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遺影とは?サイズの選び方と、スマホのデータから作るときの画素数

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葬儀の準備が急に始まると、遺影は決めることの多い一つです。どの写真を使うか、どの大きさで作るか、手元にあるスマートフォンのデータで足りるのか。落ち着いて考える時間がないまま、葬儀社から「お写真はお決まりですか」と聞かれることも珍しくありません。

先にお伝えします。遺影のサイズや作り方を定めた法律はありません。実際に大きさを決めているのは、飾る場所(祭壇か焼香台か)と、元になる写真データの大きさの2つです。祭壇に置くなら四つ切(254mm×305mm)かA4(210mm×297mm)、焼香台や自宅なら L判(89mm×127mm)や2L判(127mm×178mm)という組み合わせが実務では使われています。

この記事では、①遺影とは何で決まりはあるのか ②サイズは何ミリか ③写真はどう選ぶか ④何画素あれば足りるのか ⑤免許証やマイナンバーカードの写真は使えるのか ⑥どこに頼むのか ⑦後から小さくできるのか を、e-Gov法令検索のキーワード検索、国立国会図書館の資料デジタル化の手引、富士フイルムとカメラのキタムラが公表しているプリントの仕様と料金、マイナンバーカード総合サイトの顔写真規格で1つずつ確かめました。調べたのは当メディア編集部で、いずれも公開されている資料にあたって確かめた内容です(※2026年8月時点)。

なお、この記事では葬儀社や写真店の順位づけをしません。遺影は宗派・地域・ご家庭で考え方が違うため、「こうするのが正しい」という編集部の見解も書かず、各社・各機関が公表している内容の範囲でだけ書きます。

読者
父の遺影を用意することになりました。四つ切がいいと聞いたのですが、スマホに残っている写真で作れるものなのでしょうか。
編集部
作れる場合が多いです。ただし「どの大きさに引き伸ばすか」で必要なデータの大きさが変わります。まずサイズの決まりがあるのかどうかから、順番に見ていきましょう。

【一言でいうと】遺影とは?サイズや作り方に決まりはあるのか

遺影(いえい)とは、葬儀の祭壇や焼香台に飾り、その後も自宅で故人をしのぶために用いる、故人の姿を写した写真のことです。サイズ・構図・色について、公的に決められた規格はありません。編集部がe-Gov法令検索のキーワード検索(現行法令の条文が対象)で調べたところ、「遺影」という語のヒットは0件でした。

遺影のサイズは飾る場所で決まり、必要な画素数も変わるの図解
当メディア編集部作成

はじめに、本記事で裏づけを取った項目を一覧にしておきます。1行ごとに、その記載がどの資料のどこにあるかを添えました(※2026年8月時点)。

知りたいこと 資料が書いていること 出典
サイズの決まり 「遺影写真のサイズに関して明確な決まりがあるわけではありません」 カメラのキタムラ「【用途別】遺影写真の適切なサイズと選び方のポイント」冒頭
法令上の扱い キーワード検索で「遺影」は0件。「位牌」2件・「仏壇」2件・「遺骨」66件・「焼骨」18件・「写真」1,536件 e-Gov法令検索 法令APIバージョン2のキーワード検索(編集部が2026年8月に実施)
祭壇用のサイズ 四つ切(よつぎり)サイズ(254mm×305mm)/A4サイズ(210mm×297mm) カメラのキタムラ 同コラム「遺影写真のサイズは用途に合わせて選びましょう」の表(祭壇用の行)
焼香台用のサイズ L判サイズ(89mm×127mm)/2Lサイズ(127mm×178mm) カメラのキタムラ 同コラム「焼香台用」の本文(表のセルは別の数値。後述)
四つ切に必要なデータ 入稿に適したデータサイズは「3036×3638pixels(1100万画素相当)」 富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」四切サイズの欄
引き伸ばしの限界 「スキャニング時の光学解像度以上に補間することは認めない。」 国立国会図書館「資料デジタル化の手引 2017年版」参考資料3 デジタル化仕様書サンプル 2.2.4.2 解像度
証明写真の原版の大きさ 運転免許の申請用写真は「縦の長さ三・〇センチメートル、横の長さ二・四センチメートル」 道路交通法施行規則 第十七条第2項第10号
コンビニで作れる大きさ 写真紙は「写真紙(L/2Lサイズ)・はがき」。四つ切の取り扱いなし セブン‐イレブン「プリント」プリント可能な用紙の欄

この記事は、この表の1行ずつを、条文と各社の公表資料で確かめていく順番で進みます。

遺影のサイズは何ミリ?祭壇用の四つ切と焼香台用のL判・2L判

古い写真アルバム
写真はイメージです

遺影で名前が挙がる「四つ切」「A4」「L判」「2L判」は、いずれも葬儀の用語ではなく写真プリントの呼び名です。カメラのキタムラのコラムは冒頭で「遺影写真のサイズに関して明確な決まりがあるわけではありませんが、ここでは一般的に遺影写真に使われるサイズをご紹介します。」と断ったうえで、祭壇用と焼香台用の2つに分けて示しています。

四つ切という呼び名の由来は、写真用紙の原紙です。富士フイルム公式ストアの一覧は、四切サイズ(縦254×横305mm)を「写真用紙の原紙(大全紙)の4分の1サイズ」、六切サイズ(縦203×横254mm)を「写真用紙の原紙(大全紙)の6分の1サイズ」と説明しています。紙を何分割したかがそのまま名前になっているだけで、遺影のために用意された規格ではありません。

呼び名 寸法 遺影での主な使いどころ 出典
四切(四つ切) 縦254×横305mm 祭壇用。後方の席からも顔が見える大きさ 富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」四切サイズ(寸法)/カメラのキタムラ 同コラムの表 祭壇用(用途)
A4 縦210×横297mm 祭壇用。四つ切より長辺が短い 富士フイルム公式ストア 同一覧 A4サイズ(寸法)/カメラのキタムラ 同コラムの表 祭壇用(用途)
2L 縦127×横178mm 焼香台用。Lサイズの2倍のサイズとされている 富士フイルム公式ストア 同一覧 2Lサイズ(寸法)/カメラのキタムラ 同コラム「焼香台用」の本文(用途・寸法)
L 縦89×横127mm 焼香台用。葬儀後に自宅の仏壇や部屋に飾る想定 富士フイルム公式ストア 同一覧 Lサイズ(寸法)/カメラのキタムラ 同コラムの表 焼香台用(用途)
六切 縦203×横254mm 今回確認した資料に遺影での用途の記載なし(プリントの選択肢としては「6切・A4」がある) 富士フイルム公式ストア 同一覧 六切サイズ(寸法)/カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」オプション 写真プリント(6切・A4の選択肢)
小キャビネ 120mm×165mm 焼香台用として挙げられている。取り扱いのない店もある カメラのキタムラ 同コラムの表 焼香台用(寸法・注記「キタムラでは小キャビネサイズのお取り扱いはございません」)

ここで1つ、注文のときに気をつけたい点があります。同じキタムラのコラムの中で、2L判の寸法が2通りに分かれています。表のセルは「2Lサイズ(120mm×165mm)」で、同じページの本文(焼香台用の節)は「2Lサイズ(127mm×178mm)」です。富士フイルム公式ストアの一覧では2Lサイズは「縦127×横178mm」と示されており、本文側の数値と一致します。呼び名だけで頼まず、寸法をミリで伝えると行き違いが起きにくくなります。

もう1つ、額縁を先に買うときの注意です。富士フイルム公式ストアは同じページの注意書きで「プリントサイズによっては写真の上下左右が切れることがありますのでご注意ください。」「画像の端から1~2mm程度はプリントされないことがありますのでご了承ください。」と案内しています。写真の縦横の比率とプリントの比率が違うと端が切れるため、額縁はプリントのサイズが決まってから選ぶほうが確実です。

出典:カメラのキタムラ「【用途別】遺影写真の適切なサイズと選び方のポイント」(遺影写真のサイズは用途に合わせて選びましょう/祭壇用/焼香台用の各節・2024年4月30日更新)/富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」(サイズバリエーション・価格表)(いずれも2026年8月時点)

遺影にする写真はどう選べばいい?

自宅でくつろぐシニア夫婦
写真はイメージです

写真選びで迷いやすいのは、服装や背景といった「見た目の格」の部分です。ところがカメラのキタムラのコラムは、選ぶポイントを4つ挙げたうえで、そこはあまり心配しなくてよいという立場を取っています。「遺影写真を選ぶ際、故人の服装や背景についてはあまり心配する必要はありません。」とし、加工で差し替えられることを理由に挙げています。

同コラムが挙げる4つのポイントは、「写真の画素数が小さすぎない写真を選ぶ」「ピントが合っている写真を選ぶ」「故人らしさや雰囲気に合った写真を選ぶ」「背景や服装は気にしすぎる必要はない」です。つまり、後から直せないのは画素数とピント、直せるのは服装と背景という切り分けになります。集合写真については「遠くから撮影した写真や集合写真など、故人が小さく写っている写真でも拡大した際に顔がぼやけてしまいます。」と注意しています。

「ぼやける」の中身をもう少し具体的に知りたいときに参考になるのが、マイナンバーカードの顔写真規格です。これは本人確認のための規格であって遺影の基準ではありませんが、受け付けられない写真の例が細かく言語化されています。マイナンバーカード総合サイトの「顔写真のチェックポイント」は、不適切な例として「ピンボケや手振れにより不鮮明」「ノイズ(画像の乱れ)がある」「ジャギー(階段状のギザギザ模様)がある」「変形やマスキング(縁取り)などの画像処理を施している」などを挙げています。手元の写真をスマートフォンで拡大したときにこれらが見えるなら、大きく引き伸ばすとさらに目立つ、という当たりはつけられます。

なお同ページは、身分証としての規格として「正面、無帽、無背景のもの」を求めています。遺影にはこうした構図の決まりはありません。横向きでも、屋外でも、笑っていても差し支えないというのが各社の案内の共通した書き方です。ただし宗派や地域、ご家庭で考え方が違う部分ですので、迷う場合は菩提寺や葬儀社にお尋ねください。

出典:カメラのキタムラ「【用途別】遺影写真の適切なサイズと選び方のポイント」(遺影にふさわしい写真を選ぶポイント4つ/背景や服装は気にしすぎる必要はない の各節)/マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「顔写真のチェックポイント」(顔写真について/不適切な写真の例 の各節)(いずれも2026年8月時点)

「200万画素あれば足りる」は本当?サイズ別に必要なデータの大きさ

スマホ・パソコンを操作する様子
写真はイメージです

遺影の解説でよく見かける目安が「200万画素以上」です。先ほどのカメラのキタムラのコラムも「写真はできるだけ画素数が200万画素以上のものを選ぶことが大切です。」と書いています。ただしこの数字は用途(祭壇用か焼香台用か)と結びついておらず、コラムが挙げる目安はこの1つだけです。そこで、同じ写真業界が公表しているプリント側の目安と突き合わせてみます。

富士フイルム公式ストアの「スマホ・デジカメプリント」は、サイズごとに「入稿に適したデータサイズ」を画素数相当まで添えて公表しています。これを並べると、200万画素はL判(150万画素相当)と2L判(300万画素相当)のあいだ、つまり焼香台用の水準にあたることが分かります。祭壇用の四つ切は1,100万画素相当とされており、5倍以上の開きがあります。

プリントサイズ 寸法 入稿に適したデータサイズ 「200万画素」との関係 出典
Lサイズ 縦89×横127mm 1074×1524px(150万画素相当) 200万画素で足りる 富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」Lサイズの欄
2Lサイズ 縦127×横178mm 1536×2138pixels(300万画素相当) 200万画素ではやや不足 同 2Lサイズの欄
A5サイズ 縦148×横210mm 1784×2516pixels(450万画素相当) 200万画素では不足 同 A5サイズの欄
六切サイズ 縦203×横254mm 2434×3036pixels(750万画素相当) 200万画素では不足 同 六切サイズの欄
A4サイズ 縦210×横297mm 2516×3544pixels(900万画素相当) 200万画素では不足 同 A4サイズの欄
四切サイズ 縦254×横305mm 3036×3638pixels(1100万画素相当) 200万画素の5倍以上 同 四切サイズの欄

しかも実際の遺影では、写真全体をそのまま使うことは多くありません。顔まわりを切り出して大きくするため、元の写真の画素数がそのまま使えるわけではなく、切り出したあとに何画素残るかが効いてきます。集合写真が向かないと言われるのはこのためです。

「小さければ後から引き伸ばせばいい」という考え方については、国の仕様書がはっきり否定しています。国立国会図書館「資料デジタル化の手引 2017年版」の参考資料3として収められたデジタル化仕様書サンプルは、解像度の項で「スキャニング時の光学解像度以上に補間することは認めない。」と定めています。同じ手引の本編にある脚注は、その理由をこう説明しています。「仕様上、スキャニング時の解像度を光学解像度で指定しておかないと、例えば300dpi でスキャニングを行った画像を補正して400dpi にすることも可能となる。この場合、光学解像度400dpi でスキャニングを行った画像より品質が低くなってしまう。」

つまり、あとから数字を大きくしても中身の情報は増えません。ちなみに同手引は、保存用画像の解像度を「原資料に対して300~400dpi」と定めており、A4サイズ(210mm×297mm)を400dpi・24ビットフルカラー・非圧縮でデジタル化した場合のデータ量を約46MBと試算しています。写真1枚をきちんと残そうとすると、それくらいのデータになるという感覚の目安になります。

出典:富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」(サイズバリエーション・価格表)/カメラのキタムラ「【用途別】遺影写真の適切なサイズと選び方のポイント」(写真の画素数が小さすぎない写真を選ぶ の節)/国立国会図書館「国立国会図書館資料デジタル化の手引 2017年版」(PDF)(2.2.3 画像別の解像度/3.1.5.1 スキャニングの準備の脚注27/参考資料3 デジタル化仕様書サンプル 2.2.4.2 解像度)(いずれも2026年8月時点)

免許証やマイナンバーカードの写真は遺影に使えるのか?

書類の整理・保管の様子
写真はイメージです

「ほかに写真がないので免許証の写真で」という相談はよくあります。使えないわけではありませんが、証明写真の原版は、法令で定められた時点でかなり小さいという前提を知っておくと判断しやすくなります。

運転免許の申請用写真は、道路交通法施行規則の第十七条第2項第10号で規格が決まっています。「申請前六月以内に撮影した無帽(中略)、正面、上三分身、無背景の縦の長さ三・〇センチメートル、横の長さ二・四センチメートルの写真で、その裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの(以下「申請用写真」という。)」という書き方です。国外運転免許証のほうは、同規則の第三十七条の九第2項第2号が「申請前六月以内に撮影した無帽、正面、無背景の縦の長さ四・五センチメートル、横の長さ三・五センチメートルの顔写真で、その裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの」と定めています。

マイナンバーカードも同じくらいの大きさです。マイナンバーカード総合サイトは、郵送申請の写真を「縦4.5cm×横3.5cm」とし、さらに「マイナンバーカードには、縦2.75cm 横2.20cmに縮小して貼付されます。」と書いています。カードの券面に印刷されたものをスキャンする場合、出発点は3cmに満たない大きさということになります。

編集部が寸法どうしを割り算すると、縦3.0cm×横2.4cmの申請用写真を四つ切(254mm×305mm)まで伸ばすのは、長辺で約10倍、面積では約100倍にあたります。これは祭壇用に使うときの話で、焼香台用のL判(89mm×127mm)なら長辺で約4倍です。同じ「免許証の写真」でも、どこに飾るかで無理の度合いがまったく違います。

証明写真そのものが受け付けられないわけではありません。カメラのキタムラの遺影写真の作成・加工サービスは、利用の流れの第1段階で「故人の証明写真などご希望のお写真(写真プリント・データ)」を店舗に持ち込む形と案内しており、高画質化処理のオプションについても「小さいサイズのお写真や、古いお写真からでも鮮明な遺影写真をご用意出来ます。」としています。前の見出しで見たとおり、拡大しても情報そのものは増えませんので、仕上がりの見え方は店舗で相談して決めるのが確実です。

なお、証明写真の各サイズは日常でも目にします。セブン‐イレブンのマルチコピー機の証明写真プリントは、コマの割り付けを「3×2.4cm 6コマ 運転免許証、実用英語技能検定など」「4.5×3.5cm 4コマ マイナンバーカードなど」と用途別に示しており、条文の寸法と一致しています。

出典:e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」第十七条第2項第10号・第三十七条の九第2項第2号/マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「顔写真のチェックポイント」(サイズ/適切な写真の規格 の各節)/カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」(ご利用ガイド Step01/高画質化処理も選べて、より鮮明に の各節)/セブン‐イレブン「プリント」(証明写真プリントのサイズ)(いずれも2026年8月時点)

遺影はどこに頼む?葬儀社・写真店・自分でプリントの違い

年配のご夫婦の暮らしの様子
写真はイメージです

葬儀のときに作られる遺影の多くは、葬儀社に置かれた端末から写真を送り、専門の会社が加工して送り返す仕組みで作られています。この分野で公表されている数字を1つ挙げると、アスカネットの2026年4月期 決算説明資料は、同社のフューネラル事業を「約3,240ヵ所の葬儀社などB to Bを主体に年間約48万枚の写真画像を提供」と説明しています。つまり「遺影を自分で用意しなければならない」わけではなく、写真(またはデータ)を渡せば作ってもらえる流れが標準になっています。

葬儀後にゆっくり作り直したい場合や、葬儀社を通さずに用意したい場合は、写真店に直接頼む方法があります。カメラのキタムラの遺影写真の作成・加工サービスは店舗での注文のみで、料金は仕上げの種類で分かれています。同社は加工の方法について「お客さまの貴重なお写真に手を加えるのではなく、写真をスキャニングして画像データを修整・加工いたします。」と説明しており、預けた写真そのものには手を入れない形です。

頼み先 できること 料金の例(条件・税表記) 出典
葬儀社(提携先が加工) 葬儀の打ち合わせの中で写真を預けて作ってもらう 葬儀社向け(B to B)のサービスのため、今回確認した資料に遺影1枚あたりの料金の記載なし。実費は依頼先の葬儀社に確認 アスカネット「2026年4月期 決算説明資料」スライド番号04(PDF5枚目)(フューネラル事業の説明)
写真店(店舗注文) 背景の変更・着せ替え・高画質化・家紋入れなど スピード仕上げ7,980円(税込)/高画質スピード仕上げ10,980円(税込)/プレミアム仕上げ14,980円(税込)・いずれも1件あたり カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」メニュー別料金
写真店(プリントのみ) 加工済みデータを飾るサイズに出す L 63円/2L 170円/6切・A4 980円/4切 1,280円(いずれも税込・オプション扱い) カメラのキタムラ 同ページ オプション 写真プリント
写真店(額縁) プリントに合う額を同時に買う L 880円/2L 1,390円/A4 2,780円/4切 2,970円(いずれも税込・オプション扱い) カメラのキタムラ 同ページ オプション 額縁
コンビニのマルチコピー機 手持ちのデータをその場でプリント(L・2Lのみ) Lサイズ1枚40円/2Lサイズ1枚100円・同ページに税込/税抜の記載なし セブン‐イレブン「プリント」写真プリントの種類とご利用料金

写真店に頼むときは、受け付けの条件も先に見ておくと二度手間になりません。カメラのキタムラの同ページは、受付できる原版を「プリントした写真(A3サイズまで)」とし、データの場合は「メディアカード、CD-R、DVD-Rなどに保存してお持ちください(USBメモリでの受付はできません)」と書いています。また「「スピード仕上げ」は白黒写真での受付ができません」という条件もあり、白黒写真から作る場合はプレミアム仕上げが対象になります。仕上がりの受け取りは「遺影加工画像データ1枚」をCD-Rで、という形です。

加工でどこまでできるかも、同ページが示しています。同ページは「普段の服から和服やスーツへの着せ替え無料です。背景もカラー14種類+風景3種からお選びいただけます。」とし、「プレミアム仕上げにのみ、家紋入れ、頭髪の切り抜き、白黒写真対応、破損修復を対応しています。」と分けて案内しています。手元に良い写真がまったくない場合についても、キタムラは「突然のことで遺影・ご葬儀の「写真が無い」方もご利用いただけます。」と案内しています。料金・仕上がり日数・オプションの内容は変わることがありますので、依頼の前に必ず最新の案内を確認してください(※2026年8月時点)。

出典:アスカネット「2026年4月期 決算説明資料」(2026年6月9日開示・PDF)4ページ 1-1.決算概要のフューネラル事業の説明/カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」(メニュー別料金/オプション/サービスの詳細 受付できる原版・お渡し品/背景や着せ替えも作成します の各節)/セブン‐イレブン「プリント」(写真プリントの種類とご利用料金)(いずれも2026年8月時点)

遺影を小さくしたい・作り直したいときはどうする?

実家・和室の様子
写真はイメージです

葬儀が終わって落ち着くと、「祭壇用の大きさのままでは飾る場所がない」「あとから良い写真が出てきた」という声が出てきます。これは作り直しの対象になります。カメラのキタムラは同ページに「遺影写真の作り直し・リサイズにも」という項目を設け、「急いで遺影を作成したけれど、後から良い写真がでてきた際も作り直しや仏壇に飾る用に小さくリサイズするのも〇」と案内しています。

ここで効いてくるのが、加工したときに受け取るデータです。カメラのキタムラは仕上がりを「遺影加工画像データ1枚」としてCD-Rで渡す形になっており、葬儀社経由で作った場合もデータが手元に残っているかどうかで、後の選択肢が変わります。大きいプリントから小さいプリントを作るのは無理がありませんが、小さいプリントしか残っていない状態から大きくするのは、前に見たとおり情報が増えないぶん不利になります。元データはできるだけ大きいまま保管しておくのが、後々の作り直しに効きます。

この考え方は、資料を長く残す側の基準とも一致しています。国立国会図書館の資料デジタル化の手引は、保存用と提供用を分けたうえで、保存用画像を「原資料に対して300~400dpi」とし、提供用画像は「原資料に対して300~400dpi でスキャンした保存用画像を圧縮して作製する。」としています。大きく取っておいたものから小さいものを作る、という順番です。遺影も同じで、飾る用に小さくしたデータだけを残すと、次に大きくしたくなったときに困ります。

なお、古い遺影をどう手放すか(額縁とガラスの分け方、お焚き上げ、いつまで飾るかの目安)は、本記事では扱いません。処分の手順は別の記事にまとめています。

出典:カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」(遺影写真の作り直し・リサイズにも/お渡し品 の各節)/国立国会図書館「国立国会図書館資料デジタル化の手引 2017年版」(PDF)2.2.3 画像別の解像度(保存用画像・提供用画像)(いずれも2026年8月時点)

遺影のサイズと写真選びでよくある質問(FAQ)

Q遺影は白黒でないといけませんか?

A色を定めた決まりはありません。編集部がe-Gov法令検索のキーワード検索で調べた範囲では、「遺影」という語が出てくる現行法令は0件でした。加工サービスの側はむしろ色を選べる作りになっていて、カメラのキタムラは「背景もカラー14種類+風景3種からお選びいただけます。」と案内しています。逆に、手元にあるのが白黒写真の場合は受付の条件に注意が必要で、同社は「「スピード仕上げ」は白黒写真での受付ができません」としています。ご家庭や地域の慣習で考え方が違う部分ですので、迷う場合は菩提寺や葬儀社にご確認ください。

Qスマートフォンの写真から遺影は作れますか?

A画素数とピント次第です。富士フイルム公式ストアの一覧は、入稿に適したデータサイズをLサイズで「1074×1524px(150万画素相当)」、四切サイズで「3036×3638pixels(1100万画素相当)」としています。祭壇用の四つ切をねらうなら1,000万画素台が目安になり、さらに顔まわりを切り出す分の余裕が要ります。手元の写真の画素数は、スマートフォンなら画像の「詳細」や「情報」から幅と高さを確認できます。

Qコンビニで祭壇用のサイズにプリントできますか?

Aできません。セブン‐イレブンのマルチコピー機はプリント可能な用紙を「写真紙(L/2Lサイズ)・はがき」としており、写真プリントの料金も「Lサイズ(フォト用紙) 1枚40円」「2Lサイズ(フォト用紙)1枚100円」の2種類です(同ページに税込・税抜の記載はありません/※2026年8月時点)。焼香台用や自宅用のサイズなら作れますので、祭壇用は写真店や葬儀社に頼み、小さいものだけコンビニで足す、という分け方もできます。

Q額縁はどのサイズを選べばいいですか?

Aプリントのサイズが決まってから合わせるのが確実です。カメラのキタムラはオプションの額縁をL 880円/2L 1,390円/A4 2,780円/4切 2,970円(いずれも税込)と、プリントと同じ呼び名で用意しています。ただし富士フイルム公式ストアが「プリントサイズによっては写真の上下左右が切れることがありますのでご注意ください。」と案内しているとおり、写真の縦横比とプリントの比率が違うと端が切れます。額を先に買うと入らないことがあるため、順番に気をつけてください。

FAQの出典:カメラのキタムラ「遺影写真の作成・加工サービス」(背景や着せ替えも作成します/サービスの詳細 受付できる原版/オプション 額縁)(Q1・Q4)/富士フイルム公式ストア「スマホ・デジカメプリント」(サイズバリエーション・価格表とその注意書き)(Q2・Q4)/カメラのキタムラ「【用途別】遺影写真の適切なサイズと選び方のポイント」(画素数の調べ方)(Q2)/セブン‐イレブン「プリント」(プリント可能な用紙/写真プリントの種類とご利用料金)(Q3)(いずれも2026年8月時点)

※この記事は、e-Gov法令検索のキーワード検索と道路交通法施行規則の条文、国立国会図書館「国立国会図書館資料デジタル化の手引 2017年版」、マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)の顔写真規格、富士フイルム公式ストア・カメラのキタムラ・セブン‐イレブンが公表しているプリントの仕様と料金、アスカネットの決算説明資料をもとに、2026年8月時点で確認できた内容を整理したものです。法令の読み方や、個別のケースについて判断を示すものではありません。料金・仕上がり日数・取り扱いサイズ・オプションの内容は各社の判断で変更されます。遺影の作法は宗派・地域・ご家庭で異なり、編集部として正解を示すものではありません。実際に依頼するときは、各社の最新の案内と、菩提寺・葬儀社にご確認ください。

まとめ|遺影は「決まり」ではなく飾る場所と元データで決める

遺影とは、葬儀や自宅で故人をしのぶために飾る写真のことで、サイズや構図を定めた公的な規格はありません。e-Gov法令検索のキーワード検索では「遺影」のヒットは0件で、同じ検索で「位牌」は2件、「仏壇」は2件ありました。決まりがないぶん、判断のよりどころになるのは、どこに飾るかと、元になる写真データがどれだけ大きいかの2点です。

実務で使われている数字を整理すると、祭壇用が四つ切(254mm×305mm)またはA4(210mm×297mm)、焼香台用がL判(89mm×127mm)や2L判(127mm×178mm)。必要な入稿データは富士フイルム公式ストアの一覧でL判が150万画素相当、四つ切が1,100万画素相当とされており、よく見る「200万画素以上」という目安は焼香台用の水準にあたります。あとから引き伸ばしても情報は増えません(※2026年8月時点)。

迷ったときは、手元の写真の幅と高さのピクセル数を確かめ、飾る場所を決めてから、葬儀社か写真店に相談するのが近道です。加工したデータは大きいまま保管しておくと、小さくしたいときにも作り直したいときにも困りません。

-戒名・位牌・仏壇・遺影, 葬儀・終活
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