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庭の土やベランダ、雨樋のまわり、屋根裏の断熱材の上。ふと見ると、泥のついた小さな手形のような跡が並んでいる——。ハクビシンかもしれないと思っても、実物を見ていない以上、跡だけで決めるのは不安なものです。
先に結論をお伝えします。見る順番は「地面についた指が何本か」→「爪の跡が付いているか」→「前足と後足で大きさがどれだけ違うか」の3つです。農林水産省の中型獣類マニュアルは、この順番でハクビシン・アライグマ・タヌキ・アナグマ・テン・キツネ・ヌートリアの7種を振り分けるフローチャートを公開しています。指の本数だけでは、7種が2つのグループに分かれるところまでしか進みません。
この記事では動物の実物写真をいっさい使わず、線画の図解と数値の表だけで足跡を振り分けられるようにしました。当メディア編集部が、農林水産省・環境省・国土交通省・武蔵野市が公開している資料をあたって作成しています(※2026年8月時点)。あわせて、資料どうしで数値が食い違っている箇所も、隠さずそのまま示します。


- 01【一言でいうと】この足跡はハクビシン?|まず数えるのは指の本数
- 02足跡の指の数と形で、どこまで絞り込める?|農林水産省のフローチャート
- 03ハクビシンの足跡の大きさは?|前足と後足のcm比較表
- 04なぜハクビシンとアライグマは後足の足跡が細長いの?|歩き方の違い
- 05「アライグマは爪跡がはっきり出る」は本当?|資料で数字と言葉を突き合わせる
- 06猫やイタチの足跡は?|今回確認した資料でどこまで言えるか
- 07足跡はどこに残る?|雨樋・畑のマルチ・雪の上で見つかりやすい理由
- 08足跡が見つかったら何をすればいい?|捕獲はできない・相談先
- 09ハクビシンの足跡についてよくある質問(FAQ)
- 10まとめ|指の数 → 爪跡 → 前足と後足の大きさの差 の順に見る
【一言でいうと】この足跡はハクビシン?|まず数えるのは指の本数

足跡を見たときに最初に数えるのは、地面についている指の本数です。農林水産省が公開している足跡のフローチャートは、いちばん上の分岐を「足跡の指の数は何本ですか」という問いに置き、5本と4本で7種を2つに分けています(農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル【中型獣類編】」2-7 獣種の見分け方、フローチャート、それぞれの痕跡の特徴(足跡)/フローチャート作成:野生生物研究所ネイチャーステーション 古谷益朗)。
5本の側に入るのは、ハクビシン・アライグマ・アナグマ・テン・ヌートリア。4本の側はタヌキとキツネです。つまりハクビシンは5本指の側で、この時点ではまだ4種の候補が残っています。
次に見るのが爪の跡です。ハクビシンについて、農林水産省の中型獣類編は「多くの場合爪の跡は付かない」と書いています(農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル-アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ-(中型獣類編)」2 中型獣対策の基本・1 加害鳥獣の特定・痕跡の特徴【足跡】)。同じ節は、アライグマを「指先に爪の跡が残ることが多い」、アナグマを「長い爪跡が付くことも特徴」としています。爪の跡がはっきり出ていれば、ハクビシンよりアライグマやアナグマが疑われる、という順序です。
最後が前足と後足の差です。ハクビシンの足跡は前足が長さ5cm程度なのに対し、後足は長さ10cm程度と、およそ2倍の長さになると同マニュアルは書いています。3つの手がかりのうち、いちばん取り違えにくいのはこの「前後の差」です(※2026年8月時点)。
足跡の指の数と形で、どこまで絞り込める?|農林水産省のフローチャート
フローチャートは4つの問いでできています。順に見ていくと、指の本数だけでは決まらないことがよく分かります。
まず4本の側。次の問いは「中央2本の指の基部に線を引いたときに左右の指はどうなりますか」です。線に重なるならタヌキ、重ならないならキツネへ進みます。キツネの側には、足跡が一直線になることがあるという注記が添えられています。
5本の側は、指が長いか、指が独立して丸いかで分かれます。指が長いほうへ進むと、次の問いは「左右の足が横に並ぶ」かどうかで、並ぶならアライグマ、並ばないならヌートリアです。ヌートリアの側には「中央に尾の跡が残る」という注記があります。指が独立して丸いほうへ進んだ場合は「中心のパッド(足底球)の形は?」が問われ、円形ならハクビシン、半月形ならさらに大きさで分かれて、5cm以上がアナグマ、4cm以下がテンとなります。
ここで押さえておきたいのは、アライグマとヌートリアが、指の長い5本指という同じ枝に入っている点です。人の手形のような跡=すぐアライグマ、とは限りません。同じマニュアルのハクビシンの節は「前肢、後肢ともに丸形の5本指で分厚い肉球を持つ」と書いており(同マニュアル 2-2 ハクビシン)、タヌキの節は「イヌ科の動物なので地面につく指の数は4本である」と書いています(同マニュアル 2-3 タヌキ)。

| 分岐 | 進む先 | そのとき見る点 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 指4本/中央2本の基部の線に左右の指が重なる | タヌキ | 今回確認した資料に、この分岐に付された注記なし | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指4本/線に重ならない | キツネ | 足跡が一直線になることがある | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指5本・指が長い/左右の足が横に並ぶ | アライグマ | 今回確認した資料に、この分岐に付された注記なし | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指5本・指が長い/横に並ばない | ヌートリア | 中央に尾の跡が残る | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指5本・指が独立して丸い/パッドが円形 | ハクビシン | 今回確認した資料に、この分岐に付された注記なし | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指5本・指が独立して丸い/パッドが半月形・5cm以上 | アナグマ | 大きさで分ける | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
| 指5本・指が独立して丸い/パッドが半月形・4cm以下 | テン | 大きさで分ける | 農林水産省 2-7 フローチャート(足跡) |
ハクビシンの足跡の大きさは?|前足と後足のcm比較表

大きさの数値は、農林水産省の平成30年版・中型獣類編にある「加害鳥獣の特定」の節、その中の痕跡の特徴【足跡】の項に、4種ぶんまとまっています。以下は、その節に書かれている値だけを1種ずつそのまま転記した表です(※2026年8月時点)。他の資料の数値は混ぜていません。
| 動物 | 地面につく指 | 爪の跡 | 前足の足跡 | 後足の足跡 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| ハクビシン | 短い5本指・丸い手のひら | 多くの場合爪の跡は付かない | 長さ5cm・幅4.5cm程度 | 長さ10cm・幅4cm程度 | 農林水産省(平成30年版)痕跡の特徴【足跡】 |
| アライグマ | 5本・指が長い | 指先に爪の跡が残ることが多い | 長さ5.5cm・幅6cm程度 | 長さ6.5〜8cm・幅5〜6.5cm程度 | 農林水産省(平成30年版)痕跡の特徴【足跡】 |
| タヌキ | 4本 | 指先に爪の跡が付くことが多い | 長さ4cm・幅3cm程度 | 長さ4cm・幅3cm程度(前足と同じ値) | 農林水産省(平成30年版)痕跡の特徴【足跡】 |
| アナグマ | 5本・アライグマより指が短い | 長い爪跡が付くことも特徴 | 長さ7.5cm・幅4cm程度 | 長さ9cm・幅4cm程度 | 農林水産省(平成30年版)痕跡の特徴【足跡】 |
表にすると、ハクビシンだけ後足の長さ(10cm程度)が前足(5cm程度)の倍近くになるのが目立ちます。タヌキは前足と後足が同じ値で、アナグマは7.5cmと9cmとあまり差がありません。跡が2つ並んでいて、片方だけ細長いなら、ハクビシンかアライグマの側に寄せて考えることになります。
同じ4種について、武蔵野市が掲載している資料(参考資料:東京都農業振興事務所作成「ハクビシンの見分け方」)は、ハクビシンを「指は5本で爪跡は不明瞭」、アライグマを「指は5本で爪が長く足跡の爪跡は明瞭」、タヌキを「指は4本で全体に丸く猫に似ているが、足跡の爪跡は明瞭」、アナグマを「指は5本で爪が長い」と説明しています(武蔵野市環境政策課「ハクビシン、アライグマの見分け方」)。指の本数と爪跡の傾向は、農林水産省の記述とそろっています。
この武蔵野市の資料は、胴長や尾の形といった姿の特徴もあわせて載せています。足跡ではなく姿を見かけたという場合は、大きさ・尾・顔の模様から振り分ける記事のほうが向いています。
なぜハクビシンとアライグマは後足の足跡が細長いの?|歩き方の違い
前足と後足で大きさが変わる理由は、歩くときに足のどこまでを地面につけるかにあります。環境省北海道地方環境事務所などがまとめた手引きは、アライグマについて「肢はかかとまで地面に着く、蹠行性が特徴」と説明し、ヒトやレッサーパンダ、クマと同じだとしています(環境省北海道地方環境事務所・NPO法人EnVision環境保全事務所「地域からアライグマを排除するための手引き」3-1 外見)。
同じページは、タヌキを「イヌやネコと同じで、つま先だけが接地する半蹠行性」と説明しています。かかとまで着けば、その分だけ後足の接地面が縦に長くなります。だから足跡が細長くなる、という理屈です。
この手引きは、足跡での判別について「地面に接する前肢と後肢の大きさが著しく異なるため、比較的容易です」とも述べています。環境省の「アライグマ防除の手引き」も、アライグマを「踵まで地面に付けて歩く」、タヌキを「つま先だけ地面に付けて歩き、花模様に似た足跡」と対比させています(環境省「アライグマ防除の手引き(地域から構築する効果的な防除)」令和7年3月改訂版・資料1「アライグマの生物学的特性」)。
ハクビシンの場合は、爪ではなく肉球で登るという説明が手がかりになります。農林水産省の令和6年3月版は「爪は小さいため、柱などを登る際には爪を引っ掛けて登らずに、分厚い肉球を押し付けて挟むように上り下りする」とし、そのため「雨樋のようなツルツルした素材の柱でも登ることができる」と書いています。爪跡が残りにくいことと、雨樋のような場所に泥の跡が付くことが、同じ性質から説明できるわけです。

「アライグマは爪跡がはっきり出る」は本当?|資料で数字と言葉を突き合わせる

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。ネット上には「アライグマの足跡は爪跡がはっきり出るから一目で分かる」「大きさは○cmだから測れば決まる」という説明が並んでいます。ところが公的資料を並べると、そう単純ではありません。
まず数値です。アライグマの前足の足跡の大きさは、資料によって次のように違います(※2026年8月時点)。
| 資料と、その中の箇所 | 前足(前肢)の足跡 | 後足(後肢)の足跡 |
|---|---|---|
| 農林水産省(平成30年版)痕跡の特徴【足跡】 | 長さ5.5cm・幅6cm程度 | 長さ6.5〜8cm・幅5〜6.5cm程度 |
| 環境省北海道地方環境事務所ほか「手引き」8ページ・足跡写真の注記 | 3〜4cm | 10〜12cm |
| 同「手引き」19ページ・痕跡調査「■歩法」 | 5〜6cm | 10〜12cm |
同じ1冊の手引きの中でも、前足の値が3〜4cmと5〜6cmでそろっていません。後足も、農林水産省の6.5〜8cm程度と、環境省の手引きの10〜12cmでは開きがあります。地面の硬さや個体差、測り方の違いが効くためで、平成30年版のマニュアル自身が「これらの痕跡は現地の自然環境や食べているものによって変化してしまう」と断っています。ひとつの数値を覚えて当てはめる使い方はできない、と読むのが正しい向き合い方です。
次に爪跡です。武蔵野市が掲載する資料はアライグマを「指は5本で爪が長く足跡の爪跡は明瞭」としています。一方、農林水産省の令和6年3月版のアライグマの節には「通常、爪は補完的に使うのでささくれだった大きな痕跡は残らない」という記述があります(同マニュアル 2-1 アライグマ)。一見矛盾しますが、前者は地面に残る足跡の爪跡、後者は木や壁を登るときに残る爪痕の話で、別のものを指しています。ここを混ぜると、正反対の結論になってしまいます。
そして環境省の「アライグマ防除の手引き」に載っている足跡の図には、「灰色部分はやや不鮮明な跡になる」という注記が付いています。同じ手引きの本文はアライグマを「前肢、後肢共に指は5本で長く、足跡は人の子供の手形のようです」と説明していますが、実際には全部の指がきれいに出るとは限らない、ということです。
平成30年版のマニュアルは、もうひとつ大切な注意を書いています。「ある特定の獣種の痕跡を見つけたことで、その背後にいる獣種を見逃してしまう場合があり」、対策をしているのに被害が続いてしまうことがある、という指摘です。1種類に決めた瞬間に見えなくなるものがある、という視点は、家のまわりでも同じように効きます。
猫やイタチの足跡は?|今回確認した資料でどこまで言えるか

家のまわりで実際にいちばん多く見つかるのは、飼い猫や地域猫の足跡かもしれません。ところが、ここまで見てきた農林水産省のフローチャートは農地に出る中型獣7種を対象にしたもので、ネコ・イヌ・イタチは分岐に入っていません。ここが盲点になります。
ネコについて、今回確認した13件の資料の中で足跡そのものに触れているのは、環境省北海道地方環境事務所などの手引きの「イヌやネコと同じで、つま先だけが接地する半蹠行性」という一文だけでした。つまり、かかとまで着くアライグマのような細長い後足の跡にはならない、というところまでは言えます。指の本数や大きさ、爪跡の出方をネコについて1対1で示した記載は、今回確認した資料には見当たりませんでした。関連して、武蔵野市が掲載する資料はタヌキを「指は4本で全体に丸く猫に似ているが、足跡の爪跡は明瞭」と説明しており、猫に似た丸い4本指であることと、爪跡が明瞭かどうかを、タヌキ側の識別点として置いています。
イタチについても、足跡の指の本数・大きさを記した公的資料は今回確認した範囲では見当たりませんでした。関連する記載としては、農林水産省の令和6年3月版のコラムに「特にカラダの小さいシベリアイタチは3cm程の穴や隙間からでも侵入する」とあり(同マニュアル コラム「シベリアイタチによる被害とその特徴」)、体の小ささから跡も小さくなることがうかがえる程度です。
足跡で決めきれないときは、別の痕跡と合わせるのが早道です。フンの見た目から絞り込みたい方は、ためフンの位置や混ざり物で見る記事を用意しています。
足跡はどこに残る?|雨樋・畑のマルチ・雪の上で見つかりやすい理由

足跡は「柔らかい土なら残る」と思われがちですが、公的資料の書き方はもう少し細かいものです。環境省北海道地方環境事務所などの手引きは、アライグマの足跡が「河川沿いのぬかるんだ地面や畑に敷かれたマルチシート、表面が適度に硬くなった雪上などによく残っています」とし、風雨の影響を受けにくい橋の下は定期調査に適した環境だと書いています。
そのうえで、「よく耕された土の上や新雪などでは、肢が深く埋まってしまうことで個々の足跡が明瞭に残ることは少ない」と続けます。ふかふかの土や降ったばかりの雪は、むしろ形が崩れて読めなくなるということです。雪の上で探すなら、いったん締まって表面が硬くなったタイミングのほうが向いています。
畑では、農林水産省のタヌキの節が「マルチや除草シート上は確認しやすい」と書いています。家のまわりなら、雨樋やベランダの手すり、室外機の上、屋根裏の断熱材の上など、ほこりや泥が薄く乗った硬い面が同じ役割をします。ハクビシンが雨樋のような柱でも登れることは前述のとおりで、跡が縦方向に続いていることもあります。
国土交通省の調査マニュアルは、フィールドサインを探す時期について「草本類が繁茂する前の春季、枯れた後の秋季、雪の積もる地域では積雪時には、フィールドサインが確認しやすい」とし、場所については「水際や砂地、泥地、湿地、干潟は足跡が残りやすいため、確認しやすい」としています。記録の作法も参考になります。同マニュアルは撮影のときに「フィールドサインの大きさがわかるようにスケールを入れる」と指示しています。定規やコインを横に置いて撮っておけば、あとから大きさを比べられます(国土交通省「平成28年度版 河川水辺の国勢調査 基本調査マニュアル[河川版](両生類・爬虫類・哺乳類調査編)」4.1 現地調査 フィールドサイン法)。
夜の物音のほうが先に気になっている場合は、音と時間帯から絞る記事もあわせてご覧ください。
足跡が見つかったら何をすればいい?|捕獲はできない・相談先

大前提として、正体を確かめるためであっても、自分で捕まえることはできません。鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)第8条は「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない」と定め、第9条第1項で許可を受けた場合などを例外としています。狩猟鳥獣であっても自由に捕れるわけではなく、狩猟免許と登録、猟期・区域の制限に従うか、第9条第1項の許可を受ける必要があります(e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」)。ハクビシン・タヌキ・アナグマ・テン・キツネ・イタチは、いずれも同法施行規則 別表第二の狩猟鳥獣に掲げられています(テンは亜種ツシマテンを除き、イタチは「オスに限る。」という限定が付いています)。つまり無免許・無許可では捕獲できない、という点は変わりません。
アライグマとヌートリアだけは、扱いがもう一段違います。この2種は特定外来生物に指定されているため(環境省「特定外来生物等一覧」)、鳥獣保護管理法に加えて外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)がかかります。同法第4条は特定外来生物の飼養等(飼養・栽培・保管・運搬)を原則禁止し、第9条は放出等を禁止しています。罰条は違反した条文で分かれます。同法は、第4条違反を第33条第1号で「一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」、第9条(放出等)違反を第32条第3号で「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています(e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」)。生きたまま箱に入れて運ぶ、しばらく飼っておく、といった行為が規制の対象になる、ということです。
できるのは、足跡や物音などの記録を残し、侵入されそうな隙間をふさぎ、自治体の担当課(環境課・農政課など)に相談することです。市区町村によって窓口も対応も違うため、まずはお住まいの自治体の公式サイトで「鳥獣被害」の窓口を確認してください。屋根裏に入られている可能性がある場合は、建物側の点検が必要になるので、専門業者への相談も選択肢になります。
アライグマと分かった場合の環境づくりや侵入口のふさぎ方は、別の記事で詳しく整理しています。
業者に見てもらう場合は、複数社の内容と金額を並べて比べるのが安心です。作業範囲(点検だけか、隙間の封鎖まで含むか)と、再発したときの対応を、見積もりの段階で確認しておきましょう。
ハクビシンの足跡についてよくある質問(FAQ)
※本記事は、農林水産省・環境省・国土交通省・武蔵野市が公開している資料と、e-Gov法令検索に掲載されている条文をもとに、2026年8月時点で当メディア編集部がまとめたものです。足跡の形や大きさは地面の状態・個体差によって変わり、記事の内容だけで種類を確定するものではありません。捕獲や駆除にあたる行為は法律で規制されています。被害が出ている場合や判断に迷う場合は、お住まいの市区町村の担当窓口にご相談ください。
まとめ|指の数 → 爪跡 → 前足と後足の大きさの差 の順に見る
足跡の振り分けは、次の3ステップで進みます。①地面についた指が5本か4本か(5本ならハクビシン・アライグマ・アナグマ・テン・ヌートリア、4本ならタヌキ・キツネ)。②爪の跡が付いているか(ハクビシンは「多くの場合爪の跡は付かない」、アライグマは「指先に爪の跡が残ることが多い」、アナグマは「長い爪跡が付くことも特徴」)。③前足と後足の大きさの差(ハクビシンは前足5cm程度に対し後足10cm程度、タヌキは前後とも4cm程度)。
そのうえで押さえておきたいのが、資料自身が示している限界です。アライグマの前足の足跡の大きさは、環境省の同じ手引きの中でも3〜4cmと5〜6cmで一致しておらず、農林水産省は5.5cm程度としています。平成30年版のマニュアルは、痕跡の形は「あくまでも目安」であり、1種類の痕跡を見つけたことで背後にいる別の獣種を見逃す場合があると注意を促しています。
足跡は「候補を減らす道具」であって「答えを出す道具」ではありません。スケールを入れて写真を残し、物音やフンなど別の手がかりと合わせ、対処は自治体の窓口や専門業者に相談する——この順番であれば、法律に触れることなく、遠回りにもなりません(※2026年8月時点)。