※当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、記事内に広告(PR)を含む場合があります。
朝ベランダに出るたび、手すりや床のフンが増えている。室外機の裏に枝が積まれている。羽音と「クルックー」という声で早朝に目が覚める——こうなると、多くの方が「鳩 駆除 業者」と検索します。
ただ、その前に知っておきたい前提があります。鳩は鳥獣保護管理法で保護されている野生鳥獣で、許可を受けずに捕まえる・傷つける・卵を取ることはできません。横浜市も、カラスやハトを含めた全ての野生鳥獣は同法により許可なく捕獲することができない、と明記しています。つまりこの分野の「駆除」は、鳩をどうにかすることではなく、追い出して、汚れを落として、二度ととまれない・入れない状態にすることを指します。
この記事では、当メディア編集部が環境省とe-Govの現行条文、6つの自治体の公式案内、国土交通省のマンション標準管理規約、独立行政法人国民生活センターの公表資料、そして鳩対策を扱う3社の公開料金を調べ、法律上できることの線引き・業者の作業内容・費用の目安・依頼前の確認項目を整理しました。巣に卵やヒナがあるときにどうすればよいのか、賃貸や分譲マンションでは誰に相談すればよいのかまで、順番に確認できます。


鳩の「駆除」でできることは決まっている|捕まえる・殺す・卵を取るは許可制

最初に線を引いておきます。鳩に対して自分の判断でできるのは、とまらせない・入らせない・汚れを落とすの3つまでです。捕まえる、傷つける、卵を取るという手段は、この記事では扱いません。許可なしにはできないことだからです。
| やりたいこと | 法律上の位置づけ | この記事での扱い |
|---|---|---|
| とまり場をなくす(テグス・ワイヤー・剣山) | 捕獲等にあたらない | 自分でも業者でもできる範囲として解説 |
| 防鳥ネットで入らせないようにする | 捕獲等にあたらない | 同上(マンションは管理規約の確認が先) |
| フンや巣跡を清掃する | 捕獲等にあたらない | 行政が案内している注意の範囲で解説 |
| 空(から)の巣を撤去する | 卵もヒナもなければ規制の対象外 | 自治体の案内どおりに解説 |
| 卵やヒナのある巣を動かす | 鳥類の卵の採取等にあたり、許可が必要 | 手順は扱わない(自治体の窓口へ) |
| 網や道具で捕まえる | 捕獲にあたり、許可が必要 | 方法は扱わない |
| 傷つける・殺す | 原則禁止で、罰則の対象 | 方法は扱わない |
鳩は鳥獣保護管理法の対象|いえねずみとの違い
環境省は、法律の正式名称を「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」とし、ここでいう「鳥獣」を鳥類又は哺乳類に属する野生動物と定義しています。そのうえで、法の対象から外れるのは、ニホンアシカ・アザラシ5種・ジュゴン以外の海棲哺乳類と、いえねずみ類3種だけだと説明しています。
ここが誤解されやすいところです。ネズミの一部は対象外ですが、鳥類である鳩は当然に対象に入ります。「害鳥だから何をしてもよい」という理屈は法律上成り立たない、ということです。なお横浜市は、ドバトについて人に飼われていたハトが野生化したものと説明しています。飼いバトの子孫であっても、いまは野生鳥獣として扱われます。
捕獲の許可について環境省は、生態系や農林水産業に被害等が生じている場合や学術研究上の必要性が認められる場合などに、環境大臣又は都道府県知事の許可を受けて鳥獣又は鳥類の卵を捕獲等することが認められている、としています。許可の対象に「卵」が明記されている点が、鳩の相談では効いてきます。
出典:環境省「鳥獣保護法の概要」/同「捕獲許可制度の概要」/横浜市「カラス・ハトによる被害について」
無許可の捕獲・卵の採取は「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」
条文まで確認しておきます。現行の鳥獣保護管理法は第8条で、鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷)をしてはならないと定めています。許可を受けた場合などが例外にあたり、その許可は第9条で環境大臣又は都道府県知事が出すものと決められています。
これに違反して狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等や鳥類の卵の採取等をしたときの罰則は、第83条第1項第1号で一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金とされています。刑法の改正で懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されたため、現行条文の表記はこの形です。解説ページの中には改正前の表記が残っているものもありますが、実際に確認すべきは条文のほうです。
怖がらせたいわけではありません。ただ、「巣ごと捨ててしまえば早い」という判断が、法律上は一線を越える可能性があることは、依頼前に知っておく価値があります。
出典:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(第8条・第9条・第83条)
巣に卵やヒナがあるかどうかで、できることが変わる

実務上いちばん大事な分かれ道が、ここです。同じ「巣がある」でも、中身が空かどうかで扱いがまったく違います。まず自分のベランダがどの状態かを確かめてください。
空の巣なら、自分で撤去してもよい
北九州市は、ドバト(カワラバト)の相談への回答として、空(から)の巣は、どなたでも自由に撤去できますと案内しています。新宿区も、巣のみをご自身で撤去することは可能である一方、巣に卵やひながいる場合は鳥獣保護管理法により許可なく処分はできない、という書き分けをしています。
武蔵野市はさらに具体的で、卵も雛もまだない状態なら自分で撤去して差し支えないとしたうえで、巣材は燃えるごみで出してくださいと処分方法まで示しています。分別区分は自治体で違うため、ここはお住まいの案内に合わせてください。
ただし、撤去だけで終わると同じ場所にまた作られます。鳩は寝床や巣への執着が強く、追い払われても何度も飛来してくる、と東大阪市も説明しています。撤去と侵入防止はセットで考えるのが前提です。とまり場をなくす具体的なやり方は、次の記事にまとめています。
卵やヒナがあるときは、巣立ちを待つか自治体に相談する
卵やヒナが入っている場合、自治体の案内は共通しています。世田谷区は、ヒナや卵がある場合は巣立ってから巣を取り除いてください、としています。東大阪市も、迷惑だからといってヒナを勝手に捕まえたり卵を取り捨てたりすることはできない、と明記したうえで、卵は16から18日でかえり、ヒナは約30日で巣立ちますという目安を示しています。横浜市は、孵化から巣立ちまでの期間を約30日から40日程度としています。
待てない事情があるときの相談先は、市区町村の窓口です。北九州市は、卵やヒナがいる巣を撤去するには捕獲の許可が必要になるので市役所に相談を、と案内しています。東大阪市は捕獲許可の申請方法をページに掲載し、申請者から状況を聞いて必要と判断される場合に捕獲許可証を交付するとしています。
この間も、巣に触れない範囲での清掃と、別の場所への侵入防止は進められます。何もできないわけではない、という点は覚えておいてください。
出典:北九州市「よくある相談と対策【ドバト(カワラバト)】」/新宿区「ハトに棲みつかれないために」/武蔵野市「鳥の巣の撤去について」/世田谷区「ハトが巣をつくってしまった」/東大阪市「ハトの被害にお困りの方へ」
鳩の駆除は市役所に頼める?|6自治体の案内を比べた

「税金を払っているのだから市がやってくれるのでは」と考える方は少なくありません。実際にどう案内されているのか、6つの自治体の公式ページを読み比べました。
| 自治体 | ページに書かれている対応 | 案内している先 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 私有地におけるカラスやハトなど野生鳥類の駆除は行っていない | 民有地は土地の所有者または管理者へ相談 |
| 新宿区 | 巣のみは自分で撤去可能。卵やひながいる場合は許可なく処分できない | 巣立ちを待つか、業者に連絡して撤去 |
| 世田谷区 | 区が巣の撤去等を行うのはカラス等の要件に該当する場合。ハトは対象外 | 都内の業者紹介として東京都ペストコントロール協会 |
| 東大阪市 | 特定の業者は紹介しない。捕獲許可の申請は市の窓口で受け付ける | 大阪府ペストコントロール協会(複数社の見積もりを推奨) |
| 武蔵野市 | ドバトとカラスの場合のみ、市が捕獲許可を得たうえで卵や雛を駆除できる(巣材の処分や清掃は自身で) | 環境政策課へ相談 |
| 北九州市 | 空の巣は誰でも撤去可。卵やヒナがいる巣の撤去には捕獲の許可が必要 | 市役所に相談。自分でできない場合は民間業者 |
※2026年8月時点で各自治体の公式ページに掲載されている内容。制度や窓口は変わることがあるため、依頼前にお住まいの自治体のページで確認してください。
並べると、対応は大きく3つに分かれます。①私有地の駆除はしない ②相談先の協会を案内する ③限られた鳥種についてだけ市が許可を得て対応する、の3類型です。武蔵野市のように市が動くケースもありますが、それはドバトとカラスに限った扱いで、しかも巣材の処分や清掃は自分で行うことになっています。
結論として、ベランダの鳩について「市に電話すれば片づけてもらえる」と期待するのは現実的ではありません。市区町村に聞く価値があるのは、卵やヒナがいるときの許可の要否と、その申請窓口です。ここは自治体ごとに扱いが違うので、電話1本の価値があります。なお同じ野鳥でもカラスは自治体の対応が異なることが多く、別の記事で整理しています。
鳩の業者がやるのは「追い出し・清掃・侵入防止」の3つ

では、お金を払うと何をしてもらえるのか。予約サイトや専門業者が公開している作業内容を並べると、輪郭がはっきりします。
株式会社みんなのマーケットが運営するくらしのマーケットは、鳩駆除・鳩よけカテゴリのすべてのサービス共通の作業内容として、鳩の追い出し/鳩のフン・巣跡の清掃/鳩の侵入防止対策の3つを挙げ、表示料金にはこれらが含まれるとしています。加えて、ベランダ・バルコニーは10平米まで、配管・手すりは10mまで追加料金なしという範囲も示されています。
シェアリングテクノロジー株式会社が運営する鳩110番は、料金ページのサービス内容に巣の撤去・鳥よけネット・スパイク・ワイヤー・忌避剤を挙げ、代表的な対策工事として防鳥ネット・カーテン/剣山/ワイヤー/忌避剤/捕獲を掲載しています。「追い出して終わり」ではなく、封じるところまでが1件の作業という組み立てです。
侵入防止は「とまらせない」か「入らせない」かで工法が変わる
侵入防止の工法は、目的で2種類に分かれます。手すりや配管など細長い場所にとまらせないためのものと、ベランダ全体のように空間ごと入らせないためのものです。
前者にあたるのがテグス・ワイヤーと剣山(スパイク)です。東大阪市は、釣り用テグスまたはステンレスワイヤを木片やL型金具などを利用して手すり上面から5から6センチメートルの位置に設置し、幅の広い手すりでは約5センチメートル間隔で並列に張るという具体的な方法まで案内しています。横浜市も、とまりやすい所へのテグスや、とげ状のプラスチック製器具の設置に触れています。
後者が防鳥ネットです。横浜市は、ベランダ等には防鳥ネットを隙間なく張ると効果的としています。逆に言えば、隙間が残るネットは意味を持ちにくいということです。ネットは面積が出るぶん費用も上がりますが、被害が広い場合はこちらが選ばれます。
どの工法になるかは、被害の場所と鳩の居つき方で決まります。「うちはどれが要るのか」を現地で説明してもらうこと自体が、業者を見極める材料になります。
「捕獲」が入る作業は、許可が前提になる
鳩110番のように、対策工事の選択肢として捕獲を挙げている事業者もあります。ここは注意して読んでください。捕獲は法律上の許可を前提とする行為で、業者だから自由にできるというものではありません。前述のとおり、許可を出すのは環境大臣又は都道府県知事です。
したがって、見積書や説明の中に捕獲・巣の中身の処理が含まれているときは、どういう根拠で行うのかを聞いてよいということになります。逆に、追い出し・清掃・侵入防止だけで構成された提案であれば、許可の話は基本的に出てきません。屋根裏に入り込む相手の場合はまた事情が異なり、コウモリのように哺乳類が対象になるケースは別記事で扱っています。
鳩の駆除・鳩よけを業者に頼むときの費用の目安【2026年8月時点】

公開されている料金情報を3件そろえました。手すりや出窓の1か所なら数千円台から、マンションのベランダ1面で4万円台までという開きがあります。前提条件がそれぞれ違うので、金額だけを並べないよう注意して読んでください。
| 料金の掲載元 | 示されている金額 | 前提・条件 |
|---|---|---|
| くらしのマーケット(害獣駆除/鳩駆除・鳩よけ) | マンションのベランダ・バルコニー 13,000〜41,000円/出窓 6,000〜22,000円/配管・手すり 6,000〜22,000円 | 被害場所別の相場。表示料金に追い出し・フン/巣跡の清掃・侵入防止対策を含む。ベランダ・バルコニーは10平米まで、配管・手すりは10mまで追加料金なし。税の表記はページに記載なし |
| 鳩110番(シェアリングテクノロジー株式会社) | 個人(一軒家やマンション等)22,000円〜(税込)/法人(工場等の大型建築物)24,200円〜(税込) | サービス内容は巣の撤去・鳥よけネット・スパイク・ワイヤー・忌避剤。対応エリア・加盟店により記載価格や条件では対応できない場合があるとの注記あり |
| 株式会社トータルクリーン(コラム) | ベランダのフン清掃・消毒 1〜3万円/巣の撤去 おおよそ1〜2万円/防除用器具の設置 1平米あたり3〜5千円ほど | 家庭のベランダを前提とした相場。作業範囲・内容・スタッフの人数によって変わるとされる。税の表記は記載なし |
※いずれも2026年8月時点で各サイトに掲載されている情報です(出典:くらしのマーケット/鳩110番/株式会社トータルクリーン)。税込・税別の表記は各サイトの記載に準じます。
数字の幅を読み解くと、「1か所を追い出してふさぐ」のか「1面まるごと張る」のかで桁が変わることが分かります。出窓や手すり1本の6,000円台と、ベランダ全面の4万円台は、同じ作業ではありません。
また、清掃・巣の撤去・器具の設置がそれぞれ独立した単価を持っている点も見えてきます。トータルクリーンの示す内訳で言えば、清掃と巣の撤去だけで2〜5万円、そこにネットや剣山の設置費が面積分だけ乗る、という積み上げです。総額だけを聞くより、この3つに分けて聞いたほうが比較しやすくなります。
費用が動く4つの条件
- 面積と長さ=ネットを張る範囲、テグスを渡す距離。株式会社トータルクリーンも、清掃・消毒の範囲やネットの長さが面積に比例して増えると説明しています
- 場所の高さと足場=手の届くベランダか、屋根や太陽光パネルの下か。手の届かない位置に巣がある場合は金額が上がるとされています
- 汚れの量=フンが積もっている面積と厚み。清掃と消毒の工数がそのまま変わります
- 再発防止までやるか=追い出しだけで終えるか、侵入防止の施工まで含めるか。含めない提案は安く見えます
電話の段階で総額を言い切れない業者が多いのは、この4つを見ないと判断できないためです。裏を返せば、現地を見ずに「一律◯万円」と断言する説明は、どこかの条件が抜け落ちている可能性があります。
賃貸・分譲マンションは、先に相談先を確かめる

戸建てなら自分で発注すれば済みますが、集合住宅では順番があります。ここを飛ばすと、費用を出したあとで揉めることがあります。
国土交通省が公表している令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)は、第14条でバルコニー等について専用使用権を定めています。そしてそのコメント第14条関係では、専用使用権はその対象が敷地又は共用部分等の一部であることから、管理のために必要がある範囲内で他の者の立入りを受けることがある等の制限を伴うものであり、工作物設置の禁止、外観変更の禁止等は使用細則で物件ごとに言及するものとすると説明されています。
ここから読み取れるのは、ベランダに防鳥ネットや剣山を取り付ける行為が、物件によっては工作物の設置として使用細則の対象になり得るということです。標準管理規約はあくまでひな形なので、実際にどう定められているかはご自身のマンションの規約と使用細則を見るしかありません。
実務の順番としては、株式会社トータルクリーンが自社コラムで示している考え方が分かりやすいところです。同社は、賃貸物件では鳩の駆除を勝手にせず必ず事前に管理会社もしくは大家さんに相談すること、分譲マンションでは被害箇所が共用部分なのか専用使用権のある共用部分なのかを確かめたうえで管理会社と管理組合に相談することを勧めています。費用を誰が負担するかは物件や規約によって変わるため、作業を発注する前に相談しておくほうが、後からの請求より通りやすいという説明です。
横浜市も、自分の所有地以外で被害に困っている場合は、その場所の所有者または管理者に相談し、対応方法は所有者または管理者の判断になるとしています。共用廊下や隣戸のベランダが発生源になっているときは、この考え方が当てはまります。
出典:国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)及びコメント」(PDF)/株式会社トータルクリーン「その鳩の駆除費用、妥当ですか?」
鳩のフンを片づけるときに気をつけること

フンの片づけは、鳩の相談でもっとも質問が多いところです。ここでは、行政が公開している注意事項の範囲だけをお伝えします。体調に関わる判断は、この記事では扱いません。
東大阪市は、ハトのふんには有害な菌が含まれている場合があるとしたうえで、掃除の際はフンに直接触れたり、乾燥し飛散したフンを吸入しないよう、手袋やマスクを装着し、まず水で流すか、流せない場合でも一度水に濡らして、飛散しないようにして片付けてくださいと案内しています。乾いたまま掃く・こするのではなく、先に濡らすという順番が示されている点が要点です。
世田谷区も、巣を撤去する際は必ず手袋やマスクをつけて行うようにしましょう、としています。装備の考え方はフンの清掃にもそのまま当てはめておくのが無難です。
- 使い捨ての手袋とマスクを用意し、作業のあとは手を洗う
- 乾いた状態で掃き集めず、先に水をかけて濡らしてから片づける
- 風の強い日は避ける(乾いた粉が飛びやすくなります)
- 汚れてもよい服で行い、脱いだあとは他の洗濯物と分けて洗う
- 量が多い・手が届かない・広範囲に固着している場合は、清掃も含めて業者に相談する
くらしのマーケットの鳩駆除・鳩よけカテゴリでは、フン・巣跡の清掃が表示料金に含まれる共通の作業内容とされています。無理をして自分で広範囲を洗うより、追い出しや侵入防止とまとめて頼んだほうが結果的に早いケースもあります。
なお横浜市は、ドバトの被害状況としてフンや羽毛による建物や周辺環境の汚れ、悪臭のほか、健康被害があると記載しています。この記事では症状の見立てや手当ての方法は扱いません。作業のあとで体調に不安を感じたときは、自己判断をせず医療機関にご相談ください。ベランダそのものの洗い方は、次の記事で扱っています。
鳩の駆除で実際に起きているトラブル

この分野は、困った当日にスマホで検索し、最初に出てきた番号へ電話しやすい領域です。そこで何が起きているかを、公的な統計で確認しておきます。
独立行政法人国民生活センターは2024年4月24日、害虫・害獣駆除サービスのトラブルについて注意喚起を公表しました。PIO-NETに登録された相談件数は、2018年度854件、2019年度907件、2020年度972件、2021年度1,383件、2022年度1,612件、そして2023年度は2,290件と推移しています(シロアリ駆除サービスの件数は除いた集計)。契約当事者が10〜20歳代だった相談は2023年度が552件で、前年同期の約2.6倍に増えたとされています。
同センターが相談事例から挙げている問題点は、インターネット上に記載されている料金と実際の料金がかけ離れていること、消費者の不安をあおり契約を急かす勧誘が行われていること、強引に作業を行い代金を請求していること、事前に複数見積もりを取ることができないこと、交付される書面に具体的なサービス内容等が明記されていない場合があること、クーリング・オフ妨害をしている事例が見られること、の6点です。
アドバイスとして示されているのは、極端に安い価格を表示するサイトや広告には注意すること、複数見積もりを取って比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しないこと、クーリング・オフ等ができる場合があること、おかしいと思ったらすぐに消費生活センター等に相談することです。消費者ホットライン「188(いやや!)」番は、最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号として紹介されています。
鳩の場合、ベランダという狭い範囲の作業なのに総額が大きく振れることがあります。その場で決めない、というルールを自分の中に1つ置いておくだけで、防げる場面があります。
出典:独立行政法人国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意−若い年代でトラブル急増中!−」(2024年4月24日公表)
鳩の駆除業者の選び方と、相談できる窓口

鳩の対策には、これを持っていれば安心という単一の国家資格がありません。だからこそ、見積もりの取り方と書面の読み方で判断することになります。
1現地を見たうえで見積もりを出しているかを確かめる
鳩の費用は、面積・高さ・汚れの量で桁が変わります。写真だけ、電話だけで総額を確定させる説明には、条件の抜けがないか聞き返してください。点検の結果を写真で見せてくれる業者は、あとで比較しやすくなります。
2見積書が「清掃」「巣の撤去」「侵入防止」に分かれているか
一式とだけ書かれた書面は、作業範囲の食い違いが起きやすくなります。ネットや剣山を何メートル・何平米施工するのか、清掃はどの範囲か、高所作業費や出張費が別立てかを、書面で確かめておきましょう。
3提案された工法の理由を説明できるか
手すりだけならテグスやワイヤー、ベランダ全体ならネットというように、工法は被害の出方で決まります。なぜその工法なのかを自分の家の状況に即して説明してもらえるかどうかは、判断材料になります。
4卵やヒナがある場合の扱いを、どう説明するか
その場で巣の中身を処理すると言われたときは、根拠を確認してよい場面です。自治体の窓口を案内する、巣立ちを待つ提案をする、といった説明ができる相手のほうが、法律の前提を理解していると考えられます。
5再発したときの対応と、相見積もりの可否
鳩は同じ場所に戻る習性が強い相手です。再訪の条件と期間が決まっているか、保証の範囲に何が含まれるかを聞いてください。国民生活センターも、比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しないよう呼びかけています。
相談先としては、公益社団法人日本ペストコントロール協会が全国47都道府県に地区協会を置いていることも知っておくと役に立ちます。同協会のページによれば、各協会には地元住民や企業等からの相談に応じる「害虫相談所」が設けられ、電話などによる相談受付は無料で行われています。現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料になりますが、相談内容に応じた事業者の紹介も可能とされています。世田谷区や東大阪市が案内している協会も、この地区協会にあたります。
出典:公益社団法人日本ペストコントロール協会「都道府県協会」
依頼するときに手元にそろえておくもの
- 被害箇所の写真(手すり・室外機の裏・床のフン。巣がある場合は離れた位置から)
- いつから来ているか、1日のうちいつ見かけるか
- ベランダのおおよその幅と奥行き(ネットの面積の目安になります)
- 階数と、手が届く高さかどうか
- 賃貸・分譲の別と、管理会社・管理組合への相談状況
この5点がそろっていると、電話やフォームでの概算が出やすくなり、複数社の比較もぶれにくくなります。
害虫・害獣の駆除費用が全体としてどう決まるのかは、次の記事で横断的に整理しています。
鳩の駆除業者についてよくある質問(FAQ)
※料金・サービス内容・自治体の制度等は執筆時点(2026年8月)に各公式サイト・公式ページで確認した情報です。最新の情報は各公式サイト、およびお住まいの自治体の案内でご確認ください。
まとめ
鳩の「駆除」で検索したとき、持ち帰っていただきたいのは次の4点です。①捕まえる・傷つける・卵を取るは許可がなければできず、違反すれば一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象になる ②空の巣なら自分で撤去できるが、卵やヒナがあるなら巣立ちを待つか自治体の窓口へ ③業者の仕事は追い出し・清掃・侵入防止の3つで、費用は6,000円台から4万円台、条件によってはそれ以上 ④賃貸・分譲は着手前に管理会社や管理組合へ、です。
焦って最初に見つけた番号にかけるより、被害箇所の写真と広さのメモをそろえて2〜3社に当たるほうが、結果として早く安く終わることが多い領域です。自分でできる範囲の鳩よけについては、次の記事で具体的に解説しています。