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引っ越しのインターネットは何日前に手続きする?移転と新規契約の違い・工事と開通までの期間

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引っ越しの準備で、いちばん後回しにされやすいのがインターネットの手続きです。電気・ガス・水道は電話1本かWebの申し込みで日付を指定すれば済むのに、回線だけは「どこに連絡すればいいのか」から分からない、という声をよく聞きます。

理由ははっきりしています。回線には工事が絡み、しかも契約先が「回線の会社」と「プロバイダ」と「まとめて提供している会社」に分かれていて、引っ越し先のエリアによっては同じ契約を持ち越せないことがあるからです。ここを飛ばして荷造りを進めると、新居に入った初日にスマホのデータ通信だけで数週間しのぐことになります。

この記事では、NTT東日本・NTT西日本が公開している手続きページと工事の案内、総務省が公開している「電気通信サービスQ&A」、国土交通省の引越時期に関するページをもとに、いつ動けばよいか・自分の契約は移転で済むのか・工事と立ち会いは要るのかを順番に整理します。回線事業者やプロバイダの順位付けや料金比較はしません(当メディア編集部が公開情報を調査してまとめたものです)。

読者
来月引っ越すのですが、インターネットの手続きをまだ何もしていません。今から連絡すれば間に合いますか?
編集部
まず「今の契約をそのまま引っ越し先へ移せるのか」を確かめるところからです。ここが決まらないと、どこに何日前までに連絡すべきかも決まりません。順番に見ていきましょう。

【一言でいうと】引っ越しのインターネットは「移転」か「解約+新規」かを先に決める

引越し中の家族
写真はイメージです

引っ越しのインターネット手続きは、細かい作業に見えて、実は最初のひとつの判断でほとんど決まります。今の契約を引っ越し先へ持っていく「移転」なのか、いったん解約して新しく契約し直すのか、この二択です。

そして、この二択は好みで選べるとは限りません。引っ越し先のエリアや建物の設備によっては、移転を選べず解約になる場合があるからです。まずは全体像を4つのルートで押さえてください。

ルート こんな場合 引っ越し先で起きること 連絡する先
移転(同じ契約のまま使う) 同じエリア内での引っ越しで、契約内容を変えない 移転の工事日を調整。工事費がかかる場合がある 今契約している会社
契約内容を見直して継続 引っ越しを機にプランや建物タイプが変わる プラン変更を伴う移転。機器の交換や再設定が必要になる場合がある 今契約している会社
解約+新規契約(乗り換えを含む) エリアをまたぐ/引っ越し先で今の回線が使えない/別の会社にしたい 旧居の契約を終わらせ、新居で新規の申し込みと工事 今の会社と、新しく申し込む会社の両方
解約のみ 引っ越し先が回線設備込みの物件/しばらく契約しない 機器の返却と、場合によっては撤去工事 今契約している会社

※各社が公開している2026年8月時点の手続き案内を当メディア編集部が整理したものです。実際の可否と費用はご契約の内容によって異なります。

迷ったときの判断材料はこの順番です。①引っ越し先は今と同じエリアか、②今の契約先はどこか、③引っ越し先の建物にすでに設備があるか。次の章から、この3つを順に確かめていきます。

インターネットの引っ越し手続きは何日前から?開通までにかかる期間の目安

図解
当メディア編集部作成

「何日前までに」という一律の締め切りは、残念ながらありません。工事が要るかどうかで所要日数が大きく変わるためです。ただし、事業者が公開している目安と、公的機関が注意喚起している内容から、動き出す時期の感覚はつかめます。

目安として公開されている期間と、それが延びる条件

NTT西日本は、フレッツ光のお引越し手続きのページで、NTT西日本エリア内で引っ越す場合について「引越し先でネットが使えるようになるまでは2~4週間ほどかかります」と案内しています。同ページは手続きの流れを「お申し込み→お引越し→開通工事→接続設定→ご利用開始」の5ステップで示しており、工事は引っ越したあとに実施される前提で組まれています。

この2〜4週間はあくまでエリア内での移転についての目安です。エリアをまたぐ場合、建物の設備調査が必要な場合、新築で住所が確定していない場合などは、ここに日数が上乗せされます。

もう少し重い注意も出ています。総務省の電気通信サービスQ&A(2026年度)は、固定電話・インターネット接続サービスを選ぶときの確認点として「サービス料金以外の工事費やモデムレンタル料の有無、工事完了の時期、サービス提供開始までの期間等をよく確認しましょう」と述べたうえで、「特に光回線は契約時から数ヶ月経っても工事が完了しないといったトラブルが生じています」と記しています。数週間で終わるとは限らない、という前提で予定を立てるほうが安全です。

「新居が決まり次第」が実質の締め切りになる理由

手続きに必要な情報は、引っ越し先の住所と、今の契約者名義・お客さまID・工事の希望日です。NTT東日本のフレッツ光のお引越し手続きのページも、必要なものとして新居の住所、利用中の電話番号と契約者名義またはお客さまIDと契約者名義、工事の希望日を挙げています。

つまり、新居の住所が確定した時点で申し込みに必要な材料はそろうということです。荷造りや役所の手続きより先に片づけてしまって構いません。工事の希望日が埋まっていく前に枠を押さえる、と考えると分かりやすいと思います。

3月・4月に動く人が気をつけること

国土交通省は引越時期の分散に向けたお願いのページで、「例年、引越事業においては、3月から4月にかけて依頼が集中している」として、ピーク時期の引越を避けるなどの協力を呼びかけています。引っ越しそのものがこの時期に集まるということは、新居で回線を使い始めたい日も同じ時期に集まりやすいと考えられます。

この時期に動くなら、工事日の希望を第3候補まで用意しておく、開通が引っ越し日に間に合わない前提で代替手段を先に決めておく、という構えのほうが現実的です。引っ越し時期そのものをずらせる方かどうかで打てる手が変わるので、時期の考え方はこちらもあわせてご覧ください。

「移転」と「解約+新規契約」はどう違う?自分の契約がどれかを調べる順番

書類の整理・保管の様子
写真はイメージです

移転は、契約を続けたまま利用場所を変える手続きです。解約+新規は、いったん契約を終わらせて新しい契約を結び直すことを指します。手続きの窓口も、かかる費用の項目も、これで変わります。

まず「どこと契約しているか」を契約書面・請求書で確認する

ここでつまずく方がとても多い部分です。光回線は、回線を提供している会社と、インターネット接続を提供しているプロバイダが別々の場合と、まとめて1社が提供している場合(いわゆる光コラボレーションモデル)があります。

NTT東日本のインターネット(フレッツ光)・電話のかんたん手続きサイトは、引っ越しの手続きを「引越し先のエリア」→「手続きを行うサービス」→「引越し先でのご利用について」の順に選ぶ形になっています。サービスの選択肢は「NTT東日本のインターネット(フレッツ光)」「インターネット(コラボ光)」「ひかり電話」「加入電話」に分かれており、「インターネット(コラボ光)」を選ぶと「契約中の光コラボ回線事業者へお問い合わせ下さい」と案内されます。NTTに電話しても手続きできない契約がある、ということです。

自分がどれなのかは、毎月の請求元と、契約時に受け取った契約書面で確認できます。総務省の電気通信サービスQ&Aも、契約内容が分からなくなった場合や解約したい場合は、まず自身の契約書面をチェックするよう案内しています。請求書が電子化されていて見当たらない方は、支払いに使っているクレジットカードの明細で請求元の名前を確認するのが早い方法です。

引越し先のエリアが変わると扱いが変わる

NTT東日本とNTT西日本はエリアが分かれています。NTT東日本のお引越し手続きのページは、NTT東日本エリアを「北海道・青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・長野・新潟の都道県です」と定義しています。

このエリアをまたぐと、同じ契約を持ち越すことはできません。NTT西日本のお引越し手続きのページは、NTT西日本エリアから転出する場合について「NTT西日本のフレッツ光回線はご解約となります。引き続きNTTサービスのご利用をご希望の方は、別途NTT東日本へお申し込みください」と明記しています。東西をまたぐ引っ越しは、実質的に解約+新規契約になると考えて日程を組んでください。

解約と新規が別々の手続きになるということは、旧居の解約日と新居の開通日を自分で合わせる必要があるということでもあります。引っ越し全体の段取りのなかでどこに置くかは、こちらの記事の時系列に当てはめると整理しやすいはずです。

引っ越しを機に乗り換えるなら「事業者変更」という枠組みがある

光コラボレーション事業者どうしで契約先を変える場合は、「事業者変更」という手続きが用意されています。NTT西日本の事業者変更とはのページによると、現在契約している光コラボレーション事業者から「事業者変更承諾番号」を受け取り、新たに申し込む事業者へ手続きする流れです。

同ページは、承諾番号の受け取りは販売代理店ではなく契約者本人による手続きが必要であること、有効期限内に手続きが必要で「弊社システムによる有効期限は、NTT西日本より現在ご契約の光コラボレーション事業者さまへの発行日から15日間となります」と記しています。あわせて、利用中のメールアドレスが使えなくなったり、契約中の事業者への契約解除料等がかかる場合があるとも書かれています。

当メディアでは、どの会社に乗り換えるべきかという順位付けはしません。判断に必要なのは、今の契約でいくら請求されるのか、新しい契約で何がいくらになるのかを、両方の書面で並べて見ることだけです。同ページも、現在の利用料金と新たな利用料金の確認が必要だと案内しています。

引っ越し先で工事は必要?立ち会いが要る場合と要らない場合

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

「工事なしで使えないか」という検索が多いのは、立ち会いのために仕事を休む段取りが読めないからだと思います。ここは、条件がはっきり公開されています。

「光コンセントがあるか」で分かれる

NTT東日本のフレッツ光 開通工事の流れ(戸建て向け)のページは、工事当日の立ち会いについて「お住まいの設備環境(お客さまのご利用環境など)によって、工事担当者がお伺いする『派遣工事』とお伺いしない『無派遣工事』に分かれます」と説明し、判断基準を次のように示しています。

区分 判断基準 概要
立ち会いが必要(派遣工事) 光ファイバーケーブルが住宅内に引き込まれていない場合/光コンセントが住宅内に設定されていない場合 工事担当者が訪問して工事を実施。工事時間はおよそ2時間程度で完了。お客さま(または代理の方)の立ち会いが必要
立ち会いが不要(無派遣工事) 住宅内に光ファイバーケーブルが引き込まれており、かつ光コンセントも設置されている場合/転用・事業者変更で光回線を乗り換える場合 工事担当者は訪問せず、送られてくる案内と接続機器を使って自分で接続・設定する

※出典:NTT東日本「フレッツ光 開通工事の流れ(戸建て向け)」(2026年8月時点)。集合住宅や他の事業者のサービスでは条件が異なる場合があります。

つまり、内見のときや鍵の引き渡しのときに壁に光コンセントが付いているかどうかを見ておくと、立ち会いの要否がかなり読めます。前の入居者が光回線を使っていた部屋なら、設備が残っていることがあります。

同ページは、戸建ての場合の工事の流れとして、住宅近くの電柱から光ケーブルを住宅へ引き込む工程を挙げ、「電話用の配管かエアコンダクトを共用して行う場合が多いですが、住宅の状況によっては壁に穴を空けて(約10mm程度)引き込みを行うケースもあります」と説明しています。工事の内容は建物の状況で変わる、ということです。

賃貸・マンションで先に確認しておくこと

壁に穴を空ける可能性がある以上、賃貸物件では申し込みの前に貸主または管理会社へ確認しておくのが順番です。承諾が取れないまま工事日を決めてしまうと、当日に作業が中止になり、日程を取り直すことになります。

集合住宅では、建物までは回線が来ていても、住戸まで引き込む方式(配線方式)によって使えるサービスや速度が変わります。募集図面に「インターネット完備」「インターネット無料」と書かれている物件は、貸主側が設備を用意しているため個別の契約自体が不要なこともあります。この場合、旧居の契約は解約のみで済みます。

入居前に管理会社へ聞いておきたいのは、①建物にどの回線が入っているか、②住戸内に光コンセントがあるか、③個別に回線を引く場合の工事の可否と手続き、の3点です。これは物件ごとに答えが違うので、Web上の一般論では埋まりません。

解約金・工事費の残債はいくら?契約によって違うので確認する場所を決める

スマホ・パソコンを操作する様子
写真はイメージです

ここは金額を断定できない領域です。契約時期・契約期間・工事の内容によって変わるからです。ただし、上限のルールと計算の考え方は公開されているので、自分の請求書を読む手がかりにはなります。

2022年7月以降に結んだ契約には上限のルールがある

総務省の電気通信サービスQ&A(2026年度)は、「2022年7月以降に締結された契約(法人契約を除く。)については、原則として、サービスの月額料金相当額が違約金の上限となりました」と説明しています。同資料は、解約時に利用者に請求できる金額として、解約時までに提供されたサービスの利用料、違約金(サービスの月額料金が上限)、開設工事費等の残債、撤去工事費等、事業者変更のための手続費、レンタル物品の使用料などを挙げています。

工事費の残債については計算の考え方も示されています。同資料は「例えば、24か月契約の電気通信サービスについて、10か月目にサービスが解約された場合、工事費等の(24-9)/24を請求できます」としています。契約期間が進むほど残債は小さくなり、契約満了時にはゼロになるという設計です。撤去工事費等については、事業者都合によるものは契約期間に応じて低減し契約満了時にゼロとなる額、利用者都合によるものは全額と記されています。

なお、これは2022年7月以降に締結された契約についてのルールです。それより前から同じ契約を続けている場合は扱いが異なることがあるため、ご自身の契約書面で確認してください。

移転工事費として公開されている金額の例

移転そのものにも工事費がかかります。NTT東日本は、お引越し前に「フレッツ 光クロス」「フレッツ 光ネクスト」を利用している場合の移転工事費(標準的な工事の場合)として、同社ホームページから申し込んだ場合は屋内配線新設22,000円・屋内配線既設11,660円、それ以外から申し込んだ場合は屋内配線新設23,100円・屋内配線既設12,760円と公開しています(いずれも税込)。土日休日に工事を実施する場合は、これに加えて3,300円がかかり、初回に支払う扱いです。年末年始に工事を実施する場合は料金が異なるとされています。

NTT西日本は、移転工事費(一括払い・通常)としてフレッツ 光クロスやフレッツ 光ネクストのファミリータイプ等で22,000円(同社公式サイト以外から申し込みの場合は23,100円)、マンションタイプのVDSL方式・LAN方式で11,660円(同12,760円)を公開しています。あわせて西日本エリア内での引越しなら移転工事費が割引されるとして、割引適用時の金額を前者11,000円(同12,100円)、後者9,900円(同11,000円)としています(いずれも税込・一括払いの場合)。

※出典:NTT東日本「フレッツ光のお引越し手続き」/NTT西日本「フレッツ光 お引越し手続き」(いずれも2026年8月時点の公開情報・税込)。工事の内容によって金額が異なる場合があり、オプションサービスの工事費は別途かかる場合があります。

分割払いを選んでいる場合の注意も両社が書いています。NTT東日本は「分割払いの場合は、途中でフレッツ光を解約される場合、移転工事費の残額を一括でお支払いただきます」とし、さらに2026年4月1日以降の申し込み分より、解約の際に申し出による派遣工事、または建物の都合で派遣工事が必要となる場合は撤去工事費がかかると案内しています。NTT西日本も、分割払いの途中で解約した場合は工事費の残額を一括で支払う旨を記載しています。

請求されないものとして示されているもの

逆に、請求できないものも整理されています。総務省が消費者保護ルールのページで公開している2022年7月1日施行の改正内容の資料は、請求できないものの例として、解約手数料(利用者の便宜を図るためのオプション手続の料金を除く)、事業者変更手数料(同)、実際に工事が行われない場合の工事費、レンタル物品返送料(利用者が他の返送手段を選べる場合を除く)を挙げています。

同じ資料には、事業者が「利用者が遅滞なく解約できるようにするための措置」を講じることが義務化されたことも書かれています。禁止される行為の例として、契約手続と比較して解約手続の電話が繋がりにくいこと、利用者が望まない引き止めを行うなど利用者の意に反して解約を遅延させることが挙げられています。解約の連絡が取りづらいと感じたときに、この記載を知っているだけでも粘り方が変わるはずです。

開通までネットが使えない期間の過ごし方と、代替手段の選び方

引越しの荷ほどきをする夫婦
写真はイメージです

工事日が引っ越し日のあとになるのは珍しいことではありません。前の章で見たとおり、NTT西日本の手続きの流れも「お引越し」のあとに「開通工事」が置かれています。空白が出る前提で、しのぐ手を先に決めておきましょう。

短期間だけしのぐ場合に確認すること

数日から2週間程度なら、手持ちのスマートフォンのテザリングで足りる場合があります。確認するのは、契約しているデータ容量、容量を超えたときの速度制限、テザリングの利用可否と上限の4点です。在宅勤務のビデオ会議や、大きなファイルのやり取りがある方は、通常の月の何倍の通信量になるかを想像しておいてください。

  • 数日〜2週間・軽い用途 → 手持ちのスマホのテザリングで足りるか、データ容量から逆算する
  • 2週間以上・在宅勤務あり → 短期レンタルのモバイルルーター、または据置型Wi-Fiルーターを検討する
  • スポットで済む作業 → 図書館・コワーキングスペースなど、契約なしで使える場所を先に調べておく
  • どれも難しい → 工事日を優先して引っ越し日を決められないか、逆算し直す

「実質0円」で契約する前に見る場所

つなぎのつもりで据置型Wi-Fiルーター(携帯電話ネットワークにつながったWi-Fiルーター)を契約する場合は、契約の形を確認してください。総務省の電気通信サービスQ&A(2026年度)は、据置型Wi-Fiサービスについて「一定の契約期間のもと、当該契約期間を通じた分割払いによりルーターを購入し、その分割払いの額を毎月の通信費から割引する(ルーター購入による追加の費用が実質的には発生しない)形で契約するものがほとんどです」と説明しています。

そのうえで同資料は、「実質0円」といったキャンペーンで高額な端末販売価格を認識しないまま契約し、その後解約する際に高額の残債を請求されて発覚するケースも見受けられると注意を促しています。つなぎで使うつもりなら、解約時期がキャンペーンの前提とかみ合っているかを申し込み前に確かめる必要がある、ということです。

同資料は、契約後の解除についても触れています。「初期契約解除」は契約書面の受領日を初日とする8日間が経過するまでは、電気通信事業者との合意なく利用者の都合のみにより契約を解除できる制度で、固定通信では光回線によるインターネットサービスなどが対象として挙げられています(2026年3月末時点)。ただし、解除しても契約解除までに利用したサービスの利用料や契約解除までに行われた工事の費用、事務手数料は契約に基づき支払う必要があるとも記されています。適用されるかどうかと申し出の方法は契約書面に記載されるとされているので、自分の契約に当てはまるかは書面で確認してください。

旧居側でやること|解約の連絡先・機器の返却・撤去工事

入居前の空室
写真はイメージです

新居のことばかり考えていると、旧居側の始末が抜けます。ここを落とすと、使っていない回線の料金を払い続けることになります。

「1本電話すれば全部終わる」とは限らない

総務省の電気通信サービスQ&A(2026年度)は、「インターネット接続サービスでは、契約時はインターネットサービスプロバイダ(ISP)が回線事業者の契約の取次ぎをする場合がありますが、解約時には、ISPと回線事業者のそれぞれと解約手続きをすることが必要な場合もあるので注意が必要です」と記しています。申し込みが1回だったからといって、解約も1回とは限りません

同資料は、他のインターネット接続サービスを契約したまま新しい契約を結ぶ場面についても、「その解約も忘れずにしましょう。解約には違約金を伴うこともあるので、新たな契約に先立ち、現在使っているサービスの違約金などの解約条件をよく確認してください」と案内しています。乗り換えの申し込みだけ済ませて安心してしまうのが、いちばん多い取りこぼしです。

機器の返却と撤去工事

レンタルしているONUやホームゲートウェイ、無線LANカードは返却が必要です。総務省が公開している2022年7月1日施行の改正内容の資料は、レンタル物品について、未返却・損壊の場合は再調達価額を請求できること、返送費用が利用者負担となること自体は禁止されていないこと、ただしいずれの場合もその点が説明書面に明記されている必要があることを示しています。返送料の扱いは契約先ごとに違う、と考えてください。

撤去工事については、前の章で触れたとおり、NTT東日本が2026年4月1日以降の申し込み分から、解約時に申し出による派遣工事または建物の都合で派遣工事が必要となる場合に撤去工事費がかかると案内しています。賃貸で退去する場合は、原状回復の話とも絡むので、解約の連絡と同時に管理会社にも撤去の要否を聞いておくと二度手間になりません。

回線の手続きが片づいたら、役所の窓口で済ませる手続きと、住所変更が必要な民間の契約が残ります。どちらも期限があるものが含まれるので、順番はこちらで確認してください。

引っ越しのインターネット手続きのよくある質問(FAQ)

Qインターネットの引っ越し手続きは何日前までにすればよいですか?

A一律の期限はありません。目安として、NTT西日本はNTT西日本エリア内の引越しについて「引越し先でネットが使えるようになるまでは2~4週間ほどかかります」と公開しています。ただし総務省は、光回線で契約時から数ヶ月経っても工事が完了しないトラブルが生じていると注意喚起しています。手続きに必要なのは新居の住所・契約者名義やお客さまID・工事の希望日なので、新居の住所が確定した時点で申し込むのが実質的な締め切りだと考えてください。3月・4月は引越しの依頼自体が集中する時期にあたります。

Q工事なしでインターネットを使えることはありますか?

Aあります。NTT東日本は、住宅内に光ファイバーケーブルが引き込まれており、かつ光コンセントも設置されている場合や、転用・事業者変更で光回線を乗り換える場合を「無派遣工事」(工事担当者が訪問しない)として案内しています。この場合は送られてくる案内と接続機器を使って自分で接続・設定します。逆に、光ファイバーが引き込まれていない、光コンセントが設置されていない場合は派遣工事となり、立ち会いが必要です。引っ越し先の壁に光コンセントがあるかどうかが最初の手がかりになります。

Q引っ越し先で解約したいのですが、違約金や工事費の残りはいくらかかりますか?

A契約時期・契約期間・工事内容で変わるため、当メディアで金額を断定することはできません。考え方としては、総務省が、2022年7月以降に締結された契約(法人契約を除く)は原則としてサービスの月額料金相当額が違約金の上限になったと説明しています。工事費等の残債は契約期間に応じて低減し、契約満了時にはゼロになる設計だとされています。実際の金額は契約書面と、契約先の窓口での確認が必要です。

Q引っ越し先が「インターネット無料」の物件です。今の契約はどうすればよいですか?

A貸主側が設備を用意している物件では、入居者が個別に回線を契約しなくてよい場合があります。その場合、今の契約は解約のみで済みます。ただし、無料で使える設備の内容(速度や同時利用の条件)は物件によって異なるため、在宅勤務などで安定した通信が必要な方は、契約前に管理会社へ具体的な提供内容を確認しておくことをおすすめします。個別に回線を引きたい場合は、その工事が可能かどうかもあわせて聞いておくと安心です。

Q引っ越しの日までに開通が間に合わないことが分かりました。どうすればよいですか?

A開通は引っ越しのあとになる前提で流れが組まれていることが多く、珍しいことではありません。まずは工事の日程を確定させ、そのうえで空白期間の長さに合わせて手を打ちます。数日から2週間程度で軽い用途なら手持ちのスマートフォンのテザリング、それより長い場合や在宅勤務がある場合は短期レンタルや据置型Wi-Fiルーターの検討になります。据置型Wi-Fiルーターを契約する場合は、総務省が注意を促しているとおり、解約時の端末の残債がどうなるかを申し込み前に確認してください。

※この記事は2026年8月時点で各社・各機関が公開している内容を当メディア編集部が読み取り、整理したものです。参照先はNTT東日本「フレッツ光のお引越し手続き」「フレッツ光 開通工事の流れ(戸建て向け)」「インターネット(フレッツ光)・電話のかんたん手続きサイト」、NTT西日本「フレッツ光 お引越し手続き」「事業者変更とは」、総務省「電気通信サービスQ&A(2026年度)」および消費者保護ルールの改正内容の資料、国土交通省「引越時期の分散に向けたお願い」の各ページです。掲載した金額はいずれも税込・執筆時点の公開情報で、工事の内容やご契約の条件によって異なります。解約金・工事費の残債・撤去工事の要否はご契約ごとに異なるため、最終的な判断は契約書面と各社の窓口でご確認ください。

まとめ

引っ越しのインターネットは、最初に「移転で持っていくのか、解約して新しく契約し直すのか」を決めるところから始まります。東西のエリアをまたぐ場合は移転を選べず解約になりますし、光コラボレーション事業者と契約している場合はNTTではなくその事業者が窓口です。契約書面か請求元の名前を確認するところから手をつけてください。

動き出す時期は「新居の住所が決まったらすぐ」です。NTT西日本はエリア内の引越しで2〜4週間ほどかかると公開していますが、総務省は数ヶ月経っても工事が完了しないトラブルにも触れています。3月・4月は引越しの依頼が集中する時期でもあるので、工事日の候補を複数用意し、開通が間に合わない前提で代替手段まで決めておくと慌てずに済みます。

費用については、金額を先に知ろうとするより、確認する場所を決めるほうが早く進みます。2022年7月以降の契約なら違約金は原則として月額料金相当額が上限で、工事費の残債は契約期間に応じて減っていく設計です。そのうえで、旧居側の解約はプロバイダと回線事業者の両方に必要な場合があること、レンタル機器の返却と撤去工事が残ることを忘れないでください。ここまで押さえておけば、引っ越し当日にネットのことで慌てる場面はかなり減らせるはずです。

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