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ムカデみたいな虫の正体|1体節の脚の対数で見分ける早見表

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夜、風呂場のタイルや玄関のたたきを、脚のたくさんある細長い虫がすっと横切る。ムカデかもしれないと思うと、確かめるために画像検索する気にもなれない、という声をよく聞きます。

先に結論をお伝えします。見るのは脚の総本数ではなく、ひとつの体節から脚が1対(2本)出ているか、2対(4本)出ているかです。長野県林業総合センターの資料は「両者は、各体節の足がヤスデは2対、ムカデは1対であることで区別できます」と書いています。ここで候補が半分に減ります。

この記事では虫の実物写真をいっさい使わず、線画の図解と数値の早見表だけで、家のまわりで見かける脚の多い虫を5つのグループに振り分けられるようにしました。当メディア編集部が、名古屋市衛生研究所・長野県林業総合センター・相模原市立博物館・倉吉博物館・札幌市などが公開している解説をあたって作成しています(※2026年8月時点)。

読者
風呂場の壁を、脚がたくさんある茶色い虫が這っていました。ムカデだと思うのですが、思っていたより小さくて3cmくらいなんです。
編集部
大きさより先に、脚の付き方を思い出してみてください。ひとつの節から脚が1本ずつだったか、2本ずつそろって出ていたか。それだけで、まったく別のグループに分かれます。

【一言でいうと】ムカデみたいな虫の正体は?|見るのは「1体節に脚が何対か」

ムカデみたいな虫は、脚の付き方でまず2つに分かれます。ひとつの体節から脚が1対だけ出ていればムカデ綱(唇脚綱)の仲間、2対そろって出ていればヤスデの仲間です。

長野県林業総合センターの「ミニ技術情報 No.18 キシャヤスデ」(平成11年11月)は、「1.ヤスデとムカデ」の項で「両者は、各体節の足がヤスデは2対、ムカデは1対であることで区別できます」と説明しています。神戸大学と東京大学が2026年1月13日に公表した、ヤスデの体節の増え方に関するプレスリリースの用語解説(注2 体節)も、「通常1体節は1対の脚を備える。しかし、ヤスデは『倍脚類』とも呼ばれるように例外的で、見かけ上の1体節が2対の脚を備えている」と記しています。

その次に見るのは、脚の長さと体の断面、そして動きの速さです。下の早見表で、自分が見た虫がどのグループに近いかを確かめてください。

グループ 脚の付き方・見た目 体長の目安 動き(資料の記載) 出典(値ごと)
①オオムカデ類
(トビズムカデ・アオズムカデ)
1体節に1対。体が平たい。トビズムカデは頭部が茶褐色〜赤褐色、アオズムカデは頭部が暗青色 トビズムカデは体長15cmに達する/アオズムカデは10cm前後 「ムカデ類は動きが速く」 名古屋市衛生研究所(体長・頭部の色)/長野県林業総合センター(動き)
②ゲジ
(ゲジ目)
1体節に1対。脚と触角が長い。体は扁平でなく棒状。成体で15対 成体の体長約3cm 今回確認した資料に記載なし 名古屋市衛生研究所(体長・15対・棒状)
③イシムカデ目・ジムカデ目 1体節に1対。小型で細長く、ジムカデ類は白っぽい イッスンムカデは脚15対/成体で体長8.6mmの種もいる 「動きも早くありません」(ジムカデ類) 相模原市立博物館(イッスンムカデの実測)/東京都立大学(8.6mmの新種)/倉吉博物館(動き)
④ヤスデ類
(倍脚綱)
見かけ上の1体節に2対。刺激すると体を丸める キシャヤスデの成虫で体長35mm程度 「動作が遅く」「体を丸めてしまう」 長野県林業総合センター(2対・体長・動き)/神戸大学(見かけ上の1体節)
⑤脚が3対(6本)の昆虫
(シミ・ハサミムシ)
多足類ではない。シミは腹部末端に3本の長い毛、ハサミムシは腹端にハサミ ヤマトシミは体長8-9mm 今回確認した資料に記載なし 名古屋市衛生研究所(シミ類の形態・体長)/筑波大学(ハサミムシの腹端)

※各機関が公開している解説を編集部が整理(2026年8月時点)。空欄を作らないため、記載のない項目は「記載なし」と明示しています。

ムカデみたいな虫は1体節の脚の対数で5つに分かれるの図解
当メディア編集部作成

「ムカデは百足だから脚が100本」は本当?

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

ムカデを漢字で書くと百足です。ところが、実際に数えた記録を見ると100本には届きません。

相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」(2021年3月6日)は、館の入り口前で捕獲したトビズムカデについて「足の数を数えると、一番後ろの尻尾のようなものを含めて21対。つまり21×2=42本」と書いています。同じ記事で、館の周辺で最もよく見られるイッスンムカデは「15対(30本)」、ジムカデの仲間は「41対(82本)」で、「やっぱり100本には届かないようです」と結んでいます。

一方、名古屋市衛生研究所の web昆虫図鑑「ムカデ・ゲジ」の「ムカデ類」の項には「ジムカデ類には191対の脚を有するものもある」とあります。倉吉博物館の打吹山ウォッチングガイド NO.110「石の下のムカデ」は、ジムカデ類を「脚が50対以上あり」としています。

資料 対象 記載されている脚の対数
相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」 ジムカデの仲間(実測した個体) 41対(82本)
倉吉博物館 打吹山ウォッチングガイド NO.110 ジムカデ類 50対以上
名古屋市衛生研究所 web昆虫図鑑「ムカデ・ゲジ」 ジムカデ類(そういう種もいる、という記載) 191対
相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」 トビズムカデ(実測した個体) 21対(42本)
倉吉博物館 打吹山ウォッチングガイド NO.110 トビズムカデ 21対

同じ「ジムカデ」でも41対・50対以上・191対と大きく開きます。ムカデ綱のなかで種が違えば体節の数そのものが違うからで、脚の総本数を数えても正体には近づきません。

さらに、同じ種でも成長段階で脚の数が変わります。名古屋市衛生研究所は「幼体と成体が同数の脚を持っている(整形変態)種と、脱皮をするごとに体節が増えながら成長する(増節変態)種がある」と記しており、ゲジについては「1齢幼体は4対の歩肢があるが、増節変態をするので、脱皮ごとに体節が増え、成体で15対の歩肢を備える」と書いています。100本という数字は、上にも下にも当てになりません。

ムカデをめぐっては脚の数のほかにも言い伝えが多く、対処の判断を迷わせます。「殺してはいけない」という説の真偽は別の記事で公的資料をあたって整理しています。

ゲジゲジはムカデとは別の虫?|分類ではムカデ綱の中の1目

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

「ムカデ・ヤスデ・ゲジゲジの3種類」と並べた説明をよく見かけます。ただ、分類のうえでは3つが横並びなのではありません。

名古屋市衛生研究所の web昆虫図鑑「ムカデ・ゲジ」の「ムカデ類」の項は、分類を「ムカデ綱(唇脚綱)」とし、「日本からは、ゲジ目、イシムカデ目、オオムカデ目、ジムカデ目に属する約150種が知られている」と記しています。つまりゲジ目は、ムカデ綱を構成する4つの目のひとつです。別のグループなのはヤスデ(倍脚綱)のほうで、分かれ目はムカデ綱とヤスデのあいだにあります。

同じページの「ゲジ」の項には、「成体の体長約3cm。長い脚(歩肢)が特徴。体はムカデのように扁平でなく、棒状。背面はくすんだ黄緑色で、暗色の3条の縦帯がある」とあります。目についても、ムカデ類は「1-40個の単眼」、ゲジ類は「約200個の個眼からなる原始的な複眼を1対」と書き分けられています。

手がかりをまとめると、脚と触角が体の幅に対して不釣り合いに長く、体を上から見ても平たく見えない、体長3cm前後——この3つがそろえばゲジです。札幌市の「住まいの虫たち」ゲジ類・ヤスデ類のページは、冒頭でゲジ類とヤスデ類をまとめて「多くの脚を持つグロテスクな虫で、しばしば室内に侵入して人を驚かせますが、咬んだり刺したりすることはありません」と説明しています。

なお名古屋市衛生研究所は、ゲジの項の末尾で「俗説で『ゲジが人の頭を這うと禿げる』といわれるが、まったくのぬれぎぬである」とも書いています。

ゲジだと分かったあとの扱い(益虫といわれる理由、家に入ってくる経路、予防)は、ゲジゲジ単独の記事で詳しく扱っています。

ヤスデかどうかは、どこを見れば分かる?

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

脚を1本ずつ確かめる余裕がないときは、動きと反応を見てください。ヤスデは逃げ足が遅く、触れると体を丸めます。

長野県林業総合センターの「ミニ技術情報 No.18 キシャヤスデ」の「1.ヤスデとムカデ」の項は、「ムカデ類は動きが速く、昆虫類を捕食する肉食性で人を噛んだりしますが、ヤスデ類は動作が遅く落葉などを食べており、人に触られると体を丸めてしまう平和な虫です」と書いています。同じ項には「『キシャヤスデ』などのヤスデ類は、節足動物門倍脚綱の土壌動物で、国内では約180種が確認されています」ともあります(1999年11月時点の記載)。

もうひとつの手がかりがにおいです。埼玉県川島町の「ヤスデの防除について」は、「ヤスデは、叩いたり潰したりといった刺激を与えると悪臭を放つ」と注意しています。同じページは「ヤスデは梅雨の前後に活発に活動します」とも書いています。

出てくる場所と天気にも傾向があります。札幌市の「住まいの虫たち」ゲジ類・ヤスデ類ページの「ヤスデ類」の項は、「石の下や堆肥の中など、日当たりが悪く湿気の多い場所に生息します」と説明しています。同じページの「ゲジ類」の項は生息場所を「石や落ち葉の下、コンクリートの裂け目など」としており、両者で書き分けられています。

ヤスデだと分かった場合の、雨上がりに壁を登る理由や家のまわりの点検場所は、ヤスデ単独の記事にまとめています。

家の中の小さい・細長いムカデみたいな虫は?

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

体長が1〜3cmほどで、白っぽく、糸のように細長い。この見た目なら、ジムカデ目やイシムカデ目の可能性があります。

倉吉博物館の打吹山ウォッチングガイド NO.110「石の下のムカデ」は、「色が白っぽく小型で細長いジムカデ類は脚が50対以上あり」と書き、続けて「ジムカデ類は落ち葉の下や土中の小動物を餌とするためミミズのような体型で動きも早くありません」と説明しています。土の中で暮らす仲間なので、観葉植物の鉢やプランターの土をひっくり返したときに出てくることがあります。

もう少し大きく、脚が短くて素早いものはイシムカデ目です。相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」は、館の周辺で最もよく見られるイッスンムカデの脚を「15対(30本)」と数えています。名古屋市衛生研究所は、ムカデ類全体について「眼は無い種もある」とも記しています。

ここで正直に書いておきたいことがあります。小さいムカデは、専門家でも種名の特定が簡単ではありません。東京都立大学が2022年8月22日に出した報道発表は、ジムカデ類の新種2種の記載を伝え、うちアメフリヒメジムカデを「成体でも体長が8.6 mmほどしかなく、ジムカデ類としては世界最小級である」と説明しています。同じ発表は、もう1種のカグヤヒメジムカデが「東京都立大学南大沢キャンパス内の松木日向緑地でも採集されている」とし、「私たちの身近な緑地の土壌の中にも、未知の種や生物学的現象が眠っていることを明示している」と結んでいます。

つまり土の中の小さいムカデは、目のレベルまで絞れれば十分です。そこから先を無理に確定させる必要はありません。

見つけた個体が小さいとき、幼体なのか小型の別種なのかで見るところが変わります。その切り分けは専用の記事で扱っています。

脚が6本なら多足類ではない|「しっぽ2本」「銀色」の虫の見分け

ゴム手袋をはめて布で拭き掃除をする様子
写真はイメージです

脚を数えて3対(6本)しかなければ、ムカデでもヤスデでもなく昆虫です。よく取り違えられるのがシミとハサミムシで、どちらも尾の見た目が特徴的です。

名古屋市衛生研究所の web昆虫図鑑「シミ類」は、シミ類を「原始的な昆虫。翅が無く、体は背腹方向に扁平。頭部に長めの触角があり、腹部末端に3本の長い毛がある」と説明しています。同じページのヤマトシミの項は「体長8-9mm。黄白色で、体表は暗灰色の鱗片でおおわれ、光沢がある」とあり、銀色に光って見えるのはこの鱗片によるものです。尾は2本ではなく3本です。

尾が2本のハサミに見えるならハサミムシです。筑波大学が2024年3月21日に公開した研究発表では、ハサミムシを「石の下などでよく見られる身近な昆虫で、黒々とした腹端にハサミを持っています」と紹介しています。

ややこしいのは、ムカデの一番後ろの脚も尻尾のように見えることです。相模原市立博物館の職員ブログは、トビズムカデの脚を数える場面で「一番後ろの尻尾のようなものを含めて21対」と書いています。尾が2本に見えても、体の脇にずらりと脚が並んでいればムカデ側です。

尾の見え方 脚の数 候補 出典
長い毛が3本 3対(6本) シミ類(ヤマトシミなど) 名古屋市衛生研究所 web昆虫図鑑「シミ類」
硬いハサミ状 3対(6本) ハサミムシ 筑波大学 研究発表(2024年3月21日)
脚の最後の1対が尾のように伸びる 体の脇に多数 ムカデ類 相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」

大量に出るのはどんなとき?|相談が増える時期と、8年周期のヤスデ

「1匹ではなく何匹も出る」という状況には、時期の偏りがあります。行政の相談記録に残っています。

日本衛生動物学会の学会誌『衛生動物』75巻1号(2024年3月25日発行)に載った報告では、富山県衛生研究所が1973年から2013年までに受けたヤスデ類の苦情が集計されています。抄録によると苦情は合計51件、そのうち屋内への侵入が11件で、苦情のピークは5〜7月と10〜11月でした。原因となった種として抄録が挙げているのは、Japanioiulus lobatus・Oxidus gracilis・Parafontaria falciferaの3種です(抄録には和名の記載がないため学名で示します)。

もうひとつ、大発生に周期がある例が記録されています。長野県林業総合センターの「ミニ技術情報 No.18 キシャヤスデ」は、キシャヤスデについて「一般のヤスデは1~3年で成虫になるのに対して、このヤスデは1年に一回しか脱皮せず、成虫になるまで土の中で7年間かかる」と説明し、「『キシャヤスデの大発生』は、7年かかって成虫になった同じ年生まれのヤスデが交尾相手を探すために地表を大集団で移動することで起こる現象なのです」と書いています。成虫は「体長35mm程度の肌色~朱色の虫」です。

同センターの「ミニ技術情報 No.17」には、長野県内の大発生年の記録と予測が表で載っています。信濃川上付近が1975年・1983年・1991年・1999年、中部山岳地帯が1976年・1984年・1992年・2000年(予測)、乗鞍岳周辺が1977年・1985年・1993年・2001年(予測)と、いずれも8年おきです。名前の由来は同センター「ミニ技術情報 No.18」の囲み記事「キシャヤスデの名前の由来」にあり、同記事は「昔小海線で大発生した際に、線路上のヤスデを踏み潰した汽車が滑って動けなくなったことから、キシャヤスデと名づけられました」と説明しています。

ただし、この周期はキシャヤスデという特定の種の話です。同資料はこの種を「日本固有のヤスデ」で中部地方を中心に分布するとしており、全国どこでも8年おきに大発生するという意味ではありません。お住まいの地域で毎年のように増えるなら、家のまわりの落ち葉や湿りぐあいのほうを疑うのが先です。

ヤスデの相談は5〜7月と10〜11月に増え、キシャヤスデは8年周期の図解
当メディア編集部作成

小さい個体ばかりが一度に出ている場合は、幼体が地表に出てきているのかもしれません。ヤスデの幼体については別記事で扱っています。

見分けがついたら、次に何をすればいい?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

グループが絞れたら、やることは3つに整理できます。相談先を知っておくこと、素手で触らないこと、そして自分の家の条件を見直すことです。

1自治体の生活衛生の窓口に相談できる

東京都保健医療局の「ねずみ・衛生害虫」類別一覧では、ヤスデ・ムカデ・クモ・ゲジが「7 不快動物」として同じ区分に並んでいます。自治体には、こうした虫の相談を受ける枠組みがあります。

2ただし自治体が私有地の駆除を代行するわけではない

埼玉県川島町の「ヤスデの防除について」は、末尾で「町では、私有地の害虫駆除を行うことはできません」「費用はご自身の負担となります」と明記しています。窓口は防除方法の相談先で、作業の代行先ではありません。

3素手で触らない

札幌市の「住まいの虫たち」ゲジ類・ヤスデ類のページは、「室内で発見した時は」の節で「衛生的な害はないので、捕まえて外に出しましょう」と案内しています。これはゲジ類とヤスデ類についての案内で、ムカデには当てはめられていません。どのグループでも、直接手で触るのは避けてください。

咬まれた・刺されたなど体に症状があるときは、この記事の情報で判断せず、医療機関を受診してください。虫の種類の見当がついていても同じです。

同じ虫が繰り返し出るなら、個体の駆除より家の条件のほうに理由があります。どんな家に出やすいのかは別記事で整理しています。

自分の手に負えない量や場所(床下、天井裏など)のときは、専門業者に見積もりを取る選択肢もあります。依頼前に確認しておきたい項目は次の記事にまとめました。

ムカデみたいな虫についてよくある質問(FAQ)

Qムカデみたいな虫が飛んでいました。ムカデも飛ぶのですか。

A編集部が今回あたった名古屋市衛生研究所の web昆虫図鑑「ムカデ・ゲジ」、札幌市の「住まいの虫たち」ゲジ類・ヤスデ類、長野県林業総合センターの「ミニ技術情報 No.17」/No.18、倉吉博物館の打吹山ウォッチングガイド NO.110の本文を検索した範囲では、ムカデ類・ゲジ・ヤスデ類が翅を持つ、あるいは飛ぶという記載は見当たりませんでした。飛んだのであれば、脚が3対の昆虫のほうを疑うことになります。

Q観葉植物の鉢やプランターの土から、白くて細い虫が出てきます。

A倉吉博物館の打吹山ウォッチングガイド NO.110は、ジムカデ類を「色が白っぽく小型で細長い」「落ち葉の下や土中の小動物を餌とするためミミズのような体型」と説明しています。土の中に暮らす仲間なので、鉢の土から出てくること自体は不自然ではありません。種名までの特定は難しく、東京都立大学の報道発表も、身近な緑地から新種が見つかった例を伝えています。

Qお風呂場や洗面所で見ることが多いのはなぜですか。

A札幌市の「住まいの虫たち」ゲジ類・ヤスデ類のページは、ヤスデ類の生息場所を「日当たりが悪く湿気の多い場所」、ゲジ類の生息場所を「石や落ち葉の下、コンクリートの裂け目など」としています。家の中でこの条件に近いのが水回りです。ただし、この資料は屋内のどの部屋に多いかまでは記していないため、傾向としての説明にとどめます。

Qつぶしたら強いにおいがしました。何の虫でしょうか。

A埼玉県川島町の「ヤスデの防除について」は、「ヤスデは、叩いたり潰したりといった刺激を与えると悪臭を放つ」と説明しています。においが出たのであればヤスデの可能性があります。実際の駆除の進め方はヤスデの記事で扱っています。

※この記事は、名古屋市衛生研究所・長野県林業総合センター・相模原市立博物館・倉吉博物館・札幌市・川島町・東京都保健医療局などが公開している解説を、2026年8月時点で編集部が確認して整理したものです。虫の同定はここに挙げた特徴だけで確定できるものではありません。種名まで必要なときはお住まいの自治体の生活衛生担当窓口へ、体に症状があるときは医療機関へご相談ください。

まとめ|脚の対数 → 動きの速さ → 体長の順で絞る

ムカデみたいな虫を見分けるとき、最初に見るのは脚の総本数ではありません。長野県林業総合センターの資料が「各体節の足がヤスデは2対、ムカデは1対」と書くとおり、ひとつの体節から脚が1対なのか2対なのかで、ムカデ綱とヤスデに分かれます。

次に動きと反応を見ます。素早く逃げるならムカデ綱、ゆっくりで丸まるならヤスデ、つぶすと強いにおいがするならヤスデです。最後に体長と脚の長さで、オオムカデ類・ゲジ・小型のイシムカデやジムカデを分けます。脚が3対しかなければ、そもそも多足類ではありません。

グループまで絞れれば十分です。そこから先の扱い(ゲジ、ヤスデ、小さい個体、出やすい家、業者に頼む目安)は、それぞれの記事へどうぞ。

-ムカデ・ゲジゲジ対策, 害虫駆除
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