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ナスの葉が裏側からかすれるように削られている、ジャガイモの葉が網目になっている——見に行くと、そこに丸くて赤い虫がとまっていた。てんとう虫はアブラムシを食べてくれる味方だと聞いていたのに、どうして葉が食べられているのだろう。そんな戸惑いから、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、テントウムシの仲間にはアブラムシを食べる肉食の種類と、ナス科の葉を食べる食植性の種類の両方がいます。さらに、テントウムシではないのにテントウムシに見える甲虫やダニも、庭や家の中に現れます。見た目が近いぶん、名前だけで善悪を決めると取り違えが起きます。
この記事では虫の写真を使わず、線画の図解と早見表で8種類を整理しました。星の数・大きさ・いた場所・葉の食べ跡という4つの手がかりで絞り込めるように並べ、虫が見つからないときの判断材料、家の中に入ってきたときの扱い、判断がつかないときの相談先までまとめています。当メディア編集部が、農研機構・都道府県の病害虫防除所・農業試験場・研究機関が公開している情報を調べて整理しました(2026年8月時点)。


【一言でいうと】てんとう虫に似た害虫と益虫の見分け方|8種の早見表

先に答えをまとめます。星が7個で赤くつやのある虫はアブラムシを食べる益虫、星が数えきれないほど多くてナス科の作物にいる虫は葉を食べる食植性の仲間と考えると、大きく外れません。コンクリートの壁を歩く1mmほどの赤い粒はテントウムシではなくダニで、家の中で見つかる小さな丸い虫は衣類につく甲虫であることもあります。
次の早見表に、てんとう虫に似ていて取り違えやすい8種を①〜⑧の番号で並べました。番号はこのあとの解説とまとめでもそろえています。
| 番号 | 名前 | 大きさの目安 | 見つかりやすい場所 | 作物や暮らしとの関わり |
|---|---|---|---|---|
| ① | ナナホシテントウ | 5〜8.6mm | 草地・庭・畑 | 幼虫・成虫ともアブラムシ類を食べる |
| ② | ナミテントウ | 4.7〜8.2mm | 草地・庭・秋は建物の壁 | アブラムシ類を食べる。集団で家に入ることがある |
| ③ | キイロテントウ | 数mm程度 | うどんこ病の出た葉 | うどんこ病菌を食べる |
| ④ | ニジュウヤホシテントウ | 約6mm(東京都公園協会は7mm前後と紹介) | ナス・ジャガイモ・トマトの葉 | 成虫・幼虫とも葉や果実を食べる |
| ⑤ | オオニジュウヤホシテントウ | 約7mm | ナス・ジャガイモ・トマトの葉 | 成虫・幼虫とも葉や果実を食べる |
| ⑥ | ヘリグロテントウノミハムシ | 数mm程度 | ヒイラギモクセイ・ヒイラギ・ネズミモチ | 葉を食べる。触ると跳ねて逃げる |
| ⑦ | カベアナタカラダニ | 1mm前後 | 春先のコンクリート壁・ベランダ | テントウムシではなくダニ |
| ⑧ | ヒメマルカツオブシムシ | 1.7〜3.2mm | 屋外の花・室内のタンスや押し入れ | 幼虫が衣類や乾燥食品を食べる |
大きさと場所はあくまで絞り込みの材料で、これだけで種類を確定することはできません。判断の決め手になるのは、次の章で見る4つの見どころです。
なお、同じように「家で見かけた虫が何なのか」で迷いやすい組み合わせは、住まいの木部にもあります。
益虫のてんとう虫と食植性のてんとう虫を分ける4つの見どころ

テントウムシは全部が同じ食べ方をしているわけではありません。公益財団法人文化財虫菌害研究所のコラムは、テントウムシに肉食と植物食の種類があるとしたうえで、肉食のナナホシテントウやナミテントウは農作物の害虫であるアブラムシを食べることから益虫として知られている一方、植物食のニジュウヤホシテントウの仲間はジャガイモ、ナス、ピーマンなどを食べて葉をボロボロにしてしまうと説明しています(公益財団法人文化財虫菌害研究所 テントウムシの話/2026年8月時点)。
葉を食べるグループはマダラテントウ類と呼ばれます。北海道大学理学部生物科学科(生物学)の研究紹介では、マダラテントウ類は世界中の熱帯に分布する食植性のテントウで、日本には10種が分布しますと記されています(北海道大学理学部生物科学科(生物学) マダラテントウ類/2026年8月時点)。「テントウムシ=益虫」ではなく、種類ごとに食べるものが違うという前提から始めるのが近道です。
見どころ1:背中の星の数
いちばん分かりやすいのが星(黒い斑点)の数です。北海道厚沢部町の自然観察教育林の解説は、ナナホシテントウは体長5〜8.6mmで幼虫・成虫ともにアブラムシ類を食べ、ナミテントウは体長4.7〜8.2mmで背中の模様は一つとして同じものがないくらい変異に富むと紹介しています(北海道厚沢部町 テントウムシの仲間/2026年8月時点)。
これに対し、東京都墨田区の生きもの写真ページは、ニジュウヤホシテントウについて28の星がある天道虫であり、テントウムシは益虫とされるがこの虫はナス科植物の害虫だと説明しています(東京都墨田区 ニジュウヤホシテントウ/2026年8月時点)。星がはっきり7個なのか、数えきれないほど散らばっているのかが最初の分かれ道です。
見どころ2:体の大きさ
島根県病害虫防除所の病害虫データベースは、成虫を半円球の甲虫とし、大きさをオオニジュウヤホシテントウが約7mm、ニジュウヤホシテントウが約6mmとしています(島根県病害虫防除所 トマト テントウムシダマシ/2026年8月時点)。益虫側のナナホシテントウ・ナミテントウとサイズの幅が重なるため、大きさ単独では決められません。
見どころ3:どの植物にいたか
いた場所は星の数と同じくらい効きます。食植性の仲間はナス科に強く結びついており、島根県の同データベースでは、ナス以外にナス科のジャガイモ、トマト、ホウズキでも被害が多く、カボチャ、スイカ、キュウリ、インゲン、ササゲなどでも加害すると記されています(島根県病害虫防除所 ジャガイモ テントウムシダマシ類/2026年8月時点)。ナスやジャガイモの葉の上にいて、その葉が食べられているなら食植性の可能性が上がります。反対にアブラムシがついた草の上にいるなら、肉食の種類を先に考えます。
「テントウムシダマシ」という呼び名は2つの意味で使われています
伊丹市昆虫館研究報告に掲載された報告は、「テントウムシダマシ」が生物学(昆虫学)の分野ではテントウムシダマシ科Endomychidaeに属する甲虫を指す言葉である一方、園芸や農業の世界ではニジュウヤホシテントウやオオニジュウヤホシテントウを指すとしたうえで、Google検索の上位に出るのは後者の用法だったと報告しています(高田兼太「業界によって指し示す昆虫が異なる言葉『テントウムシダマシ』」伊丹市昆虫館研究報告 第10号(2022年)/2026年8月時点)。
つまり、家庭菜園の情報で出てくる「テントウムシダマシ」はニジュウヤホシテントウ類のことだと読み替えるとかみ合います。この記事でも以降は農業・園芸での使い方に合わせて説明します。
てんとう虫に似た害虫・似た虫8種の特徴

ここからは早見表の①〜⑧について、暮らしの中でどう出会うかを順に見ていきます。どれも「その場所にいたからこの虫」と言い切れるものではないため、複数の特徴が重なるかどうかで考えてみてください。
①ナナホシテントウ(赤地に7個の星)
もっともなじみのあるテントウムシです。厚沢部町の解説は、体長5〜8.6mmで幼虫・成虫ともにアブラムシ類を食べ、成虫で越冬すると紹介しています。畑や庭のアブラムシが増えている場所に集まるため、アブラムシと一緒に見つかったら、まず益虫の可能性を考えるほうが自然です。
②ナミテントウ(模様の変異がとても大きい)
黒地に赤い紋が2つのもの、赤地に黒点が並ぶものなど、同じ種類とは思えないほど模様が違います。厚沢部町の解説も、背中の模様は一つとして同じものがないくらい変異に富む、最もよく見られるテントウムシと説明しています。
アブラムシを食べる力は農業でも活用されています。農研機構の西日本農業研究センターの紹介は、ナミテントウは大量に捕食する能力があり、アブラムシの天敵として注目されてきたものの、施設内に放飼しても飛び去ってしまうため定着しないという課題があり、飛翔能力を欠く系統が開発されたと説明しています(農研機構 西日本農業研究センター 飛ばないナミテントウ/2026年8月時点)。
③キイロテントウ(黄色一色・菌を食べる)
星のない黄色いテントウムシで、食べているのは虫でも葉でもなく菌です。福井県農業試験場の研究報告は、ウリ類うどんこ病菌を食菌するキイロテントウを7〜8月に大野市、勝山市で確認し、うどんこ病の発生したキュウリ苗にキイロテントウを大量に放飼するとうどんこ病菌をすべて食べつくしたと報告しています(本多範行ほか「拮抗菌および天敵によるキュウリうどんこ病の生物的防除の試み」福井県農業試験場研究報告(2017年)/2026年8月時点)。白い粉をふいた葉の上にいる黄色い虫は、この仲間かもしれません。
④ニジュウヤホシテントウ(ナス科の葉を食べる)
家庭菜園でいちばん問い合わせが多いのがこの種類です。公益財団法人東京都公園協会の生きもの解説は、大きさは7mm前後、黄褐色〜赤褐色の体に黒い斑紋があり、ナス科植物やイモ類の害虫だと紹介しています(公益財団法人東京都公園協会 ニジュウヤホシテントウ/2026年8月時点)。
高知県の農業技術情報では、成虫、幼虫ともに葉を食害し、主に葉裏から食害して表皮と葉脈だけを残した独特の階段状の食害痕を残すこと、成虫は果実も食害し果皮の穴あきや変形果の原因となることが記されています(こうち農業ネット なす ニジュウヤホシテントウムシ/2026年8月時点)。
⑤オオニジュウヤホシテントウ(見た目は④とほぼ同じ)
④とよく似ていて、外見だけで分けるのは簡単ではありません。島根県病害虫防除所のデータベースは、両種は年平均気温が14℃を境に棲み分けているといわれており、島根県では山間部にオオニジュウヤホシテントウ、沿岸部にニジュウヤホシテントウが生息していると説明しています。
手がかりになるのは幼虫です。石川県農林水産部農林総合研究センター農業試験場の病害虫診断事例では、ニジュウヤホシテントウの幼虫は灰白色、オオニジュウヤホシテントウの幼虫は黄色であると記されています(石川県農林総合研究センター農業試験場 ナス テントウムシダマシ類/2026年8月時点)。どちらであっても対処の考え方は同じなので、種名の確定にこだわりすぎる必要はありません。
⑥ヘリグロテントウノミハムシ(庭木につく・触ると跳ねる)
テントウムシではなくハムシの仲間ですが、見た目がよく似ています。国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所の森林生物データベースでは、成虫はテントウムシ類に似ているが刺激を与えると跳躍して逃げること、モクセイ科を寄主としヒイラギモクセイ、ヒイラギ、ネズミモチに被害が多いこと、幼虫の体色は黄色で頭部は黒色であることが記されています(森林総合研究所 森林生物データベース ヘリグロテントウノミハムシ/2026年8月時点)。同データベースは、1980年代初めごろから関東地方を中心として公園・庭園・街路などで大発生を続けているとも記しています。
生垣のヒイラギやキンモクセイの葉が白くかすれている、内側が茶色く筋になっているといった症状とセットで見つかることがあります。
⑦カベアナタカラダニ(「てんとう虫みたいなダニ」の正体)
春先に壁を歩き回る、真っ赤で小さな粒。埼玉県保健医療部衛生研究所の解説は、カベアナタカラダニは体長1mm前後で、春先からコンクリート壁やベランダ、ビルの屋上や外壁などを徘徊している鮮赤色のダニであり、ヒトを積極的に刺すことはありませんと説明しています(埼玉県衛生研究所 ダニのなかま/2026年8月時点)。
同ページでは、布団や洗濯物に付着したものが潰れたりすると赤くシミになったりすること、梅雨入り前後の時期には産卵を終え翌年まで見かけなくなることも記されています。テントウムシとは分類のグループそのものが違うため、脚の数や体の分かれ方が違って見えたら、この仲間を疑ってみてください。
⑧ヒメマルカツオブシムシ(家の中で見つかる丸い小さな虫)
室内で見かける2〜3mmの丸い甲虫は、テントウムシではなくこちらのことがあります。独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所の文化財害虫の解説は、成虫は2〜3mmほどの甲虫で黒の下地に橙や白の模様が入りまだらに見え、比較的円に近い楕円形であること、成虫は屋外では花に集まり花粉を食べていること、成虫は白い物に集まる習性があり白い服を着ていると体について屋内に入ってきてしまうことを説明しています(東京文化財研究所 ヒメマルカツオブシムシ/2026年8月時点)。
さいたま市健康科学研究センターの解説は、ヒメマルカツオブシムシの成虫を体長1.7〜3.2mm、幼虫は成熟すると体長約4mmとしたうえで、食べ物や汗などが付着した衣類は食べられやすいため長期間保管する前にはきれいに洗濯をすること、保管場所の食品かすなどは定期的に清掃することを予防のポイントに挙げています(さいたま市健康科学研究センター 衣類や食品を食べる害虫『カツオブシムシ類』/2026年8月時点)。
庭や花壇で見かける虫の見分けと環境の整え方は、別の記事でも整理しています。
虫が見つからないときは葉の食べ跡で見分ける

虫が苦手で近づけない、もう姿が見当たらない——そんなときは葉の残り方から絞り込めます。食植性のテントウムシの食べ跡は特徴がはっきりしていて、複数の県が別々の言葉で同じ形を説明しています。
島根県病害虫防除所のデータベースでは、はじめは葉の裏側から葉肉をさざ波状に食害し、この食害痕は特徴的で他の害虫の食害痕と容易に区別できると記されています。高知県の農業技術情報では、主に葉裏から食害し表皮と葉脈だけを残した独特の階段状の食害痕を残すと表現されています。石川県農業試験場の診断事例は、葉裏から表皮を残して食害し特徴的な棚田状の食害痕を残す、果実表皮にも同様の食害痕を残すと説明しています。
「さざ波状」「階段状」「棚田状」はいずれも、葉の表側の膜だけが残って細かい筋が並んで見える状態を指しています。葉に丸い穴が開いているのではなく、うっすら透ける筋が並んでいるなら、この仲間の食べ跡である可能性が高いと考えられます。
食べ跡を見るときに一緒に確かめておきたいこと
石川県農業試験場の診断事例では、食害から時間が経つと食害部分の萎縮やカビの発生により明瞭な棚田状の食害痕の外観は失われることが多いと注意書きが添えられています。傷んだ古い葉だけを見て判断せず、新しく展開した葉の裏も確かめてみてください。
時期も材料になります。高知県の情報では、成虫は落葉下、樹皮下などで越冬し、4月下旬頃から越冬地を離れてばれいしょ畑などに飛来するとされ、露地なすでは6〜8月に被害が目立つと記されています。島根県の情報は、オオニジュウヤホシテントウを年1〜2回、ニジュウヤホシテントウを年2〜3回の発生としています。
ただし、食べ跡が残っていても犯人を1種類に断定することはできません。同じ畑にほかの食葉性の虫がいることもあるため、あくまで有力な候補として扱い、次の章以降の対応につなげるのが現実的です。
家の中に入ってきたてんとう虫の扱い

秋から冬にかけて、室内や窓辺でテントウムシを見かけることがあります。これは作物を食べに来ているのではなく、寒さをしのぐ場所を探して入ってきた行動です。
公益財団法人文化財虫菌害研究所のコラムは、ナミテントウは集団で家屋に飛来し冬越しするため「不快害虫」として駆除される場合があること、ナミテントウが集まりやすい家屋には10〜11月くらいになると日当たりのよい壁などに次々とやってきて天井裏などに侵入し冬越しすること、暖房などで屋内を温めていると冬場に動き出すことがあると説明しています。
長野県小諸市の広報誌のコラムも、晩秋にテントウムシの集団がやって来て電柱などに群れ、その後は崖の割れ目などで春まで集団で冬を越すこと、家の戸袋などの中に潜り込んで冬を越すこともあり、テントウムシが洗濯物などにとまって出す赤い汁で洗濯物が汚れて困ったという経験を持つ人もいるだろうと記しています(小諸市 広報こもろ 令和5年2月号「テントウムシの集団越冬」/2026年8月時点)。
この習性をふまえると、室内で見つけた1匹への向き合い方は決めやすくなります。つぶすと汁が出て布や壁にシミが残るおそれがあるため、紙などにのせて屋外へ出すほうが後始末が楽です。数が多いなら掃除機で吸って屋外で処理する方法もありますが、集まる場所は毎年同じになりやすいため、翌シーズンに向けて入り込む隙間を減らすほうが根本的です。
窓まわりの隙間や網戸の傷みは、テントウムシに限らず秋に家へ入ってくる虫の入口になります。張り替えの手順や費用感は次の記事にまとめています。
なお、⑦のカベアナタカラダニについて、埼玉県衛生研究所の解説は、攻撃性や侵入性が低いことから一般的な家屋周辺においてはほとんど対策や薬剤の使用は不要であり、薬剤に対しても本種は低感受性であるとしています。あわてて薬剤をまくより、洗濯物や布団に付いていないかを確認するほうが実際的です。皮膚に何らかの症状が出た場合や、症状が広がる場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
秋に建物へ入り込む虫としてはカメムシの相談も多く、屋内用と屋外用で薬剤の選び方が変わります。
見分けがついた後にできること

種類の見当がついたら、次にすることは4段階で考えると迷いません。順番に見ていきます。
1益虫だと分かったら、そのままにしておく
アブラムシを食べる①②や、うどんこ病菌を食べる③は、畑の中で働いてくれる側の虫です。見つけた場所にアブラムシや白い粉状の病斑があるなら、取り除かずに様子を見るという選択肢があります。
2葉を食べる種類だと分かったら、まず手と道具でできることから
農林水産省と環境省の連名通知「住宅地等における農薬使用について」の別紙は、住宅地内及び住宅地に近接した農地(市民農園や家庭菜園を含む)での病害虫防除について、病害虫に強い作物や品種の栽培、人手による害虫の捕殺、防虫網の設置、機械除草等の物理的防除の活用等により、農薬使用の回数及び量を削減することを遵守事項に挙げています(農林水産省 住宅地等における農薬使用について/2026年8月時点)。
作付けの工夫も一次情報にあります。高知県の情報は、第1世代はばれいしょで繁殖するので、ばれいしょ畑の近くでの栽培は避ける、という対策を挙げています。
3薬剤を使うなら、ラベルの記載に沿って使う
同じ通知の別紙は、農薬を使用する場合には農薬取締法に基づいて登録された、当該農作物に適用のある農薬を、ラベルに記載されている使用方法(使用回数、使用量、使用濃度等)及び使用上の注意事項を守って使用することを求めています。あわせて、散布は無風または風が弱いときに行うなど近隣に影響が少ない天候の日や時間帯を選ぶこと、使用した年月日・場所・対象農作物・農薬の種類または名称・使用量または希釈倍数を記録し一定期間保管することも求めています。
この記事では特定の薬剤名は挙げません。使えるかどうかは「その作物に適用があるか」で決まり、ラベルの適用作物欄が唯一の判断材料だからです。
4判断がつかない・被害が広いときは相談する
作物の被害については、都道府県ごとに病害虫防除所が置かれています。農林水産省の植物防疫所のリンク集に各都道府県の病害虫防除所の一覧が掲載されているので、お住まいの都道府県の窓口を確認できます(農林水産省 植物防疫所 リンク集/2026年8月時点)。
家の中の虫については市区町村の保健所が相談先になります。相談の前に、見つけた日付・場所・おおよその大きさ・葉の食べられ方をメモしておくと話が早く進みます。
- アブラムシと一緒にいた・星が7個 → ①②の可能性。そのままにして様子を見る
- 白い粉のふいた葉にいた黄色い虫 → ③の可能性。菌を食べている側
- ナスやジャガイモの葉裏に筋状の食べ跡 → ④⑤の可能性。捕殺や防虫網から検討
- ヒイラギやキンモクセイの葉が白くかすれる → ⑥の可能性。庭木の管理として相談
- コンクリート壁の赤い粒/室内の丸い小さな虫 → ⑦⑧の可能性。作物の害虫ではない
大量発生していて自分の手に負えない、庭木や住まい全体に及んでいるといった場合は、害虫駆除の専門業者に見てもらう選択肢もあります。料金の決まり方と見積もりで確認する項目は次の記事にまとめました。
てんとう虫に似た害虫についてよくある質問(FAQ)
※本記事は2026年8月時点で公開されている公的機関・研究機関・公益法人の情報をもとに整理したものです。写真や記憶からの同定には限界があり、防除の要否は作物や栽培状況によっても変わります。個別の判断は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や農業改良普及センターにご相談ください。農薬を使用する場合は必ず製品のラベル表示に従ってください。
まとめ|てんとう虫に似た害虫の見分け方
てんとう虫に見えた虫は、星の数・体の大きさ・いた植物・体の表面のつやという4つの見どころで大きく絞り込めます。星が7個で赤くつやがあれば①ナナホシテントウ、模様の変異が大きければ②ナミテントウ、黄色一色なら③キイロテントウで、いずれもアブラムシや菌を食べる側です。
星が数えきれないほど多く、ナス・ジャガイモ・トマトの葉裏に細かい筋の食べ跡があるなら④ニジュウヤホシテントウ・⑤オオニジュウヤホシテントウの可能性が高まります。庭木のヒイラギやキンモクセイなら⑥ヘリグロテントウノミハムシ、コンクリート壁の赤い粒は⑦カベアナタカラダニ、室内の丸い小さな虫は⑧ヒメマルカツオブシムシと、そもそも別のグループのこともあります。
薬剤を使う場面では、ラベルに書かれた適用作物と使用方法が判断のすべてです。迷ったときは都道府県の病害虫防除所や市区町村の保健所に、見つけた日付と場所、葉の食べられ方を添えて相談してみてください。虫を1匹ずつ見分けようとするより、そのほうが確実に前へ進めます。