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明け方の「カアカア」で目が覚めた、夜中に一声だけ聞こえて背筋が寒くなった、通勤路で毎日しつこく鳴かれる——カラスの鳴き声は、意味が分からないぶん不安が大きくなりがちです。検索すると「7回鳴いたら不吉」「地震の前ぶれ」といった説も出てきて、かえって落ち着かなくなった方もいると思います。
ただ、自治体や気象庁が公開している資料を並べていくと、カラスの鳴き声は鳴いた回数ではなく、種類・場面・時期の3点で読むものだと分かります。声が澄んでいるか濁っているかで種の見当がつき、季節と鳴き方で「巣が近い」というサインが読み取れます。
この記事では、当メディア編集部が自治体(大阪市・札幌市・富士市・三鷹市・東京都・松戸市)、気象庁、日本野鳥の会東京の公開情報を調べ、聞こえ方から場面を絞り込む早見表と、2種の聞き分けの図解にまとめました。あわせて、鳴き声で困ったときの相談先と、カラスを捕まえることが法律でどう扱われているかまで整理しています(※2026年8月時点)。
なお、襲われたときのけがの手当てについては扱いません。判断が必要な部分は医療の領分だからです。気になる症状があるときは医療機関にご相談ください。


- 01【一言でいうと】カラスの鳴き声の意味は「回数」ではなく「場面」で変わる|聞こえ方の早見表
- 02「カーカー」と「ガーガー」は何が違う?|ハシブトガラスとハシボソガラスの聞き分け方
- 03「7回鳴いたら不吉」は本当?|回数と意味を結びつけた記載は一次資料に見当たらない
- 04カラスが異常に鳴くのは地震の前ぶれ?|気象庁は「科学的に説明できていない」としている
- 05なぜ夜や早朝に鳴くの?|集団ねぐらと繁殖期という2つの説明
- 06しつこく鳴くのは威嚇のサイン?|繁殖期に声から読み取れること
- 07鳴き声に困ったらどこに相談する?|自治体の窓口と、捕獲が許可制であること
- 08カラスの鳴き声についてよくある質問(FAQ)
- 09まとめ|カラスの鳴き声は「種類・場面・時期」の3点で読む
【一言でいうと】カラスの鳴き声の意味は「回数」ではなく「場面」で変わる|聞こえ方の早見表
カラスの鳴き声は、鳴いた回数ではなく「どんな声か」「いつ・どこで聞こえたか」で意味の見当をつけるものです。大阪市はハシブトガラスについて「ハシブトガラスでは、集合、相手の確認、自己主張、警戒など、様々な場面で鳴き声によるコミュニケーションが行われています」と説明しています(大阪市「カラスについて」2026年6月16日更新)。
つまり公的な資料が示しているのは「場面のリスト」であって、何回鳴いたかという数え方ではありません。まずは聞こえ方から場面を絞り込んでみてください。
| 聞こえ方 | 考えられる場面 | 記載の出典 |
|---|---|---|
| 「カアカア」と澄んだ声 | ハシブトガラスのふだんの鳴き方 | 三鷹市・富士市 |
| 「ガアガア」と濁った声 | ハシボソガラスのふだんの鳴き方。ただし警戒中のハシブトガラスも濁ることがある | 三鷹市/日本野鳥の会東京 |
| 「カッカッカッ」と小刻み | 近くに巣がある可能性が高い(繁殖期) | 札幌市 |
| 「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と少し濁った声 | 巣に近づく人を寄せ付けないための威嚇のサイン | 富士市 |
| 鼻にかかった甘えたような「ンガー」 | 巣立ったばかりの幼鳥が親を呼んでいる(5〜6月) | 大阪市 |
| 明け方に何羽もでにぎやかに鳴き交わす | 集団でねぐらを作る時期は、朝ねぐらを出る時間帯にあたる | 富士市(朝ねぐらを出る)/大阪市(集団ねぐら) |
※各自治体・日本野鳥の会東京の公開情報を編集部が整理(2026年8月時点)。同じ声でも状況によって受け取り方は変わるため、断定はできません。

「カーカー」と「ガーガー」は何が違う?|ハシブトガラスとハシボソガラスの聞き分け方
街なかで見かけるカラスは1種類ではありません。三鷹市は「関東地方でみられるカラスは、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種のどちらか」だとしたうえで、「カアカアと澄んだ声で鳴くのはハシブトガラス、ガアガアとしゃがれた声で鳴くのがハシボソガラスです」と記載しています(三鷹市「ハシブトガラス(嘴太烏)、ハシボソガラス(嘴細烏)カラス科」2023年6月5日最終更新)。富士市も同じ趣旨で、ハシブトガラスは「カア、カア」、ハシボソガラスは「ガァ、ガァ」と区別できると書いています。
声だけで決められない場面がある
ここが見落とされやすい点です。日本野鳥の会東京の識別解説(澤本将太氏)は、ハシボソガラスは濁る「ガーガー」や「グァー」と聞こえるとしたうえで、「ただし、警戒時ではハシブトも『ガラララ・・・』と聞こえるやや濁った声で鳴くこともある」と補足しています(日本野鳥の会東京「身近な野鳥の識別講座② カラス2種の識別」)。濁った声=ハシボソガラス、と即断はできないということです。
迷ったらくちばしと額の形を見る
姿が見えるなら、体の特徴のほうが確実です。三鷹市は「嘴が太く全長約57cmと大きめなのがハシブトガラス、嘴が細く全長約50cmと少し小さめなのがハシボソガラス」と記載しています。日本野鳥の会東京は額の形の違いも挙げており、ハシブトガラスは「額が出る」のに対し、ハシボソガラスは「額は出っ張らず、嘴の先から頭頂部にかけてゆるやかなスロープ状に見える」としています。
鳴くときの姿勢でも分かれる
鳴き方の動作も違います。同じ解説は、ハシブトガラスを「やや前傾姿勢を取り『カーカー』と鳴く」、ハシボソガラスを「胸を膨らませて顎を引き、頭を上下しながら『ガーガー』と鳴く(お辞儀しながら鳴くイメージ)」と説明しています。お辞儀をするように頭を上下させていたらハシボソガラス、と覚えておくと声と合わせて判断しやすくなります。
生息環境も手がかりになります。三鷹市は、ハシブトガラスは「森林のような閉鎖的な環境」、ハシボソガラスは「農耕地や河川敷のような開放的な環境」を好み、市街地や住宅地ではハシブトガラス、農地の多い開けた場所ではハシボソガラスをよく見かけるとしています。

「7回鳴いたら不吉」は本当?|回数と意味を結びつけた記載は一次資料に見当たらない

「7回鳴いたら不吉」のように、鳴いた回数と意味を対応づける説明をネット上でよく見かけます。回数ごとに意味を割り当てた一覧表を載せているページもあります。編集部が調べた範囲では、鳴き声の回数と意味を結びつけた記載は、自治体・気象庁・日本野鳥の会東京の公開資料には見当たりませんでした(※2026年8月時点)。
確認したのは、大阪市「カラスについて」、札幌市「カラスによる被害を防ぐために」、富士市「繁殖期のカラスにご注意ください」、三鷹市の野鳥紹介ページ、東京都環境局「カラスに関するQ&A」、松戸市「カラスによる被害について」、そして日本野鳥の会東京の識別講座です。いずれも鳴き声を説明していますが、その説明の軸は一貫して「場面」でした。
たとえば大阪市は、鳴き声の意味を次のように整理しています。「なわばり宣言、なわばりに入ってきたほかのカラスに対しての威嚇、追い払った後の勝利の声など、なわばりを保つためにも鳴き声を利用します。5~6月の巣立ちの時には、幼鳥が親鳥を呼んだり、食べ物をねだったりするために鳴くこともあります」。同市はさらに「興奮して1羽が鳴くと、それが群れに伝わっていって、にぎやかに鳴きあうこともあります」とも記しています。
連続して何度も鳴いているように聞こえるのは、この「伝わって鳴きあう」状態かもしれません。回数を数えるより、どんな声か・どの季節か・近くに木や電柱があるかを見るほうが、実際の場面には近づけます。数え方に意味づけをした説は、少なくとも公的資料の裏づけがあるものではない、という前提で読んでください。
カラスが異常に鳴くのは地震の前ぶれ?|気象庁は「科学的に説明できていない」としている

いつもと違う鳴き方が続くと、地震の前ぶれではないかと心配になる方もいます。この点について気象庁は、動植物が音・電気・電磁波・匂いなどに優れた感知力を持つものがあることは認めたうえで、「地震の前にそうした異常行動・反応をする理由について科学的に説明できていない状況です」と明記しています(気象庁「地震予知について」)。
理由として同ページは、「動植物は地震以外の理由によって通常と異なる行動・反応をすることがあり、また、動植物自体についてまだわかっていないことも多く、ましてや地震の前兆現象も解明できていない部分が多い」ことを挙げています。カラスが騒がしいことと地震を結びつける根拠は、公的機関からは示されていないということです。
あわせて同ページは、地震予知について「一般に、日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられます」と述べ、「お聞きになった情報で心配される必要はありませんが、日本は地震国であり、地震が起こらない場所はないと言っても過言ではありません。日ごろから地震に対する備えをお願いいたします」と結んでいます。
不安になったときにできるのは、鳴き声を予兆として読むことではなく、ふだんの備えを見直すことだと言えそうです(※2026年8月時点の記載)。
なぜ夜や早朝に鳴くの?|集団ねぐらと繁殖期という2つの説明

早朝の鳴き声については、集団ねぐらという習性が手がかりになります。大阪市は「カラスは、ハシブトガラスもハシボソガラスも集団をつくって眠ります。これを集団ねぐらと呼んでいます。少ないねぐらで数10羽、多いと数千羽ものカラスが集まって夜を過ごします」と説明しています。近所の緑地に数十羽から数千羽が集まって夜を過ごしている可能性があるということです。同市は、ねぐらは本来、山の中腹の森や鎮守の森など樹木の多い場所につくられ、都会では規模の大きな緑地の公園や神社に集まるとしています。
同じページによると、木の葉が茂った樹冠部の下のほうの枝で眠り、「1本の木に20~30羽がとまっています」。近所にまとまった緑地や大きな木がある場合、明け方にその方向からにぎやかな声が聞こえるのは、この集まりが散っていく時間帯にあたる可能性があります。大阪市が挙げる市民からの苦情の例にも「早朝から鳴き声がうるさい。」が含まれています。
もう一つの説明が繁殖期です。東京都は繁殖期を「およそ3月下旬から7月上旬ごろ」、札幌市は「およそ4月上旬から7月下旬」、松戸市は「カラスの繁殖期は3月から7月といわれており」としており、地域によって目安に幅があります。この時期は巣やヒナの近くに人や動物が近づくと親鳥が反応するため、夜間でも周囲で物音や光の刺激があれば声が出ることは考えられます。
ただし正直に書くと、深夜に鳴く理由そのものを正面から説明した公的資料は、編集部が調べた範囲では見つかりませんでした。確認できるのは、集団でねぐらをとる習性があること、繁殖期には巣の周囲で警戒する行動があること、そして地震の前ぶれとする説には気象庁が科学的な説明はできていないとしていること——この3点にとどまります(※2026年8月時点)。
しつこく鳴くのは威嚇のサイン?|繁殖期に声から読み取れること

春から初夏に同じ場所で毎日鳴かれるなら、繁殖期のサインの可能性があります。札幌市は、「『カッカッカッ』と小刻みに鳴いているときは、近くに巣がある可能性が高いのでその場から遠ざかるか、迂回するようにしましょう」と注意を呼びかけています(札幌市「カラスによる被害を防ぐために」2026年5月15日更新)。
富士市はもう少し前の段階から説明しています。カラスは「追い払うためにすぐに攻撃してくることはありません。まずは『ガーッ、ガーッ、ガーッ』と少し濁った声で鳴きながら威嚇をします。これは巣に近づく人を寄せ付けないためのサインです」とし、「それでもその場から遠ざからないと攻撃することがあります」と続けています(富士市「繁殖期のカラスにご注意ください」2025年5月15日更新)。声は、近づきすぎる前の合図として出されているわけです。
大阪市も、威嚇は「多くの場合、大きな声で鳴いたり、頭の上を飛びながら鳴いたり、とまっている枝や電線をガンガンつついたりする威嚇に留まります」としています(同ページは例外にも触れています)。同市は威嚇されたときの受け止め方についても、「威嚇されてもあわてないようにしましょう」と書き、ごみ捨て場や広場でハシブトガラスが人を襲うことは「まずありません」と説明しています。
読み取れる範囲をまとめると、声の変化は「これ以上近づかないで」という段階の表現で、離れれば収まる性質のものだということです。札幌市・富士市はともにカラスの縄張りを半径約20〜100メートルとしており、そこから離れれば威嚇行動はおさまるとしています。どうしても通る必要があるときの自衛策として、札幌市は帽子をかぶる・傘をさすなどで後頭部を守ること、巣の下で立ち止まったり見上げたりしないことを挙げ、富士市は「その場(ヒナや巣)に近づくのはやめましょう」「迂回路を使いましょう」としています。ヒナが地面にいても拾わないよう、複数の自治体が呼びかけています。
なお、万一けがをした場合の手当てについては、この記事では扱いません。気になる症状があるときは医療機関にご相談ください。ごみ集積所やベランダなど、そもそも寄りつかせない環境づくりの手順は別記事にまとめています。
鳴き声に困ったらどこに相談する?|自治体の窓口と、捕獲が許可制であること

相談先は「どこにいるカラスか」で変わります。東京都は窓口を地域で分けており、23区内は東京都環境局自然環境部計画課 鳥獣保護管理担当(電話03-5388-3505/受付 平日9:00-12:00、13:00-17:00)、多摩地区は東京都多摩環境事務所自然環境課 鳥獣保護管理担当(電話042-521-2948)としています(東京都環境局「カラスに関するQ&A」2025年5月26日更新)。
札幌市はさらに細かく、民有地の巣にともなうヒナ・卵の捕獲許可は環境局環境都市推進部環境共生担当課(電話011-211-2879)、市が管理する公園・街路樹(市道・道道)での営巣は各区土木センター維持管理課公園緑化係、と案内を分けています。「うるさい」という相談でも、場所の管理者が誰かで入口が変わると考えると分かりやすいはずです。大阪市は動物管理センター分室(電話06-6978-7710)、富士市は環境部環境保全課自然保護担当(電話0545-55-2773)を案内しています(いずれも2026年8月時点の各公式ページの記載)。
自分で捕まえることはできない
相談先を調べる前に押さえておきたいのが、カラスが鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)の対象だという点です。同法第八条は「鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない」と定めており、許可を受けた場合などを例外としています(e-Gov法令検索)。
違反した場合の罰則も同法にあります。第八十三条第一項は、第八条に違反して狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等や鳥類の卵の採取等をしたときなどについて、「一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する」と定めています。大阪市も「許可なく、野鳥を捕獲することは、『鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律』により禁止されています。迷惑だからといって、捕まえたり、卵やヒナを捕ってはいけません」と明記しています。
巣の扱いも自己判断は避けたいところです。札幌市は「巣の中に卵やヒナがいる場合の巣の撤去は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律により、事前に市の許可が必要になります」「たとえ自宅や会社の敷地内であっても、無許可での卵やヒナがいる場合の巣の撤去を行うと違法となります」としています。松戸市も「千葉県知事の許可がないと、親鳥・ヒナ・卵の捕獲や駆除は原則できません」と案内しています(松戸市「カラスによる被害について」2026年1月6日更新)。手続きの要否や窓口は市区町村ごとに異なるため、必ずお住まいの自治体の案内を確認してください。
敷地内の樹木や建物に鳥が繰り返し営巣していて、自分では手が出せないというときは、鳥獣の防除を扱う専門業者に相談する選択肢もあります。依頼する場合も、法律上の手続きが必要な作業かどうかを先に自治体へ確認しておくと話が早く進みます。
カラスの鳴き声についてよくある質問(FAQ)
※本記事に載せた鳴き声の表記は、自治体および日本野鳥の会東京が公開しているページの記載をそのまま引いたものです。同じ声でも聞き手や状況によって受け取り方は変わるため、声だけで種や意図を断定できるものではありません。窓口の電話番号・受付時間、繁殖期の目安は2026年8月時点の各公式ページの記載であり、地域によって異なります。最新の内容は各自治体の公式サイトでご確認ください。
まとめ|カラスの鳴き声は「種類・場面・時期」の3点で読む
カラスの鳴き声は、回数ではなく種類・場面・時期で読むものでした。澄んだ「カアカア」ならハシブトガラス、濁った「ガアガア」ならハシボソガラスが目安ですが、警戒時のハシブトガラスも濁ることがあるため、くちばしと額の形、そして鳴くときの姿勢を合わせて見ると確実です。
春から初夏に「カッカッカッ」と小刻みな声や「ガーッ、ガーッ、ガーッ」という濁った声が続くなら、近くに巣がある可能性が高いサインです。縄張りは半径約20〜100メートルとされているので、離れるか迂回すれば収まります。早朝のにぎやかな声は集団ねぐらの時間帯にあたることが多く、深夜に鳴く理由や、回数に意味を持たせる説、地震の前ぶれ説については、公的資料の裏づけを確認できませんでした。
それでも生活に支障が出ているなら、次の一手は自治体の鳥獣担当窓口への相談です。捕獲や卵の採取は許可制で、巣の撤去も場所の管理者や自治体の判断が必要になる場合があります。自分で手を出す前に、まず窓口に状況を伝えるところから始めてください。