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掃除機はこまめにかけているし、布団も干している。それでもダニが気になる状態が続いていると、「そろそろ業者に頼んだほうがよいのだろうか」と迷うところです。ところが調べ始めると、駆除業者のサイトには「〇〇円〜」という金額だけが並び、実際に何をしてくれるのかがつかめません。
この記事では、当メディア編集部が自治体の公開ページ・国の登録制度の解説・駆除サービスの公開料金と規約を調査し、自分でやりつづける工程と業者に頼む工程の役割分担、間取り別の料金レンジ、見積もりの段階で確認しておきたい6項目を整理しました。実名のランキングは掲載していません。
なお本記事が扱うのは、寝具・カーペット・畳などの室内のちりに関係するダニ(ヒョウヒダニ・ツメダニ・イエダニ・コナダニなど)の防除です。トコジラミ(ナンキンムシ)は扱いません。別の生き物で、業者の作業のやり方も費用の考え方も異なるため、そちらは専用の記事にまとめています。


【一言でいうと】ダニ駆除を業者に頼むと何をしてくれる?
結論として、業者が引き受けるのは被害の調査・家具や床の養生・薬剤の塗布や散布・作業の記録までで、掃除機がけや寝具の乾燥、湿気の管理といった日々の工程は依頼したあとも自分側に残ります。頼む前に「どこまでを自分で続けるか」を決めておくのが出発点です。

| 工程 | 自分でやる | 業者に頼む |
|---|---|---|
| 発生場所・原因の見立て | 気づいた範囲まで | 被害調査として作業前に実施 |
| ほこりの除去・掃除機がけ | 続ける工程(施工後も) | 会社により作業後の簡易清掃まで |
| 寝具・畳の乾燥、湿気の管理 | 続ける工程(施工後も) | 作業の対象外になることが多い |
| 家具・床の養生 | — | 薬剤を使う前提の準備として実施 |
| 薬剤の塗布・散布 | 市販品を表示どおりに使う範囲 | 対象を決めて処理・料金に含まれる |
| 作業の記録と再訪 | — | 報告書の有無・回数は会社ごと |
※当メディア編集部が自治体の公開ページと駆除サービスの公開情報をもとに整理(2026年8月時点)。作業範囲は事業者ごとに異なります。
ダニとトコジラミを混同したまま業者を探すと、作業方式も費用の桁も違うため見積もりの比較になりません。心当たりがある場合は、先にこちらで違いを確認してください。
業者に頼む前に|自分でできることと、そこで止まる線

行政が案内している家庭でのダニ対策
名古屋市は、ダニが繁殖しやすい条件として温度25℃から28℃・湿度65%から85%、フケやアカ・カビ・食べ物のカスといったエサ、じゅうたんや寝具・ぬいぐるみといった生息場所の3つを挙げています。そのうえで、家庭での駆除方法を「掃除」と「乾燥」の2本立てで案内しています。
- 長時間しめきった後や寝る前などは、掃除機をゆっくりていねいにかける
- 掃除機内のごみは早めに処分する
- 部屋のすみ、タンスの裏、棚の上なども掃除する
- 部屋の通風を良くし、畳を日光に干す。60℃以上の温度で死ぬため畳の熱乾燥も有効
- 寝具類は日光に干す。除湿器やエアコンの使用も効果的
出典:名古屋市「ダニ 見えない相手にご用心」(2026年8月時点)
札幌市も、住まいの虫への対処は「発生しないような環境をつくる」ことから始めるよう案内しており、薬剤を使わない方法として日干しを挙げています。そのうえで薬剤については、人に直接危害を加える虫で、環境づくりや薬剤を使わない方法でも駆除できない場合に、その虫の生態に適したものの使用を検討する、という順番を示しています。市販の殺虫剤を使う場合も、適用害虫・使用場所・使用量はすべて製品の表示に従ってください。
出典:札幌市「家庭での対処方法・駆除方法」(2026年8月時点)
自分の手を離れるのはどんなときか
上の工程を続けても状況が変わらないとき、業者への依頼が選択肢に入ります。判断の材料になりやすいのは、対象がひと部屋にとどまらず住まい全体に広がっているとき、じゅうたんや畳のように自分では持ち出せないものが中心のとき、そして乳幼児やペットがいて薬剤を自分で扱うことに不安があるときです。
逆に、発生している場所が特定できていて、寝具の乾燥と掃除機がけで手が届く範囲なら、まずは自分の工程を続けるほうが費用はかかりません。依頼するかどうかは「困り方の広さ」で決めるほうが、金額から入るより判断がぶれません。
どんなダニが室内にいるのか、名前と特徴から知りたい場合は、次の記事で整理しています。
ダニ駆除の料金の目安|間取りで決まる理由と、上限まで見る読み方

ダニ駆除の料金は、作業の対象が部屋単位ではなく住まい全体になりやすいため、間取りで区切って提示されるのが一般的です。くらしのマーケットも、再発防止のために家全体に薬剤を撒くため料金は間取りで決まる、と自社ページで説明しています。
| 間取り | 料金(税込・下限〜上限) |
|---|---|
| 1R・1K | 12,000円〜25,000円 |
| 1DK・2K | 16,000円〜35,000円 |
| 1LDK・2DK | 19,000円〜55,000円 |
| 2LDK・3K・3DK | 23,000円〜65,000円 |
| 3LDK・4K・4DK | 27,000円〜75,000円 |
| 4LDK | 30,000円〜85,000円 |
出典:くらしのマーケット「ダニ駆除」に掲載の相場(2026年8月時点)。同社のFAQでは掲載料金は税込み価格で、作業料金と出張料金が含まれると案内されています。
「〇〇円から」の下限だけで判断しない
同じ間取りでも幅が大きいのは、被害の範囲と処理する対象が住まいごとに違うからです。上の表でも1LDK・2DKで19,000円から55,000円と3倍近い開きがあり、下限だけを覚えて予算を組むと足りなくなります。
加盟店型のサービスでも同じことが起こります。シェアリングテクノロジー株式会社が運営する害虫駆除110番は、ノミ・ダニの料金を22,000円〜(税込)と公開したうえで、対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合がある旨を同じページに注記しています。表示は「そこから始まる金額」であって、見積もりの結果ではありません。
出典:害虫駆除110番「料金のご案内」(2026年8月時点。掲載は料金表記の出典であり、優劣や順位を示すものではありません)
追加料金が発生する条件
くらしのマーケットは、基本的には掲載料金で作業は完了するとしたうえで、追加料金がかかる例として次の4つを挙げ、その場合は必ず店舗から事前に説明があると案内しています。ダニ駆除でも、見積もりの段階で当てはまるものがないかを確かめておくと安心です。
- 店舗の対応エリア外での作業を依頼する場合
- 店舗が有料駐車場を利用する必要がある場合
- 予約内容に含まれていない作業を依頼する場合
- 予約内容に含まれていない部材代、商品代、送料、入場料等が発生する場合
出典:くらしのマーケット「くらしのマーケットのご利用全般について」(2026年8月時点)
業者は何をするのか|料金に含まれる作業と、会社で分かれるところ

作業の中身は、掲載料金に含まれる範囲を各社が公開しているので、そこから読み取れます。くらしのマーケットはダニ駆除の共通の作業内容として「作業内容の事前説明/被害調査/養生/薬剤の塗布・散布」を必須項目に定め、表示料金にこれらが含まれるとしています。
ユアマイスターのノミ・ダニ駆除(東京都)のページでは、表示価格に含まれる作業範囲として同じ4つに加えて「作業後の簡易清掃」が挙げられています。似たサービスに見えても、掃除まで含むかどうかで当日の手間が変わるということです。
出典:くらしのマーケット「ダニ駆除」/ユアマイスター「東京都のノミ・ダニ駆除」(いずれも2026年8月時点。掲載は作業範囲の出典であり、優劣や順位を示すものではありません)
所要時間は事業者ごとに設定が異なります。くらしのマーケットも、サービスページの「作業時間の目安」に記載がない場合は店舗に確認するよう案内しているため、当日の予定を組む前に個別に聞いておくのが確実です。
登録制度の中身から見える「まっとうな手順」
ダニ駆除に、その作業だけを対象とした国家資格はありません。ただし建築物における衛生的環境の確保に関する法律には「建築物ねずみ昆虫等防除業」(7号登録)という都道府県知事の登録制度があり、厚生労働省は、登録は営業所ごとに行われ有効期間は6年、登録業者だけが登録業者である旨の表示ができると説明しています。同省は同時に、この制度は登録を受けない事業者が業務を行うことに何ら制限を加えるものではないとも明記しています。つまり、登録の有無は必須条件ではなく、あくまで判断材料の一つです。
出典:厚生労働省「建築物における衛生的環境の確保に関する事業の登録について」(2026年8月時点)
この登録で何が求められるのかを見ると、家庭の依頼でも参考になります。横浜市は登録の際に提出する「ねずみ昆虫等防除作業実施方法」の留意点として、発生場所・生息場所・進入経路・被害の状況を調査し、その結果に基づいて作業計画を策定すること、対象動物ごとに駆除方法と使用する薬剤の種類を具体的に記載すること、効果判定の時期と方法を明記すること、作業報告書を2部作成して1部を5年間保存することなどを挙げています。
調査があり、計画があり、使う薬剤が示され、あとから効果を確かめる手順がある——この並びは、家庭向けの見積書に求めてよい粒度の目安になります。
出典:横浜市「建築物ねずみ昆虫等防除業の登録基準」(2026年8月時点)
見積もりで確認する6項目|ダニ駆除の業者の選び方

問い合わせから契約までに、次の6項目を同じ言い方で複数社にたずねると、金額以外の軸で違いが見えます。電話で聞き切る必要はなく、フォームの備考欄やメッセージ機能で文字にして残しておくほうが後々役に立ちます。
1登録や認証の有無を、確認できる形でたずねる
建築物ねずみ昆虫等防除業の登録がある営業所かどうか、公益社団法人日本ペストコントロール協会の優良事業所やペストコントロール技術者の認証を受けているかどうかは、事業者に直接確認できます。同協会は、掲載確認が取れた認証者の名簿を公開しています。くらしのマーケットも、事業資格・許認可の状況は各店舗が管理しているとして、ページ内の記載を確認するか店舗に直接問い合わせるよう案内しています。
2どこを調べて、どういう計画で作業するのかを書いてもらう
被害調査は共通の作業に含まれていますが、何をどこまで見るのかは会社ごとに違います。発生している場所、寝具・カーペット・畳のどれを対象にするのか、当日の手順はどうなるのかを、見積書か事前のメッセージに残してもらいましょう。口頭だけの説明は、あとで食い違いの原因になります。
3使う薬剤と、家族・ペットへの配慮の内容を聞く
どの薬剤をどこに使うのか、作業中と作業後にどれくらい部屋を空ければよいのか、乳幼児や高齢の家族がいる場合や、犬・猫・鳥・魚を飼っている場合にどう配慮するのかを確認します。薬剤の適用害虫・使用場所・使用量は製品の表示に従うのが原則で、この点を説明できるかどうかは事業者を見る材料にもなります。
4対象に入るもの・入らないものを品目で確認する
ふとん、マットレス、ソファ、じゅうたん、畳、押し入れの中——どこまでが料金に含まれるのかは会社によって分かれます。作業後の簡易清掃が含まれるかどうかも同じです。含まれないものは自分の工程として残るので、依頼前に線を引いておきます。
5再訪・保証の有無と、その条件を聞く
1回の施工で終わる前提なのか、一定期間内であれば再訪があるのかは、料金差の理由になっている部分です。保証がある場合は、期間、申し出の方法、対象にならないケースまで確認します。ダニは住まいの条件しだいで再び増えるため、「二度と出ない」という説明は鵜呑みにしないでください。
6追加料金が出る条件と、支払いのタイミングを決めておく
駐車場代、対応エリア外への出張、予約に含まれない作業など、追加が生じる条件を先に聞いておきます。支払い方法と支払うタイミング(作業前か作業後か)もあわせて確認しておくと、当日その場で判断せずに済みます。
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会「ペストコントロール優良事業所および各種資格認証者名簿」/くらしのマーケット「店舗・サービス探しについて」(いずれも2026年8月時点)
害虫全般について、料金がどんな要素で決まるのかを横断的に知りたい場合は、次の記事に物差しをまとめています。
依頼の流れと、当日までに用意しておくこと

賃貸にお住まいの場合は、業者を探す前にひとつ順番があります。独立行政法人国民生活センターは、賃貸住宅ならば事業者へ依頼する前に管理会社や大家等に相談するのも一法だと呼びかけています。共用部が関わる場合や、費用の負担者が変わる場合があるためです。
依頼先が決まったら、当日までの準備はそれほど多くありません。くらしのマーケットは、散らかっている部屋では薬剤の効き目が弱まってしまうことがあるため、施工までに片付けておくのがおすすめだと案内しています。あわせて、床とじゅうたんに掃除機をかけ、薬剤がかかると困るものを別室へ移しておくと当日が短く済みます。
- 賃貸なら管理会社・貸主へ先に連絡し、費用と作業の可否を確認する
- 作業の対象になる部屋を片付け、床とじゅうたんに掃除機をかけておく
- 食品・食器・ペットのケージ・水槽・おもちゃなど、薬剤がかかると困るものを移す
- 作業中と作業後に部屋を空ける時間、換気の方法を事前に聞いておく
- 寝具の洗濯や乾燥の予定は、施工日に合わせて前倒しする
高額請求を避ける|国民生活センターに寄せられた害虫駆除の相談

独立行政法人国民生活センターは2025年3月4日に「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」を公表し、相談事例を2件紹介しています。1件目は、「約500円〜」と書かれていた業者に連絡して訪問を受け、室内の点検後に室内全体の燻蒸作業が必要などと言われて約20万円を請求されたというもの(2024年8月受付・20歳代・女性)。2件目は、「約1,000円から」と記載されていた業者に電話で依頼し、作業後に契約書を提示されて約50万円と言われたというものです(2024年8月受付・20歳代・男性)。
同センターは、駆除の作業内容や料金は住宅の大きさや構造、害虫の発生状況によって異なるとしたうえで、広告で「〇〇円から」「基本料金□□円」などと表示されていても、こうした料金で駆除作業が依頼できるとは限らず、特に3ケタ台など極端な格安料金で依頼できることはまずないと注意を促しています。
あわせて、複数社から見積もりを取って比較・検討する前提で話を聞くこと、「すぐに薬剤を撒かないと害虫が増えてしまう」などと不安をあおってその場で契約させようとする事業者とは契約しないこと、料金や作業内容に納得できない場合はその場での支払いを避けることが挙げられています。事前の提示額と実際の請求額が大きく異なる場合などには、特定商取引法の訪問販売によるクーリング・オフが適用できる可能性があるとも案内されています。少しでもおかしいと思ったときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。
出典:独立行政法人国民生活センター「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」(2025年3月4日公表)
施工のあとに続けること|「ゼロにする」を目標にしない

業者に頼んだあとも、住まいの温度・湿度とエサと生息場所という条件がそろえば、ダニは再び増えていきます。名古屋市が挙げている繁殖の3条件は施工では変えられない部分なので、目標は「ゼロにすること」ではなく、増えにくい状態を保つことに置くほうが現実的です。
具体的には、掃除機がけと寝具の乾燥という自分の工程を、施工前と同じ頻度で続けます。じゅうたんや畳の通風、除湿器やエアコンでの湿度管理も同じです。年に一度の大掃除まで含めて習慣にしておくと、次に気になり始めたときの状態が軽くなります。
マットレスやふとんが古く、乾燥させても状態が戻らない場合は、入れ替えを検討する段階かもしれません。処分の方法と費用は、それぞれの記事にまとめています。
ダニ駆除の業者についてよくある質問(FAQ)
※料金・作業範囲・保証の条件等は執筆時点(2026年8月)の各社公開情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は特定の事業者を推奨・比較評価するものではなく、健康上の症状については医療機関にご相談ください。
まとめ
ダニ駆除を業者に頼むとき、受け持ってもらえるのは調査・養生・薬剤処理・記録の部分で、掃除機がけと乾燥・湿気の管理は依頼後も自分の工程として残ります。この役割分担をはっきりさせておくと、見積書に何を書いてもらうべきかが決まります。
料金は間取りで区切られ、くらしのマーケットの相場では1R・1Kで12,000円〜25,000円(税込)、4LDKで30,000円〜85,000円(税込)と幅があります。下限だけを見ず上限まで確かめること、追加料金が出る条件を先に聞くことが、あとで慌てないための備えです。
選ぶときは、登録や認証の有無、調査と作業計画、薬剤と家族・ペットへの配慮、対象範囲、再訪・保証、追加料金と支払いの6項目を、同じ言い方で複数社にたずねてください。金額だけを並べるより、ずっと納得のいく選び方ができます。