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賃貸の退去手続きの流れ|解約の連絡は何日前?立会いと鍵返却までの順番

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引越しが決まって物件探しは動き出したものの、今住んでいる部屋のほうは「いつ、誰に、何を連絡すればいいのか」が手つかずのままになっていませんか。退去は一生に何度も経験するものではないため、順番が分からないまま日だけが過ぎてしまいがちです。

退去でやることは、大きく分けると「解約の連絡」「退去日の確定」「ライフラインなどの手続き」「立会い」「鍵の返却」「精算」の6つです。このうち最初の解約の連絡だけは期限があり、遅れると余分な家賃が発生することもあるため、真っ先に手を付ける必要があります。

この記事では、当メディア編集部が国土交通省の「賃貸住宅標準契約書」と「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」のQ&Aを調査し、退去という事務手続きが、どの順番で、どこまでを契約書で確認すべきものなのかを整理しました。部屋の掃除をどこまでやるかという話ではなく、手続きの地図として読んでいただければと思います。

読者
来月引っ越すことになりました。管理会社にはまだ何も言っていないのですが、退去って何日前までに連絡すればいいんでしょうか。
編集部
そこが最優先です。期間は契約ごとに違うので、まず契約書を開くのが正解ですよ。国が示しているひな形では「少なくとも30日前」と定められています。順番に見ていきましょう。

【一言でいうと】賃貸の退去とは?連絡から鍵の返却までの6ステップ

空室・引越し前後の部屋の様子
写真はイメージです

賃貸の退去とは、契約を終わらせる意思を伝えたうえで、荷物を運び出し、部屋を貸主に明け渡すまでの一連の手続きのことです。作業としては引越しと重なりますが、手続きの起点はあくまで「解約の申し入れ」であり、ここだけは自分から動かないと始まりません

退去手続きの流れ 早見表

全体像を先に押さえておくと、どこで手が止まりやすいかが見えてきます。時期の目安は契約や物件によって前後するため、確定させるのは契約書と管理会社からの案内です。

順番 やること 時期の目安 相手・確認先
1 解約の申し入れ(退去の連絡) 契約書に定められた予告期間より前 管理会社または貸主
2 退去日・立会い日の確定 解約の連絡と同時か直後 管理会社または貸主
3 ライフライン・住所変更などの手続き 退去日の1〜2週間前をめど 契約している各事業者・役所
4 荷物の搬出と退去立会い 退去日当日、または前後の指定日 管理会社の担当者など
5 鍵の返却(明渡し) 立会い時、または指定された方法で 管理会社または貸主
6 精算(敷金の返還・費用の請求) 明け渡したあと 管理会社または貸主

この6つのうち、期限を過ぎると取り返しがつきにくいのは1番だけです。残りは連絡と調整で動かせる余地があるため、まずは1番に集中してください。

「解約」と「退去」は何が違うのか

日常会話ではほぼ同じ意味で使われますが、契約書の上では別の行為として扱われています。国土交通省が公表している賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)では、借主から契約を終わらせることは第11条「乙からの解約」、物件を引き渡すことは第14条「明渡し」と、別々の条に分けて定められています

解約は「契約を終わらせます」という意思表示、退去(明渡し)は「部屋を空にして返す」という行為です。解約の申し入れをした日と、実際に部屋を出る日が同じとは限らないため、この2つは分けて考えておくと、管理会社とのやり取りが噛み合いやすくなります。

退去の連絡は何日前まで?解約予告の期間は契約書で確認する

最初に断っておくと、解約予告の期間は契約ごとに異なるため、この記事では「あなたの場合は何日前」とお答えできません。確認すべきなのは、手元の賃貸借契約書に書かれている解約に関する条項です。

そのうえで一般的な目安として参考になるのが、国土交通省の賃貸住宅標準契約書です。同省の公式ページでは、この契約書を「賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、住宅宅地審議会答申(平成5年1月29日)で作成した、賃貸借契約書のひな形(モデル)」と説明しています。

図解
当メディア編集部作成

そのひな形の第11条第1項には、「乙は、甲に対して少なくとも30 日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる」と定められています(甲=貸主、乙=借主)。さらに第2項では、解約申入れの日から30日分の賃料を支払うことにより、申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に解約できるという定めも置かれています。

つまり、モデルの上では「30日前の予告」か「30日分の賃料の支払い」のどちらかで解約できる形になっています。実際の契約書では1か月前、2か月前など期間の書き方が分かれており、ひな形どおりとは限りません。ひな形はあくまで参考として示されているものなので、必ず自分の契約書の文言で確認してください。

出典:国土交通省 住宅:『賃貸住宅標準契約書』について賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)PDF(2026年8月時点)

連絡先は管理会社か貸主のどちらかで、これも契約書に記載があります。多くの場合は電話やメールで受け付けたうえで、解約通知書や解約届といった所定の書式の提出を求められます。口頭で伝えただけで手続きが完了したと思い込まないことが、後々のずれを防ぐうえで大切です。書式の名称や提出方法は会社ごとに違うため、連絡した際に「何をいつまでに出せばよいか」を必ず聞き取っておきましょう。

退去日の決め方|家賃の日割りと新居の入居日

退去日を決めるときに気になるのが、月の途中で出た場合の家賃です。標準契約書の第4条第2項には「1か月に満たない期間の賃料は、1か月を30 日として日割計算した額とする」という定めがあり、共益費についても第5条第3項に同様の記載があります。

ただし、これもひな形の内容です。実際の契約では日割りではなく当月分を満額とする書き方もあり、日割りの有無や計算方法は契約書の記載によって変わります。金額を自分で計算して確定させるのではなく、解約の連絡をするときに「退去日を◯日にした場合、家賃はいつ分まで発生するか」を管理会社に確認するのが確実です。

もうひとつ考えたいのが、新居の入居日との重なりです。旧居の契約が終わる前に新居の家賃が始まると、その期間は二重に家賃がかかります。反対に隙間を空けすぎると、荷物の置き場所や住民票の扱いで別の手間が生じます。予告期間の起算日と新居の契約開始日を並べて見ながら、無理のない退去日を組み立ててください。

退去日までに済ませる手続き|ライフラインと住所変更の段取り

引越しの荷物と新居の様子
写真はイメージです

退去日が決まったら、部屋に紐づいている契約をひとつずつ止めていきます。手続きの相手は物件ではなく各事業者なので、管理会社に伝えただけでは止まりません。

電気・ガス・水道は、契約している事業者へ使用停止の連絡を入れます。地域や物件によって事業者が異なるため、検針票や請求書、マイページなどで契約先を確認してから連絡してください。ガスについては、閉栓の作業に立会いを求められる場合があります。求められるかどうかはメーターの設置場所などによって変わるので、連絡した時点で確認しておくと当日の予定を組みやすくなります。

あわせて忘れやすいのが、火災保険(借家人賠償責任保険を含むもの)、家賃保証会社との契約、インターネット回線、宅配ボックスやカードキーなどの付帯サービスです。解約の手続きが必要なものと、賃貸借契約の終了に連動するものが混ざっているため、契約書と入居時に受け取った書類を一度並べて棚卸ししておくと漏れが出にくくなります。郵便物の転送届も、旧居に届く郵便を追いかけずに済むよう早めに出しておきたいところです。

引越し全体で何をいつまでにやるかの時系列と、転出届・転入届といった役所の手続きは、それぞれ別の記事で詳しく扱っています。退去の手続きと並行して進めることになるので、あわせて確認してみてください。

退去立会いとは?当日の流れと持ち物

書類を整理・記入する様子
写真はイメージです

退去立会いは、借主と管理会社の担当者などが部屋の中を一緒に見て回り、室内の状態を確認する場です。荷物をすべて運び出したあとに行うのが一般的で、所要時間は間取りや確認する項目によって変わります。

立会いが手続きの中でどう位置づけられているかは、標準契約書の第15条第2項に手がかりがあります。そこには、甲および乙は本物件の明渡し時において、契約時に特約を定めた場合は当該特約を含め、別表第5の規定に基づき乙が行う原状回復の内容および方法について協議するものとする、と書かれています。一方的に費用を言い渡される場ではなく、内容と方法を話し合う場として設計されている、という理解が出発点になります。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」のQ&Aにも、入居時と退去時においては、賃貸人・賃借人双方が立ち会い、チェックリストを活用するとともに、写真を撮るなどして物件の状況を確認しておくことがトラブルを避けるために大変有効な方法である、という記載があります。その場でスマートフォンの写真を残しておくことは、公式に勧められている行動です。

確認書類にサインを求められることもあります。同Q&Aでは、確認された内容にもよるとしたうえで、単に損傷があることの確認であれば原状回復費用負担について了承したものではないと考えられる、という説明が示されています。とはいえ、何を確認する書類なのかが分からないままサインするのは避けたいところです。書面の表題と項目を読み、その場で分からないことは分からないと伝えて構いません

なお、立会いを行わずに鍵の郵送などで済ませる運用や、代理人が立ち会う運用もあります。どちらになるかは管理会社の方針や物件の状況によるため、退去日を決める段階で「立会いはあるか、日時はいつか、誰が来るか」を確認しておきましょう。

立会いのときに手元に置いておくもの

  • 賃貸借契約書と、入居時に受け取った書類一式(物件状況の確認リストなど)
  • 入居時に撮った写真や、もともとあった傷・汚れの記録
  • 返却する鍵をすべて(後述のとおり本数の確認が必要)
  • 本人確認書類と筆記具、印鑑(求められる場合がある)
  • その場の状態を記録するためのスマートフォン
  • 敷金の返還先として指定する口座の情報

鍵の返却と明渡し|いつ・どこに・何本返すか

家の鍵を手渡す様子
写真はイメージです

鍵を返した時点で、部屋は貸主の手に戻ります。標準契約書の第14条は、乙は本契約が終了する日までに本物件を明け渡さなければならないと定め、第2項で明渡しをするときには明渡し日を事前に貸主へ通知しなければならないとしています。退去日をひとりで決めて当日いきなり鍵を置いていく、という段取りは想定されていません。

返す本数にも注意が必要です。標準契約書の頭書には設備等を書き込む欄があり、鍵については「鍵No.・本」という形で本数を記載する欄が設けられています。入居時に受け取った本数がそのまま返却の基準になるため、契約書と入居時の書類で本数を確認してください。自分で作った合鍵も返却の対象になるのが一般的です。手元に残したままにせず、まとめて返しましょう。

渡し方は、立会いの場で直接手渡す場合と、指定の宛先へ郵送する場合があります。郵送を指示された場合は、追跡できる方法で送り、いつ発送したかを記録しておくと安心です。どちらにするかは管理会社の案内に従ってください。

もうひとつ、家具や家電を部屋に残したまま引き渡すのは避けたいところです。残置物の処分にかかった費用は後から請求されることがあり、退去日直前に慌てて処分先を探すことになりがちです。鍵を返す日から逆算して、粗大ごみの申し込みや処分の段取りを先に済ませておきましょう。

鍵を紛失していて返せないときの動き方と、退去前の掃除をどこまでやるかという線引きは、それぞれ別の記事で扱っています。

退去後の精算はいつ?敷金の返還と請求のタイミング

書類の整理・保管の様子
写真はイメージです

敷金がいつ戻るのかは、退去手続きの中でいちばん問い合わせが多いところかもしれません。順番としては、明け渡しが先で、精算はそのあとです。

国土交通省の原状回復ガイドラインのQ&Aには、建物を明け渡してはじめて賃借人は敷金返還を賃貸人に対して請求することができます、と記載されています。鍵を返す前の段階で返還を求められる性質のものではない、ということです。

標準契約書の第6条第3項は、甲は本物件の明渡しがあったときは遅滞なく敷金の全額を乙に返還しなければならないとしたうえで、明渡し時に賃料の滞納や原状回復に要する費用の未払いなどがある場合には、その債務の額を敷金から差し引いた額を返還する、という形になっています。さらに第4項で、差し引く債務の額の内訳を借主に明示しなければならないと定められています。

出典:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)PDF(2026年8月時点)

実際に振り込まれるまでの日数は契約書に記載されていることが多く、期間の書き方は契約によって異なります。いつ戻るかを知りたいときも、まず開くのは契約書です。届いた精算書は、差し引かれた項目の名目・数量・単価が読み取れるかどうかという目で確認してください。ガイドラインのQ&Aには、賃借人は原状回復費用の内容・内訳の明細を請求し、説明を求めることができます、という記載もあります。

なお、どの項目がどちらの負担になるかという原状回復の考え方そのものは、この記事の範囲を超えます。金額の妥当性をこの記事で判断することはできませんので、線引きの考え方は関連記事を参照してください。

退去手続きでつまずきやすいところと相談先

スマホ・パソコンを操作する様子
写真はイメージです

手続きの順番どおりに進まないことも当然あります。よくある詰まり方と、次の一手を整理しておきます。

1解約の連絡が予告期間に間に合わなかった

まずは事実を伝えて相談することが先です。標準契約書のように、解約申入れの日から一定期間分の賃料を支払うことで随時解約できる定めが置かれている契約もあります。取り扱いは契約書の条項によって変わるため、自己判断で家賃の支払いを止めず、管理会社に確認してください。

2退去を取りやめたい・退去日を変えたい

解約の申し入れをした後で事情が変わることもあります。撤回や日程変更ができるかどうかは契約と相手方の対応によるため、決まったらすぐ、なるべく書面やメールなど記録の残る形で連絡しましょう。次の入居者の募集が進んでいると調整が難しくなります。

3立会いの日程がどうしても合わない

代理人の立会いや、立会いなしでの引き渡しに対応してもらえる場合があります。ただし、その場で室内を一緒に確認できない分、荷物を出した直後の状態を自分で写真に残しておくことが後の確認材料になります。日程が読めない段階で早めに相談するのが得策です。

4精算の内容に納得できない

まずは内訳の明細を求め、何にいくらかかったのかを確認します。それでも話し合いが進まないときは、公的な相談窓口を使えます。個別の請求が妥当かどうかをこの記事で判断することはできないため、事実関係を整理したうえで相談してください。

公的な相談先としては、消費者庁の消費者ホットラインがあります。共通番号の「188」に電話すると、自治体が設けている近くの消費生活センターや相談窓口へつないでもらえます。同ページには、つながらない場合のバックアップ相談として電話番号03-3446-0999(受付時間は平日の10時〜16時)も案内されています。

自分の地域の窓口を先に調べておきたい場合は、独立行政法人国民生活センターの全国の消費生活センター等のページから探せます。

ここまでは、自分の意思で契約を終わらせる自主的な退去の話です。家賃の滞納をきっかけに明け渡しを求められるケースは、手続きの流れも関係機関もまったく別のものになります。

賃貸の退去手続きについてよくある質問(FAQ)

Q退去の連絡は電話だけで済ませてもいいのでしょうか。

A受付方法は管理会社や貸主によって異なります。電話やメールで受け付けたうえで、解約通知書などの所定の書式を提出してもらう運用が多く見られます。電話で伝えた際に「書面は必要か」「様式はどこで受け取れるか」「提出期限はいつか」を確認し、やり取りの日付を記録しておくと、後から食い違いが起きにくくなります。

Q家賃はいつの分まで支払うことになりますか。

A契約書の記載によります。国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、1か月に満たない期間の賃料は1か月を30日として日割計算した額とする、と定められていますが、これはひな形の内容です。実際の契約では日割りの扱いが異なる場合があるため、退去日を伝える際に管理会社へ確認してください。この記事で金額を確定させることはできません。

Q立会いに自分が行けないときはどうすればいいですか。

A代理人が立ち会う、あるいは立会いを行わずに引き渡すという運用が取られることがあります。対応できるかどうかは管理会社の方針によるため、退去日を決める段階で相談しておきましょう。立ち会えない場合でも、荷物を出し終えた直後の室内を写真で残しておくと、後で状態を説明する材料になります。

Q一度出した退去の連絡は取り消せますか。

A一律に決まっているものではなく、契約の内容と相手方の対応によります。次の入居者の募集や工事の手配が進んでいると、調整が難しくなることもあります。取りやめる可能性が出た時点で、できるだけ早く、記録の残る方法で管理会社へ連絡してください。

Q鍵を返すのと荷物を出すのは、どちらが先ですか。

A一般的には荷物をすべて運び出したあとに立会いを行い、その場で鍵を返す流れになります。標準契約書では、明渡しをするときには明渡し日を事前に貸主へ通知しなければならないと定められています。荷物が残っている状態は明け渡しが済んだとは言いにくいため、搬出の日程と立会いの日程は必ずセットで調整してください。

※本記事は2026年8月時点で公開されている国土交通省・消費者庁・独立行政法人国民生活センターの資料にもとづく一般的な解説であり、個別の契約について解約予告期間・費用負担・請求の適否を判断するものではありません。実際の取扱いは契約書の記載や特約によって異なります。

まとめ|退去は「予告→立会い→鍵返却→精算」の順に片づける

退去でやることは多く見えますが、順番は決まっています。解約の申し入れで手続きを始め、退去日を確定させ、ライフラインなどの契約を止め、立会いで室内を一緒に確認し、鍵を返して明け渡し、そのあとに精算する。この流れさえ頭に入っていれば、あとは日程を埋めていく作業です。

その中で最優先なのは、解約の連絡の期限を契約書で確認することです。国土交通省の賃貸住宅標準契約書では少なくとも30日前の申入れという定めが置かれていますが、これはひな形であり、実際の期間は契約ごとに違います。契約書を開き、予告期間・鍵の本数・敷金の返還に関する条項の3か所に印を付けるところから始めてみてください。

退去前の掃除をどこまでやるか、鍵が見つからないときの動き方、引越し全体の段取りは、それぞれの記事で扱っています。ご自身の状況で気になるところから読み進めていただければと思います。

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