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ヤスデの赤ちゃんの見分け方|大きさ・白い体色とムカデとの違い

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玄関の土間や浴室の床に、体長1cmほどの細長い虫がいた。よく見ると白っぽくて、指を近づけると小さく丸まった——ヤスデの幼い個体を見つけたとき、多くの人がまず気にするのは「ムカデの子どもではないか」という一点です。ムカデかヤスデかで、触れてよいかどうかの判断がまるで変わるからです。

結論からお伝えすると、「1つの節から脚が2対(4本)出ていればヤスデ」という定番の見分け方は、成体を前提にした見分け方です。東京大学大学院理学系研究科・理学部が公開したマクラギヤスデの研究発表には、「孵化後の1齢幼体はわずか7体節で脚は3対しかない」と記されています。小さい個体ほど、脚の数え方は当てになりません。

この記事では虫の実物写真をいっさい使わず、線画の図解と数値だけで、ヤスデの幼体・ムカデの幼体・ゲジの幼体を振り分けられるように整理しました。当メディア編集部が、東京大学・鹿児島県・神奈川県・宮崎県・大阪府・名古屋市・札幌市が公開している資料と、信州大学環境科学年報の論文をあたって作成しています(※2026年8月時点)。侵入経路をふさぐ方法や大量発生への対処は本記事では扱わず、専用の記事に譲ります。

読者
玄関に1cmくらいの細長い虫がいました。白っぽくて、つついたらくるっと丸まったんです。ムカデの赤ちゃんだったらと思うと怖くて触れません。
編集部
丸まる動きは、ヤスデ側で報告されている行動です。ただ脚の数で決めようとすると幼体では外しやすいので、大きさ・体の断面・動きの速さの順に見ていきましょう。時期の目安も種類ごとに整理します。

【一言でいうと】ヤスデの赤ちゃんはどんな姿?|白くて小さく、脚は3対から始まる

ヤスデの幼い個体は、白っぽくて、脚の数が成体よりずっと少ない状態から始まります。東京大学大学院理学系研究科・理学部のプレスリリース「ヤスデはどのように体節や脚を増やすのか?」(2023年4月20日)の図2キャプションには、研究材料種のマクラギヤスデについて「孵化後の1齢幼体はわずか7体節で脚は3対しかないが、7回の脱皮を経て20体節の成体になる」とあります(※2026年8月時点)。

脱皮のたびに体節と脚が増えていくこの成長のしかたを「増節変態」といいます。同プレスリリースは、1855年にファーブルが提唱した法則として「まず脱皮によって脚のない体節が追加され、次の脱皮でその体節に脚が生える」という段階的な増え方を紹介しています。

ヤスデの赤ちゃんは白いまま地表に出てくるの図解
当メディア編集部作成
発育段階 いる場所 体の様子 脚の数 出典(値ごと・種名つき)
卵 土壌間隙や堆肥などの有機物の間隙 直径0.5mmほどの白色・球形。数十個が集まった卵塊で産まれる 該当なし(卵のため脚がない) 鹿児島県(ヤンバルトサカヤスデ/卵の大きさ・色・場所)
孵化直後(1齢) 土の中 乳白色 7体節・3対 宮崎県(ヤンバルトサカヤスデ/乳白色)/東京大学(マクラギヤスデ/体節数と脚の対数)
2〜5齢 土壌中の間隙 脱皮のたびに体節が増える 脱皮ごとに増える 鹿児島県(ヤンバルトサカヤスデ/生息場所)/東京大学(マクラギヤスデ/増節変態)
6齢 地表に出てくる 白い体色のまま地表に現れ、数日後に成体と同色(褐色)になる 今回確認した資料に記載なし 鹿児島県(ヤンバルトサカヤスデ/体色と地表への出現)
亜成体(7齢) 地表 小型だが成体と同様な形状 今回確認した資料に記載なし 鹿児島県(ヤンバルトサカヤスデ/亜成体の扱い)
成体 地表・落ち葉の下など ヤケヤスデで体長15〜20mm、体節は20節 最初の3体節は1対、それ以降は各2対 大阪府衛生害虫検索システム(ヤケヤスデ/体長・体節数・歩肢の付き方)

表の右端を1マスずつ分けたのは、段階ごとに書かれている資料と種が違うためです。卵・幼体の色や場所は鹿児島県『ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】』(令和4年3月)の「1 ヤンバルトサカヤスデの生態(2)②ステージ別特徴」、脚の対数は東京大学のマクラギヤスデの記載で、同じ種の話ではありません。ヤスデ綱には多くの種があり、体長も成長の速さも種で異なります。

「脚が1節に2対ならヤスデ」は赤ちゃんにも使える?

この見分け方は、公的な資料にも載っています。鹿児島県の防除マニュアル「1(1)②分類上の位置」には、「ヤスデ類(倍脚類)は,各体節に2対(4本)の脚を有することから,他の多足類(ムカデ等:各体節に1対(2本)の脚)との判別は容易である」とあります。ここだけ読むと、脚を数えれば決着がつくように見えます。

ところが同じ文書の「1(3)ヤンバルトサカヤスデと在来ヤスデ種との違い」は、「他の在来ヤスデも,成体であれば,形態,体色がヤンバルトサカヤスデと異なることから判別は容易である」と、判別しやすさを成体に限定して書いています。節・項まで見に行くと、前提が付いていたわけです。

脚の数で見分けられるのは成体だけの図解
当メディア編集部作成
よく言われる見分け方 一次資料で確かめると 裏づけ
1節に2対の脚ならヤスデ 鹿児島県のマニュアル「1(1)②分類上の位置」に同じ説明がある 成体については記載あり
その数え方は幼体にも使える 東京大学の図2キャプションでは、マクラギヤスデの1齢幼体は7体節・脚3対。7回の脱皮で20体節の成体になる 幼体では成り立たない
ヤスデはすべての節が2対 大阪府衛生害虫検索システムのヤケヤスデは「最初の3体節には1対の、それ以降の体節には各2対の歩肢を持つ」 成体でも先頭3節は1対
ムカデの仲間は幼体でも脚の数が同じ 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」ムカデ類の項に「幼体と成体が同数の脚を持っている(整形変態)種と、脱皮をするごとに体節が増えながら成長する(増節変態)種がある」。同ページのゲジの項は「1齢幼体は4対の歩肢があるが、増節変態をするので、脱皮ごとに体節が増え、成体で15対の歩肢を備える」 種による
ヤスデは動きがのろい 藤山ら(2012)は「ヤスデ類は節足動物の中では一般に動きはのろい」としつつ、ヤンバルトサカヤスデはキシャヤスデより機敏だと種間の差も記している 傾向としては記載あり

つまり、脚を数える方法が効くのは大阪府衛生害虫検索システムのヤケヤスデのような成体を見ているときで、小さい個体では逆に迷いやすくなります。なお、ヤスデの幼体の脚の数まで書いた自治体の衛生害虫ページは、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。ムカデ綱の側は名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」がゲジの1齢幼体を4対と明記しており、幼体の脚数が公開されている数少ない例です。

ヤスデの赤ちゃんはなぜ白い?大きさはどれくらい?

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

白く見えるのは、少なくとも3つの場面があります。1つ目は卵そのもの。鹿児島県のマニュアル「1(2)②ステージ別特徴<卵>」は、ヤンバルトサカヤスデについて「直径0.5mmほどの白色・球形の卵が数十個集まった卵塊の状態で産卵される」と書いています。土の中や堆肥の隙間で見つかる白い粒の集まりが、これにあたります。

2つ目は孵化した直後です。宮崎県 環境森林部自然環境課「ヤンバルトサカヤスデ(不快害虫)の発生時期」の「ヤンバルトサカヤスデの生態」には、「卵は8日程度で孵化して乳白色の幼虫となり」とあります。

3つ目が、地表で見かける白い個体です。鹿児島県の同じ<幼体>の項に、「5齢期まで土壌中間隙に生息し,6齢期に達すると白い体色のまま地表に現れる。数日後には,成体と同色(褐色)になる」と記されています。つまり白い個体は、地上に出てきたばかりの数日間という限られた時期の姿だということになります。

大きさは種で異なります。在来のヤケヤスデは大阪府衛生害虫検索システムで体長15〜20mm。外来のヤンバルトサカヤスデは、神奈川県 鎌倉保健福祉事務所「ヤンバルトサカヤスデについて」が成虫の体長を2.5〜3.5cmとし、宮崎県のページも2.5〜3.5cmとしています。ただし同じ種について鹿児島県のマニュアルは「成虫の体長は3~4cm」「体長は,雌雄とも最大で4cmに達する」としており、機関によって幅があります。幼体の体長を段階ごとに示した公的資料は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。

ヤスデの赤ちゃんが出るのはいつ?|種類と地域で時期が動く

日本の住宅の外観
写真はイメージです

「ヤスデの赤ちゃんが出る時期」を全国一律で書けないのは、種によって世代の長さが違うからです。藤山静雄ほか「外来種ヤンバルトサカヤスデの生態と大発生―キシャヤスデの生態との対比を中心に―」(信州大学環境科学年報34号・2012年)は、「世代時間はヤンバルが1年なのに対しキシャは8年」と述べています。8倍の開きがあれば、幼体が見られる時期の考え方も変わります。

種(区分) 産卵の時期 幼体が見られる時期 成体になる時期 出典(値ごと)
ヤンバルトサカヤスデ(外来)/鹿児島県本土 12月から翌年2月 2月頃に一斉に孵化して1齢幼体。順次2齢、3齢と成長 6〜7月に亜成体、7月頃に成体が現れ始める 鹿児島県 1(2)①各ステージの期間(基本型)
ヤンバルトサカヤスデ(外来)/静岡県での場合 繁殖期10〜11月、交尾後約1か月で産卵 卵は1週間ほどで孵化し、幼虫は脱皮を繰り返す 7月頃に亜成体、10月頃に多くが成体 神奈川県 鎌倉保健福祉事務所(同ページに「時期は静岡県での場合」との注記あり)
ヤンバルトサカヤスデ(外来)/宮崎県 繁殖期10〜11月、交尾後約1か月で産卵 卵は8日程度で孵化して乳白色の幼虫。幼虫の集団移動は4〜6月 成虫の集団移動は10〜11月 宮崎県 環境森林部自然環境課
ヤケヤスデ(在来) 8〜10月頃が繁殖期 幼体で越冬する 6〜7月頃に成体になる 大阪府衛生害虫検索システム(ヤケヤスデ)
キシャヤスデ(在来) 今回確認した資料に記載なし 今回確認した資料に記載なし 世代時間は8年 藤山ら2012(世代時間のみ)

同じヤンバルトサカヤスデでも、鹿児島県本土は2月に1齢幼体が現れ、静岡県では冬に産んだ卵が春以降に育つ、という違いが出ています。藤山らの論文は、成体の発生については沖縄より1ヶ月程遅れて9月下旬とし、「卵,若齢幼虫,老齢幼虫,亜成体の出現時期については」有村ら(2001)の記述として2ヶ月程度の遅れがあると書いています。神奈川県のページが生活史に「※時期は静岡県での場合であり、葉山町では若干異なる可能性があります」とわざわざ注記しているのも、同じ理由です。

在来のヤケヤスデは、大阪府の記載では年1回発生で幼体のまま越冬します。冬に小さい個体を見かけても、それ自体は珍しいことではありません。なお、鹿児島県のマニュアルは「4 対策(1)対策1:分散・拡大防止対策 ③農業者における拡散防止対策 1)農耕地での拡散防止対策 c.水田対策」で、休耕田について「冬期に産卵し,4~5月に土壌中に多数の幼体が確認される」とも書いており、土の中で数が増えるのは春先という見方ができます。

ムカデの赤ちゃんとの違いはどこを見る?

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

脚の数が使えないぶん、幼体では別の手がかりに切り替えます。まず動き方です。藤山らの論文は「ヤスデ類は節足動物の中では一般に動きはのろい」と述べ、さらに「どちらも擬死をし,その際,丸まり塊になって見える」と、ヤンバルトサカヤスデとキシャヤスデの両方について丸まる行動を記しています。つついて小さく丸まった個体は、ヤスデ側の候補が濃くなります。

次に体の断面です。名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」のムカデ類の項は、「体は扁平あるいは棒状」で、頭部に「多くの節からなる1対の触角」があり、「第1節は顎肢節となり、腹面に1対の顎肢(毒牙)を付属する」と説明しています。上から押しつぶしたように平たく、触角が目立つなら、ムカデ綱の可能性を残して扱うのが安全です。

危険度の差は、そのまま触れてよいかの判断につながります。大阪府衛生害虫検索システムのヤケヤスデには「異臭があるが、咬傷害や咬毒はない」と記載される一方、同システムのトビズムカデには「夏期の夜間、活動して餌を探索捕食するので屋内に入ってきて咬傷害を受けることがある」とあります(同ページはこのあと症状にも触れていますが、この記事では扱いません)。鹿児島県のマニュアルも脚注で、ヤンバルトサカヤスデは「人を咬んだり刺したりすることはない」としています。

判断がつくまでは、素手で触らずに紙などですくって外に出すのが無難です。虫に触れたあとで気になる症状があるときは、自己判断をせず医療機関を受診してください。

ヤスデかムカデかで、そのあとに見るところが変わります。ムカデ側の幼体の見分けは、別記事で扱っています。

家の中や鉢植えで見かけたら、家で殖えているの?

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

屋内で幼体が繁殖していると考える必要は、資料の記載からは出てきません。鹿児島県のマニュアルは<幼体>の項で「5齢期まで土壌中間隙に生息し」と書いており、若い段階は土の中で過ごします。家の中で小さい個体を見たときは、屋外の土や落ち葉の層から入ってきたか、鉢の土に潜んでいたと考えるほうが、記載とかみ合います。

札幌市保健福祉局保健所生活環境課「ゲジ類・ヤスデ類」は、ヤスデ類について「雨の日の前後に、壁や塀に集団で這い上がり、室内に侵入することがあります」と説明しています。雨のあとに玄関やサッシ際で見つかるのは、この動きの結果です。

鉢植えは見落としやすい経路です。鹿児島県のマニュアル「4 対策(1)対策1:分散・拡大防止対策 ②園芸業者における拡散防止対策 2)鉢植植物(観葉植物,草花類,花木類)での拡散防止対策」には、鹿児島市の鉢植物小売店3店舗を対象に2019〜2020年に行った流通調査の結果として、鉢物入荷によるヤンバルトサカヤスデの移入月が「未調査期の8月を含めると年間では8か月間の移入期間となる」と記されています。買ってきた鉢の土に個体が潜んでいることは、実際に確認されている経路です。

入り口をふさぐ手順や、庭の落ち葉・側溝の片づけ方など、数を減らすための環境の整えかたは、ヤスデが家に入る理由をまとめた記事のほうで詳しく扱っています。

見分けがつかないときはどこに相談すればいい?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

まず、お住まいの自治体の生活衛生・環境衛生の担当窓口です。札幌市のように保健所の生活環境課がヤスデ類の解説ページを持つ自治体があり、地域で実際に見られる種を把握しています。外来種のヤンバルトサカヤスデが疑われる場合は、宮崎県のページが「ヤンバルトサカヤスデの発生を確認した場合は、お住まいの市町村役場にご連絡ください」と明記しているように、分布の記録につながるため連絡する意味があります。

自治体独自の支援が用意されていることもあります。葉山町「ヤスデの発生について」は、町内で確認された個体が「台湾原産の外来種『ヤンバルトサカヤスデ』である可能性が高い」としたうえで、環境課が侵入防止策としてあぜシートの実証実験を行い、「実証実験にご協力いただける場合は、あぜシートを無償配布いたします」と案内しています。同じ悩みが地域で共有されていれば、住民向けの手当てがある場合があります。

薬剤を使うかどうかは、種と発生の規模が分かってから考えるほうが無駄がありません。使う場合は、対象の虫と使用場所がその製品の表示に含まれているかを確かめ、表示された使用方法に従ってください。複数の薬剤を混ぜて使うようなことはしないでください。庭木の剪定や側溝の清掃を伴う作業を業者に頼むときは、作業範囲と費用を先に書面で確認しておくと行き違いが減ります。

脚の数で属を振り分ける手順そのものは、ムカデに似た虫を並べた記事で扱っています。

ヤスデの赤ちゃんについてよくある質問(FAQ)

Qヤスデの赤ちゃんは一度に何匹くらい生まれますか?

A資料によって数え方が分かれます。鹿児島県のマニュアルは<卵>の項で「数十個集まった卵塊」、宮崎県は「1回の産卵で数百個の卵が扇状に生み出され」、藤山ら2012の表1はキシャヤスデ・ヤンバルトサカヤスデとも「卵塊(300-600)産卵」としています。同じヤンバルトサカヤスデでも、1つの卵塊を数えているか総産卵数かで見え方が変わるため、機関ごとの数値としてそのまま並べています。

Qヤスデの赤ちゃんは噛みますか?

A大阪府衛生害虫検索システムのヤケヤスデは「異臭があるが、咬傷害や咬毒はない」と記しています。鹿児島県のマニュアルも脚注で、ヤンバルトサカヤスデは「人を咬んだり刺したりすることはない」としています。ただし種の判別がつかないうちは素手で扱わず、虫に触れたあとで気になる症状があるときは医療機関を受診してください。

Q側溝や水たまりで小さい個体を見ました。水の中でも生きているのですか?

A鹿児島県のマニュアル「1(2)③拡散(群遊)」は、流水による移動の例を挙げています。自己拡散は「1晩で最長数百メートル」であるのに対し、「河川・側溝等による流水移動の場合は,数キロメートルを短時間で移動するようなことが起こりうる」との記載です。水路で見かける個体は、流されてきたものである可能性があります。

Q冬に小さいヤスデを見かけました。赤ちゃんですか?

A種によります。在来のヤケヤスデは大阪府衛生害虫検索システムに「年1回発生。幼体で越冬し、6~7月頃成体になる」とあり、冬に幼体でいるのが通常の姿です。ヤンバルトサカヤスデは鹿児島県本土の基本型で12月から翌年2月が産卵期にあたり、2月頃に1齢幼体が現れます。冬に見かけた小さい個体が、そのどちらなのかは大きさと体色だけでは決められません。

※この記事の発育段階・体長・時期は、東京大学・鹿児島県・神奈川県・宮崎県・大阪府・名古屋市・札幌市・葉山町が2026年8月時点で公開している資料と、信州大学環境科学年報34号の論文の記載を、種名と節を対応させて整理したものです。ヤスデ綱には多くの種があり、同じ種でも地域によって発生の時期がずれます。記事だけで種を確定できるものではありません。虫に触れたあとで気になる症状があるときは医療機関へ、種の判別や発生の相談はお住まいの自治体の生活衛生の担当窓口へお願いします。

まとめ|小さい個体は「脚の数」より「動き方と丸まるか」で分ける

ヤスデかムカデかを脚の数で決める方法は、成体を前提にしたものでした。東京大学のプレスリリースにあるとおり、マクラギヤスデの1齢幼体は7体節・脚3対から始まり、脱皮のたびに増えていきます。名古屋市衛生研究所の記載でも、ゲジの1齢幼体は4対です。小さい個体では、どちらも数が足りません。

代わりに見るのは、動きののろさ、つついたときに丸まるか、体の断面が丸いか平たいか、触角が目立つかの4点です。白い個体は、鹿児島県の資料にある「6齢期に達すると白い体色のまま地表に現れる」段階か、孵化直後の乳白色の姿にあたります。

時期は種と地域で動きます。在来のヤケヤスデは幼体で越冬して6〜7月頃に成体、外来のヤンバルトサカヤスデは鹿児島県本土で2月頃に1齢幼体、静岡県では10月頃に多くが成体という具合です。種の見当がついたら、次は入り口をふさぐ側の記事へ進んでください。

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