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壁の黄ばみ、継ぎ目のめくれ、家具の裏の黒ずみ、子どもの落書き。壁紙は毎日目に入るぶん、一度気になり出すと部屋全体が古びて見えてしまいます。とはいえ「張り替えるといくらかかるのか」「自分でやれるものなのか」が分からず、そのままにしている方は少なくありません。
この記事では、壁紙(クロス)の張り替え費用を1㎡あたりの単価と6畳あたりの総額の両面から整理し、DIYと業者依頼の費用差、張り替え時期の目安、DIYの手順、業者の選び方までをまとめました。費用は複数社の公開料金表を当メディア編集部が調べ、幅と出典・執筆時点を明記しています。
そして賃貸にお住まいの方に、先にお伝えしておきたいことがあります。賃貸物件には原状回復義務があるため、壁紙を張り替える前に必ず管理会社や大家さんへ確認してください。良かれと思って張り替えた結果、退去時に元に戻す費用を求められるケースがあります。


【結論】壁紙の張り替えは6畳で4万〜7万円が目安・賃貸はまず管理会社へ確認

結論から言うと、業者に依頼した場合の壁紙の張り替え費用は6畳の部屋(壁4面+天井)でおよそ4万〜7万円が目安です。自分で生のり付き壁紙を使って張り替える場合は、材料費と道具代でおよそ2万〜3万円台に収まることが多く、差額は1万〜4万円程度になります。
そして賃貸の場合は、費用より先に確認すべきことがあります。賃貸借契約では入居者に原状回復義務があり、模様替えや内装の変更に事前の承諾を求める条項が置かれていることが一般的です。着手前に管理会社・大家さんへ相談してください。
| 方法 | 6畳あたりの費用の目安 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自分で張り替える(生のり付き壁紙) | 約2万〜3万円台(材料費+道具代・編集部試算) | 費用を抑えたい・作業に半日〜1日かけられる人 | 下地処理と柄合わせで仕上がりが大きく変わる |
| 貼ってはがせるタイプで部分的に変える | 使う面積により変動(1m単位で購入可) | 賃貸で雰囲気だけ変えたい人 | 下地を傷めないと言い切れる商品ばかりではない |
| 業者に依頼する | 約4万〜7万円(税込・複数社の公開料金表より) | 仕上がり重視・面積が広い・下地が傷んでいる人 | 下地補修や家具移動の有無で追加費用が出る |
持ち家か賃貸か、面積はどのくらいか、下地が傷んでいないか。この3点で選ぶ方法はほぼ決まります。以下、順番に見ていきましょう。
賃貸の壁紙を張り替える前に管理会社・大家へ確認する

賃貸物件の壁紙を張り替えたいときは、費用を調べるより先に管理会社・大家さんへ連絡してください。契約書に「造作の変更・模様替えは書面による承諾を要する」といった条項があることが多く、無断で施工すると退去時にやり直しの費用を求められるおそれがあります。
国土交通省のガイドラインが示す「原状回復」の考え方
退去時の費用負担の考え方については、国土交通省(出典:国土交通省公式サイト)住宅局が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)を公表しています。このガイドラインでは原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。
つまり、普通に暮らしていて生じた汚れや経年変化まで入居者が負担するという考え方ではありません。ガイドラインでは、具体例も挙げられています。
- 貸主(大家)の負担とされる例:日照などの自然現象によるクロスの変色/テレビ・冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)/壁に貼ったポスターや絵画の跡/下地ボードの張替えが不要な程度の画鋲・ピン等の穴
- 借主(入居者)の負担とされる例:タバコ等のヤニ・臭いによりクロス等が変色したり臭いが付着した場合/結露を放置して拡大したカビ・シミ/重量物をかけるためにあけた、下地ボードの張替えが必要な程度のくぎ穴・ネジ穴
負担する範囲は「一面分まで」が一つの目安
壁紙は一部だけ張り替えると色や柄が明らかに違ってしまうため、どこまでを入居者が負担するかが争点になりがちです。ガイドラインは壁(クロス)の負担単位について「㎡単位が望ましいが、賃借人が毀損した箇所を含む一面分までは張替え費用を賃借人負担としてもやむをえない」としています。
また経過年数の考え方として、壁(クロス)は「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」とされています。住んだ年数が長いほど入居者の負担割合は下がっていく仕組みです。
ただし、ガイドライン自身が「あくまで負担割合等についての一般的な基準を示したものであり、法的な拘束力を持つものでもない」と述べています。実際の負担は契約書の特約や個別の事情によって変わるため、退去前に契約書を読み直したうえで管理会社と話すのが確実です。
壁紙の張り替え費用の相場(1㎡あたりの単価と6畳・部屋別の料金)
壁紙の張り替え費用は「1㎡あたりの単価×施工面積」で決まるのが基本です。株式会社ホームプロ(出典:ホームプロ公式サイト)が公開している解説では、材料費と施工費を含めた単価は量産品クロスで1㎡あたり1,100〜1,550円、ハイグレードクロスで1㎡あたり1,300〜1,800円が目安とされています(下地調整費は別途/執筆時点)。

6畳の部屋は、壁4面と天井を合わせておよそ35〜40㎡が目安になります。㎡単価をそのまま掛けると4万〜7万円台に収まる計算で、実際の定額料金表ともおおむね一致します。
| 施工範囲 | 料金(税込) | 出典 |
|---|---|---|
| 6帖/張り面積40㎡まで(スタンダードクロス) | 52,800円〜 | リノコ 定額料金表 |
| 6帖/張り面積40㎡まで(ハイグレードクロス) | 67,800円〜 | リノコ 定額料金表 |
| 8帖/張り面積48㎡まで(スタンダードクロス) | 66,800円〜 | リノコ 定額料金表 |
| 10帖/張り面積54㎡まで(スタンダードクロス) | 77,800円〜 | リノコ 定額料金表 |
| トイレ・洗面所 | 39,800円〜 | リノコ 定額料金表 |
| 居室6畳の張替え(料金相場) | 40,000〜50,000円 | くらしのマーケット |
| 居室6畳の塗替え(料金相場) | 28,000〜36,000円 | くらしのマーケット |
いずれも2026年7月の執筆時点で各社が公開している料金です。12畳や1Kのように面積が変わると総額も変わりますが、㎡単価はおおむね同じ帯に収まるため、まず自宅の壁面積を測ってから比べると判断しやすくなります。
壁紙の張り替え費用が変わる4つの要因
同じ6畳でも見積もり額が数万円変わることがあります。差が生まれるのは主に次の4点です。
1下地の傷み具合
古い壁紙をはがしたときに石膏ボードの表面がめくれていたり、雨漏りや結露で傷んでいたりすると、パテ処理や下地の補修が追加されます。見積もり時点では分からず、着工後に判明することもあります。
2クロスのグレードと柄
量産品クロスとハイグレードクロスでは1㎡あたり数百円の差が出ます。柄物は継ぎ目で柄を合わせる必要があり、その分の余尺が必要になるため材料費が上がります。
3施工面積と部屋の形
トイレや洗面所のような狭い場所は、面積が小さくても手間は変わらないため㎡単価が割高になりがちです。逆に、複数の部屋をまとめて施工すると1㎡あたりは下がる傾向があります。
4家具の移動と廃材の処分
大型家具の移動、既存クロスの撤去・処分費、養生の範囲が見積もりに含まれているかどうかで総額が変わります。含まれていない場合は後から加算されます。
「壁の一面だけ」を張り替えたいというご相談も多いのですが、少ない面積でも出張費や最低施工面積が設定されていることがあり、㎡単価だけで割り切れません。一面だけの場合こそ、内訳が分かる見積もりをもらってください。
壁紙の張り替え費用を安く抑えるコツ
- 量産品(スタンダード)クロスを選ぶ。デザイン性を求める一面だけをアクセントクロスにすると、費用を抑えつつ雰囲気を変えやすくなります
- 部屋を分けて何度も頼まず、まとめて施工する(1㎡あたりの単価が下がりやすい)
- 家具の移動や小物の片付けを自分で済ませておく
- 2〜3社から同じ条件で見積もりを取り、内訳を並べて比べる
- 引越しシーズン(2〜4月)を外して依頼を検討する
壁紙の張り替えはDIYと業者どちらがいい?費用と仕上がりの比較

DIY用の壁紙には、裏面にのりが付いていてそのまま貼れる生のり付き壁紙と、粘着剤付きでシールのように貼るタイプ、のりを塗って貼るタイプがあります。DIYショップRESTA(出典:RESTA公式サイト)では生のり付き壁紙が1m単位で販売されており、税込470〜691円/m程度の価格帯です(品番により異なる/執筆時点)。
6畳(壁4面+天井でおよそ35〜40㎡)を張り替える場合、柄合わせやカットの余裕を見込むと必要な長さは40〜50m程度になります。上の単価で計算すると材料費はおよそ2万〜3万円台、これに撫でバケ・地ベラ・カッターなどの道具代(同店の壁紙貼り5点セットは税込902円)が加わります。当メディア編集部の試算ですが、DIYで浮くのは6畳あたり1万〜4万円程度とみておくと現実的です。
| 比較項目 | 自分で張り替える(DIY) | 業者に依頼する |
|---|---|---|
| 6畳あたりの費用 | 約2万〜3万円台(材料+道具・編集部試算) | 約4万〜7万円(税込・公開料金表より) |
| かかる時間 | 半日〜1日以上(初めてなら長めに) | 1部屋あたり数時間〜1日 |
| 仕上がり | 継ぎ目や角の処理に差が出やすい | 下地処理を含めて安定しやすい |
| 下地の補修 | 広い剥がれや凹みへの対応は難しい | パテ処理など対応してもらえる |
| 失敗したとき | 壁紙を買い直す費用と手間がかかる | 施工不良は業者と相談できる |
賃貸なら「貼ってはがせるタイプ」という選択肢もある
賃貸で雰囲気だけ変えたい場合、はがせるタイプの壁紙という選択肢があります。RESTAの解説によると、はがせる壁紙には粘着剤が付いていてそのまま貼れるタイプと、はがせる壁紙のりを塗って貼るタイプの2種類があります。
ただし注意したいのは、「はがせる」と表示されていても「下地を傷めずにきれいにはがせる」とは限らない点です。同店も、シールタイプは長期間貼り続けると下地に粘着剤が残ることがあると説明しています。築年数が経った物件で既存のクロスが劣化していると、はがすときに元の壁紙を傷めてしまうおそれもあります。目立たない場所で試す、管理会社に事前に伝えておくといった備えをしておくと安心です。
壁紙の張り替え時期の目安は何年?張り替えを考える劣化のサイン

「何年で張り替えるべき」という一律の決まりはありません。壁紙メーカーや施工会社の解説では5〜10年程度を目安とする例が多く見られますが、日当たり、喫煙の有無、結露の起きやすさで傷み方は大きく変わります。
ここで一つ、よく誤解されている点を整理しておきます。国土交通省のガイドラインに出てくる「6年」は、退去時に入居者が負担する割合を計算するための年数であって、6年で壁紙が使えなくなるという意味ではありません。実際、6年を超えても問題なく使えている部屋はいくらでもあります。張り替えるかどうかは、年数ではなく次のようなサインで判断してください。
- 継ぎ目が浮いてきた、角の部分がめくれてきた
- 日光が当たる面だけ色が違う(変色・日焼け)
- 触ると下地がボコボコする、下地の凹凸が浮き出て見える
- 掃除しても取れないシミ・カビ・タバコのヤニによる黄ばみ
- 壁紙の表面が硬くなり、ひび割れている
なお、壁だけがきれいになると今度は床の傷みが目立つことがあります。床の汚れが気になっている場合は、先に掃除で改善するかどうかを試してから張り替えの範囲を決めると無駄がありません。
壁紙の張り替えDIYの手順(①〜⑤)

自分で張り替える場合の流れは次の5ステップです。作業前に、賃貸なら管理会社への確認が済んでいることをもう一度確かめてください。
1採寸して壁紙と道具をそろえる
壁の幅×高さで面積を出し、柄合わせとカットの余裕を見て1〜2割多めに注文します。道具は撫でバケ、地ベラ、ジョイントローラー、カッター、替刃、スポンジ、メジャーが基本です。カッターの刃は切れ味が落ちるとクロスを引っ張って裂けるため、こまめに折って使います。
2家具を移動して床と巾木を養生する
家具は壁から離し、床にはマスカーやビニールシートを敷きます。コンセントプレートは電源を切ってから外し、ネジを紛失しないようまとめておきます。脚立を使うときは平らな場所に置き、天板に立たないでください。
3古い壁紙をはがす
既存クロスの端に軽く切れ目を入れ、表面のビニール層を引っ張ってはがします。裏紙が残った部分は、そのまま下地として活かせることが多いので無理にすべてはがす必要はありません。石膏ボードに深く刃を入れると下地を傷めるため、力を入れすぎないのがコツです。
4下地を平らに整える(ここが仕上がりを左右します)
はがした跡の段差、ビス頭、細かい穴をパテで埋め、乾いたらサンドペーパーで平らにならします。下地の凹凸は新しい壁紙を貼ると必ず浮き出るため、この工程を丁寧にやるかどうかで仕上がりが決まります。急いで貼りたくなる工程ですが、乾燥時間はしっかり取ってください。
5壁紙を貼り、余分をカットする
上から下へ空気を追い出すように撫でバケでなで、継ぎ目はジョイントローラーで押さえます。天井際と巾木際は地ベラを当ててカッターで切り、はみ出したのりは乾く前に濡れスポンジで拭き取ります。1枚目を垂直に貼れるかどうかで全体の並びが決まるので、最初の1枚だけは時間をかけましょう。
広い面や天井は2人以上での作業が安全です。無理な姿勢や高所での作業に不安がある場合は、その部分だけでも業者に相談するほうが結果的に早く済みます。
壁紙の張り替え業者の選び方と依頼先3タイプ

壁紙の張り替えは、価格の安さだけで選ぶと追加費用や仕上がりで後悔しやすい工事です。見るべきポイントを3つに絞ってお伝えします。
1見積書に内訳が書かれているかで選ぶ
「6畳一式◯円」だけの見積書では、どこまでが含まれるのか分かりません。クロス代(品番・グレード)、施工費、既存クロスの撤去処分費、下地のパテ処理、家具移動、養生、出張費が項目として並んでいるかを確認します。下地補修が別料金なら、どういう場合にいくら追加になるのかも聞いておきます。
2工事中の破損に備える保険に入っているかで選ぶ
家具や床、建具を傷つけてしまう事故はゼロにはできません。損害賠償責任保険への加入があるか、加入している場合の補償範囲を確認しておくと安心です。マッチングサービス経由の場合は、運営側の補償制度の有無も見ておきましょう。
3施工実績と書面のやり取りで選ぶ
壁紙の張り替えのような小規模な工事は、建設業法上「軽微な建設工事」(建築一式工事以外は1件の請負代金が500万円未満)にあたり、建設業許可がなくても請け負えます(国土交通省「建設業の許可とは」)。そのため許可の有無だけでは判断できず、施工事例・保険・書面での見積もりと契約という3点で見るのが現実的です。口約束のまま着工する業者は避けましょう。
依頼先は3タイプから選ぶ
- ① 自分で張り替える → 費用を最優先したい・面積が狭い・失敗しても納得できる人向け
- ② 内装・リフォーム会社に直接依頼する → 下地補修が必要・家全体をまとめて頼みたい人向け
- ③ マッチングサービスで比較して依頼する → 1部屋だけ・料金と口コミを見比べてから決めたい人向け
③のマッチングサービスは、登録している施工者の料金と口コミを一覧で比べてから予約できるのが特徴です。くらしのマーケットでは壁紙・クロス張り替えの料金相場として居室6畳の張替えを40,000〜50,000円と案内しています(執筆時点)。Web上では「作業前に料金が確定していて分かりやすかった」という声が見られる一方、「作業範囲の認識が施工者と食い違った」という指摘もあります。予約時に部屋の写真を送り、どこまで作業に含まれるかを文章で残しておくとすれ違いが起きにくくなります。
壁紙だけでなく水回りや床のクリーニングもまとめて頼みたい場合は、住まい全体の依頼先の考え方もあわせてご覧ください。
壁紙の張り替えについてよくある質問(FAQ)
※料金・サービス内容等は執筆時点(2026年7月)の各社公式サイトの公開情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
壁紙の張り替えは、業者に依頼すると6畳でおよそ4万〜7万円、自分で生のり付き壁紙を使うと材料と道具でおよそ2万〜3万円台が目安です。差額は1万〜4万円程度で、そこに自分の時間と仕上がりのリスクをどう見るかで判断が分かれます。
そして賃貸にお住まいの場合は、金額の比較より先に管理会社・大家さんへの確認を済ませてください。原状回復の考え方は国土交通省のガイドラインが目安を示していますが、法的な拘束力はなく、最終的には契約書の内容と話し合いで決まります。順番としては「賃貸なら確認 → 壁面積を測る → 2〜3社に同じ条件で見積もり」。この流れなら、迷わず費用を比べられます。