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玄関タイルの掃除方法|水を流せない場合の手順と黒ずみの落とし方

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玄関のたたきを久しぶりに見たら、砂っぽくてうっすら黒い——。毎日出入りしている場所なのに、玄関タイルの掃除だけは後回しになりがちです。ほうきで掃いても白っぽい筋が残る、雑巾で拭いても黒ずみが薄くならない、そもそも水をバシャッと流していいのか分からない。玄関は「屋外の汚れが最初に入ってくる場所」なのに、掃除の情報だけが意外と少ない場所でもあります。

この記事では、玄関タイル(たたき・土間)の汚れの正体と洗剤の選び方、水を流せる場合と流せない場合それぞれの手順、玄関ドアの拭き方、においが気になるときの対処までを整理しました。料金の目安や規約の考え方は、当メディア編集部が各メーカーの公式お手入れ情報・公的機関の資料・複数社の公開料金表を調べてまとめています。

読者
玄関のタイルが黒ずんできたので、思い切ってバケツで水を流してデッキブラシでこすろうと思っているんですが……マンションでもやって大丈夫でしょうか?
編集部
そこがいちばん先に確かめてほしいところです。玄関の外側や共用廊下は多くのマンションで共用部分にあたり、水が流れ出て階下や隣家に及ぶと苦情やトラブルの原因になります。まずは管理規約を見て、流せないなら「水を使わない手順」に切り替えるのが安全です。

【一言でいうと】玄関タイルの汚れは砂ぼこりと黒ずみ|掃除の前に確かめる3つのこと

玄関タイルの汚れは、大きく分けると乾いた砂ぼこり・泥と、そこに皮脂や排気ガスのすすが混ざって固まった黒ずみの2層です。乾いたゴミを先に取り切ってから水や洗剤に進むと、汚れを引きのばさずに済みます。

そして手順を決める前に、次の3つを確かめてください。①ここは水を流せる場所か(集合住宅は管理規約次第)、②タイルの面状はツルツルかザラザラか、③素材は磁器質・せっ器質のタイルか、それとも天然石や人工大理石か。この3つで、使う道具も洗剤も変わります。

図解
当メディア編集部作成
汚れの種類 見た目・出やすい場所 まず試すこと 避けたいこと
砂ぼこり・土 たたき全体、ドアの下、目地の溝 乾いたままほうきで掃き出す 濡らしてから掃く(泥になって広がる)
泥はね・靴跡 ドア付近、雨の日の翌日 固く絞った雑巾、またはたわし・デッキブラシでこすり洗い 乾く前に踏み広げる
黒ずみ 人がよく立つ位置、玄関マットの下 薄めた中性洗剤+デッキブラシ いきなり強い酸性・塩素系を使う
目地の黒い筋 タイルとタイルのすき間 目地も一緒にこすり洗い(セメント目地の場合) 金属ヘラで削る
白い粉状の汚れ コンクリート・モルタルに接する部分 乾いた状態でブラシ、落ちなければ専門業者へ 強くこすって表面を傷める
苔・緑色の汚れ 日当たりの悪い屋外側のポーチ 乾かしてから掻き取り、必要なら中性洗剤 塩素系と酸性タイプの併用

※株式会社LIXILが公開する玄関の床タイルのお手入れ案内をもとに、当メディア編集部が2026年8月時点の内容を整理しました。ご自宅のタイルの取扱説明書に別の指示がある場合は、そちらが優先されます。

玄関タイルが汚れる原因と洗剤の選び方|砂ぼこり・泥・黒ずみ・苔

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

砂ぼこりと泥は「乾いているうち」がいちばん取りやすい

玄関の汚れの入口は靴の裏です。屋外の砂・土・砂利が持ち込まれ、たたきの上でこすられて細かくなり、目地の溝やタイルの凹凸に入り込みます。株式会社LIXILの玄関のタイルのお手入れ・お掃除方法でも、砂やほこりの汚れはホウキなどで掃き掃除を行うことが最初に案内されています。

乾いた砂を取り切る前に水をかけると、砂が泥に変わってタイルの表面を引っかき、目地の奥に押し込むことになります。掃除の効率という意味でも、たたきの傷という意味でも、順番を逆にしない価値は大きいです。

黒ずみの正体は靴裏の泥・皮脂・排気ガスのすす

掃いても拭いても残るぼんやりした黒ずみは、細かい土に、靴底のゴム、屋外の排気ガスに含まれるすす、人の皮脂などが混ざって固着したものと考えられます。単一の汚れではないため、「これ1本で落ちる洗剤」を探すより、乾いたゴミを取る→中性洗剤でこする→それでも残る部分だけ道具を変える、という段階を踏むほうが結果的に早く済みます。

LIXILの案内でも、タイル表面の汚れが落ちにくい場合は中性洗剤を薄めてデッキブラシや雑巾でこすり落とし、それでも落ちにくい頑固な汚れにはメラミンスポンジ(製品名:「激落ちくん」など)や、たわしと液体クレンザーの併用が有効とされています。メラミンスポンジはすぐに磨耗するため、新しいものに交換しながら使うことも合わせて案内されています。

タイルの素材と面状で使えるものが変わる|天然石・人工大理石は別扱い

ここが玄関掃除でいちばん見落とされる点です。LIXILのタイル建材のお手入れ・お掃除方法には、注意事項として「天然石には洗剤や漂白剤などに弱い性質のものがありますので、本情報が当てはまらない場合があります」と明記されています。また、記載の情報は同社が販売するタイルに適した方法であり、他社品のタイルでは検証されていないため必ずしも適切ではない場合がある、とも書かれています。

玄関に大理石調・御影石調の天然石や人工大理石が使われている場合、タイル向けの方法をそのまま当てはめないでください。重曹やセスキ炭酸ソーダのようなアルカリ性のもの、クエン酸やお酢のような酸性のものは、素材によっては表面のつやを失わせたり、白く曇らせたりすることがあります。判断がつかないときは、下駄箱の陰など目立たない場所で先に試し、住宅の引き渡し時の資料や施工会社に素材を確認するのが確実です。

塩素系と酸性タイプを同じ日に使わない

玄関で危ないのは、順番に強い洗剤を試してしまう流れです。目地の黒ずみに塩素系のカビ取り剤をかけて、落ちないからと今度は酸性のトイレ用洗浄剤を同じ場所に重ねる——この組み合わせが最も避けたいパターンです。塩素系(次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤)と酸性タイプが混ざると、有毒な塩素ガスが発生します。

消費者庁の家庭用品品質表示法のページ「住宅用又は家具用の洗浄剤」では、定められた試験で1.0ppm以上の塩素ガスを発生する商品に「まぜるな 危険」の表示が義務づけられていること、液性は pH に応じて「アルカリ性」「弱アルカリ性」「中性」「弱酸性」「酸性」の用語で表示しなければならないことが示されています。手に取った洗剤の液性は、必ず容器の表示で確かめてください。

  • その日に使う洗剤はどちらか一方に絞る。片方を使った日に、もう片方を「ついでに」使わない
  • 洗剤を切り替えるときは、水でしっかり洗い流し、タイルが乾いてから次に進む
  • 風除室や内廊下の玄関は空気がこもるため、ドアを開けるなど換気を先に確保する
  • ゴム製などの手袋を使う(消費者庁の表示事項にも「使用のときはゴム製等の手袋又は柄付きたわしを使用する旨」が挙げられています)
  • 放置時間・希釈の割合・使える場所は、製品の表示と使用方法に従う

玄関掃除で用意するもの|ほうき・デッキブラシ・雑巾

掃除道具と洗剤
写真はイメージです

LIXILが玄関の床タイルの「用意するもの」として挙げているのは、ホウキ・デッキブラシ・雑巾の3点です。特別な道具をそろえなくても始められるということでもあります。ここに、玄関の状況に合わせて次のものを足していきます。

  • ほうき(外用の穂が固いもの)とちりとり…乾いた砂ぼこりを最初に取り切る主役
  • デッキブラシ、または柄付きのたわし…ザラザラした面状の凹凸をかき出す
  • 雑巾2〜3枚…洗剤用と、水気を拭き取る仕上げ用を分ける
  • バケツ、スプレーボトル…水を流せない玄関では「濡らす量を自分で決める」ための道具
  • 中性洗剤(食器用洗剤・住宅用の中性洗浄剤など)…最初に試す洗剤はこれ
  • 使い古しの歯ブラシ…目地の溝やドア下のレールなど、幅の狭い場所用
  • ゴム手袋、必要に応じてマスク…砂ぼこりが舞う場所での作業に

100円ショップで手に入るデッキブラシや隙間ブラシでも作業自体は進みます。ただし柄が短いものは腰をかがめる姿勢が続くので、たたきの面積が広い玄関では長柄のものを選ぶと負担が減ります。

水を流せない玄関タイルの掃除方法【5ステップ】

モップで床を掃除する様子
写真はイメージです

マンション・アパートの玄関、排水口のない土間、雨の日で乾かせないときは、こちらが基本の手順です。LIXILの案内でも、雑巾がけが可能な面状のタイルであれば「水で濡らした雑巾をよく絞ってから拭き掃除を行ってください」という方法が示されています。

1靴と玄関マットを全部どかす

たたきの上のものをいったん室内側か外に出します。玄関マットの下は黒ずみがたまりやすい場所なので、マットも一緒に外に出して払っておきます。

2乾いた砂ぼこりをほうきで掃き出す

奥から入口へ、一方向に掃きます。目地の溝や框(かまち)の際、ドアの下のすき間は砂が残りやすいので、使い古しの歯ブラシでかき出してから掃き集めてください。

3固く絞った雑巾で全体を拭く

バケツの水に浸けた雑巾を、垂れない程度にしっかり絞って拭きます。この段階で汚れの大半は取れます。雑巾が黒くなったらこまめにすすぎ、汚れた面で拭き広げないようにします。

4残った黒ずみに薄めた中性洗剤を使う

洗剤はスプレーボトルに入れて、黒ずみが残った部分だけに吹きかけます。デッキブラシや柄付きたわしで軽くこすり、その後は必ず水拭きで洗剤分を回収してください。洗剤の量は「たたき全体にまく」のではなく「気になる場所だけ」が扱いやすい量です。

5乾いた雑巾で水気を残さず拭き取る

LIXILの案内では、洗浄後に汚染水をきれいに拭き取らずそのまま放置すると、汚れが再付着する原因になると注意されています(特に黒系タイルは注意)。最後の乾拭きが仕上がりを決める工程だと考えてください。

框から先の室内側の床は、たたきとは素材も洗剤も別です。フローリングの拭き方や黒ずみの落とし方は、床の掃除を扱った記事にまとめています。

水を流せる玄関タイルの掃除方法【4ステップ】

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

戸建てで、玄関ポーチから屋外へ水が抜ける、または土間に排水の経路があるなら、水を使ったこすり洗いができます。LIXILの案内でも、雑巾が引っかかるような面状のタイルには「水をかけてたわしやデッキブラシ等でこすり洗いを行ってください」という方法が示され、セメント目地は磨耗に強いので目地も一緒にこすり洗いして構わないとされています。

1乾いたゴミを先に取り切る

水を使う場合でも、最初にほうきで掃くのは同じです。ここを飛ばすと、泥水が目地の奥に入り込んで乾いたあとに白い筋として残ります。

2水をかけてデッキブラシでこする

バケツ1〜2杯を目安に、一度に流す量を区切ります。奥から入口へ、タイルの目地に沿ってブラシを動かすと汚れが集まりやすくなります。ザラザラした面状のタイルは、力ではなくブラシの往復回数で落とす意識に切り替えてください。

3落ちない部分に中性洗剤を足す

全体に洗剤をまくのではなく、黒ずみが残った区画だけに薄めた中性洗剤を使います。使ったあとは真水で流し、洗剤分を残さないようにします。この日は塩素系のカビ取り剤や酸性の洗浄剤を重ねて使わないと決めておくと安全です。

4汚れた水を残さず拭き取って乾かす

流した水がたまったままだと、浮かせた汚れがそのまま再付着します。水切りワイパーで集めてから、雑巾で拭き取り、風を通して乾かします。玄関が乾く前にマットや靴を戻さないのがポイントです。

屋外側のポーチや共用廊下に水が流れ出ないか、作業前に一度水を少量流して行き先を見ておくと安心です。ベランダ側の床や排水口の掃除、鳥のフンの処理の手順は別記事で詳しく扱っています。

マンションの玄関で水を流せないことが多い理由|共用部分と階下への影響

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

標準管理規約では廊下やエントランスホールが共用部分に挙げられている

国土交通省は、管理組合が管理規約を作る際の参考としてマンション標準管理規約を公表しています。単棟型(令和7年10月17日改正)の別表第2「共用部分の範囲」には、エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール……といった「専有部分に属さない建物の部分」が共用部分として挙げられています

つまり、玄関ドアの外側の廊下は自分だけの空間ではありません。そこへ大量の水が流れ出れば、通行する住人が滑る、隣家の前まで水が回る、外廊下の場合は下の階へしたたるといったことが起こり得ます。管理組合に苦情が入り、注意を受けるところから話が始まってしまいます。

玄関扉は「錠及び内部塗装部分」だけが専有部分

同じ標準管理規約の第7条第2項では、専有部分と共用部分の境目について「二 玄関扉は、錠及び内部塗装部分を専有部分とする。」と定められています。玄関扉のうち自由に扱える範囲は限られている、という考え方が示されているわけです。

ここで大事なのは、標準管理規約はあくまで「参考として国が示している型」であり、実際に効力を持つのは各マンションの管理規約だという点です。玄関ポーチの扱いも、水の使用の可否も、規約や使用細則の書き方によって異なります。掃除の前に手元の管理規約と使用細則を読み、書かれていなければ管理会社や管理組合に確認してください。賃貸の場合は管理会社・貸主が窓口になります。

高圧洗浄機は使う前に管理規約と近隣への影響を確認する

「玄関タイル ケルヒャー」「高圧洗浄機」で検索する人は多いのですが、集合住宅では水しぶきと騒音の両方が問題になります。跳ね返った泥水は隣戸の玄関やドアにも飛び、運転音は廊下に反響します。加えて、水道の使用場所(共用の散水栓を使ってよいか)や電源の確保も規約の問題になります。使えるかどうかは物件によって違うため、勝手に判断しないでください。

  • 共用廊下やポーチへ水が流れ出る量の掃除は、規約を確認するまで行わない
  • 階下や隣戸に水が回る可能性がある外廊下では、水を使わない手順に切り替える
  • 高圧洗浄機・スチームクリーナーは、管理規約と近隣への影響を確認してから
  • 玄関扉の塗り替え・シート貼り・金具の交換は、自己判断で行わず管理会社へ相談する
  • 賃貸で強くこすってタイルや扉を傷めると、退去時の負担につながることがある

玄関ドアの掃除方法|アルミは中性洗剤だけで洗う

クロスで拭き掃除をする手元
写真はイメージです

手順は「砂を落とす→中性洗剤→かたく絞った布」

LIXILの玄関ドア・引戸/アルミ製品のお手入れ・お掃除方法では、用意するものとして中性洗剤・スポンジ・布・歯ブラシが挙げられ、手順は3段階で案内されています。①表面についた砂やほこりをていねいに取り除く(隅は歯ブラシが便利)、②水でぬらした柔らかい布またはスポンジで全体の汚れを拭き取り、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めた液で落としてから水洗いする、③最後にかたく絞った柔らかい布またはスポンジで全体を拭き取る、という流れです。

清掃の目安は「少なくとも年に1〜2回程度」とされ、海岸地帯や交通量の多い道路沿いは塩分や排気ガスによる汚損が進みやすいため、こまめな手入れが勧められています。電装部品には水がかからないようにするという注意も同ページに明記されているので、電気錠やインターホンのある玄関では特に気をつけてください。

タイルに使えてもドアには使えないもの

ここが玄関掃除でいちばん間違えやすいところです。LIXILの同ページには、アルミ製品のお手入れの注意として、酸性薬品・アルカリ性薬品・塩素系薬品・クレンザー・金たわし・メラミンスポンジが並べられ、「酸性薬品、アルカリ性薬品、塩素系薬品、及びエタノール以外の有機溶剤はアルミやステンレスなどの金属部分を腐食させたり、塗膜はがれを引き起こしますので、絶対に使用しないでください」と書かれています。ワイヤーブラシやサンドペーパーの使用も避けるよう案内されています。

床タイルの頑固な汚れには有効とされるメラミンスポンジや液体クレンザーが、数十センチ離れたアルミのドアでは使用不可になる——これが玄関の難しさです。重曹やセスキ炭酸ソーダはアルカリ性なので、たたき用に作った液をそのままドアに流用しないでください。玄関ドアには素材ごとにお手入れのページが分かれており、鋼板の表面材やガラス、網戸、鍵についても別に案内があります。ご自宅のドアの素材が分からない場合は、取扱説明書か施工会社への確認が先です。

ドアの上部・採光窓は無理に手を伸ばさない

ドア上部の枠やドアクローザーまわり、庇の裏は、手が届かないからと脚立や踏み台に乗って作業しがちな場所です。片手でドアを押さえながら反対の手で拭く姿勢はバランスを崩しやすく、玄関のたたきは硬い床なので転倒したときの衝撃も大きくなります。届く高さまでで区切り、それより上は後述する依頼の対象として考えてください。ドアの採光窓やガラス面の拭き方は、窓掃除の記事で扱っています。

玄関のにおいが気になるときの掃除|靴・下駄箱・たたきの湿気

収納ボックスと棚
写真はイメージです

玄関のにおいは、たたきだけを掃除しても変わらないことがあります。においのもとになりやすいのは、履いたばかりの靴に残った湿気、下駄箱の中にこもった空気、そしてたたきに残ったまま湿った砂や泥です。「においを消す」より「湿気を残さない」を先に考えるほうが、結果的に効きます。

  • 帰宅した靴はすぐに下駄箱へ入れず、たたきや玄関の外で乾かしてからしまう
  • 下駄箱の扉を定期的に開けて空気を入れ替える。詰め込みすぎると空気が動かない
  • たたきを水拭きしたあとは、必ず乾くまで待ってから靴とマットを戻す
  • 玄関マットは洗える素材のものを選び、洗濯の周期を決めておく
  • 下駄箱の棚板は、固く絞った布で拭いてからしっかり乾かす

市販の消臭剤・除菌剤を使う場合は、消費者庁の表示ルールにあるとおり「用途以外に使用しない」ことが前提です。靴・革製品・木製の棚板に使えるかどうかは製品によって違うため、必ず表示を読んでから使ってください。なお、においが急に強くなった、水がしみ出しているといった場合は掃除の問題ではない可能性があるため、戸建てなら施工会社、集合住宅なら管理会社に相談するほうが早く解決します。

黒ずみ・目地の汚れが落ちないときの原因と次の手

防護具を着けた清掃作業の様子
写真はイメージです

洗ったあとの汚れた水を残していないか

「掃除したのに前より黒くなった気がする」という現象の多くは、汚れを浮かせたところで作業を終えていることが原因です。LIXILの案内でも、洗浄後は汚染水をきれいに拭き取ること、そのまま放置すると汚れが再付着する原因になることが繰り返し注意されており、特に黒系タイルは注意とされています。浮かせた汚れを回収するところまでが1回の掃除だと考えてください。

白い粉のような汚れは削って落とそうとしない

タイルの表面やコンクリートに接する部分に、白い粉を吹いたような汚れが出ることがあります。これは下地のセメント分が水に溶けて表面に出てきたもので、白華(エフロレッセンス)と呼ばれることがあります。乾いた状態でブラシをかけて落ちる程度なら様子を見て構いませんが、固着したものを金属ヘラやサンドペーパーで削ると、タイルの表面を傷めて次からもっと汚れが付きやすくなります。

ハウスクリーニング業者のメニューには「タイルのエフロ除去」を別料金の作業として設けているところもあります。広範囲に出ている場合や繰り返し出てくる場合は、下地に水が回っている可能性もあるため、自分で削るより見てもらったほうが安全です。

目地とザラザラした面状はブラシの当て方を変える

ザラザラ・でこぼこした面状のタイルは、平らなスポンジでは凹みの底に届きません。柄付きたわしやデッキブラシで、目地の方向に沿って往復させると汚れが浮きやすくなります。目地についても、LIXILの案内ではセメント目地は磨耗に強いので目地も一緒にこすり洗いして構わないとされています。ただしこれは同社が販売するタイルの案内であり、弾性目地や樹脂系の目地はこすり方に注意が必要な場合があるため、素材が分からないときは弱い力から試してください。

玄関をきれいに保つ習慣と掃除の頻度の目安

掃除機をかける様子
写真はイメージです

玄関は汚れの入口である一方、汚れの量そのものは「持ち込まれる砂の量」でほぼ決まります。掃く回数を増やすより、入ってくる砂を減らすほうが手間が小さくて済みます。

  • 週1回、ほうきで掃くだけの日をつくる…砂が固着する前に出すのが最小の手間
  • 月1回、固く絞った雑巾で拭く…黒ずみが層になる前に止める
  • 年に1〜2回、洗剤を使ったこすり洗い…アルミの玄関ドアの清掃目安(年1〜2回程度)と合わせると忘れにくい
  • 屋外側に泥落としマットを置き、室内側の玄関マットと役割を分ける
  • 靴は乾いてからしまう。傘は玄関の外か、水受けのある傘立てで

玄関・窓・水まわりをまとめて片づけたいときは、順番を先に決めておくと戻り作業が減ります。家全体の段取りは大掃除の記事にまとめています。

自分でやる限界と業者に頼む目安|玄関まわりのクリーニング料金の幅

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

玄関だけのメニューは少なく「外まわりの高圧洗浄」に含まれることが多い

当メディア編集部が各社の公開料金表を確認したところ、「玄関タイルのクリーニング」という単独メニューを掲げている大手は多くありません。玄関ポーチやエントランスは、ベランダ・外壁・カーポートなどと同じ「外まわりの高圧洗浄」の枠に含まれる形が一般的です。たとえばダスキンのハウスクリーニングサービス(Sエリア)の料金表には、フロアクリーニングやカーペットクリーニングは掲載されていますが、玄関・ポーチ単独のメニューは見当たりませんでした。玄関だけを頼めるとは限らない、という前提で探すほうが空振りが減ります。

料金の目安(2026年8月時点)

出典 メニュー名 料金 対象範囲・条件
おそうじ本舗 ベランダ・外回り高圧洗浄 11,000円(税込)/式 ベランダ/カーポート/外壁/玄関ポーチ/エントランス/外構など、10㎡まで
おそうじ本舗 同・面積の追加 1,100円(税込)/㎡ 10㎡を超えた分を1㎡ごとに加算
おそうじ本舗 タイルのエフロ除去 3,300円(税込)/式 0.5㎡あたりの加算作業
くらしのマーケット ベランダ・バルコニークリーニング 9,900円〜12,000円(相場として掲載) 床面積10㎡が目安。出店者ごとに作業範囲と価格が異なる
ダスキン フロアクリーニング(参考) 11,425円(税込)〜/10㎡ フローリング・クッションフロアが対象。玄関ポーチ単独のメニューは掲載なし

※2026年8月時点で各社が公開している料金表を当メディア編集部が確認し、表記どおりに引用しました。出典はおそうじ本舗 ベランダ・外回り高圧洗浄くらしのマーケット ベランダ・バルコニークリーニングダスキン ハウスクリーニングサービス Sエリア 料金表です。くらしのマーケットの相場は出店者の掲載価格をもとにした目安で、税込・税別の別はページに明示されていません。おそうじ本舗は「高所作業の場合は別途費用が発生する場合がございます」「電気・水道・ガス・洗浄スペースをお借りします」「汚れの状況により、完全に除去できない場合がございます」とも案内しています。

数字を並べると横並びに見えますが、面積の数え方(10㎡までを一式とするか、1㎡単位か)と、水道・電源を借りる前提かどうかで実際の請求は変わります。ベランダとまとめて頼めば1回の出張で済むぶん、玄関だけを単発で頼むより割安になることもあります。

脚立を使う作業は、はじめから依頼の対象と考える

玄関の庇、ドアの上枠、玄関灯のカバーなど、脚立が要る高さの作業は自分でやらないと決めておくのが安全です。独立行政法人国民生活センターが公表した「思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落」(2019年3月28日公表・2024年9月12日更新)によると、脚立やはしごが関係する20歳以上の事故458件のうち転落事故が433件で約95%を占め、その半数以上(236件)が60〜70歳代でした。入院を要する事故が約半数の206件、死亡事故も3件報告されています。

同資料の消費者へのアドバイスでは、「脚立やはしごを使用しない方法を検討しましょう」「一人きりでの作業はやめましょう」「あらかじめ無理のない計画を立て、作業中の『あと少し』をなくしましょう」といった点が挙げられています。高い場所の汚れは、落とすことより落ちないことのほうが優先度は下です。

見積もりのときに確認したい5点

  • 作業範囲がどこまでか…たたきだけか、玄関ドア・框・下駄箱の外側まで含むのか
  • 追加料金が発生する条件…面積の超過、高所作業、エフロ除去などの特殊作業
  • 水道・電源を借りるか、養生の範囲と原状復帰の扱い
  • 損害賠償保険に加入しているか(タイルや扉を傷めた場合の対応)
  • キャンセル規定と、汚れが落ちきらなかった場合の説明の仕方

集合住宅では、業者に依頼する場合も共用部分での作業や水の使用について管理会社への連絡が必要なことがあります。見積もりの前に一報を入れておくと、当日になって作業できないという事態を避けられます。

玄関タイルの掃除のよくある質問(FAQ)

Q玄関タイルの掃除に重曹やセスキ炭酸ソーダは使えますか?

Aタイルの素材によります。重曹・セスキ炭酸ソーダはアルカリ性なので、天然石や人工大理石には向かない場合があります。株式会社LIXILのタイル建材のお手入れ案内でも、天然石には洗剤や漂白剤などに弱い性質のものがあり、案内している方法が当てはまらない場合があると注意されています。同社が玄関の床タイルに案内しているのは中性洗剤で、それでも落ちない場合の手段としてメラミンスポンジや液体クレンザーが挙げられています。まず中性洗剤から試し、アルカリ性のものを使う場合は目立たない場所で確認してください。なお、重曹やセスキの液をアルミの玄関ドアに使うのは避けてください(同社はアルミ製品にアルカリ性薬品を使用しないよう案内しています)。

Qサンポールやカビキラーで玄関タイルの黒ずみは落とせますか?

A商品名で判断せず、容器に書かれた液性と用途で判断してください。酸性タイプの洗浄剤も塩素系の洗浄剤も、玄関の床タイル向けにメーカーが第一に案内しているものではありません。そして最も避けるべきなのは、片方で落ちなかったからと同じ場所にもう片方を重ねることです。混ざると有毒な塩素ガスが発生するおそれがあり、消費者庁の表示ルールでも該当する製品には「まぜるな 危険」の表示が義務づけられています。使う場合は一方に絞り、その日は併用しないでください。

Qメラミンスポンジ(激落ちくんなど)は玄関に使えますか?

A場所によって答えが正反対になります。LIXILは玄関の床タイルについて、中性洗剤でも落ちにくい頑固な汚れにはメラミンスポンジや、たわしと液体クレンザーの併用が有効としています(磨耗が早いので交換しながら使う旨も案内されています)。一方でアルミの玄関ドアについては、メラミンスポンジ・クレンザー・金たわしを使わないよう案内しています。床には使えても、ドアには使わないと覚えておくと事故を防げます。天然石や光沢のある仕上げのタイルでは、つやが失われることがあるため目立たない場所で確認してください。

Q100円ショップの道具だけで玄関タイルの掃除はできますか?

Aほうき・ちりとり・デッキブラシ・スプレーボトル・雑巾はそろえられるので、作業自体は始められます。玄関掃除の道具として公式に案内されているのもホウキ・デッキブラシ・雑巾の3点で、特別なものは要りません。ただし柄の短いブラシは腰への負担が大きく、たたきが広い玄関では作業が続かないことがあります。使う頻度が高い道具だけ長柄のものにする、という配分が現実的です。

Q賃貸の玄関タイルはどこまで自分で掃除していいですか?

A掃き掃除や固く絞った雑巾での拭き掃除は通常の手入れの範囲ですが、水を大量に流す掃除、高圧洗浄機の使用、玄関扉に手を加える作業は、管理会社や貸主に確認してから判断してください。国土交通省のマンション標準管理規約でも、廊下やエントランスホールは共用部分の範囲に挙げられており、玄関扉は錠及び内部塗装部分だけが専有部分とされています。実際の扱いは物件ごとの契約書と管理規約によって異なります。削って傷めてしまうと退去時の負担につながることがあるため、強い道具に進む前に一度相談するのが安全です。

※この記事は2026年8月時点で各社・各機関が公開している内容を、当メディア編集部が読み取って整理したものです。参照先は株式会社LIXIL(玄関のタイル/タイル建材/玄関ドア・引戸アルミ製品のお手入れ・お掃除方法)、国土交通省(マンション標準管理規約)、消費者庁(家庭用品品質表示法・住宅用又は家具用の洗浄剤)、独立行政法人国民生活センター、ならびにおそうじ本舗・くらしのマーケット・ダスキンの公開料金表です。料金・サービス内容・公開情報は変更されることがあります。記載の方法で汚れが必ず落ちることをお約束するものではなく、洗剤・道具は製品の表示と使用方法に従ってお使いください。ご自宅の設備の取扱説明書や、お住まいの管理規約・賃貸借契約に別の定めがある場合は、そちらが優先されます。

まとめ

玄関タイルの掃除は、順番を決めるだけで結果がはっきり変わります。①ここは水を流せる場所かを管理規約で確かめる、②乾いた砂ぼこりをほうきで取り切る、③固く絞った雑巾か、こすり洗いで全体を落とす、④残った黒ずみだけに薄めた中性洗剤、⑤浮かせた汚れと水気を拭き取って乾かす——この5つの流れが土台です。

洗剤は「強いものへ一気に飛ばない」「塩素系と酸性タイプを同じ日に使わない」の2点を守れば、大きな失敗は避けられます。そして床タイルに有効な道具がアルミの玄関ドアでは使えないように、同じ玄関でも素材ごとにルールが違うことを覚えておいてください。脚立が要る高さ、広範囲の白い汚れ、集合住宅で水を使わざるを得ない作業は、無理をせず業者への相談に切り替えるのが、いちばん安く済む選択になることもあります。

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