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アパートのゴキブリ対策|共用部と専有部の境目・管理会社への連絡

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部屋はこまめに片づけているし、生ゴミも溜めていない。それなのにアパートでゴキブリを見てしまうと、「自分の掃除が足りないのだろうか」「隣の部屋のせいなのだろうか」と考えが止まらなくなります。持ち家と違って勝手に工事もできず、管理会社に連絡していいのかも分からない——集合住宅ならではの行き止まりです。

この記事でお伝えしたいのは、対策の手順そのものより「どこまでが自分の住戸の話で、どこからが建物側の話なのか」という境目です。境目がはっきりすると、自分でやるべきことと、管理会社に伝えるべきことが自然に分かれます。

当メディア編集部が、国土交通省のマンション標準管理規約と賃貸住宅標準契約書、建築基準法に基づく告示、民法の条文、千葉市と東京都健康安全研究センターの公開資料を調べて整理しました(2026年8月時点)。ゴキブリによる体調の変化や衛生上の健康影響については、この記事では扱いません。

読者
築8年のアパートに住んでいます。台所はきれいにしているつもりなのに、月に何度か出るんです。隣の部屋の人が最近駆除業者を呼んだらしくて、それで逃げてきたんじゃないかと疑っています。
編集部
その説は本当によく見かけますが、公的な資料をたどると少し違う景色が見えてきます。先に結論だけお伝えすると、疑うより先に確認していただきたいのはご自身の住戸の排水口と、壁や床を貫いている開口部です。理由をこれから順番にご説明しますね。

【一言でいうと】アパートのゴキブリ対策は、どこまでが自分の部屋の話ですか?

アパートやマンションで自分だけの判断で手を打てるのは、住戸の内側と、住戸に付いている開口部(排水口・玄関・窓・換気口・配管が壁を貫いている穴の室内側)までです。それより先にある配管スペースや排水の立て管、共用廊下、外壁は建物側のもので、管理会社や大家さん、管理組合が管理しています。

この線引きは感覚の問題ではなく、文書として存在します。国土交通省が公開しているマンション標準管理規約(単棟型・令和7年改正)の別表第2は、共用部分の範囲として「エントランスホール、廊下、階段、エレベーターホール、エレベーター室、共用トイレ、屋上、屋根、塔屋、ポンプ室、自家用電気室、機械室、受水槽室、高置水槽室、パイプスペース、メーターボックス(給湯器ボイラー等の設備を除く。)、内外壁、界壁、床スラブ、床、天井、柱、基礎部分、バルコニー等専有部分に属さない『建物の部分』」を挙げています(2026年8月時点)。

つまり、パイプスペースもバルコニーも共用部分です。ここを自分で開けたり薬剤をまいたりする話ではなく、伝える話だということになります。

場所 ひな形上の位置づけ 住んでいる人ができること
台所・洗面・浴室の排水口 住戸の中の設備 封水を切らさない・ふたやトラップの有無を確認する
壁や床を配管が貫く穴(室内側) 天井・床・壁は躯体部分を除く部分が専有部分 すき間や欠けを見つけて管理会社に伝える
玄関ドア・窓・換気口 ドアは錠と内部塗装、窓枠・窓ガラスは共用部分 開けっ放しを減らす。改造・交換は要相談
ベランダ・バルコニー 共用部分(専用使用権がある) 通常の使用に伴う掃除は使用者が行う
パイプスペース・排水の立て管 共用部分 自分では触らない。異変は管理会社へ
共用廊下・階段・ゴミ置き場 共用部分 物を置かない。管理会社へ相談する

出典:国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型・令和7年改正)」第7条・第14条・別表第2をもとに当メディア編集部が整理(2026年8月時点)。分譲マンションの管理組合向けのひな形であり、お住まいの管理規約・賃貸借契約が優先します。

アパートのゴキブリ対策は住戸の側と建物の側で分かれるの図解
当メディア編集部作成

共用部と専有部の境目は、どこで決まっているのですか?

集合住宅の外観
写真はイメージです

境目を決めている文書は、住まいの持ち方によって変わります。分譲マンションなら管理規約、賃貸のアパート・マンションなら賃貸借契約書です。どちらにも国土交通省が公開しているひな形があり、そこを読むと考え方の骨格が分かります。

マンション標準管理規約(単棟型)の第7条第2項第一号は「天井、床及び壁は、躯体部分を除く部分を専有部分とする」と定めています。仕上げ材の内側は住戸のもので、コンクリートの躯体から先は建物側、という切り方です。配管についても別表第2が細かく、給水管は「本管から各住戸メーターを含む部分」、雑排水管及び汚水管は「配管継手及び立て管」が共用部分だと書いています。縦に何階分も通っている太い管は建物のもので、そこから住戸へ枝分かれした先が住戸側、という整理です。

賃貸の場合はさらにシンプルで、賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)の第9条第1項が「甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合の修繕に要する費用については、乙の責めに帰すべき事由により必要となったものは乙が負担し、その他のものは甲が負担するものとする」としています。甲が貸主、乙が借主です。直すのは原則として貸主の役割だと最初に置いてある点が、持ち家との一番の違いになります。

ただし、どちらもあくまで国土交通省が示したひな形です。実際に効力を持つのは、ご自身が署名した契約書と、そのマンションで定められた管理規約のほうです。相談の前に手元の書類を開いておくと、話が早く進みます。エアコンのように、住戸の中にありながら壁の穴で屋外とつながっている設備は、この境目がとくに分かりにくい部分です。

排水口からゴキブリが上がってくるというのは本当ですか?

キッチンのシンクを掃除する様子
写真はイメージです

排水口が経路になり得ることは、建築の基準そのものが前提にしています。建築基準法にもとづく昭和50年建設省告示第1597号(最終改正 平成22年国土交通省告示第243号)の第2第3号は、排水トラップを「排水管内の臭気、衛生害虫等の移動を有効に防止するための配管設備」と定義しています。虫の移動を止めることが、あの部品の目的として書かれているわけです。

同じ号のニは、トラップの深さについて「排水管内の臭気、衛生害虫等の移動を防止するための有効な深さをいう」としたうえで、五センチメートル以上十センチメートル以下(阻集器を兼ねるものは五センチメートル以上)と定めています。この深さにたまった水が「封水」で、封水がある限り管の中とは水で仕切られている状態です。第5号のイは通気管について「排水トラツプの封水部に加わる排水管内の圧力と大気圧との差によつて排水トラップが破封しないように有効に設けること」とも定めています。

逆にいえば、封水が減って底が見える状態になると、その仕切りは働かなくなります。長期の不在、めったに使わない浴室や洗面台、洗濯機を置いていない防水パンの排水口などが該当します。数日家を空けたあとや、使っていない排水口には、コップ一杯ほどの水を流しておくと封水が戻ります。

器具そのものが足りていない場合もあります。公益社団法人日本ペストコントロール協会は、ゴキブリ駆除の項目で「浴室や流し台の排水口におわん型トラップが無い場合には設置し」と案内しています。ふたを開けて、お椀を伏せたような部品が入っているかを見てみてください。無ければ、賃貸でも取り外し可能な部品で足せる場合があります(2026年8月時点)。

「隣の部屋で駆除すると自分の部屋に来る」は、一次資料で確かめられますか?

集合住宅の外観
写真はイメージです

これはアパート・マンションの話で最もよく語られる説です。当メディア編集部で公的な資料をたどってみたところ、この因果関係そのものを確かめた公的資料は、調べた範囲では見当たりませんでした。見つかったのは、それと少しずれた3つの事実です。

1つ目は、前の章で見た告示です。排水トラップが「衛生害虫等の移動」を防ぐための設備だと定義されている以上、配管を通じて虫が移動しうることは制度の前提になっています。ただしこれは「隣の住戸から」ではなく「排水管の中から」の移動を指しています。

2つ目は、千葉市「ゴキブリの生態と防除方法」の記述です。千葉市は噴霧・薫煙処理の説明として「部屋にいたゴキブリは駆除できますが、処理が終わると他所からゴキブリが侵入してきます。(ゴキブリの侵入を防ぐ効果は使用する殺虫剤によって異なります)」と記しています。処理後にまた入ってくること自体は、隣の部屋の駆除とは関係なく想定されているということです。

3つ目は制度の側です。東京都健康安全研究センターのQ&Aは、建築物衛生法施行規則が「6月以内ごとに1回(特に発生しやすい場所については2月以内ごとに1回)、定期に統一的に調査し、当該結果に基づき必要な措置を講ずる。」と定めていることを紹介し、「特定建築物維持管理権原者は、特定建築物内の生息状況を専用部、共用部の区別なく把握してください」と案内しています。建物を一体として見ることが求められているわけですが、その対象は特定建築物です。新潟県の解説は「共同住宅は、法において例示されているが、維持管理が一義的には個人の責任に負う等の理由から政令では特定用途とされていない」と明記しています。

整理すると、アパートやマンションには「建物全体を一体として定期的に調べる」という制度が置かれていません。だからこそ、隣室を疑って待つより、自分の住戸の開口部と封水を自分で管理し、共用部の異変は言葉にして管理会社へ渡すほうが、結果として動く範囲が広くなります。なお、隣室や自室に物が積み上がっている状況が絡む場合は、片づけ側から考えたほうが早いこともあります。

ベランダ・共用廊下・ゴミ置き場は、誰が管理しているのですか?

資源ごみの分別回収ボックス
写真はイメージです

ベランダは自分の部屋の一部のように使いますが、書類の上では共用部分です。マンション標準管理規約(単棟型)の第14条第1項は、バルコニー・玄関扉・窓枠・窓ガラス・1階に面する庭・屋上テラスについて、区分所有者が「専用使用権を有することを承認する」と定めています。所有ではなく、使う権利が認められているという形です。

掃除の役割もそこで決まります。同規約の第21条第1項は共用部分の管理を管理組合の責任と負担としたうえで、ただし書で「バルコニー等の保存行為……のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない」としています。落ち葉や土、放置した段ボールを片づけるのは住んでいる人の側、という読み方になります。

共用廊下と階段は、さらにはっきりしています。賃貸住宅標準契約書の別表第2は、貸主の書面による承諾なしに行ってはならない行為の第一号として「階段、廊下等の共用部分に物品を置くこと」を挙げています。廊下に置いた収納ケースや、たたんで積んだ段ボールは、虫の隠れ場所という以前に契約上の論点になり得ます。

ゴミの置き方については、東京都健康安全研究センターのQ&Aが「一時的に屋外に保管せざるを得ないような場合は、ねずみ・昆虫等による被害等を防止するため、蓋つきのごみ容器を用いて密閉保管してください」と案内しています。特定建築物向けの説明ですが、集合住宅の玄関前やベランダに袋のまま置くときにも、そのまま参考になる考え方です(2026年8月時点)。

管理会社や大家さんには、いつ何を伝えればいいですか?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

賃貸の場合、伝えること自体を借りている側の役割として法律が定めています。民法第615条は「賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでない」と定めています。賃貸住宅標準契約書の第9条第3項も「乙は、本物件内に修繕を要する箇所を発見したときは、甲にその旨を通知し修繕の必要について協議するものとする」と同じ趣旨を置いています。

ただし、ゴキブリを見たこと自体が「修繕を要する」に当たるとは限りません。伝わりやすいのは虫の話ではなく「箇所」の話です。配管が壁を貫いている穴のパテが欠けている、シンク下の板と配管のあいだにすき間がある、洗面台の下から水のにおいがする、共用廊下側の排水溝が詰まっている——こうした具体的な状態は、修繕の必要を協議する対象になり得ます。

連絡するときは、次の4点をそろえておくと折り返しが早くなります。

1いつ・どこで見たかを日付で書く

「先週」ではなく「8月10日と8月14日の夜、台所のシンク下付近で」のように、日付と場所を具体的に書きます。回数が分かると、単発か継続かの判断材料になります。

2専有部の話か共用部の話かを分けて書く

「室内のここにすき間がある」と「共用廊下のここが詰まっている」は、動く担当も手続きも変わります。混ぜずに分けて伝えるほうが、たらい回しになりにくくなります。

3気づいた箇所の写真を撮って添える

パテの欠けやすき間は、言葉より写真のほうが早く伝わります。あとで負担の話になったときにも、状態の記録として残ります。

4自分で先に手を加える前に相談する

配管穴のパテ、換気口の網、共用部の設備はいずれも建物側の要素です。良かれと思って埋めた結果が、退去時の論点になることもあります。まず相談してから動きます。

もし通知したのに動きがない場合の規定もあります。民法第607条の2第一号は「賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき」は賃借人が修繕できるとしています。賃貸住宅標準契約書の第9条第4項も同じ内容を置いています。とはいえ何が「相当の期間」かはケースごとの判断になるため、自己判断で進める前に管理会社へもう一度確認するほうが安全です。あわせて、業者に頼む場合の費用感は次の記事で扱っています。

賃貸のゴキブリ駆除費用は、誰が払うことになりますか?

調べ物をして検討する女性
写真はイメージです

先にお伝えしておくと、「賃貸のゴキブリ駆除費用は貸主負担」「借主負担」と一般論で言い切れる公的な基準は見つかりませんでした。当メディア編集部が、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」本文・賃貸住宅標準契約書・マンション標準管理規約の3つの文書を全文検索したところ、「害虫」「ゴキブリ」「駆除」という語はいずれも1件も出てきませんでした(2026年8月時点)。項目そのものが置かれていない、という状態です。

参考になるのは、負担を分ける考え方のほうです。同ガイドラインは原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。賃貸住宅標準契約書の第9条第1項も、修繕費用のうち「乙の責めに帰すべき事由により必要となったもの」は借主、それ以外は貸主としています。

誤解されやすい点をひとつ。ガイドラインの別表は「消毒(台所・トイレ)」を賃貸人(貸主)負担の側に挙げ、「消毒は日常の清掃と異なり、賃借人の管理の範囲を超えているので、賃貸人負担とすることが妥当と考えられる」と説明しています。ただしこれは消毒についての記載であって、害虫駆除について書かれたものではありません。同じ別表の賃借人(借主)負担の側には「ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす(賃借人が清掃・手入れを怠った結果汚損が生じた場合)」が挙がっています。

もうひとつ、賃貸住宅標準契約書の別表第5は原状回復の一般原則として「震災等の不可抗力による損耗、上階の居住者など借主と無関係な第三者がもたらした損耗等については、借主が負担すべきものではない」と記しています。原因が自分の住戸の外にある場合の考え方として押さえておく価値があります。

退去のときも同じ枠組みです。賃貸住宅標準契約書の第15条第1項は「乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗及び本物件の経年変化を除き、本物件を原状回復しなければならない」としており、入居時の状態に戻すという意味ではありません。ただし台所の油汚れのように「手入れを怠った結果」と見られやすい箇所は、住んでいるあいだに落としておくほうが話が簡単になります。

結局のところ、実際に誰がいくら払うかは、契約書の本文と特約、そして管理会社・貸主との話し合いで決まります。心配なら、駆除を依頼する前に「この費用はどちら負担になりますか」と確認しておくのが確実です。退去時の掃除をどこまでやるかという一般的な考え方は、別記事で詳しく整理しています。

集合住宅で殺虫剤を使うとき、タイプごとに何が違いますか?

スプレー洗剤と布でキッチンを拭き掃除する様子
写真はイメージです

順番として、まず「見てから」です。東京都健康安全研究センターのQ&Aは、点検の結果「ねずみ昆虫等の生息が認められなければ、薬剤散布による駆除を行う必要はありません」としています。特定建築物の管理についての記述ですが、住まいでも同じ順序が使えます。

薬剤のタイプごとの違いは、千葉市の資料が4つに分けて説明しています。効き目の優劣ではなく、薬剤がどこに届くかという構造の違いとして読むと選びやすくなります。

タイプ 千葉市の説明 集合住宅で確認しておきたいこと
残留処理 通り道や潜んでいそうな場所に薬剤を塗り、そこを通ったときに体に薬剤が付く。塗布から1カ月くらいは効果があるとされる 塗る面が原状回復の対象になり得る。賃貸では塗布可能な面かを確認する
噴霧・薫煙処理 薬剤を微粒子の状態にしてすき間へ浸透させる。処理が終わると他所からゴキブリが侵入してくるとされる 火災警報器の扱い・近隣への周知・退去前の使用可否を管理会社に確認する
毒餌処理 毒餌を通りそうなところに設置する。嗜好を調べ数カ所に仕掛けると効果的とされる 置き場所は住戸内に限る。共用部への設置は建物側の管理範囲
粘着トラップ 市販の粘着シートを通りそうなところに設置する どこに何匹かかったかが分かるため、管理会社へ伝える材料になる

出典:千葉市「ゴキブリの生態と防除方法」(保健福祉局医療衛生部保健所環境衛生課)の防除方法の記載をもとに当メディア編集部が整理(2026年8月時点)。右列は編集部による集合住宅向けの補足です。

使い方については、公的な案内が2点に絞られています。千葉市は「薬剤を使うときは、注意書きをよく読んで正しく使いましょう」「毒餌を使うときは、小さな子供さんが口に入れてしまわないように、十分注意をしましょう」と書いています。公益社団法人東京都ペストコントロール協会は「殺虫剤を使用する際は、医薬品・医薬部外品を使用し、用法用量に従って使用しましょう」としています。

製品ごとに対象も使い方も異なるため、この記事では商品名や量には触れません。必ずお手元の製品の表示と使用方法に従い、複数の薬剤を混ぜて使わないでください。なお、侵入・エサ・駆除を組み合わせる対策全体の考え方は、住まいの種類を問わない別記事にまとめています。

アパートのゴキブリ対策についてよくある質問(FAQ)

Q新築や築浅のアパートでも出るのはなぜですか?

A建物の新しさより、条件がそろっているかどうかで決まります。千葉市は生息する条件として「餌がある」「通路がある」「巣を作る場所がある」の3つを挙げています。新しい建物でも、配管の通り道や排水口という「通路」は同じようにあります。なお同市の資料は、クロゴキブリについて「共同住宅、日本家屋などに多く見られます」、チャバネゴキブリについて「暖房の完備した大型ビル、高層マンション、病院、ホテル等で見ることの多い種です」と種ごとに分けて説明しています(2026年8月時点)。

Qエアコンから入ってくることはありますか?

Aエアコンは室内機の水を外へ捨てるホースと、配管を通すために壁を貫いている穴で屋外とつながっています。ただし機種ごとに部品も指示も異なり、賃貸では建物側の設備として扱われる部分でもあるため、各論は次の記事にまとめました。

Qハッカ油やハーブを置けば寄せ付けなくできますか?

A忌避の効果を確かめた公的な資料は、編集部が調べた範囲では見当たりませんでした。この論点だけを一次資料から検証した記事が別にありますので、そちらをご覧ください。

Q猫がいる家では、薬剤や精油をどう扱えばいいですか?

A製品ごとにペットのいる環境での使用可否や注意事項の表示がありますので、まずはその表示に従ってください。猫への影響については、獣医学的な判断が必要になる領域のため、この記事では扱いません。使用の前にかかりつけの動物病院へご相談ください。置き型の製品は、猫が触れない場所に置けるかどうかも選ぶ基準になります。

Q部屋の中で見失ってしまったときはどうすればいいですか?

Aその場での探し方と、その晩にできることを別記事で整理しています。集合住宅では、追いかけて共用部へ出す形にならないよう、玄関やベランダの扉を開け放たない点だけ気をつけてください。

※この記事で引用した条文・ひな形・自治体資料は2026年8月時点で公開されているものです。マンション標準管理規約は分譲マンションの管理組合向け、賃貸住宅標準契約書は国土交通省が示すひな形であり、実際に効力を持つのはご自身の管理規約・賃貸借契約書とその特約です。修繕の要否や費用の負担は個別の事情によって変わり、この記事は法律上の判断を示すものではありません。駆除の可否や負担については、管理会社・貸主にご確認ください。

まとめ|アパートのゴキブリ対策は「境目」「封水」「連絡」の3つ

アパートのゴキブリ対策でつまずくのは、掃除が足りないからではなく、自分の管轄がどこまでか分からないからです。国土交通省のひな形をたどると、パイプスペースや排水の立て管、共用廊下、ベランダは建物側のもので、住戸の中と住戸に付いた開口部が自分の範囲だと整理できます。

自分で確実に効かせられるのは封水です。建設省告示第1597号が排水トラップを「衛生害虫等の移動を有効に防止するための配管設備」と定義し、深さを五センチメートル以上十センチメートル以下と定めているとおり、水が仕切りとして働いています。使っていない排水口に水を流すだけでも、その仕切りは戻ります。

そして、共用部の異変は言葉にして管理会社へ渡してください。「隣の部屋で駆除すると自分の部屋に来る」という説の裏づけは一次資料では見つかりませんでしたが、集合住宅には建物全体を定期的に点検する制度が置かれていないことは確認できました。気づいた人が伝えないと、建物側は動き出しません。日付と場所、専有部か共用部かの区別、そして写真。この3つがそろっていれば、相談は十分に成り立ちます。

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