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日当たりの強い側だけ色が抜けている、椅子を引くところがささくれている、廊下を歩くと一か所だけ沈む感じがする。どれも「そろそろ張り替えかな」と思わせる合図です。
ところが調べ始めると、6畳で4.9万円と書いてある記事と、18万円から30万円と書いてある記事が並んでいて、どちらが自分の家の話なのか分からなくなります。同じ「フローリングの張り替え」という言葉が、まったく違う工事を指しているからです。
先にお伝えすると、金額の幅は業者の割高・割安の差ではなく、既存の床をはがすかどうか、下地に手を入れるかどうかという工法の違いから生まれています。そして工法は、好みではなく家の側の条件で決まります。
この記事では、当メディア編集部が、国土交通省のマンション標準管理規約、日本建築総合試験所の等級表記指針、日本複合・防音床材工業会のリフォームQ&A、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの統計、パナソニックの製品ページ、くらしのマーケットとリノコの公開料金を調査して整理しました(※2026年8月時点)。特定の会社に順位を付けたり、優劣を判定したりするものではありません。


- 01【一言でいうと】フローリングの張り替え費用はいくら?金額より先に決まるのは工法
- 02重ね張りと張り替えは何が違う?厚みは「敷居が何mm出ているか」で決まる
- 03その床は重ね張りできる?線引きは「フカフカしていないか」
- 04マンションで床を張り替えるとき、なぜ管理組合の承認がいるのか?
- 05「マンションはLL-45以上」は決まりなのか?表記の新旧を一次資料で確かめた
- 06畳からフローリングにするといくら?増えるのは「嵩上げ」の工事
- 07見積もりで金額が動くのはどこ?見積書が1社だけの相談者が73.9%
- 08フローリングの張り替えでよくある質問(FAQ)
- 09まとめ|「いくらか」より先に「どの工法か」を決める
【一言でいうと】フローリングの張り替え費用はいくら?金額より先に決まるのは工法

6畳あたりの公開されている目安は、今回確認した範囲で重ね張りが4.9万円程度から、畳からフローリングへの変更が30万円程度まででした。同じ部屋でも、選ぶ工法によって金額が5倍以上動きます。
幅が生まれる理由は3つあります。第一に、既存の床材をはがすと撤去代と廃棄代が発生すること。第二に、はがした先の下地に手を入れるかどうかで工事の中身が変わること。第三に、畳をフローリングに変える場合は、畳の厚み分だけ下がっている床を持ち上げる工事が加わることです。
次の表は、工法ごとの目安を、条件と税表記と出典まで含めて並べたものです。出典の列は、その値をどの資料のどの表が書いているかを行ごとに分けて記しました。並び順に優劣の意味はありません(※2026年8月時点)。
| 工法 | 6畳あたりの費用の目安 | 前提となる条件 | 税表記 | 出典(値ごと) |
|---|---|---|---|---|
| 重ね張り(上張り) | 4.9万円〜9.72万円程度 | 10平米(約6畳)。くらしのマーケットに出店しているフローリング張替え事業者の費用相場。2024年11月の情報と注記 | 税表記なし | くらしのマーケットマガジン「フローリング張替え費用相場」の1)フローリング張替え費用相場とフローリング上張りの費用相場の表 |
| 張り替え(既存の床材をはがす) | 14.6万円〜19.5万円程度 | 10平米(約6畳)。同じく2024年11月の情報。下地調整代がかかると注記 | 税表記なし | くらしのマーケットマガジン「フローリング張替え費用相場」のフローリング張替えの費用相場の表 |
| 張り替え(定額表示の例) | 総額171,800円〜 | 6帖/9.72㎡まで。商品代・標準的な工事費・諸経費を含む価格。既存床の撤去処分をこの金額に含むかどうかは今回確認した資料に記載なし | 税込 | リノコ「フローリングの張り替え費用」のリビング・居室をフローリングへ張り替え料金の表 |
| 畳からフローリングへ | 18万円〜30万円程度 | 10平米(約6畳)。和室から洋室へリフォームを行っている事業者の費用相場。2024年11月の情報 | 税表記なし | くらしのマーケットマガジン「フローリング張替え費用相場」の3)畳からフローリングに張替えの費用相場の表 |
| 畳からフローリングへ(別会社の目安) | 10万円~20万円程度 | 6畳の和室。畳撤去後の嵩上げ工事の内容によると注記 | 税表記なし | リノコ「フローリングの張り替え費用」のよくある質問 |
| 下地の補修・交換だけを行う工事 | 今回確認した資料に記載なし | くらしのマーケットは「下地調整代などもかかる」と書くのみで金額なし。リノコの料金表にも下地工事の単独項目なし | 金額の記載自体がないため税表記なし | 上記2件の資料を全文で確認した結果 |
※2026年8月時点で各社が公開している内容です。税込・税抜の区別は出典の書き方に合わせ、どちらも書かれていないものは「税表記なし」と記しました。金額は部屋の広さ・床材のグレード・既存の床の状態・地域によって変わります。
部屋が広くなると差はさらに開きます。くらしのマーケットは20畳の目安を、上張りで16.2万円〜32.4万円程度、張替えで30万円〜38.9万円程度、畳からフローリングで60万円〜100万円程度としています(いずれも2024年11月の情報・税表記なし)。広い部屋ほど、工法を先に決めておかないと見積もりの比較そのものが成り立ちません。
重ね張りと張り替えは何が違う?厚みは「敷居が何mm出ているか」で決まる

重ね張りは、既存のフローリングをはがさずに上から新しい床材を張る方法です。くらしのマーケットは、上張りが張替えより安くなる理由を「古いフローリング床材の上から重ねるため、床材の撤去代や廃棄代などが不要」と説明し、張替えのほうは「古い床材の撤去にかかる費用だけでなく、下地調整代などもかかる」ため高くなるとしています。
ここで見落とされやすいのが、重ね張りでは床の高さがその床材の厚みの分だけ上がるという点です。上がった高さをどこで吸収するかが、選べる床材の厚みを決めます。
パナソニックは、この決まり方を製品ページで4分岐にして示しています。貼り重ねの説明は「フローリングをはがさずに上から貼るだけ。6mm、1.5mm厚のうすいタイプが新登場。」で、選び方については「リフォームするお部屋の敷居の高さに合わせてお選びください。」と案内しています。
- 床面がフラットな場合 → 厚さ12mm、6mm、1.5mmから選べる
- 敷居が3mm程度出ている場合 → 厚さ1.5mmのリフォーム専用フローリングから選ぶ
- 敷居が10mm程度出ている場合 → 厚さ6mmのフローリングから選ぶ
- 敷居が15mm程度出ている場合 → 厚さ12mmから選べる
つまり、部屋の入口の敷居がどれだけ出ているかを測れば、自分の家で使える床材の厚みがおおよそ絞れます。フラットな床面のケースについては「12mm、6mmはドアの下部をカットする必要がある場合もあります。」という注記も添えられています(出典:パナソニック 貼り重ねとは?(張り替えとの違い)/2026年8月時点)。
見積もりを取るときに「敷居が何mm出ているか」と「ドアの下に何mmの隙間があるか」を伝えられると、話がそこから先に進みます。逆にこの2つを測らないまま金額だけを比べると、当日になって建具の調整費が足されることになります。
その床は重ね張りできる?線引きは「フカフカしていないか」

重ね張りは安くて工期も短い方法ですが、どんな床にでもできるわけではありません。フローリングメーカーが加盟する日本複合・防音床材工業会(JAFMA)は、上貼り施工用のフローリングについて、既存の床に条件を付けています。
同会のマンションリフォームQ&Aは、上貼り施工を二重床の場合に使用可能としたうえで「但し、簡易リフォーム用(上貼り施工)フローリングは、床としての剛性を有していないため、必ず既存の床材は、フカフカしていないか(腐っていたり、合板が剝離していないこと)をご確認ください。」と書いています。上に張る薄い床材は、下の床が受け持っている強さを肩代わりしないということです。
歩くと沈む、きしむ、一部だけ柔らかいという状態は、そのまま重ね張りをしても消えません。むしろ新しい床材の下に隠れてしまい、次に開けるときまで分からなくなります。
床の不具合がどのくらい相談されているのかは、公的な統計で見ることができます。国土交通大臣から指定を受けた相談窓口である住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、2024年度の集計を「住宅相談統計年報2025」として公開しています。
同年報の表1-10「不具合事象と主な不具合部位(リフォーム相談・戸建住宅)」(n=3,314)では、「腐食・腐朽」が50件(1.5%)でその部位は「床、屋根」、「床鳴り」が45件(1.4%)で部位は「床」、「傾斜」が86件(2.6%)で部位は「床、開口部・建具」と集計されています。件数としては多くありませんが、腐朽の相談部位に床が挙がっていることは押さえておきたい点です(出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住宅相談統計年報2025の表1-10/2026年8月時点)。
下地が傷む原因は一つではありません。水まわりからの漏れ、結露、床下の湿気、シロアリなど、床材の上からは見えないところで進みます。重ね張りにするか張り替えにするかは、見積もりの前に既存の床をどこまで見てもらえるかで決まります。
マンションで床を張り替えるとき、なぜ管理組合の承認がいるのか?

分譲マンションの場合、床の張り替えは自分の部屋の中の工事でも、管理組合の承認が必要になることが多い工事です。理由は、床が階下への音に直結しているからです。
国土交通省が公表している令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)は、第17条第1項で、区分所有者が「その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え」を行う場合のうち「共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるもの」については、あらかじめ理事長に申請して「書面又は電磁的方法による承認を受けなければならない。」と定めています。
その「影響を与えるおそれのあるもの」に床が含まれることは、同規約のコメント第17条関係②が示しています。承認を必要とするものの具体例として「床のフローリング、ユニットバスの設置、主要構造部に直接取り付けるエアコンの設置、配管(配線)の枝管(枝線)の取付け・取替え、間取りの変更等がある。」と、床のフローリングを最初に挙げています。
さらに同コメント第17条関係⑤は「特に、フローリング工事の場合には、構造、工事の仕様、材料等により影響が異なるので、専門家への確認が必要である。」としています。標準管理規約の中で、部位を名指しして専門家の確認を求めているのは床です。
審査の中身は、同規約の別添2「区分所有者が行う工事に対する制限の考え方」の表が部位ごとに整理しています。【床】の行は次のようになっています(出典:国土交通省 令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)/2026年8月時点)。
| 項目 | 別添2の【床】の行の記載 | 出典(値ごと) |
|---|---|---|
| 制限の目的 | 階下への騒音の防止 | 令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)別添2「区分所有者が行う工事に対する制限の考え方」の【床】の行 |
| 制限すべき負の影響(事象) | 騒音(他住戸に影響) | 同 別添2の【床】の行 |
| 理事会承認の必要な工事 | 床材を張替える工事 | 同 別添2の【床】の行 |
| 承認の条件 | 新築時と同等以上の遮音性能を確認する | 同 別添2の【床】の行 |
| 新築時フローリングの場合に定めることが考えられる事項 | 使用されるフローリングの遮音等級が新築時と同等以上であり、施工方法が当該フローリング材のカタログに示されたとおりの工事であることを確認する | 同 別添2の注2 |
| 具体的な等級の数値 | 今回確認した資料に記載なし(注2は「遮音等級○L○○以上等」と空欄の形で例示) | 同 別添2の注2を全文で確認した結果 |
※標準管理規約はあくまで標準の型です。実際に適用されるのはお住まいのマンションの管理規約と使用細則なので、必ずそちらをご確認ください(※2026年8月時点)。
手続きの順番も、業界団体が明示しています。JAFMAは防音直張りフローリングのリフォームの一般的な手順を「管理規約の確認→工事申請→理事長承認→工事開始となりますが、まずは管理組合・管理会社にリフォームの内容の相談をしましょう。」と案内しています。床材を選ぶより先に管理規約を開く、という順番です(出典:日本複合・防音床材工業会 マンションリフォームQ&Aの工事についての項/2026年8月時点)。
床の構造そのものが制約になることもあります。同Q&Aは「床構造が大きく異なりますので、基本的には二重床から防音直張りフローリングへのリフォームはできません。」とし、その逆も同様にできないとしています。既存の床が二重床なのか直張りなのかは、承認以前に選べる床材を決める条件です。
「マンションはLL-45以上」は決まりなのか?表記の新旧を一次資料で確かめた

マンションの床の話になると、ほぼ必ず「LL-45以上の床材にしておけばよい」という説明が出てきます。編集部が一次資料にあたったところ、この数字は全国一律の決まりではなく、しかも床材のカタログ表記としては旧い形式でした。
まず表記のほうです。一般財団法人日本建築総合試験所が公開している「床材の床衝撃音低減性能の等級表記指針」は、床材の軽量床衝撃音低減性能をΔLL等級で表すとしています。同指針の④カテゴリーⅠの床材の各論に関する解説には「共同住宅の管理規約などでリフォーム時の床材の必要性能として「推定L45等級以上」(軽量衝撃)を規定している場合が多い。」とあり、続けて置き換えの考え方を「ほぼ同等以上の床衝撃音低減性能が確保できる等級への置き換えとしては「ΔLL(I)-4等級以上」とするのが適切と考えられる。」と示しています。
つまりL45は、法令ではなく管理規約の側が書いている条件として説明されており、現在の床材のカタログではΔL等級に置き換わっている、という関係です。JAFMAも同じ読み替えを表で示しています。
| 旧表示(推定L等級表示) | 新表示(ΔL等級表示) | 出典(値ごと) |
|---|---|---|
| LL-40 | ΔLL(Ⅰ)-5 | 日本複合・防音床材工業会 マンションリフォームQ&Aの読み替え表 |
| LL-45 | ΔLL(Ⅰ)-4 | 同 読み替え表 |
| LL-50 | ΔLL(Ⅰ)-3 | 同 読み替え表 |
| 置き換えの考え方 | 推定L45等級以上に対しては「ΔLL(I)-4等級以上」とするのが適切 | 日本建築総合試験所「床材の床衝撃音低減性能の等級表記指針」④カテゴリーⅠの床材の各論に関する解説 |
※読み替えが可能かどうかは床材の分類や測定条件によります。JAFMAも「詳しくはメーカーに問い合わせてください」と添えています(※2026年8月時点)。
次に「45にしておけば通る」かどうかです。JAFMAは、カーペットや絨毯から防音直張りフローリングに替える場合について「遮音性能がL-30・L-35の場合は防音直張りフローリングへの張り替えはできません。」と書き、L-40からL-55の場合は張り替えが可能だとしています。もとの床の性能がL-30やL-35と高いマンションでは、防音直張りフローリングという選択肢そのものが外れるということです。
逆の方向の注意もあります。同Q&Aは、既存の防音直張りフローリングの上に他の床仕上げ材を重ねる施工について「上貼りをすることにより、遮音性能の低下が想定されます。」としています。マンションで安く済ませようと重ね張りを選ぶと、承認の条件である「新築時と同等以上」から外れる可能性があるわけです。
そもそも床材の等級は、その部屋で実際に聞こえる音を保証する数字ではありません。日本建築総合試験所の同じ解説は、床材の数値から建物の空間性能を予測する方法に触れたうえで「予測値はあくまでも目安程度と捉えるべきである。」と書いています(出典:日本建築総合試験所 床材の床衝撃音低減性能の等級表記指針/2026年8月時点)。
編集部が今回確認した5件の資料、すなわち国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)本文・コメント・別添2、日本建築総合試験所の等級表記指針、JAFMAのマンションリフォームQ&A、パナソニックの貼り重ねページ、リノコの料金表の中に、全国のマンションに一律で「LL-45以上」を義務づける記載は見当たりませんでした。床材に求められる性能は、別添2が示すとおり「新築時と同等以上」という、そのマンションの仕様に紐づいた条件として決まります。数字を暗記するより、管理規約と使用細則の該当箇所を管理会社に確認するほうが確実です(※2026年8月時点)。
畳からフローリングにするといくら?増えるのは「嵩上げ」の工事

和室を洋室にする工事が、床のリフォームの中でいちばん高くなります。くらしのマーケットは畳からフローリングへの張替えについて、6畳で18万円〜30万円程度、20畳で60万円〜100万円程度としています(10平米=約6畳の費用相場・2024年11月の情報・税表記なし)。
同マガジンは、この工事が重ね張りにならない理由も書いています。畳からフローリングの場合は古い畳を一度外してから新しいフローリングを張る「張替え」になる、という説明です。
金額が上がるのは、畳を外した後に出てくる段差を埋める工事が入るためです。リノコは、よくある質問で6畳の和室をフローリングにする費用について「畳撤去後の嵩上げ工事の内容にもよりますが、10万円~20万円程度が目安です。」と答えています(税表記なし)。嵩上げ工事の中身が見積もりに書かれているかどうかが、比較の分かれ目になります(出典:くらしのマーケットマガジン フローリング張替え費用相場/リノコ フローリングの張り替え費用/いずれも2026年8月時点)。
くらしのマーケットの18万円〜30万円程度とリノコの10万円~20万円程度は、どちらも6畳の目安でありながら幅が重なっていません。前者は事業者の費用相場、後者は嵩上げ工事の内容次第という条件付きの目安で、そもそも数え方が違います。同じ「6畳の和室をフローリングに」でも、比べられる形になっていないという前提で読む必要があります。
マンションの和室の場合は、もう一段の確認が入ります。JAFMAは「畳から防音直張りフローリングへのリフォームは可能ですか?」という問いに対して、管理組合・管理会社に相談し、リフォームが可能であれば所定の手続きの上で進めるように、と答えています。畳は畳自体が音を吸うため、フローリングに変えると階下への伝わり方が変わります。
なお、畳を残したまま表替えや新調で済ませる選択肢もあります。費用の桁が変わるので、比べてから決めても遅くありません。
見積もりで金額が動くのはどこ?見積書が1社だけの相談者が73.9%

住まいるダイヤルは、契約前の見積書について電話で助言する「リフォーム見積チェックサービス」を行っています。2024年度に見積書の送付を受けた169件を集計した結果には、比べ方のヒントが並んでいます。
まず相談者が見積書を取得した事業者の数です。同年報は「1社」の割合が73.9%と最も高く、続けて「2社以上から見積書を取得している相談者は26.1%であった」と書いています(n=157)。相談に至った人の4人に3人が、1社の見積書だけを手元にしている計算です。
相談の中身も具体的です。主な相談内容は「単価や合計金額は適正か」が92.9%、次いで「工事内容や工事項目は適切か」が85.2%。これに対する主な助言内容は「工事範囲や工事内容の確認点について」が94.7%で最も高く、次いで「単価情報等の提供」が90.5%でした(いずれもn=169・複数カウント)。
金額そのものより先に、工事の範囲が助言の対象になっているという順序です。同年報は2024年度の電話相談について、リフォーム相談が11,920件で「初めて[リフォーム相談]の件数が[新築相談]を上回った」とも記しています(出典:住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住宅相談統計年報2025のリフォーム見積チェックサービスの項/2026年8月時点)。
ここまでの内容とあわせると、床の見積もりで先に確認しておきたいことは4つに絞れます。
1重ね張りか張り替えかが見積書に書いてあるか確認する
工法が書かれていない見積書は、比較の土俵に乗りません。重ね張りなら床材の厚みと、敷居やドア下の納まりをどう処理するかまで書かれているかを見ます。
2既存床の撤去処分費と下地補修が含まれるか確認する
張り替えでは撤去代・廃棄代・下地調整代が発生します。今回確認した公開料金には下地補修だけを取り出した金額の記載がなかったため、含むのか別途なのかを金額の内訳で確認してください。
3家具の移動・敷居や巾木・建具調整の扱いを確認する
床の工事は部屋を空にして進みます。家具の移動を自分で行うのか業者が行うのか、巾木の交換やドアの調整が別料金かどうかで総額が動きます。
4マンションは承認が下りることを前提にした見積書か確認する
管理規約で床材の遮音等級が定められている場合、選んだ床材が条件に合わなければ工事はできません。申請書類の作成に対応してもらえるかもあわせて聞いておきます。
訪問販売がきっかけの相談も同年報に集計されています。リフォーム相談のうちトラブルに関する相談7,667件に対し、訪問販売に関する相談は652件で8.5%。契約時期が判明しているもののうち97.5%が「契約後の相談」で、解決希望内容は49.3%が「契約解消」でした。声をかけられて床下や床の傷みを指摘されたときは、その場で契約せず、日を改めて相見積もりを取るのが安全です。
壁紙や建具も一緒に替えるつもりなら、見積書の項目の並べ方まで含めて確認しておくと比較しやすくなります。
フローリングの張り替えでよくある質問(FAQ)
※この記事は、フローリングの張り替えにかかる費用と工法の決まり方を、国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)、一般財団法人日本建築総合試験所の等級表記指針、日本複合・防音床材工業会のマンションリフォームQ&A、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住宅相談統計年報2025、およびパナソニック・くらしのマーケット・リノコが2026年8月時点で公開している情報にもとづいて整理したものです。当メディアが実際に工事を発注して確かめたものではありません。掲載した金額には税表記のない出典からの転記と、2024年11月時点と注記された相場が含まれます。工事の可否・遮音性能・必要な手続きはお住まいの建物と管理規約によって異なるため、着工前に必ず管理組合・管理会社と施工事業者にご確認ください。床の沈みやきしみが構造にかかわるかどうかの判断は、この記事では扱っていません。
まとめ|「いくらか」より先に「どの工法か」を決める
6畳あたりの目安は、重ね張りが4.9万円〜9.72万円程度、既存の床をはがす張り替えが14.6万円〜19.5万円程度、畳からフローリングへの変更が18万円〜30万円程度でした(いずれも2024年11月の情報・税表記なし)。この幅は業者の高い安いではなく、撤去処分と下地の扱いという工事の中身の差です。
重ね張りで選べる厚みは、敷居が何mm出ているかで決まります。そして既存の床がフカフカしていないかという条件が付き、これを満たさない床は張り替え側になります。
マンションでは、床材を選ぶ前に管理規約を開くのが正しい順番でした。標準管理規約の別添2が承認の条件としているのは「LL-45」という数字ではなく「新築時と同等以上の遮音性能を確認する」ことで、その等級表記も現在はΔL等級に置き換わっています。金額を並べるより先に、自分の家がどの工法になるのかを確定させること。それが結局はいちばん短い道になります(※2026年8月時点)。