかりません。

再発を減らす対策|外灯・洗濯物・水たまり・すき間を見直す

洗濯物とランドリーバスケット
写真はイメージです

ここが本題です。クモではなく、クモのエサになっている小さな虫のほうに手を打ちます。分かりやすい例が、夜の明かりに集まるユスリカです。

夜の明かりを見直す

広島市健康福祉局保健部環境衛生課のユスリカのページは、羽化した成虫について「暗くなると集団で飛び、街灯や電灯がある明るい場所に飛んで寄ってきます」と説明しています。同じページは、成虫が「クモや鳥などのエサとして重要な存在」であるとも記しています。明かり→小さな虫→クモという流れが、そのまま書かれているということです。

対策として同ページが挙げているのは、「ユスリカは、紫外線や蛍光灯や水銀灯に誘引されやすいため、照明器具を白熱灯や黄色系にすること、紫外線を出さない器具の使用や紫外線をカットするシートを窓に張ることでユスリカの飛来数を減らすことができます」という内容と、「不要な照明はなるべく消すことも対策の一つです」という一文です。玄関灯を人感センサー式に替える、門灯の点灯時間を短くする、といった見直しは、この方向の打ち手にあたります。

ユスリカの成虫は「水域から30m程度、遠くても100mまでの距離で発生する」とも書かれています。近くに水路や池があるお住まいでは、飛来そのものをゼロにするのは現実的ではありません。明かりを絞る側で調整する、と考えるほうが無理がありません。

水がたまる場所をなくす

同ページは幼虫の対策として、「放置されたバケツや古タイヤ、植木鉢の受け皿など常に水が溜まっている場所はユスリカの幼虫(赤虫)の発生場所になります」と説明し、側溝や水路の汚泥を取り除いて定期的に清掃すること、住宅周辺の水たまりをなくすことを挙げています。ベランダや庭に置きっぱなしの受け皿、雨水がたまるプランター、古いバケツは、この機会に伏せておいてください。

洗濯物については、「夕方から夜にかけて屋外に洗濯物を干さないこと」、取り込むときは「周辺を叩いて飛び立たせる」ことが有効な対策として挙げられています。虫が付いた状態で手で払うと潰れて汚れるため、という理由も添えられています。

室内側は「エサになる虫が住みにくい家」にする

屋内の隅にできる細かい網も、考え方は同じです。千葉市保健所環境衛生課はアシダカグモの対策として、「家の中を点検して、クモが入ってきそうな隙間(床と壁配水管の間など)をふさぎます」「通風孔や窓には防虫網を取りつけるのも一つの方法です」と案内しています。

あわせて同課は、「食べ物は密封できる容器に保存する」「生ごみは密封できるごみ箱に捨てる」「粘着シートや毒餌などによるゴキブリ退治」「こまめな家の掃除」で「まず他の虫が住みにくい家にすることが重要です」と記しています。クモを追い出す作業ではなく、クモが来る理由を減らす作業だと位置づけられている点が、この案内の要点です。

クモを全部いなくする必要はない|益虫としての側面と、殺さない選択肢

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

蜘蛛の巣は邪魔でも、クモ自体をどうするかは別の判断です。行政の解説では、クモは害虫として扱われていないことのほうが多くなっています。

網を張らないクモもいる

千葉市保健所環境衛生課はアシダカグモを「巣を作らずに動き回って餌を獲るクモです」と説明し、「家の中ではゴキブリを餌にしていると思われ、益虫に分類されることもあります」と記しています。人への被害についても「自分から、積極的に人間を襲う(皮膚を刺す・噛む)という報告はありません」「素手で直接つかんだりしなければ、被害を受けることはまずないと思われます」としています。

福岡県の生物多様性情報総合プラットフォーム 福岡生きものステーションも、アシダカグモを「メスの体長(脚を除く)が20~30mmに達する、国内でも最大級のクモ」とし、「家屋内に巣を張らずすんでおり、歩き回ってゴキブリやハエなどを食べて育ちます」と解説しています。大きくて驚くクモほど、網を張らない側であることが多いという関係です。

前掲の東邦大学の手引きも、クモを網を張る造網性と、網を張らずに獲物を捕らえる徘徊性に分けて扱っています。徘徊性のクモを退治しても、そもそもその個体は網を張っていないため、蜘蛛の巣の量は変わりません。

「昆虫ではない」ことと、「何をしてもよい」ことは別

環境省自然環境局が解説する鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律では、保護の対象となる「鳥獣」は鳥類又は哺乳類に属する野生動物と定義されています。クモはクモ形綱の動物ですから、この定義には含まれず、コウモリやハトのような捕獲の許可は必要ありません。

ただし、法律の対象外であることは「どう扱ってもよい」という意味にはなりません。集合住宅では薬剤の使用や共用部での作業が管理規約で定められていることがありますし、屋外での噴霧は隣家の洗濯物や家庭菜園に届きます。被害が出ていない相手なら、網だけ取って距離を置くという選択肢を最初に置くほうが、住まいにとっても周囲にとっても現実的です。

素手で触らないほうがよいクモ|セアカゴケグモは特定外来生物

日本の住宅の外観
写真はイメージです

クモの多くは人に危害を加えませんが、素手で触らないほうがよい種は実在します。ここは行政が公開している記載だけで確認してください。

ゴケグモ属は特定外来生物に指定されている

環境省のセアカゴケグモ・ハイイロゴケグモのページは、在来のアカオビゴケグモ以外のゴケグモ属の種が、人の生命・身体に係る被害を理由に特定外来生物に指定されていると説明しています。生息場所は日当たりの良い暖かい場所で、地面や人工物の窪みや穴、裏側、隙間に営巣するとされています。

同ページは、見つけた場合について「素手で捕まえたり、さわらないようにしてください」とし、自治体への連絡を案内しています。咬まれた場合は、すみやかに医療機関に相談するよう記載されています。

千葉市保健所環境衛生課は、セアカゴケグモの体長をオス4〜6mm、メス8〜10mmとし、「体色は、全体が黒色で、腹部(背面、腹面)に赤い斑紋があります」と説明しています。あわせて「特定外来生物に指定されているため、生きたまま移動することは法律により禁止されています」と明記しています。持ち帰って誰かに見せる、という行為は選ばないでください。

身のまわりのどこで見つかるか

堺市健康福祉局保健所生活衛生課のセアカゴケグモのページは、身近な場所として、排水溝のふたの裏、自転車・バイクの泥よけやサドルの裏、建物基礎の水切り板の裏、プランターの持ち手、屋外の履物、公園の遊具を挙げています。駆除については、一般家庭用スプレー式殺虫剤を吹き付ける(使う前に製品表示の適用害虫と使用場所を確認してください)か踏みつぶすとしたうえで、「卵のうは薬剤が効かないため必ず踏み潰してください」と案内しています。

ちょうど、蜘蛛の巣を払うときに手を入れがちな場所と重なります。屋外の作業では、千葉市が案内しているとおり、生息している可能性のある場所では軍手等を着用してください。屋外に置いたままの靴を履くときは、中を確認してからにする——これだけでも接触の機会は減ります。

草むらで作業するときのクモ

千葉市保健所環境衛生課は、カバキコマチグモについて「ススキ原や水田、背の高い草の間に生息しています」とし、「積極的に人を襲ったという報告はありません」「偶然クモに触ってしまい、咬まれることが多いようです」と説明しています。対策としては、農作業などで草むらに入るときに手袋や長袖の衣類を着用し、皮膚の露出を少なくすることが挙げられています。

咬まれたときの対応について、同課は「早めに医師の診断を受けましょう」と案内しています。環境省も咬傷時はすみやかに医療機関へ相談するよう記載しています。症状の重さや体質は人によって違い、当メディアで判断できることではありません。異変を感じたら受診を優先してください。受診の際は、千葉市が案内しているとおり「クモに咬まれた」旨を医師に伝えてください。

自分でやらないほうがよい場面と相談先|高所・マンションの共用部

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

蜘蛛の巣の対策で実際にけがにつながるのは、クモではなく足元です。取れない場所は取らない、という判断も対策のうちに入ります。

脚立を出す前に読んでおくこと

東京都生活文化局消費生活部生活安全課商品安全担当がまとめた脚立からの転落に注意!には、天板の上に乗って作業中にバランスを崩して転倒した例、砂利の敷地に設置した脚立の天板にまたがって作業中に転落し右肩を骨折した例、窓拭き中に転落した例などが挙げられています。

事故防止のポイントとして示されているのは、天板に乗らない・またがらない、平坦で安定した場所に設置する、止め具がしっかり固定されていることを確認する、身体を横方向に乗り出して作業しない、無理な作業は控える、という5点です。軒下や外壁上部の蜘蛛の巣は、横に手を伸ばしたくなる典型的な場面ですから、この項目がそのまま当てはまります。

集合住宅では、どこまでが自分の範囲かを先に確認する

マンションのベランダや外廊下、外壁は、専有部分ではなく共用部分として扱われていることがあります。清掃や薬剤の使用について管理規約で定めが置かれている場合もあるため、手すりの外側や共用廊下の高い位置に手を出す前に、管理会社や管理組合に確認しておくと安心です。賃貸であれば、管理会社への一報が先になります。

屋内の虫やダニについては、自治体の保健所が住居衛生相談を受け付けていることがあります。千葉市のように、クモの生態と防除方法を住居衛生相談のページの一部として公開している自治体もあります。まずはお住まいの市区町村の公式サイトで、相談窓口の有無を確認してみてください。

有料で頼む場合に考えること

高所が続く、建物のまわり一周に及ぶ、毎年同じ時期に大量に発生する。こうした条件が重なると、自分で続けるより依頼したほうが早い場面が出てきます。依頼するときは、作業範囲(どの面まで払うのか)、薬剤を使うかどうか、再訪の有無を、見積書の段階で書面にしてもらってください。料金の決まり方や見積もりの読み方は、こちらの記事にまとめています。

屋外の落ち葉や湿った場所をまとめて手入れする段になると、ムカデなど別の相談と重なることがあります。屋外の発生源側の作業については、こちらもあわせてご覧ください。

蜘蛛の巣の対策のよくある質問(FAQ)

Qハッカ油を吹き付けておけば蜘蛛の巣は張られなくなりますか?

Aクモへの効果を確かめた公的機関の資料は、今回の調査では見当たりませんでした。効くとも効かないとも言い切れないため、当メディアからはおすすめも否定もしません。試す場合は、塗装面や樹脂・ゴム部分を傷めないか、足元が滑らないか、ペットやお子さんが触れる場所かを先に確認してください。市販の防除剤を選ぶ場合は、国民生活センターが案内しているとおり、パッケージの適用害虫と使用場所を必ず読んでから選びます。

Q取ったばかりなのに、次の日また同じ場所に張られています。なぜですか?

Aその場所に、エサになる小さな虫が通っている可能性があります。千葉市はセアカゴケグモの生息場所について、すき間があり、日当たりがよく暖かく、餌となる昆虫のいる所に巣を作ると説明しています。網を取る作業だけでは、この条件は変わりません。夜間の照明の時間を短くする、近くの水たまりや受け皿をなくす、といった条件側の見直しを1つ加えてみてください。

Q車のドアミラーやワイパーに毎朝クモの糸が付きます。車内にも入りますか?

A屋外に駐めている車は、柱や壁との間に糸を渡されやすい位置にあります。車内については、環境省が、屋外の傘や衣服に付着して屋内に持ち込まれる可能性に触れています。窓を開けたまま長時間駐めない、荷物を屋外に置きっぱなしにしてから積み込まない、といった運用で持ち込みの機会は減らせます。付いた糸は乾いた布でこすらず、水で流すか濡らした布で押さえてから取ると跡が残りにくくなります。

Qマンションのベランダの蜘蛛の巣は、自分で取ってしまってよいですか?

Aベランダや外廊下は共用部分として扱われている場合があり、清掃や薬剤の使用について管理規約に定めが置かれていることがあります。手の届く範囲の網を払う程度で問題になることは多くありませんが、手すりの外側に身を乗り出す、上階との仕切り板に手を掛ける、といった作業は避けてください。判断に迷うときは管理会社に確認するのが確実です。

Q家の中で見かける小さいクモは、駆除したほうがよいですか?

A千葉市はアシダカグモについて、家の中ではゴキブリを餌にしていると思われ、益虫に分類されることもあると説明しています。目の前から動かしたい場合は、同市が案内しているとおり、掃除機で吸ってごみといっしょに捨てる、ホウキや長い箸、ピンセットで外に出すといった方法があります。素手では触らないでください。数を減らしたいなら、まずエサになる小さな虫が住みにくい状態にするほうが近道です。

※この記事は2026年8月時点で各機関が公開している内容を当メディア編集部が読み取り、整理したものです。参照先は千葉市保健所環境衛生課、広島市健康福祉局保健部環境衛生課、環境省、堺市健康福祉局保健所生活衛生課、福岡県 生物多様性情報総合プラットフォーム、独立行政法人国民生活センター、東京都生活文化局消費生活部生活安全課、東邦大学生物多様性学習プログラムの各ページです。殺虫剤・忌避剤をお使いになる場合は、各製品に表示された適用害虫・使用場所・使用量と、使用上の注意を必ずお守りください。クモに咬まれた可能性がある場合や体調に異変がある場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。

まとめ

蜘蛛の巣が同じ場所に張り直されるのは、その場所にエサになる小さな虫が通っているからです。網を取る作業と並行して、夜の明かりの時間を短くする、水がたまる受け皿やバケツをなくす、洗濯物を夜に干さない、室内のすき間をふさぐ——この4つのどれかを1つ減らすところから始めてください。

取り方そのものは、家にあるもので足ります。手の届く高さかを先に決め、乾いているうちに柄の長い道具で巻き取り、袋の口を閉じて捨て、面を水拭きする。この順番なら、道具を買い足さずに終わります。市販のスプレーを使うときは、適用害虫と使用場所を表示で確認し、用量を守ってください。

そして、クモそのものを全部いなくする必要はありません。網を張らない種は蜘蛛の巣とは無関係ですし、行政の解説では益虫として扱われている種もあります。素手で触らない、ゴケグモ属を見つけたら自治体へ連絡する、高所とマンションの共用部では無理をしない。この3つを守れば、あとは距離を置いて付き合っていける相手です。

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