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ムカデの赤ちゃんの見分け方|小さいムカデは脚の数と大きさで絞る

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洗面所の床や玄関のたたきを、細長くて脚の多い虫がすっと動いていった——大きさは2cmあるかないか。「ムカデの赤ちゃんだとしたら、家のどこかに親や卵があるのでは」と思うと、落ち着かない気持ちになります。かといって画像検索をすれば実物の写真が並んでしまい、確かめること自体がつらいという声もあります。

結論からお伝えすると、小さくて脚の多い個体は「ムカデの幼体」よりも「もともと小さい別の種類の成体」であることのほうが多いと考えたほうが、当たりの確率は高くなります。日本分類学会連合の「日本産生物種数調査」で数えられているムカデ綱の既知種は、大型のオオムカデ目が22種なのに対し、小型のイシムカデ目が61種、ジムカデ目が64種です。

この記事では虫の実物写真をいっさい使わず、線画の図解2点と数値の表だけで振り分けられるように整理しました。見る順番は①1つの体節から脚が何対出ているか ②脚の対数 ③体長の3つです。当メディア編集部が、名古屋市衛生研究所・大阪府衛生害虫検索システム・相模原市立博物館・多摩動物公園・東京大学・鹿児島県が公開している資料にあたって作成しました(2026年8月時点)。なお咬まれた跡や症状の見分けは医療の領域にあたるため、この記事では扱いません。

読者
洗面所で見た虫が、細長くて脚がたくさんありました。2cmくらいなので、ムカデの赤ちゃんでしょうか。家の中に卵があるのか心配です。
編集部
まず脚の数と、1つの節から脚が何本出ているかを思い出してみてください。そこで多くの候補が消えます。卵については、公的機関の資料がどこを産卵場所として書いているかを後半で確かめます。

【一言でいうと】ムカデの赤ちゃんはどんな見た目?|小さい個体は別の種類の成体のことが多い

ムカデの幼体は、孵化してすぐの時期を除けば、色や形が親と大きく変わりません。多摩動物公園がトビズムカデの飼育下で記録した例では、親から離れるころの幼虫はすでに全長2cmほど・薄い茶色でした。つまり「小さいから赤ちゃん」とは言えず、同じ大きさに見える別の種類と並べて比べる必要があります(※2026年8月時点)。

次の表は、家や庭で「小さいムカデ」と受け取られやすい候補を、体長と脚のつくりで並べたものです。値ごとに、その数字がどの資料のどの記載に基づくかを右端に分けて書きました。同じ「ムカデ」でも機関やページによって扱う種が違うため、まとめて「◯◯によると」とは書けないからです。

小さいムカデは脚の数と体長の3ステップで絞れるの図解
当メディア編集部作成
候補 体長 1体節あたりの脚 脚の対数 その数値の出典
イッスンムカデ(イシムカデ科)の成体 1.2cm 1対 15対(30本) 神戸教育情報ネットワーク 神戸の自然シリーズ「生田川の自然をさぐる」の「落ち葉の下の小動物(1)」=体長・15節15対/相模原市立博物館「ムカデの足の数」=15対(30本)
ジムカデの仲間 今回確認した資料に記載なし 1対 41対(82本)/191対の種もある 相模原市立博物館「ムカデの足の数」=41対/名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」ムカデ類の節=191対の種
トビズムカデの幼体・成体 成体は15cmに達する 1対 21対(42本) 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」オオムカデ類の節=15cm/大阪府衛生害虫検索システム「トビズムカデ」=21対/相模原市立博物館=21対(42本)
アオズムカデ 10cm前後 1対 今回確認した資料に記載なし 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」オオムカデ類の節
ゲジ(成体) 約3cm 1対 15対(1齢幼体は4対) 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」ゲジの節
ヤケヤスデ(成体) 15〜20mm 2対(最初の3節のみ1対) 成体で20節 大阪府衛生害虫検索システム「ヤケヤスデ」
マクラギヤスデの1齢幼体 今回確認した資料に記載なし 今回確認した資料に記載なし 脚3対・7体節 東京大学大学院理学系研究科・理学部(2023年4月20日)図2の説明

表を上から見ていくと、1つの節から脚が2対(4本)出ていればヤスデの仲間で、ムカデではありません。鹿児島県がまとめた「ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】」は、この点を「判別は容易である」と書いています。次の見出しからは、ムカデの側での絞り込みに入ります。

「脚が少ない=ムカデの赤ちゃん」は本当?

よく見かける説明ですが、一次資料に当たると、そのまま受け取れる話ではありません。名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」は、ムカデ類の節で「幼体と成体が同数の脚を持っている(整形変態)種と、脱皮をするごとに体節が増えながら成長する(増節変態)種がある」と書いています。つまりムカデ綱の中に、脚が増える種と増えない種の両方があるということです。

ムカデの脚の数は年齢ではなく種類で決まるの図解
当メディア編集部作成

脚が増える側の例として、同じページのゲジの節は「1齢幼体は4対の歩肢があるが、増節変態をするので、脱皮ごとに体節が増え、成体で15対の歩肢を備える」と記しています。ゲジであれば、脚が4対しかない個体は確かに幼体です。

一方で、脚が増えない側もあります。東京大学大学院理学系研究科・理学部が2023年4月20日に公開したプレスリリース「ヤスデはどのように体節や脚を増やすのか?」の用語解説(注3 増節変態)は、増節変態が見られる範囲を「ウミグモやダニといった鋏角類、一部のムカデを除く多足類、オキアミやカブトエビなど多くの甲殻類」と説明しています。ムカデの中に例外がある、という書き方です。

その例外に当たると考えられるのがオオムカデ目です。大阪府衛生害虫検索システムの「トビズムカデ」は「体節には1対の歩肢を持ち、オオムカデ目の体節数(=脚数)は21対」と、目のレベルで数を固定して書いています。脚の対数が21対で決まっているなら、その数を数えても大人か子どもかは分かりません。

そして決め手になるのが、相模原市立博物館の職員ブログ「ムカデの足の数」(2021年3月6日)の一文です。同館は自館周辺で捕らえた個体を実際に数え、トビズムカデ21対、イッスンムカデ15対、ジムカデの仲間41対と報告したうえで、「実は、ムカデの仲間は種類によって足の数が異なっています(幼虫は少ないという事もあります)」と書いています。脚が15対の個体は、イッスンムカデの成体そのものの値でもあるわけです。

まとめると、脚の対数は「種を絞る手がかり」にはなりますが、「大人か子どもかを決める手がかり」にはなりません。この記事では脚の対数を最初の分岐に使い、幼体かどうかの判断は体長と時期に委ねます。

家で見かける小さいムカデは何?|成体でもこの大きさの種がいる

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」は、ムカデ類の節で「日本からは、ゲジ目、イシムカデ目、オオムカデ目、ジムカデ目に属する約150種が知られている」と書いています。この約150種の内訳は、日本分類学会連合の「日本産生物種数調査」で目ごとに数えられています。

同調査のムカデ亜綱のページに載っている既知種数は、イシムカデ目61種・オオムカデ目22種・ジムカデ目64種で、ゲジ目はゲジ亜綱のページで2種です。大きく育つオオムカデ目は既知種数でいえば22種にすぎず、種の数では小型のグループのほうが圧倒的に多いということです。「小さい個体を見た」ときに、まず小型の種を疑うのは理にかなっています。

イッスンムカデ(イシムカデ科・体1.2cm・15節15対)

神戸教育情報ネットワークが公開している神戸の自然シリーズ(1979〜1989年刊行の冊子をデジタル化したもの)「生田川の自然をさぐる」の「落ち葉の下の小動物(1)」は、イッスンムカデ(イシムカデ科)について「体は1.2cm、濃茶色でつやがある。体は15節あって脚は15対、うち2対は尾のようにみえる」と記しています。

体長1cm強で濃い茶色、後ろの2対が尾のように見えるのが特徴です。相模原市立博物館も、自館周辺で最もよく見られるムカデとしてイッスンムカデを挙げており、身近さでいえばトビズムカデよりも上位に来ます。

ジムカデの仲間(41対82本・脚の対数が飛び抜けて多い)

相模原市立博物館が数えた個体では、ジムカデの仲間の脚は41対(82本)でした。名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」は、ムカデ類の節で「ジムカデ類には191対の脚を有するものもある」と書いています。

脚の対数が20対を大きく超えていれば、オオムカデ目からは外れます。植木鉢の下や土をかき分けたときに出てきて、脚の対数が数え切れないほど多い個体はこの仲間が候補になります。ただし体長を記した自治体の資料は、編集部が今回あたった範囲では見つけられませんでした(東京都立大学の報道発表は、2023年に記載されたアメフリヒメジムカデを成体でも体長8.6mmほどとしています)。

トビズムカデ・アオズムカデの幼体(脚は21対のまま)

名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」オオムカデ類の節は、トビズムカデを「頭部が茶褐色から赤褐色のいわゆるとび色。体長15cmに達する」、アオズムカデを「頭部が暗青色。体長10cm前後」と記しています。同節はこの2種を「名古屋市周辺では、トビズムカデ、アオズムカデともに普通に見られる」としています。

これらの幼体は、大阪府衛生害虫検索システムの記載どおり脚が21対のままなので、脚を数えても幼体だと分かりません。手がかりは体長です。成体が10〜15cmに達する種の幼体が2〜3cmであれば、体長と季節を突き合わせて考えることになります。

なお脚が15対で棒状の体をしていて、脚が極端に長い個体はゲジの可能性があります。ゲジは名古屋市衛生研究所の同ページで「体はムカデのように扁平でなく、棒状」「ムカデのように咬むこともない」と説明されており、扱いが別です。

白くて小さい多足類はムカデの赤ちゃん?|ヤスデの幼体との分け方

調べ物をして検討する女性
写真はイメージです

「ムカデの赤ちゃんは白い」という説明をよく見かけますが、編集部がこの記事で引用している資料と、同時期に確認した公的機関の資料を全文で検索した範囲では、ムカデの孵化直後の体色を「白」と記したものは見当たりませんでした。むしろ白い体色がはっきり書かれているのは、ヤスデの側です。

鹿児島県が令和4年3月にまとめた「ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】」は、生活史と生態のステージ別特徴の節で、幼体について「5齢期まで土壌中間隙に生息し,6齢期に達すると白い体色のまま地表に現れる。数日後には,成体と同色(褐色)になる」と記しています。同じ節は卵についても「直径0.5mmほどの白色・球形の卵が数十個集まった卵塊の状態で産卵される」と書いています。

ヤンバルトサカヤスデは鹿児島県が県内でのまん延防止対策をまとめている種で、全国どこにでもいる種ではありません。ただし「白くて小さい多足類」がヤスデ側にも存在すること自体は、この資料が公的に記録しているため、ムカデの幼体と決めつける前に確かめる価値があります。

見分けは体色ではなく脚のつき方でつけます。同じ鹿児島県の資料は、分類上の位置の節で「ヤスデ類 (倍脚類) は,各体節に2 対 (4 本) の脚を有することから,他の多足類( ムカデ等 : 各体節に1 対(2 本)の脚 ) との判別は容易である」と書いています。

見るところ ムカデの仲間 ヤスデの仲間 その記載の出典
1体節あたりの脚 1対(2本) 2対(4本) 鹿児島県「ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】」分類上の位置の節/名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」ムカデ類の節(各胴節には1対の脚)
白く見える段階 今回確認した資料に記載なし 6齢期は白い体色のまま地表に現れ、数日後に褐色(ヤンバルトサカヤスデ) 鹿児島県「ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】」ステージ別特徴の節
孵化直後の脚の数 今回確認した資料に記載なし 1齢幼体は7体節・脚3対(マクラギヤスデ) 東京大学大学院理学系研究科・理学部(2023年4月20日)図2の説明
毒牙 第1節に1対の顎肢(毒牙)がある 咬傷害や咬毒はない(ヤケヤスデ) 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」ムカデ類の節/大阪府衛生害虫検索システム「ヤケヤスデ」
群れで現れる時期 今回確認した資料に記載なし 梅雨と秋霖の頃に群を成して発生(ヤケヤスデ) 大阪府衛生害虫検索システム「ヤケヤスデ」

ヤスデ側の成長は、東京大学のプレスリリースが具体的な数字で示しています。マクラギヤスデでは「孵化後の1齢幼体はわずか7体節で脚は3対しかないが、7回の脱皮を経て20体節の成体になる」とされ、脱皮のたびに脚のない体節の腹面に2対4本の脚を包んだ透明な突起が現れることが確認されました。ヤスデの幼体は、脚が少なく短いのが普通ということです。

大阪府衛生害虫検索システムの「ヤケヤスデ」も、成体を「体長15~20mm」「体節は成体では20節。最初の3体節には1対の、それ以降の体節には各2対の歩肢を持つ」と記しています。同じ2cm前後でも、節ごとに脚が2対出ていればヤスデ、1対ならムカデです。

ムカデの卵はいつ・どこに産まれる?

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

「赤ちゃんを見た=家の中に卵がある」と受け取られがちですが、公的機関の資料が産卵場所として挙げているのは、いずれも屋外です。編集部が今回あたった範囲では、屋内での産卵を記した公的資料は見当たりませんでした。

大阪府衛生害虫検索システムの「トビズムカデ」は「落葉層や石垣の隙間などにいて、そのような場所で産卵し、保護する。1ヶ月位でふ化し、幼虫期間は約3年。成虫は6~7年も生存する」と書いています。名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」オオムカデ類の節も「昼間は石下などにひそんでいる」「春から夏に産卵し、3年を経て成体となる」としています。

母親が卵を守ることも、両方の資料が記しています。名古屋市の同節は「産卵した雌は、卵を腹の下に抱えて保護する習性がある」とし、続けて「雌による保護は、幼体が自分で餌を取り自活できるようになるまで続く」と説明しています。卵と孵化直後の幼体は母親のそばの屋外にあり、動き回るのは自活できるようになってからという順序です。

孵化までの実際の日数は、多摩動物公園(東京ズーネット、2013年9月20日)が「トビズムカデの子育て」として公開しています。同記事によれば、7月6日の産卵から「産卵から23日目の7月29日に孵化が見られました」。卵は「一粒の直径が2ミリほどの大きさで黄色みの強いイクラのよう」で「30粒以上はありそうです」と記されています。これは飼育下の1個体についての観察記録で、野外の一般値ではありません。

段階 記載されている内容 その記載の出典
産卵の時期 春から夏に産卵 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」オオムカデ類の生態の節
産卵の場所 落葉層や石垣の隙間などで産卵し、保護する 大阪府衛生害虫検索システム「トビズムカデ」
卵の見た目・数 直径2mmほど・黄色みの強いイクラのよう・30粒以上(飼育下1個体の記録) 東京ズーネット 多摩動物公園「トビズムカデの子育て」
孵化までの日数 1か月位/飼育記録では産卵から23日目 大阪府衛生害虫検索システム「トビズムカデ」=1ヶ月位/東京ズーネット 多摩動物公園=23日目
孵化直後の体色 淡い黄色(飼育下1個体の記録) 東京ズーネット 多摩動物公園「トビズムカデの子育て」
親から離れるころ 全長2cmほど・体色は薄い茶色(飼育下1個体の記録) 東京ズーネット 多摩動物公園「トビズムカデの子育て」
成体になるまで 3年を経て成体/幼虫期間は約3年 名古屋市衛生研究所「ムカデ・ゲジ」=3年/大阪府衛生害虫検索システム「トビズムカデ」=約3年
見かける季節 冬を除くすべてのシーズンで発生 堺市 保健所 生活衛生課「ムカデ」

この表からわかるのは、2cm前後の個体を見た時点では、その年に孵化した幼体である可能性と、成体でも1〜3cmにしかならない別の種である可能性が同時に残るということです。前者なら屋外の落ち葉や石の下、後者なら同じく落ち葉層と、探す先はどちらも屋外で一致します。

小さいムカデを家の中で見つけたら、まず何を確かめる?

掃除機をかける様子
写真はイメージです

小さくても、素手で触るのは避けてください。名古屋市衛生研究所の「ムカデ・ゲジ」はムカデ類の節で「第1節は顎肢節となり、腹面に1対の顎肢(毒牙)を付属する」と記しており、毒牙はムカデ綱に共通の器官です。堺市 保健所 生活衛生課の「ムカデ」も「性格的には臆病」「防御のため以外に咬みつくことは無く」としつつ、うっかり触れる場面で被害が起きると説明しています。

確かめる順番は、この記事で見てきたとおりです。①1つの節から脚が2対出ていないか(出ていればヤスデ) ②脚の対数が21対か、15対か、それ以上か ③体長が1cm程度で止まるか。ここまでで、多くの場合はムカデかどうかと、おおよそのグループまで絞れます。

次に見るのは屋外です。堺市の同ページは生息場所を「湿気のある狭い暗所を好みます」とし、身近な例として「生い茂った草むら・落葉の下・石垣の隙間・庭石やブロックの下・プランターの下など」を挙げています。屋内で1匹見たときに手を入れるべきなのは、この帯です。

なお、咬まれた跡や体調の変化については、この記事では扱いません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。

見つけた1匹をその場でどう扱うか、そして侵入口をどうふさぐかは、別記事で手順ごとに整理しています。

業者に頼む目安はどこ?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

同定と屋外の片づけまでは自分でできますが、そこから先で線を引く目安は次の4つです。いずれも、この記事で見てきた生態から導けます。

  • 屋外の発生源が自宅の敷地外にある(隣接する空き地・法面・共用部の落ち葉だまりなど、自分では手を入れられない場所)
  • 床下・天井裏・基礎の内側など、湿気の多い狭い暗所に立ち入る必要がある
  • 短期間に何度も屋内で見つかり、侵入している場所が自分では特定できない
  • 小さな子どもやペットがいて、薬剤を自分で扱うことに不安がある

相談先には、民間の業者だけでなく自治体の窓口もあります。東京都保健医療局は「ねずみ・衛生害虫」の類別一覧で、ムカデ・ヤスデ・ゲジ・クモを「7 不快動物」に分類して掲載しています。依頼先は、①お住まいの市区町村の保健所・生活衛生の担当課に防除方法を相談する ②地域の害虫防除業者に直接見積もりを取る ③審査のあるマッチングサービスで複数の事業者を比較する、の3つが基本です。いずれの場合も、作業範囲(屋外の発生源まで見るのか、屋内の処理だけか)と、使う薬剤の区分・使用場所を見積もりの段階で書面にしてもらうと、あとで食い違いが起きにくくなります。

料金は建物の構造・面積・作業範囲で変わるため、複数社の見積もりを比べたうえで判断してください。

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費用の内訳や見積もりで確認したい項目は、依頼前に整理しておくと比較しやすくなります。

ムカデの赤ちゃんについてよくある質問(FAQ)

Qムカデの赤ちゃんは何cmくらいですか?

A公的機関がまとめた一般値は、編集部が今回あたった範囲では見当たりませんでした。参考になるのは多摩動物公園(東京ズーネット)のトビズムカデの飼育記録で、親から離れるころの幼虫は「全長2センチほど」「体色は薄い茶色」と記されています。ただしこれは飼育下の1個体についての観察であり、種や条件が変われば数値も変わります。

Q1匹見つけたら、家の中に卵や兄弟がたくさんいるということですか?

A屋内での産卵を記した公的資料は、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。名古屋市衛生研究所は産卵後の雌が「卵を腹の下に抱えて保護する」とし、大阪府衛生害虫検索システムは産卵場所を「落葉層や石垣の隙間など」としています。屋内で見かけた個体は、屋外で育って入ってきたものと考えて、まず家のまわりの落ち葉や石の下を確認するのが順当です。

Q白くて小さい細長い虫を見ました。ムカデの赤ちゃんでしょうか?

A1つの節から脚が2対(4本)出ていれば、ヤスデの仲間でムカデではありません。鹿児島県の「ヤンバルトサカヤスデの防除対策【改訂版】」は、ヤンバルトサカヤスデの6齢期の幼体が「白い体色のまま地表に現れる」と記しています(鹿児島県が県内でのまん延防止対策をまとめている種で、全国に分布する種ではありません)。ムカデの孵化直後の体色を白と書いた公的資料は、編集部が調べた範囲では確認できませんでした。

Q脚の数を数えれば、大人か赤ちゃんか分かりますか?

A種によります。名古屋市衛生研究所は、ゲジについて「1齢幼体は4対の歩肢」「成体で15対」と脚が増えることを記していますが、大阪府衛生害虫検索システムはオオムカデ目の脚数を21対と目のレベルで固定して書いています。相模原市立博物館も「ムカデの仲間は種類によって足の数が異なっています(幼虫は少ないという事もあります)」としており、脚の数は種を絞る手がかりであって、年齢の手がかりではありません。

Qムカデが出やすいのはいつごろですか?

A堺市 保健所 生活衛生課の「ムカデ」は「冬を除くすべてのシーズンで発生」が見られるとしています。産卵の時期については、名古屋市衛生研究所が「春から夏に産卵し、3年を経て成体となる」と記しています。屋外の落ち葉や石の下を片づけるなら、この期間に入る前後が目安になります。

※本記事の体長・脚数・時期は、名古屋市衛生研究所・大阪府衛生害虫検索システム・相模原市立博物館・多摩動物公園・東京大学・鹿児島県・神戸教育情報ネットワーク・堺市が2026年8月時点で公開している記載に基づく整理です。虫の同定は個体差や地域差があり、この記事だけで種を確定できるものではありません。咬まれた跡や体調の変化については医療の領域にあたるため扱っておらず、症状があるときは医療機関にご相談ください。防除方法の相談はお住まいの自治体の窓口をご利用ください。

まとめ|1節の脚の数→脚の対数→体長の順で絞る

小さくて細長い虫を見たときは、まず1つの節から脚が何対出ているかを見ます。2対ならヤスデ、1対ならムカデの仲間です。次に脚の対数で、21対ならオオムカデ目、15対ならイッスンムカデかゲジ、それを大きく超えるならジムカデの仲間、と候補が分かれます。

脚の数で「大人か赤ちゃんか」は決まりません。日本分類学会連合の集計では、既知種数はイシムカデ目61種・ジムカデ目64種に対してオオムカデ目22種です。小さい個体を見たとき、それが幼体である前に「もともと小さい種の成体」である可能性を先に潰したほうが、探す場所を間違えずにすみます。

卵と孵化については、名古屋市衛生研究所が「春から夏に産卵」、大阪府衛生害虫検索システムが「1ヶ月位でふ化」と記しており、産卵場所はいずれも屋外です。手を入れるのは家の中ではなく、落ち葉・石・プランターの下から。自分の敷地の外や床下まで及ぶなら、自治体の窓口か防除業者に相談してください。

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