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カナブンの幼虫は害虫?コガネムシの幼虫との見分け方3つと対処

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プランターの土をひっくり返したとき、堆肥の袋を開けたとき、生ごみ処理容器をかき混ぜたとき。白くて丸まった幼虫がころりと出てきて、手が止まってしまった方は多いと思います。「これはカナブンの幼虫か、それともコガネムシの幼虫か」。同じように見えるのに、片方は土をつくる側、もう片方は植えているものの根を食べる側だと言われれば、迷って当然です。

結論を先にお伝えすると、自治体や県が公開している資料は、この2つを「益虫」と「害虫」にはっきり分けたうえで、体の曲がり方・大きさ・歩き方という具体的な手がかりまで示しています。逆にいえば、その手がかりを知らないまま全部つぶしてしまうと、土を良くしてくれる側まで失うことになります。

この記事では、当メディア編集部が神奈川県葉山町・島根県・高知県・静岡県・奈良教育大学・大阪府藤井寺市などが公開している資料を調べ、目の前の幼虫を3つの手がかりで絞り込めるように線画の図解と早見表にまとめました。コガネムシの幼虫だった場合の対処と、庭や家庭菜園で薬剤を使うときに法律上守ることまで続けて整理しています。

なお、虫に触れて体に起きたことについては、この記事では扱いません。気になる症状があるときは医療機関にご相談ください。

読者
家庭菜園の土を入れ替えていたら、白い幼虫が5匹くらい出てきたんです。カナブンなら残したほうがいいと聞いたことがあって、どうしたらいいのか分からなくて…。
編集部
その迷いは大事です。まずは殺す前に、体の曲がり方と大きさ、そして地面に置いたときの動きを見てください。自治体の資料に、その3つがちゃんと書かれているんですよ。

【一言でいうと】カナブンの幼虫とコガネムシの幼虫は「食べるもの」が違う|見分けの早見表

土から出た白い幼虫は形と大きさで分けるの図解
当メディア編集部作成

神奈川県葉山町の環境課が、生ごみ処理容器に発生する幼虫について公開している資料は、カナブンを「益虫」、コガネムシを「害虫」として左右に並べています。そして、はたらきの欄は、カナブンが「土壌を改善」、コガネムシが「土中で根を食害」と分かれています(葉山町 キエーロに幼虫発生(PDF)/2026年8月時点)。この資料は葉山町「生ごみ処理容器の窓口販売」のページから公開されています。

つまり、見分けの本質は色や形そのものではなく「土の中の何を食べているか」です。腐った有機物のほうを食べている幼虫は土をつくる側に、生きた根のほうを食べる幼虫は植物を弱らせる側になります。

同じ資料に書かれている特徴を、そのまま早見表にしました。目の前の幼虫と見比べてみてください。

比べる点 カナブン(益虫と記載) コガネムシ(害虫と記載)
幼虫の頭部 頭部は茶色く体の脇に茶の点々 頭部が黒や茶系
幼虫の体の形 腹の先が太く、体がC字形に曲がっている 体がU字形に曲がっている
幼虫の動き 背中で歩く 同資料に歩き方の記載なし
終齢幼虫の大きさ 4cmくらい 2~3cmくらい
卵 白っぽく、1~2mmの丸形 白っぽく大豆くらいの大きさ
成虫 6月~8月頃みられる。頭が四角形。越冬しない 6月~9月頃みられる。頭が半円形。越冬する
土の中でのはたらき 土壌を改善 土中で根を食害

※葉山町「キエーロに幼虫発生」(生ごみ処理容器に発生する幼虫についての資料)の記載を転記(2026年8月時点)。同資料はカナブンとコガネムシの2種類を対比する形式で、種類ごとの網羅的な図鑑ではありません。

この記事では、迷ったときに順番に確かめる手がかりを①〜③の番号で整理しています。①背中で歩くか、②体の形と大きさ、③どこにいたか。番号はこのあとの見出しとまとめでもそろえています。

この記事で扱わないこと(先にお伝えします)


・写真や文章だけで虫の種類を確定させること。種類の判定には現物の確認が必要で、同じ科のなかにも似た幼虫がいます。
・特定の殺虫剤・農薬の実名ランキングや「これが一番効く」といった順位付け。効果は使う場所や条件で変わるため、この記事では効きめを保証する書き方はしません。
・虫に触れたあとに体に起きたことの説明や、その手当ての方法。判断が必要な部分は医療の領分です。気になる症状があるときは医療機関を受診してください。

①背中で歩くか|カナブンの幼虫を分ける、いちばん分かりやすい手がかり

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

最初に確かめたいのは動きです。前述の葉山町の資料は、カナブンの幼虫の特徴として「背中で歩く」を挙げています。腹を下にして脚で進むのではなく、あお向けのまま背中側を地面につけて進むという意味です。

いっぽう同じ資料のコガネムシの欄には、歩き方についての記載はありません。ですから正確には「背中で歩いていればカナブンの特徴に当てはまる」という言い方になります。歩かなかったからコガネムシだと決まるわけではない、という点だけ押さえておいてください。

触らずに見るための置き方

動きを見るときは、素手でつままないほうが安心です。園芸用の手袋をしたまま、幼虫をスコップや紙皿ですくい、平らな場所(新聞紙やトレーの上)にそっと置きます。あお向けのまま体をくねらせて進むようなら、葉山町の資料が挙げているカナブンの特徴と一致します。

観察が終わったら、掘り出した場所の土や腐葉土に戻します。乾いたコンクリートの上に置いたままにすると弱ってしまうので、判断がついたらすぐに戻すか、あとの章の対処に進んでください。

これだけで決めない理由

1匹の動きだけで結論を出すのは危うい、というのが正直なところです。土から出した直後は動かないことがありますし、弱っている個体もいます。動き・形・大きさ・いた場所の4点がそろって同じ方向を指したときに、はじめて確からしさが上がります。

また、庭には見た目の似た虫が何種類もいます。成虫の段階で「害虫か益虫か」を取り違えやすい虫については、別の記事で星の数や葉の食べ跡から分ける方法をまとめています。

②体の形と大きさ|C字形で4cmか、U字形で2〜3cmか

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

2つめの手がかりは体つきです。葉山町の資料は、カナブンの幼虫を「腹の先が太く、体がC字形に曲がっている」「終齢幼虫は4cmくらい」、コガネムシの幼虫を「体がU字形に曲がっている」「終齢幼虫は、2~3cmくらい」としています。

CとUの違いはイメージしにくいかもしれませんが、丸まり方が浅くて腹の先がふっくら太いのがカナブン側、深く折りたたむように丸まるのがコガネムシ側という整理です。並べて比べられるなら、この差はかなり分かりやすくなります。

頭部の色と体の脇の点々

同じ資料は頭部の色も挙げています。カナブンの幼虫は「頭部は茶色く体の脇に茶の点々」、コガネムシの幼虫は「頭部が黒や茶系」です。体の脇に茶色い点が並んでいるかどうかは、明るいところで見るとはっきりします。

ただし、大きさは種類によって幅があります。島根県農業技術センターの病害虫データベースは、ブドウなどを加害するドウガネブイブイについて「幼虫は約30mm,淡黄色で,頭部が褐色のイモムシである」としています(島根県 病害虫データベース コガネムシ類/2026年8月時点)。コガネムシと呼ばれる虫は1種類ではないため、3cmを超えたからカナブンだ、とは言い切れません。

見つかる時期にも差がある

葉山町の資料は、コガネムシの幼虫が「4月~5月、10月~11月に発生」と時期にも触れています。生ごみ処理容器という限られた環境での目安ではありますが、春と秋に土をいじって幼虫が出てくる場合は、コガネムシ側の可能性も頭に置いておくとよいでしょう。

高知県のこうち農業ネットは、ねぎを加害するドウガネブイブイについて「年1回の発生で、成虫は6月から現れ、9月までみられる。産卵は主に6月~8月に、有機物に富んだ土壌中に行われる」「3齢幼虫で越冬し、翌春蛹化、羽化する」としています(こうち農業ネット(高知県農業振興部) ねぎ ドウガネブイブイ(コガネムシ類)/2026年8月時点)。夏に成虫が飛んできて産卵し、その子が秋から翌春まで土の中にいる、という流れです。

③どこにいたか|腐葉土・堆肥の中か、鉢や花壇の根元か

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

3つめは、その幼虫がどこから出てきたかです。ここは誤解されやすいところなので、資料の書き方をそのまま押さえておきます。

まず押さえておきたいのは、カナブンの幼虫が何を食べるかを直接書いた公的資料は、編集部が調べた範囲では見つからなかったということです。葉山町の環境課が生ごみ処理容器に出る幼虫についてまとめた資料でも、カナブンは益虫として「土壌を改善」、コガネムシは害虫として「土中で根を食害」と役割が書かれているだけで、幼虫の食べ物そのものの記載はありません(葉山町 生ごみ処理容器に発生する幼虫(PDF)/2026年8月時点)。

参考になるのは近縁の種の記載です。カナブンと同じコガネムシ科ハナムグリ亜科のコアオハナムグリについて、奈良教育大学が公開している昆虫ガイドは「土(つち)のなかで朽(く)ち木(き)や腐植土(ふしょくど)などを食(た)べて育(そだ)ちます」としています(奈良教育大学 昆虫ガイド コアオハナムグリ/2026年8月時点)。これはカナブンそのものについての記載ではありませんので、そういう仲間がいるという参考にとどめてください。

いっぽうコガネムシ類について、島根県の資料は「幼虫は土中で植物の根を食害する。とくに,サツマイモ,イチゴ,ダイズなど野菜類を好む」としています。生きている根を食べるという点が決定的な違いです。

「腐葉土にいた=カナブン」と決めつけないために

ただし、コガネムシの幼虫も有機物を食べないわけではありません。島根県の同じページは「ふ化幼虫は最初土中の堆肥などを食べているが,発育すると植物の根などを盛んに食害する」としています。高知県の資料も「幼虫は土壌中の有機物や植物の根を食べて発育し」と記しています。

つまり、堆肥や腐葉土の中から出てきたからといって、それだけでカナブンとは決まりません。①の動きと②の形・大きさを必ず組み合わせてください。

鉢・プランター・芝生の根元で出てきた場合

植えているものの根元、鉢の底、芝生の下から出てきた場合は、警戒度が一段上がります。高知県の資料は、ねぎでの症状を「幼虫が根や地下部の葉鞘部を食害する。食害を受けると生育不良やひどい場合には株が枯死する」と記しています。

水やりをしているのに株がしおれる、株を軽く引くとぐらつく、葉の色が抜けてくる。こうした変化と一緒に幼虫が出てきたのなら、コガネムシ側として対処を考えたほうが現実的です。鉢の土を入れ替える際の底の扱いについては、別の記事で整理しています。

カナブンの幼虫だったときは、手を出さないという選択

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

手がかりが3つともカナブン側を指したなら、基本はそのままにしておく、という判断ができます。葉山町の資料はカナブンを「益虫」と位置づけ、土の中でのはたらきを「土壌を改善」と書いています。

生ごみ処理容器で見つけた場合の扱いについても、同じ資料は「分解に影響はありませんが、作業の邪魔になるようなら取り除いてください」と呼びかけています。無理に全滅させるものではなく、作業しづらいときだけどかせばよい、という温度感です。

取り除く場合も、殺さずに移す方法があります。庭の落ち葉だめ、使っていないプランターにためた腐葉土、樹木の根元に積んだ落ち葉の下など、分解の進んだ有機物がある場所に移してあげると、そのまま暮らせる可能性があります。

成虫になったカナブンが庭を荒らすかどうか

成虫についても、葉山町の資料はカナブンのエサを「樹液・熟した果物」と書いています。大阪府藤井寺市が市内で見られる昆虫を紹介している資料も、カナブンについて「クヌギなどの樹液を食べに集まりますが、夜に街灯に集まって来ることもあります」と記しています(藤井寺市 昆虫の紹介資料(PDF)/2026年8月時点)。

樹液と熟した果実が中心ということは、家庭菜園の葉物を食べに来る虫とは行動が違うことになります。もっとも、収穫まぎわの果実に虫が集まるのが困る、という悩みは別に存在します。庭の土まわりで虫が増える背景そのものを見直したいときは、環境から整える考え方が近道です。

コガネムシの幼虫だったときにまずやること|土づくりから見直す

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

コガネムシの幼虫だと判断したとき、いきなり薬剤に手を伸ばす前にできることがあります。公的な資料が挙げているのは、意外にも「土に何をどれだけ入れているか」の見直しです。

島根県の資料は「果樹園の土壌改良のため有機物を施用する場合,未熟なバーク堆肥など多量に施用すると,本種の発生が多くなる」としています。高知県の資料も、対策として「常発地では粗大有機物の施用量をひかえる」ことを挙げています。産卵しやすい土を自分でつくってしまっているケースがある、ということです。

被害の見え方を確かめる

まず、実際に被害が出ているのかを見ます。高知県の資料が挙げている「生育不良」「株が枯死する」という変化が起きているかどうかが判断材料になります。幼虫が数匹いても、株が元気で根の張りが変わらないのなら、すぐに全面的な対処が必要とは限りません。

鉢やプランターなら、株を抜いて根鉢をくずし、土を広げて目で確認できます。庭植えの場合は、株元の土を浅く掘って確かめる程度にとどめ、根を傷めない範囲で見てください。

産卵させない・入れすぎない

葉山町の資料は、生ごみ処理容器の使い方の注意として「成虫がたまごを産み付けないよう、本体側面の三角にあいているところをふさぐ時は、通気性のある網目のものをお使いください」と案内しています。同じ考え方は、庭やベランダにも応用できます。

  • 完熟していない堆肥・粗大な有機物を、一度に大量に入れない(島根県・高知県の記載にもとづく考え方)
  • 剪定くずや落ち葉を、植えている株のすぐ足元に厚く積み上げたままにしない
  • 使っていない土袋・培養土の袋は口を閉じ、雨ざらしにしない
  • コンポストや堆肥容器の通気口は、通気性のある網目でふさいで成虫の出入りを減らす
  • 土を入れ替えたあとの古い土を、庭にそのまま山積みにしない

掘り出した幼虫をどうするかは、ご自身の考え方によります。捕殺するにしても、根の周りにいた個体だけを対象にして、堆肥や腐葉土の中にいる分解役まで巻き添えにしないことが、結果的に土を守ることにつながります。

自分の手に負えないと感じたとき

庭全体・芝生全体で株が次々に弱る、原因が幼虫かどうかも判断できない、という状況なら、無理をせず相談するのが早道です。お住まいの市区町村の農業担当課や、都道府県が置いている病害虫防除所は、地域で実際に出ている虫の情報を持っています。

作業そのものを頼みたい場合は、害虫駆除を扱う事業者という選択肢もあります。費用が何で決まるのか、見積もりで何を見ればよいのかは、別の記事にまとめました。

庭や家庭菜園で薬剤を使うときに守ること|農薬取締法とラベルの読み方

防護具を着けた清掃作業の様子
写真はイメージです

ここは、家庭菜園だから関係ないと思われがちな部分です。庭やベランダで育てている植物を守るために使う薬剤は「農薬」にあたり、農薬取締法にもとづく決まりが適用されます。プロの農家だけの話ではありません。

静岡県が一般向けに公開しているページは、農薬を「農作物や観賞用植物などの人が育てている植物に発生する害虫や病気を防除したり、雑草を枯らしたりするために使われる薬剤」と説明し、「国内で使っていい農薬は、人の健康や環境への影響などについて確かめられ、国で登録されたものだけです」としています(静岡県 農薬安全使用のポイント(一般の方向け) 家庭菜園などで農薬を使用する人へ/2026年8月時点)。

「農薬」と「農薬でないもの」は区分が違う

同じページは、区分の違いも整理しています。農薬にあたるものとして挙げられているのが「農作物を守るために使用する農業用のもの」と「庭の植物を守るために使う園芸用のもの」です。同ページは見分け方についても、国で登録され、販売店で販売されている農薬なら「農林水産省登録第〇号」という番号とその用途が必ずラベルにある、と説明しています。

逆に農薬でないものとして挙げられているのが、「衛生のために使うハエ、ゴキブリ退治用のもの」「建物を守るために使うシロアリ駆除用のもの」「ゲジゲジやダンゴムシなどの虫を退治するもの」です。家にあった虫退治のスプレーを、そのまま野菜や花にかけてよいわけではないということになります。

ラベルで必ず見る3つ

静岡県のページは、使用時に確認する項目として希釈倍率・使用時期・総使用回数を挙げています。それぞれ「(1)希釈倍率(例えば、「1,000倍」と記載されている場合は、1000mlの水に1ml(又は1g)の薬剤を溶かす)」「(2)使用時期(例えば、「収穫21日前」と記載されている場合は、収穫する予定日より21日以前までに散布)」「(3)総使用回数」と説明しています。

購入時についても、同ページは「商品に添付されているラベルで、栽培している作物に使用可能か確認してから購入して下さい」「同じ名前の農薬でも、粉剤と液剤で登録内容が異なり、使用目的の農作物に使用できないことがあります」と注意を促しています。育てている作物名がラベルに載っていなければ、その作物には使えません。

散布時の服装についても、同ページは「散布時の服装(ゴーグル、マスク、ゴム手袋、雨カッパ)を着用して下さい」と案内しています。粒剤を株元にまくタイプについても、同ページは「株元に直接まく粒剤タイプの農薬は、使用時期、使用量を守ってください」と求めています。

この記事では、特定の農薬名を挙げた順位付けや「これが一番効く」といった書き方はしません。使える薬剤は育てている作物ごとに違い、効き方も条件で変わるためです。選ぶ基準はランキングではなく、ラベルに自分の作物名が書かれているかどうかです。

住宅地で使うときの配慮

住宅が近い場所で散布する場合は、国も周囲への配慮を求めています。環境省と農林水産省は「住宅地等における農薬使用について」という局長通知を都道府県知事宛に発出しており、その趣旨として「学校、公園、街路樹、住宅地に近接する農地等において農薬を使用するときは、農薬の飛散を原因とする住民等の健康被害が生じないよう飛散防止対策の徹底を図ることが必要です」と説明しています(環境省 住宅地等における農薬使用について(環境省水・大気環境局長及び農林水産省消費・安全局長通知)/2026年8月時点)。

静岡県のページも「住宅地などで農薬を散布する場合は、事前に周辺住民に周知するとともに、風向きや散布時間に注意し、十分な配慮を心がけましょう」と呼びかけています。隣家の洗濯物や、通学路に面したフェンス際は特に気をつけたいところです。

なお、庭の雑草に使う除草剤も同じく農薬にあたるものがあり、使える場所が製品ごとに決まっています。庭の雑草に手を焼いている場合の考え方は、別の記事で整理しています。

成虫を見たときの見分け方|頭が四角いか、葉が穴だらけか

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

幼虫が土の中にいるということは、その親が近くを飛んでいるということでもあります。成虫のほうが見分けやすいので、次の年に備えて覚えておくと役に立ちます。

葉山町の資料は、カナブンの成虫を「6月~8月頃みられる。頭が四角形。越冬しない」、コガネムシの成虫を「6月~9月頃みられる。頭が半円形。越冬する」としています。頭(顔)の輪郭が四角いか、丸みを帯びた半円形かが、いちばん分かりやすい違いです。

藤井寺市の資料も、カナブンを「顔は四角く、からだは緑色~茶色で、金属のようなつやがあります」と紹介しています。同じ資料はアオドウガネについて「街中でもよく見られるコガネムシのなかまで、からだはずんぐりと丸く、緑色で少しつやがあります。様々な植物を食べ、葉を穴だらけにしてしまいます」と記しています。

成虫で見る点 カナブン コガネムシの仲間
頭(顔)の形 四角形(藤井寺市の資料では「顔は四角く」) 半円形(葉山町の資料)
体つき 緑色〜茶色で金属のようなつや ずんぐりと丸く、緑色で少しつや(アオドウガネの例)
見られる時期 6月〜8月頃 6月〜9月頃
越冬 越冬しない 越冬する
食べているもの 樹液・熟した果物(クヌギなどの樹液に集まる) 植物の葉(葉を穴だらけにする)

※カナブン・コガネムシの時期と頭の形・越冬・食べ物は葉山町「キエーロに幼虫発生」、顔の形とつや・樹液・アオドウガネの記載は藤井寺市の昆虫の紹介資料にもとづく(いずれも2026年8月時点)。コガネムシと呼ばれる虫は複数の種を含みます。

葉の食べられ方にも特徴があります。島根県の資料は、コガネムシ類の成虫について「成虫が葉脈だけ残して葉身を網目状に食害する」としています。葉が網の目のようにすけているなら、飛んでくる成虫側の対策も一緒に考える必要があります。

ちなみに、菜園で葉に穴をあける虫はコガネムシだけではありません。ウリ科の葉に円い食べ跡が残る場合は別の虫が候補になるため、そちらは別の記事で扱っています。

カナブンの幼虫についてよくある質問(FAQ)

Qコガネムシの幼虫の殺し方を教えてください。

A特定の方法や薬剤について「これで確実に駆除できる」と保証することはできません。まずは被害が出ているかを確かめ、鉢やプランターなら土を広げて根の周りにいる個体だけを取り除く、という順番が現実的です。そのうえで薬剤を使う場合は、育てている作物名がラベルに書かれた登録農薬を選び、希釈倍率・使用時期・総使用回数といったラベルの記載に従ってください。家庭にある「ハエ・ゴキブリ用」や「ダンゴムシ用」の製品は、静岡県の整理では農薬ではないため、育てている植物には使えません。

Qカナブンの幼虫は害虫ですか?

A葉山町が公開している資料は、カナブンを「益虫」、土の中でのはたらきを「土壌を改善」としています。同じ資料はコガネムシを「害虫」「土中で根を食害」とし、両者をはっきり分けています。ただし、この資料は生ごみ処理容器に発生する幼虫を対象にした2種の対比であり、あらゆる場面での網羅的な図鑑ではありません。目の前の1匹を確定させたい場合は、動き・形・大きさ・いた場所を合わせて見てください。

Qカブトムシの幼虫との違いは何ですか?

A大きさが手がかりになります。葉山町の資料ではカナブンの終齢幼虫が「4cmくらい」、コガネムシが「2~3cmくらい」とされており、カブトムシの幼虫はこれらよりさらに大きく育つと考えられます。ただし、幼虫の齢によって大きさは変わるため、大きさだけで決めるのは避けたほうが無難です。土の中の幼虫の種類をどうしても確定させたい場合は、お住まいの自治体の農業担当課や、地域の自然史系博物館の相談窓口に写真を持ち込む方法があります。

Qプランターの土から大量に出てきました。土は捨てるべきですか?

A幼虫がいたことだけを理由に、土をすべて捨てる必要があるとは限りません。株が枯れる・生育不良になるといった被害が実際に出ているかを先に見てください。使い続ける場合は、掘り出した幼虫を取り除いたうえで、未熟な堆肥や粗大な有機物を一度に大量に混ぜないようにします。島根県の資料は、未熟なバーク堆肥などを多量に施用すると発生が多くなるとしています。処分する場合、土は多くの自治体で通常のごみとして収集していないため、お住まいの自治体のルールを調べてから動いてください。

Q幼虫が見つかりやすいのはいつですか?

A葉山町の資料は、コガネムシの幼虫を「4月~5月、10月~11月に発生」としています。また高知県の資料は、ねぎを加害するドウガネブイブイの産卵を「主に6月~8月に、有機物に富んだ土壌中に行われる」とし、「3齢幼虫で越冬し、翌春蛹化、羽化する」と記しています。土を入れ替える春と秋の作業のときに見つかりやすい、と考えておくとよいでしょう。

※本記事は、葉山町・島根県・高知県・静岡県・藤井寺市・奈良教育大学・環境省が2026年8月時点で公開している資料を当メディア編集部が調べて整理したものです。虫の種類の最終的な判定には現物の確認が必要で、記載は資料ごとに対象や範囲が異なります。農薬・薬剤は必ず製品のラベルの記載に従ってご使用ください。また本記事は、症状の判断や手当てに関する助言を目的としたものではありません。体に不調があるときは医療機関を受診してください。

まとめ|カナブンの幼虫とコガネムシの幼虫の分け方

土から出てきた白い幼虫は、①背中で歩くか、②体がC字形で4cmくらいかU字形で2〜3cmくらいか、③腐葉土や堆肥の中にいたか植えているものの根元にいたか、という3つの手がかりで絞り込めます。葉山町の資料はカナブンを「益虫」「土壌を改善」、コガネムシを「害虫」「土中で根を食害」と分けて説明しています。

ただし、コガネムシの幼虫も土の中の有機物を食べます。いた場所だけで決めず、動きと形と大きさを合わせて見るのが安全です。カナブン側だと判断できたなら、腐葉土のある場所に戻すという選択ができます。

コガネムシ側だった場合も、最初の一手は薬剤ではありません。未熟な堆肥を入れすぎない、コンポストの通気口を網目でふさぐ、古い土を積み上げないといった土まわりの見直しが、翌年の数を左右します。

そのうえで薬剤を使うなら、園芸用でも農薬取締法の対象です。ラベルに育てている作物名があるかを確かめ、希釈倍率・使用時期・総使用回数を守り、住宅地では風向きと周囲への周知に気をつける。判断に迷ったときは、お住まいの自治体の農業担当課や病害虫防除所に相談してください。

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