※当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、記事内に広告(PR)を含む場合があります。
冬のあいだ結露していた窓のカーテン。よく見ると、レースの裾に黒い点々が広がっている——そこから「カビ取りには酸素系漂白剤でつけ置き」「白いレースなら塩素系でもいける」といった説明を読んで、洗面器を出したところで手が止まっている方は多いところです。
先にお伝えします。カーテンのカビ取りでまず決めるのは、何を溶かすかではなく、そのカーテンに付いているラベルが何を許しているかです。洗濯表示の三角マークは3種類あり、どれが付くかは生地と加工で決まります。そして意外なことに、カーテンメーカー自身のお手入れ案内は、そろって漂白剤を避けるように書いていました。
この記事では、①洗濯表示の三角マークが本当は何を意味しているのか ②カーテンメーカー4社が漂白剤をどう扱っているか ③レース・ドレープ・遮光で見る場所がどう変わるか ④防炎カーテンを洗ってよいかはどこに書かれているか を、消費者庁・消防庁・日本防炎協会の資料と、東リ・リリカラ・サンゲツ・川島織物セルコン・ニトリのお手入れ情報を1件ずつ読み比べました。編集部がラベルの記号と各社の案内を突き合わせたものです(※2026年8月時点)。
なお、漂白剤の希釈倍率やつけ置き時間などの分量は書きません。その数字は製品のラベルにしか正解がないためです。カビと体調の関係のような、健康に関わる判断も扱いません。


- 01【一言でいうと】カーテンのカビ取りは、洗剤選びより先に「ラベルの三角マーク」で決まる
- 02「酸素系漂白剤ならどのカーテンでも使える」は、洗濯表示の記号どおりなのか?
- 03カーテンメーカーは、漂白剤の使用をどう書いているのか?
- 04レース・ドレープ・遮光で、洗う前に見る場所はどう変わるのか?
- 05防炎カーテンは洗ってよいのか?答えは防炎ラベルの様式に書かれている
- 06そもそも、カーテンのどこにカビが出ているのか?
- 07今日やるなら、どの順番で手を動かすか?
- 08落ちなかったときは、どこで区切るか?
- 09カーテンのカビ取りについてよくある質問(FAQ)
- 10まとめ|カーテンのカビ取りは「何でつけ置くか」より「どのラベルが付いているか」から
【一言でいうと】カーテンのカビ取りは、洗剤選びより先に「ラベルの三角マーク」で決まる

先に答えをまとめます。家庭用品品質表示法はカーテンを対象品目とし、繊維の組成と家庭洗濯等取扱方法(洗濯表示)の表示を求めています。つまり手元のカーテンには、洗ってよいか・漂白してよいかの答えが最初から縫い付けられているはずです。
そのうえで注意したいのが、記号が示しているのは「おすすめの洗い方」ではないという点です。漂白の三角マークが付いていても、メーカーのお手入れページは別のことを書いている場合があります。まずは下の表で、自分のカーテンのラベルがどれに当たるかを確認してください(※2026年8月時点)。
| ラベルで見る場所 | 記号・様式 | 書かれている意味 | カビ取りでの読み方 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 洗濯表示(漂白) | 三角(記号220) | 「塩素系及び酸素系漂白剤による漂白処理ができる。」 | 漂白そのものは表示上できる。ただし製品側の表示とメーカーの案内も確認する | 記号の意味=消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表2-漂白処理の記号 |
| 洗濯表示(漂白) | 三角に斜線2本(記号210) | 「酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない。」 | 塩素系は選べない。酸素系も製品の使用方法に従う | 記号の意味=消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表2-漂白処理の記号 |
| 洗濯表示(漂白) | 三角に×(記号200) | 「漂白処理はできない。」 | 色の白い・黒いにかかわらず漂白は選べない | 記号の意味=消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表2-漂白処理の記号 |
| 洗濯表示(洗い方) | 桶に数字(記号141ほか) | 「液温は、40°Cを限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる。」など、上限の液温と処理の強さ | つけ置きの湯温もこの上限を超えない | 記号の意味=消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表1-洗濯処理の記号 |
| 洗濯表示(洗い方) | 桶に×(記号100) | 「洗濯処理はできない。」 | 家庭での水洗いは選べない。クリーニング店に相談する | 記号の意味=消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表1-洗濯処理の記号 |
| 防炎ラベル(付いている場合) | (イ)〜(ニ)の4様式 | 「水洗い洗濯及びドライクリーニングについての基準に適合するもの」から「洗濯後は再防炎処理の必要があるもの」まで | 洗ったあとに再処理が必要かどうかがここで分かる | 4様式=公益財団法人日本防炎協会「防炎表示と防炎ラベル」カーテンの欄 |
| メーカーのお手入れページ | 今回確認した資料に記載なし(統一の様式はない) | 洗剤の指定、洗濯回数の目安、加工ごとの注意 | 表示より踏み込んだ指定があることが多い。品番で自社サイトを引く | 洗剤の指定=東リ カーテンFAQ「カーテンをお洗濯する方法を教えてください。」/回数の目安=サンゲツ「カーテンのお手入れ方法」お洗濯について |
出典欄には、その値を書いている資料だけを入れています。ラベルが1枚ではなく、洗濯表示・防炎ラベル・メーカーのページの3層になっていることが読み取れるはずです。
「酸素系漂白剤ならどのカーテンでも使える」は、洗濯表示の記号どおりなのか?

掃除サイトでよく見かけるのは、酸素系漂白剤は色柄物にも使えるからカーテンにも安心、という説明です。ところが消費者庁が公開している記号の一覧を読むと、話はもう少し細かくなります。
漂白の三角記号は3つで、それぞれ「塩素系及び酸素系漂白剤による漂白処理ができる。」「酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない。」「漂白処理はできない。」と定義されています(消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」表2-漂白処理の記号/2026年8月時点)。色が白いから塩素系が使える、という決まり方はしていません。決めているのは色ではなく、ラベルに付いた記号です。
そして見落とされやすいのが、この規格が何のためにあるかです。同じページに載っているJIS L 0001の概要は、規格の目的を「繊維製品のケアの表示に使用すること、繊維製品の洗濯などの取扱いを行う間に回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供することを目的とし、表示記号及びその使用方法を明確にする体系について規定した。」と書いています。つまり記号は「これをやると仕上がりが良い」ではなく、「ここまでやっても回復不能な損傷は起きない上限」を示すものだ、ということです。
同じ「カーテン」でも、載っている漂白記号のセットがメーカーで違う
この差は、実際のメーカー資料を並べると見えてきます。サンゲツは「生地の機能性について」のページに、自社のカーテンに該当する分だけを抜粋した洗濯表示の説明表を載せています。そこに並ぶ漂白の記号は「塩素系及び酸素系漂白剤による漂白処理ができる」と「漂白処理はできない」の2つで、真ん中の「酸素系だけ可」は入っていません(サンゲツ「生地の機能性について」洗濯表示の説明/2026年8月時点)。
一方、川島織物セルコンがカーテン見本帳に載せている「取扱い表示の見方」では、漂白の欄に並ぶのは「酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない。」と「漂白処理はできない。」の2つです(川島織物セルコン カーテン見本帳「FUNCTION」ウォッシャブルの節「取扱い表示の見方」/2026年8月時点)。同じカーテンという製品でも、どの記号が付きうるかは会社によって違うわけです。「カーテンの漂白記号はだいたいこれ」と一般化できる状態ではありません。
もう1つ、表示の選び方にも幅があります。消費者庁のカーテンの手引きは、取扱表示を「試験方法により得られた結果、これと同等の試験方法により得られた結果又は蓄積された技術情報その他これに類するものから当然に予測できる結果に基づき、適正な取扱表示を選択する。」と定めています(消費者庁 製品別品質表示の手引き「カーテン」2.家庭洗濯等取扱方法/2026年8月時点)。漂白試験を実施した結果とは限らない、という読み方ができます。
「酵素系漂白剤」という区分は、洗濯表示には出てこない
検索していると「酵素系漂白剤」という書き方も見かけますが、洗濯表示が区別しているのは「塩素系」と「酸素系」の2つだけです。前掲の記号の定義に出てくる語も、この2つに限られます。
洗濯槽用の洗浄剤でも同じ2つの呼び分けが出てきますが、対象も使い方も別ものです。性格の違いだけを先に押さえておきたい方は、そちらの記事で整理しています。
カーテンメーカーは、漂白剤の使用をどう書いているのか?

ここがこの記事の芯にあたる部分です。編集部がカーテンメーカー4社の公式なお手入れ案内を読んだかぎり、漂白剤を使う手順を示している会社はありませんでした。触れている会社は、使わないよう明記していました。
東リはカーテンFAQで、家庭での洗濯機洗いの注意として「漂白剤は使用しないでください。」と書いています。手洗いとつけ置き洗いについても「洗剤、漂白剤の取扱いについては洗濯機洗いと同じです。」とあり、扱いは変わりません(東リ カーテンFAQ「カーテンをお洗濯する方法を教えてください。」ご家庭での洗濯方法/2026年8月時点)。
リリカラは、汚れが付いたときの部分的な手当てについて説明したうえで、その末尾に「*台所用洗剤や漂白剤、消毒液などは、使用しないでください。生地が変色する場合があります。」と注記しています(リリカラ「お手入れ便利帳 カーテンのお手入れ方法」汚れがついたときは?の節/2026年8月時点)。この注記は部分洗いの説明に付いたものですが、生地が変色しうるという理由自体は洗濯全体に通じる話として読めます。
| 誰の案内か | 洗剤の指定 | 漂白剤についての記載 | 洗濯回数の目安 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 東リ | 中性洗剤。使用する洗剤に記載された使用方法に従う | 「漂白剤は使用しないでください。」 | 今回確認した資料に記載なし | 洗剤と漂白剤=東リ カーテンFAQ「カーテンをお洗濯する方法を教えてください。」ご家庭での洗濯方法① |
| リリカラ | デリケートな衣類用の中性洗剤をすすめる | 「*台所用洗剤や漂白剤、消毒液などは、使用しないでください。生地が変色する場合があります。」 | 「ドレープは年に1回、レースカーテンは年に2~3回が目安となります。」 | 洗剤と回数=リリカラ「お手入れ便利帳 カーテンのお手入れ方法」自宅での洗濯方法/漂白剤=同 汚れがついたときは?の節 |
| サンゲツ | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | 「洗濯回数はドレープ年1回/レース年2回をおすすめします。」 | 回数=サンゲツ「カーテンのお手入れ方法」お洗濯について |
| 川島織物セルコン | 「洗剤は市販の中性洗剤、または弱アルカリ洗剤をご使用ください。」 | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | 洗剤=川島織物セルコン カーテン見本帳「FUNCTION」ウォッシャブルの節「洗濯に際してのご注意」 |
| ニトリ | 中性洗剤やおしゃれ着用タイプの洗剤をすすめる | 今回確認した資料に記載なし | 厚手のカーテンは年1回、レースカーテンは年2回ほどが理想 | 洗剤と回数=ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」洗剤選び/カーテンの汚れ対策には、年1〜2回の洗濯を |
整理すると、洗濯表示の記号が漂白を許していても、メーカーの案内はそこまで踏み込まないか、避けるよう書いているということです。表示は上限、メーカーの案内は推奨。この2つは別の情報だと分けて読むと、迷いが減ります。
レース・ドレープ・遮光で、洗う前に見る場所はどう変わるのか?

生地と加工が変われば、洗う前に確かめる場所も変わります。特に遮光カーテンは、裏側に何が付いているかで扱いが分かれます。
ニトリは、遮光カーテンについて「遮光カーテンには、黒糸の織り込みやアルミ粉末のコーティングなど、さまざまな加工が施されています。」としたうえで、裏地に合成樹脂を使ったタイプはコーティングが剥がれないよう注意が必要で、剥がれると遮光性の低下や洗濯槽の汚れにつながると書いています(ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」洗うときの生地ごとの注意点/2026年8月時点)。遮光かどうかではなく、裏に樹脂の膜があるかどうかが分かれ目です。
厚手のドレープで先に効いてくるのは重さです。サンゲツは「水を含むとたいへん重くなりますので、仕上りサイズで巾150cm×200cm位のものが家庭で洗える限度でしょう。」としたうえで、「家庭で洗えるか専門業者に任せるか、洗濯ラベルを必ず見て判断しましょう。」と書いています(サンゲツ「カーテンのお手入れ方法」お洗濯について/2026年8月時点)。カビの点が広い範囲に出ている大きなカーテンほど、家庭の洗濯機では扱いきれない側に寄ります。
なお、遮光カーテンの等級そのものは洗濯の話ではありません。川島織物セルコンが見本帳に掲載しているNIF遮光マーク判定基準の表は、遮光1級(遮光率99.99%以上)・2級・3級と、それぞれの明るさの状態表現で構成されており、洗濯の可否については今回確認した資料に記載なしでした。等級は光をどれだけ通さないかの区分で、洗えるかどうかとは別の話だということです。
| 生地・加工 | カビが出やすい場所 | 洗濯の目安 | 洗う前に確かめること | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| レースカーテン | 「裾や窓枠まわりなどが汚れやすいです。」冬場は結露の影響で黒い点状のカビ | 年に2~3回(リリカラ)/年2回(サンゲツ) | 洗濯表示。汚れ具合を見て部分洗いをしてから全体を洗う | 場所と結露=ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」レースカーテンの節/回数=リリカラ「お手入れ便利帳 カーテンのお手入れ方法」およびサンゲツ「カーテンのお手入れ方法」 |
| ドレープ(厚手) | 今回確認した資料に記載なし | 年1回(サンゲツ・リリカラ) | 家庭で洗える大きさか。「仕上りサイズで巾150cm×200cm位のものが家庭で洗える限度でしょう。」 | 回数と大きさ=サンゲツ「カーテンのお手入れ方法」お洗濯について |
| 遮光(黒糸の織り込み) | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | 洗濯表示。等級表示は洗濯可否とは無関係 | 加工の種類=ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」遮光カーテンの節/等級=川島織物セルコン カーテン見本帳「FUNCTION」遮光の節「NIF遮光マーク判定基準」 |
| 遮光(裏地に合成樹脂) | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | 裏面のコーティングの状態。中性洗剤を使い脱水は1分程度に抑える | コーティングの注意=ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」遮光カーテンの節 |
| 綿・麻などの天然素材 | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | 縮みと色落ち。クリーニングでも「多少収縮します。」 | 家庭洗いの注意=ニトリ「意外と簡単!自宅でできるカーテンの洗い方」コットンなどの天然素材の節/収縮=リリカラ「お手入れ便利帳 カーテンのお手入れ方法」クリーニングについて |
| ウォッシャブルマーク付き | 今回確認した資料に記載なし | 今回確認した資料に記載なし | マークは丸洗いできる目印だが、洗い方は絵表示に従う | マークの意味=リリカラ よくあるご質問「カーテンは洗えますか?」/判定基準=川島織物セルコン カーテン見本帳「FUNCTION」ウォッシャブルの節「NIFウォッシャブルマーク判定基準(カーテン)」 |
形状記憶・形態安定の加工は、洗濯で何回もつのか?
ここも「半永久的に持続する」という説明をよく見かけるところですが、メーカーは回数を明示していました。リリカラは形態安定加工について「洗濯は3回程度までは効果が保たれます(生地によって効果の持続性は異なります)」、形状記憶加工について「洗濯は5回程度までは効果が十分保たれます。」と書いています(リリカラ よくあるご質問「形態安定加工や形状記憶加工とは何ですか?」/2026年8月時点)。年1回洗うペースなら、数年で見た目のヒダは変わっていくという前提で考えたほうが現実的です。
熱のほうがさらに厳しく扱われています。川島織物セルコンは、取扱い表示ラベルの番号が特定の番号の商品を形態安定加工品としたうえで、「(アイロン不可、スチーム不可、乾燥機使用禁止)」と明記し、「但し、低温であっても一箇所に長くアイロンを掛けるなどすると、場合によってはウェーブ加工を損ないますので十分ご注意ください。」と書き添えています(前掲・川島織物セルコン カーテン見本帳「FUNCTION」ウォッシャブルの節/2026年8月時点)。
ウォッシャブルマークそのものの中身も、知っておくと期待値がそろいます。川島織物セルコンが掲載しているNIFウォッシャブルマーク判定基準(カーテン)は、洗濯3回後の寸法変化率がタテ±1%以内・ヨコ±2%以内、洗濯堅ろう度が変退色4級以上・汚染4級以上、外観が良好であること、という3項目です。カビが落ちることを保証するマークではなく、3回洗って縮みと色落ちが基準内に収まるという試験の話だということになります。
リリカラも、マークの位置づけを「ウォッシャブルマークが付いている商品は、ご家庭の洗濯機で丸洗いができます。」としたうえで、「商品に取り扱い絵表示のタグがございますので、取り扱い絵表示に従って洗濯を行ってください。」と続けています(リリカラ よくあるご質問「カーテンは洗えますか?」/2026年8月時点)。マークがあっても、最後に従うのは絵表示のほうだということです。
防炎カーテンは洗ってよいのか?答えは防炎ラベルの様式に書かれている

高層マンションなどで使われている防炎カーテンについては、「洗うと防炎性能が落ちるから洗えない」という説明を見かけます。ここは制度の側にはっきりした答えがありました。
消防庁の資料は、防炎対象物品のうちカーテン等について、燃焼試験に先立って昭和48年消防庁告示第11号に基づく洗濯を行ったうえで試験し、防炎性能が保持されているかを確認することとしています。そのうえで耐洗たく性能を「水洗い洗濯とドライクリーニングについての基準に適合するもの」「水洗い洗濯についての基準に適合するもの」「ドライクリーニングについての基準に適合するもの」「洗濯後は再度防炎処理が必要であるもの」の4つに区分し、防炎ラベルにその旨を表示することとしています(消防庁「防炎の知識と実際《防炎普及用資料》」第2章 ア 耐洗たく性能/2026年8月時点)。
日本防炎協会も同じ4つを、カーテン・暗幕の防炎ラベルの様式として(イ)「水洗い洗濯及びドライクリーニングについての基準に適合するもの」、(ロ)「水洗い洗濯についての基準に適合するもの」、(ハ)「ドライクリーニングについての基準に適合するもの」、(ニ)「洗濯後は再防炎処理の必要があるもの」と示しています(公益財団法人日本防炎協会「防炎表示と防炎ラベル」カーテンの欄/2026年8月時点)。つまり洗えるかどうかは、防炎カーテン一般の話ではなく、そのラベルがどの様式かの話です。
試験の条件も参考になります。前掲の消防庁の資料が示す洗濯法の要点は、水洗いなら粉末洗濯石けんを洗濯用水1リットル当たり1グラム、60℃で15分などの操作とし、「上記操作を5 回繰り返す。」と指定しています。5回洗ってなお燃えにくさが基準を満たすかを見ている、という設計です。
もう1点、川島織物セルコンは防炎の説明に「※消臭剤、芳香剤スプレー等は防炎性能を阻害するおそれがあります。」という注記を置いています。カビのにおいが気になってスプレーを吹きたくなる場面ですが、防炎ラベル付きのカーテンでは避けたい行為ということになります。
そもそも、カーテンのどこにカビが出ているのか?

洗う前に、出ている場所を見ておくと次の一手が決まります。窓側のレースの裾に集中しているなら、原因はカーテンではなく窓の側にあることが多いためです。
リリカラは日頃のお手入れの説明で「カーテンレールの汚れは、カーテンへ移りやすいだけでなく、ほこりやごみが水分を含むことで、カビも発生しやすくなります。」「また、結露もカビや汚れの原因になりますので、お気をつけください。」と書いています(前掲・リリカラ「お手入れ便利帳 カーテンのお手入れ方法」日頃のお手入れ/2026年8月時点)。ニトリも、レースカーテンについて冬場は結露の影響で黒い点状のカビが発生しやすくなるとしています。
防カビカーテンなら生えないのか
防カビ加工の商品も増えていますが、メーカー自身が期待値を明示しています。サンゲツは防カビについて「カビ繁殖の抑制効果は、生地上に限られ、空間全体のカビ繁殖を抑えるわけではありません。」「高温・多湿などの環境では、カビが繁殖する場合があります。」と注記しています(前掲・サンゲツ「生地の機能性について」防カビについて/2026年8月時点)。
川島織物セルコンも同趣旨で、防カビ加工品に関する注意として、効果が期待できるのは生地上に限ること、すべてのカビを死滅させるものではないこと、高温・多湿で栄養分がある環境ではカビが発生する場合があることを挙げています。加工があっても、結露をそのままにすれば条件はそろってしまう、という整理です。
「湿度◯%以下」という数字はどこから来ているのか
カビの話でよく引かれる湿度の数値についても、出どころを見ておきます。相対湿度を「四十パーセント以上七十パーセント以下」と定めているのは建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令第2条の建築物環境衛生管理基準ですが、この基準が適用されるのは同令第1条が定める特定建築物です(e-Gov「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」第1条・第2条/2026年8月時点)。
その第1条が挙げているのは、興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場、店舗または事務所、学校、旅館で、延べ面積が3,000平方メートル以上(学校等は8,000平方メートル以上)のものです。住宅は用途の列挙に入っていません。家庭の目安として引く分には構いませんが、住宅に課された基準ではない、という前提で見ておくと数字に振り回されずにすみます。窓ガラスやサッシ、押入れなど、カーテン以外の場所のカビは別記事で扱っています。
今日やるなら、どの順番で手を動かすか?

ここまでを、実際の作業の順番に並べ直します。洗剤を買い足すのは、この順番をひととおり確認したあとで構いません。
1ラベルを3種類とも探して写真に撮る
最初にやることは洗濯ではなく確認です。ニトリは「カーテンの洗濯表示は、裏地の上部または下部に付いていることが多く、ぱっと見ただけでは見つからないことも。」と案内しているので、まず裾と上部の裏側をめくってください。洗濯表示・防炎ラベル・品番の3つを写真に撮っておくと、あとでメーカーのサイトを引くときに手戻りがありません。
2三角と桶の記号を、消費者庁の一覧で読む
漂白の三角がどれか、桶に付いている数字がいくつかを、消費者庁の記号一覧と突き合わせます。桶に×が付いていれば家庭での水洗いは選べません。手元のラベルが古い年式でも、改正前の一覧が消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日から令和6年8月19日まで)」として別ページで公開されているので、そちらと見比べれば意味が確認できます(2026年8月時点)。漂白の三角3記号については、両ページの説明文は同じ文言でした。
3メーカー名と品番で、自社のお手入れページを引く
ここが表示だけでは分からない部分です。東リのように漂白剤の使用を止めている会社もあれば、洗剤の種類だけを指定している会社もあります。遮光カーテンなら、裏地が樹脂のコーティングかどうかも確認したいところです。判断に迷ったら、メーカーの問い合わせ窓口で品番を伝えて聞くのが確実です。
4フックを外し、予洗いしてからネットに入れる
東リはホコリをよく払ってフックを全部取り外すこと、一度に洗うのは1〜2枚までとすること、洗濯ネットの使用をすすめること、水量は「最大」・水流は「弱」に設定すること、水温は40℃以下にすることを挙げています(前掲・東リ カーテンFAQ/2026年8月時点)。つけ置きをするなら、リリカラが「洗濯ラベルに書いてある液温にて30分から1時間ぐらいつけたあと、洗濯機または手洗いにて洗濯してください。」と書いているとおり、湯温はラベルの上限を超えないようにします。
5脱水は短く、元のレールに吊って陰干しする
サンゲツは「脱水時間が長いとシワが取れにくくなりますので、できるだけ短時間(30秒以内)にとどめてください。」とし、干し方については「元のレールに吊り、乾かすのが一番良い方法です。」「乾燥機は使用しないでください。」としています(前掲・サンゲツ「カーテンのお手入れ方法」/2026年8月時点)。リリカラも乾燥機について、生地が変質したり縮んだりする恐れがあるとしています。生乾きのまま閉め切ると元の木阿弥なので、乾くまで換気を続けてください。
「まぜるな 危険」の表示は、何を根拠に付いているのか
洗剤や漂白剤を並べて使うときに、絶対に守る線が1つあります。塩素系のものと酸性のものを一緒に使わないことです。順番に使う場合も、間に十分な水洗いを挟み、混ざらないようにしてください。
この注意は業界の慣習ではなく、表示の制度に根拠があります。雑貨工業品品質表示規程は、住宅用又は家具用の洗浄剤などについて、規定の塩素ガス発生試験で1.0ppm以上の塩素ガスを発生するものには、特別注意事項として「まぜるな 危険」および「酸性タイプ」(塩素系の製品では「塩素系」)を表示することを定めています(消費者庁 雑貨工業品品質表示規程「二十七 合成洗剤、洗濯用又は台所用の石けん及び住宅用又は家具用の洗浄剤」特別注意事項の項/2026年8月時点)。
厚生労働省の手引きも、実際に健康被害が発生した事例として「塩素系洗浄剤と酸性洗浄剤を混合して、塩素ガスが発生した。」「塩素系漂白剤と食酢を混合して、塩素ガスが発生した。」を挙げ、塩素ガスの発生が想定される製品については試験を行って発生量を把握し、1.0ppm以上が認められたものには特別注意事項を表示しなければならないとしています(厚生労働省「家庭用洗浄剤・漂白剤 安全確保マニュアル作成の手引き」使用方法(特に誤使用の防止)の項/2026年8月時点)。手元の製品のラベルにこの枠があるかを、使う前に見る習慣をつけておくと確実です。
落ちなかったときは、どこで区切るか?

ここまでやって黒い点が残る場合、選択肢は大きく3つです。①クリーニングに出す、②その状態で使い続ける、③買い替える。どれを選ぶにしても、先に「これは落ちる汚れなのか、繊維に入り込んだ色なのか」を切り分けておくと判断が早くなります。
クリーニングに出す場合、事前の確認が要ります。東リは、ホコリを払ってフックを全て取り外してから出すこと、クリーニング店と寸法や絵表示の内容を確認しておくことをすすめ、「特殊な加工を施した、特に注意を要するカーテンを持ち込む場合は、トラブルを避けるためにも、洗い方などを入念に確認しておくことをおすすめします。」としています(東リ カーテンFAQ「カーテンをクリーニングに出すときに気をつけることは?」/2026年8月時点)。
仕上がりの期待値も先に下げておいたほうがよさそうです。リリカラは「カーテンはクリーニングに出すと、多少収縮します。特に、綿、麻などの天然繊維は収縮率が高くなりますので、ご了解ください。」と書いています。丈が変わる可能性を含んだうえで、遮光や形状記憶などの加工の有無を店と共有してから預けたいところです。
買い替えを選ぶ場合は、次のカーテンを選ぶ段階でウォッシャブルマークの有無と、防炎ラベルが必要な住まいかどうかを確認しておくと、次の年からの手入れが楽になります。窓側の結露そのものを減らす掃除の手順は、別記事で扱っています。
カーテンのカビ取りについてよくある質問(FAQ)
※この記事に載せた洗い方・漂白の可否は、消費者庁・消防庁・日本防炎協会が公開している資料と、東リ・リリカラ・サンゲツ・川島織物セルコン・ニトリが公開しているカーテンのお手入れ情報を2026年8月時点で確認したものです。カーテンの加工は同じメーカーでも品番によって異なり、各社の記載も更新されます。作業の前に、必ずお使いのカーテンの洗濯表示・防炎ラベルと、洗剤側の表示をご確認ください。カビが落ちることや、加工が損なわれないことを保証するものではありません。
まとめ|カーテンのカビ取りは「何でつけ置くか」より「どのラベルが付いているか」から
カーテンのカビは、洗剤の強さ比べで決まる問題ではありませんでした。消費者庁の記号の定義では漂白の三角は3種類あり、どれが付くかは色ではなく生地と加工で決まります。しかもその記号は、回復不能な損傷を起こさない上限を示すものであって、おすすめの洗い方ではありませんでした。
そして東リは「漂白剤は使用しないでください。」と書き、リリカラは漂白剤で生地が変色する場合があると注記していました。防炎カーテンについては、洗えるかどうかが防炎ラベルの4つの様式で決まります。まずは裾と上部の裏側をめくってラベルを探し、記号を消費者庁の一覧で読むところから始めてください。塩素系と酸性を一緒に使わないことだけは、生地の種類にかかわらず共通です。