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電池の液漏れの掃除|電池ボックスの拭き取り手順と漏れた電池の捨て方

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テレビのリモコンが効かない、掛け時計が止まっている——フタを開けたら、電池のまわりに白い粉が吹いていたり、ぬるっとした液が付いていたりする。これが「電池の液漏れ」です。年に何度も起きるものではないぶん、いざ出くわすと、拭いていいのか、素手でつまんでいいのか、機器はもう捨てるしかないのかが分かりません。

結論から言うと、掃除の順番は「素手で触らない」→「電池を先に取り出す」→「水で湿らせて拭き取る」→「よく乾かす」です。ただし、漏れた液の性質は電池の種類ごとに違います。アルカリ乾電池とマンガン乾電池では成分が別ですし、リチウム一次電池は引火のおそれに触れた案内が出ています。同じ「電池の液」とひとくくりにはできません。

この記事は、当メディア編集部が一般社団法人電池工業会・電池メーカー・機器メーカー・自治体・公的機関の公開情報を、電池の種類と対象機種名まで確かめながら調べてまとめたものです(2026年8月時点)。なお、液が皮膚や目、口に付いたときの手当ての手順は扱いません。触れてしまった場合は、すぐに大量の流水で洗い、医療機関を受診してください。

読者
リモコンの電池を外そうとしたら、粉と液で電池がくっついていました。とりあえずティッシュで拭いてしまってもいいですか。
編集部
拭く前に手を守ってください。アルカリ乾電池の液は強いアルカリ性だとメーカーが明記しています。ビニール手袋と保護めがねを用意してから、電池を取り出すのが先です。

【一言でいうと】電池の液漏れの掃除は「触らない」「電池を先に取り出す」「湿らせて拭く」の順

クロスで拭き掃除をする手元
写真はイメージです

やることは多くありません。順番だけ守れば、たいていの電池ボックスは片づきます。まず全体像を置きます。

順番 やること そうする理由(一次情報の記載)
1 素手で触らず、手袋と保護めがねを用意する パナソニックは白い粉について「ビニール手袋や保護用の眼鏡があればご使用されることをおすすめします。」と案内している
2 機器の電源を切り、漏れた電池を取り出す バルミューダはリモコンの電池ボックスから「皮ふや衣服に付着しないように」取り出すよう書いている
3 水で湿らせた綿棒・ティッシュで液と粉を拭き取る マクセルは「水で濡らした綿棒やティッシュ等で拭き取ってください。」としている
4 よく乾かしてから新しい電池を入れて動作を見る パナソニックは「よく乾燥させてから新しい電池でお試しください。」としている
5 外した電池は自治体のルールに従って捨てる 電池工業会は「市町村によってごみの捨て方が異なりますので、その指示に従ってください。」としている

※各社・電池工業会のページの記載を当メディア編集部が整理(2026年8月時点)。出典URLは各章に記載しています。

逆に、やらないほうがよいこともはっきりしています。液漏れした電池を、そのまま機器に入れ直して使うことはできません。パナソニックのFAQには「液漏れした電池は使用しないでください。」と注記があります(パナソニック アルカリ乾電池からの液漏れ! どうしたらいい?)。

この記事で扱わない範囲

液が皮膚・目・口に付いた場合の手当ての手順は書きません。洗う時間の長さ、飲ませるもの、中和のしかたといった内容は、電池工業会や各社の案内をそのまま転記すべきものではなく、状況によって判断が変わるためです。触れてしまったときは、すぐに大量の流水で洗い、医療機関を受診してください。また、機器のケースを開けて基板を洗う、接点を削る、電池を分解するといった作業も扱いません。

電池の種類で漏れる液の性質が違う|メーカー・電池工業会の記載を1つずつ

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。ネット上では「電池の液はアルカリ性なので酸性のもので中和する」といった説明を見かけますが、電池の種類が変われば、漏れてくる液そのものが変わります。手元の電池がどれなのかを、まず外装の表示で確かめてください。

アルカリ乾電池|水酸化カリウムを主成分とする強アルカリ性

単3形・単4形などでいちばん流通している電池です。パナソニックのFAQは「アルカリ乾電池の電解液は水酸化カリウムを主成分とする強アルカリ性の水溶液です。」と書いています(パナソニック アルカリ乾電池からの液漏れ! なんの液?)。同ページには、放置すると失明や化学火傷につながる危険性があること、「液もれした液には直接触れないようご注意ください。」という一文も置かれています。

掃除の対象として厄介なのは、液そのものより白く固まった結晶のほうです。取り扱いは次のH2以降で手順として整理します。

マンガン乾電池|塩化亜鉛を主成分とする弱酸性

同じパナソニックのFAQは、アルカリ乾電池と並べて「マンガン乾電池の電解液は塩化亜鉛を主成分とする弱酸性の水溶液です。」とも書いています(パナソニック アルカリ乾電池からの液漏れ! どうしたらいい?)。アルカリと弱酸性で、性質は正反対です。だからこそ、「アルカリだから酸をかける」といった発想を持ち込むと、そもそも前提から外れてしまいます。

なお、電池工業会・各社のページを見ても、家庭で中和してから拭き取るという手順の案内は見当たりませんでした。掃除の方法として書かれているのは、いずれも「水で湿らせて拭き取る」です。

リチウム乾電池・コイン形リチウム電池|有機溶媒を内蔵し、漏液や異臭のときは火気から遠ざける

カメラやキーレス、体温計などに入っているCR◯◯◯◯といった電池です。マクセルの「ボタン形・コイン形電池の安全上のご注意」は、コイン形リチウム電池について「この電池は、リチウム、有機溶媒など可燃性物質を内蔵しており、使い方を誤ると、電池が漏液、発熱、破裂、発火したり、けがや機器故障の原因となるので次のことを必ず守ってください。」とあり、さらに「この電池に漏液や異臭があるときは、漏れた電解液に引火するおそれがありますので、すぐに火気から遠ざけてください」と続けています(マクセル ボタン形・コイン形電池の安全上のご注意)。

水溶液が漏れる乾電池とは、注意すべき点そのものが違います。円筒形のリチウム乾電池についても、パナソニックが液もれの原因を未使用時と使用中・使用後に分けて説明しています(パナソニック リチウム乾電池の液もれを起こす原因、処置方法は?)。

ボタン電池(アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池)|アルカリ液と回収缶

時計や体重計、補聴器に入っている平たい電池です。マクセルの同じページは、酸化銀電池・アルカリボタン電池について「使い切った電池を機器に接続したまま長期間放置しますと、電池から発生するガスにより、電池を漏液、発熱、破裂させたり、機器を破損させるおそれがあります」としています。液が付いた場合については「電池のアルカリ液が皮膚や衣服に付着した場合には、皮膚に障害を起こすおそれがありますので」と注意されています(付いたあとの手当てはこの記事では扱いません。医療機関にご相談ください)。

捨て方も乾電池と別枠です。電池工業会は「ボタン電池(アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池)の廃棄の際は、電極にテープを貼って、「ボタン電池回収缶」に入れてください。」と案内しています(電池工業会 ボタン電池の回収・リサイクル)。

リチウムイオン電池(充電式)|そもそも掃除で扱う対象にしない

モバイルバッテリーやコードレス機器に内蔵されている充電式の電池です。電池工業会の小型充電式電池向けのガイドは「電池が液もれしたり、異臭がする時には、直ちに火気より遠ざけてください。漏れた電解液に引火し、破裂、発火する原因になります。」としており、さらに「外装シールがはがれたり、傷のある電池は使用しないでください。特に変形しているものや亀裂のあるもの、異臭のするものは絶対使用しないでください。」と書いています(電池工業会 リチウムイオン二次電池の安全で正しい使い方)。

ふくらんでいる、変形している、においがする充電式電池は、拭いて使い続ける対象ではありません。機器のメーカーか販売店に相談し、捨てるときは後述する自治体のルートに乗せてください。

電池の種類と「漏れる液」の記載の対応表

電池の種類 出典ページに書かれている液の性質 掃除・取り扱いで特に注意される点 出典(対象)
アルカリ乾電池 「水酸化カリウムを主成分とする強アルカリ性の水溶液です。」 直接触れない。白い結晶は水に溶けると強アルカリ性を示す パナソニック 乾電池のFAQ(PZ18380/PZ18507)
マンガン乾電池 「塩化亜鉛を主成分とする弱酸性の水溶液です。」 アルカリ乾電池とは性質が逆。同じ扱いにしない パナソニック 乾電池のFAQ(PZ18381)
リチウム乾電池・コイン形リチウム電池 「リチウム、有機溶媒など可燃性物質を内蔵しており」 漏液や異臭があるときはすぐに火気から遠ざける マクセル ボタン形・コイン形電池の安全上のご注意
アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池 アルカリ液(皮膚に障害を起こすおそれ) 使い切ったらすぐ機器から取り出す。廃棄はボタン電池回収缶 マクセル 同ページ/電池工業会 ボタン電池の回収・リサイクル
リチウムイオン電池(充電式) 漏れた電解液は引火するおそれがあると記載 変形・亀裂・異臭のあるものは使用しない。拭いて使い続けない 電池工業会 リチウムイオン二次電池の安全で正しい使い方

※各ページの記載そのものを整理したもので、電池の種類を横断した一般論ではありません(2026年8月時点)。出典=パナソニック PZ18380/同 PZ18507/同 PZ18381/マクセル/電池工業会(ボタン電池)/電池工業会(リチウムイオン二次電池)。

電池の液漏れは「電池の種類」で漏れる液が違うの図解
当メディア編集部作成

掃除を始める前に|機器の電源を切り、手袋と保護めがねを用意する

ゴム手袋をはめてスプレー洗剤を持つ様子
写真はイメージです

用意するものは3つだけです。ビニール手袋、保護めがね、そして水で湿らせるための綿棒かティッシュ。特別な洗剤は要りません。

保護具については、パナソニックが白い結晶の処理方法の項で「白い粉が皮膚につかないようにビニール手袋や保護用の眼鏡があればご使用されることをおすすめします。」と書いています。手袋も保護めがねもない場合については「白い粉が飛び散り皮膚や目に入らないよう十分ご注意ください。」と続きます(パナソニック アルカリ乾電池に白い結晶(粉)がある! どうしたらいい?)。

機器メーカー側も同じ趣旨を書いています。バルミューダの扇風機GreenFan mini(EGF-2100)のサポートページには、リモコンのアルカリ乾電池が液漏れした場合として「処理する時には、安全のために、ビニール手袋などの防水性の手袋をはめ、保護メガネをかけてください。」とあります(バルミューダ GreenFan mini EGF-2100 アルカリ乾電池から液体がもれ出している場合の対応)。これは同社のこの機種のページに書かれている案内で、機種が違えば別のページが用意されています。

作業の前に、機器のスイッチを切り、電源プラグのあるものはコンセントから抜いてください。粉が舞うので、窓を開けるか換気扇を回して、風下に顔を置かない位置で作業すると落ち着いて進められます。テーブルの上で作業するなら、新聞紙や不要な紙を敷いておくと、家具や床に液を付けずに済みます。

電池ボックスの掃除の手順|メーカーが書いている拭き取り方

ゴム手袋をはめて布で拭き掃除をする様子
写真はイメージです

ここからが本題です。手順そのものは、各社のページに書かれている内容をつなぐと5段階になります。

1液漏れした電池を、こぼさないように取り出す

バルミューダは「液もれした電池は、皮ふや衣服に付着しないように、また目に入らないように十分気をつけながら、リモコンの電池ボックスから取り出してください。」としています。固着して動かないときは無理にこじらず、機器を傾けて重力を使うほうが安全です。

2取り出した電池は、その場でティッシュに包んでビニール袋へ入れる

マクセルは「液もれした電池を機器から取り出す際は、皮ふや衣服に付着しないように取り出し、ティッシュなどで電池を包み、ビニール袋等に入れてから、お住まいの市町村の指示に従って廃棄してください。」と書いています。作業台に直接置くと、そこに液が移ってしまいます。

3白い粉は、飛び散らせずに先に取り除く

パナソニックは「白い結晶化した粉の処理方法ですが、粉が飛び散らないようにティッシュやウエスなどで取り除いてください。」としています。ウエットティッシュを使う場合は「数枚重ねて拭き取ってください。」という指定もあります。息を吹きかけて飛ばす、掃除機で吸うといった方法は書かれていません。

4水で湿らせた綿棒・ティッシュで、接点まわりを拭き取る

マクセルは「機器等に付着した液(アルカリ液)を水で濡らした綿棒やティッシュ等で拭き取ってください。」、パナソニックは「その他、綿棒の先を水で湿らせて除去し、よく乾燥させてから新しい電池でお試しください。」としています。水は「湿らせる」程度で、機器に流し込まないことが前提です。

5よく乾かしてから、新しい電池をまとめて入れる

乾燥が足りないまま電池を入れると、接触不良の原因が増えるだけです。入れ直すときは、電池工業会の案内どおり全部を新品にそろえてください。同会は「新しい電池と古い電池を一緒に使うと、古い電池から液もれが発生するおそれがあるので取替える際は必ず全ての電池を新しいものに交換してください。」と求めています。

ここまでの手順のうち、電池の取り出しと包み方はマクセル 乾電池から液体がもれ出しているのですが、どうしたらよいでしょうか?とバルミューダの機種別ページ、白い粉と拭き取りはパナソニック PZ18381、電池の入れ替え方は電池工業会 一次電池の安全で正しい使い方の記載によります。

拭き取りの回数について、パナソニックは「きれいに拭き取った後に水分を多く含んだ布などで何度も清掃することでほとんど影響がなくなる場合があります。」と書いています。1回で終わらせようとせず、湿らせて拭く・乾かすを何度か繰り返すほうが結果的に早いということです。

逆に、一次情報のどこにも書かれていない作業は避けてください。接点の金属を紙やすりで削る、電池ボックスごと水洗いする、機器のケースを開けて基板を拭くといった方法は、各社のページには載っていません。塗装やメッキが落ちたり、内部に水が回ったりして、直せる状態を自分で壊してしまうことがあります。

電池ボックスの掃除はこの5段階。分解も薬剤も使いませんの図解
当メディア編集部作成

白い粉の正体と、掃除しても動かないとき|内部に入った液は清掃できない

調べ物をして検討する女性
写真はイメージです

電池のまわりに吹く白い粉について、パナソニックは「アルカリ乾電池の中に入っていた電解液が、空気中の二酸化炭素と反応して結晶化したものです。」と説明しています。そのうえで「この結晶化した粉は水溶性で、容易に水に溶けます。」「水に溶けますと強アルカリ性を示します。」と続きます(パナソニック アルカリ乾電池に白い結晶(粉)がある! どうしたらいい?)。

乾いて粉になっていても、水に触れれば元の強いアルカリ性に戻るということです。湿らせた綿棒で拭くときに手袋を外さないほうがよいのは、このためです。

ここで期待値を正しておきたいことがあります。同じページには「(アルカリ液が機器の内部に侵入した場合は清掃は不可能です。)」という一文があります。つまり、電池ボックスの表面をどれだけ丁寧に拭いても、液が基板側まで回っていれば掃除では戻りません。乾かして新しい電池を入れても反応しない、途中まで動いて止まる、といった状態が続く場合は、そこが分かれ道です。

その場合は自分で分解せず、機器のメーカー窓口か販売店に型番を伝えて相談してください。電池メーカー側にも窓口があります。パナソニックのFAQには、万が一液漏れが発生した場合は相談窓口へ連絡すると、液漏れした電池および機器の状況を確認したうえで対応する、という案内が置かれています。修理費が本体価格に近づくようであれば、買い替えと処分を検討する段階になります。

漏れた電池の捨て方|まずお住まいの自治体のルールを確かめる

資源ごみの分別回収ボックス
写真はイメージです

手順に入る前に、必ず先にやってほしいことがあります。お住まいの自治体のごみ分別ページで、電池がどの区分になるかを確かめてください。電池工業会も「市町村によってごみの捨て方が異なりますので、その指示に従ってください。」と明記しています(電池工業会 乾電池やリチウム一次電池の捨て方・リサイクル)。同じ一次電池でも、収集する区分も、袋も、収集日も自治体で分かれます。

実際にどれくらい違うのか、3つの自治体の公式ページを並べます。

自治体 乾電池(アルカリ・マンガン) ボタン電池 充電式・リチウムイオン電池 出し方の要点
世田谷区 不燃ごみ 区では収集できない(ボタン電池回収缶へ) 不燃ごみ(令和7年10月1日から) 両極にテープを貼って絶縁。充電式は使い切り・絶縁のうえ、ほかの不燃ごみとは別の袋に入れ「充電式電池」などと表示。膨張・変形したものは集積所に出せない
横浜市 「電池類」として収集 「電池類」に含まれる(一次電池) 「電池類」に含まれる(二次電池) 電池を使い切り、端子部をテープ等で絶縁。中身の確認できる透明または半透明の袋で、燃やすごみと同じ収集日に別の袋で。膨張・破損した電池、ポータブル電源は対象外
名古屋市 「電池類」として一括収集 「電池類」に含まれる 「電池類」に含まれる(モバイルバッテリー含む) 必ずプラス極とマイナス極にセロハンテープなどを貼る。無色透明の袋のみ(指定袋はなく、令和6年4月から半透明の袋は使用不可)。事業活動で出た電池類・自動車用バッテリーなどの鉛蓄電池は対象外

※各自治体の公式ページの記載を当メディア編集部が整理(2026年8月時点)。出典=世田谷区 電池の処分方法/横浜市 電池類/名古屋市 電池類の出し方(一括収集)。3自治体以外の区分は各自治体のページをご覧ください。

3市を並べただけで、ボタン電池を収集するかどうか、袋に何を使うかがきれいに分かれました。「不燃ごみでいい」と一律に覚えてしまうと、収集されずに戻される可能性があります。

液漏れした電池は「テープで絶縁」ではなくビニール袋に入れる

通常、使用済みの電池は端子をテープで覆って捨てます。電池工業会は「すべての+極と-極をセロハンテープやビニールテープ等で絶縁する。」としており、その理由も「他の金属や電池と触れると、ショート(短絡)し、発熱・発火・破裂などの事故を起こす恐れがあります。」と説明しています。

ただし、液漏れした電池についてはパナソニックが例外を明記しています。「通常、電池を捨てる際はショート防止のため電池の両端にテープを貼り絶縁して廃棄してください。」としたうえで、「ただし、液漏れした電池にテープを貼るのは困難なためビニール袋に入れて廃棄してください。」と続けています(パナソニック PZ18507)。無理にテープを貼ろうとして液に触れるより、袋でまとめるほうが理にかなっているということです。この場合も、自治体の区分そのものは各自治体の案内に従ってください。

電池以外にも、機器に付いてきた小さな付属品の捨て方に迷うことがあります。充電コードやアダプターの分別は別の記事にまとめています。

充電式のリチウムイオン電池は同じ扱いにしない|公的機関が示す火災の数

資源ごみの分別回収ボックス
写真はイメージです

乾電池の液漏れを片づけるついでに、引き出しの奥から古いモバイルバッテリーや充電池が出てくることがあります。ここで一緒くたに袋へ入れないでください。充電式のリチウムイオン電池は、ごみ収集車や処理施設の火災原因として公的機関が繰り返し注意喚起している品目です。

環境省の廃棄物適正処理推進課がまとめた資料は、廃棄物処理時のリチウムイオン電池に起因すると疑われる火災事故等について、令和5年度の発生件数を8,543件、発煙・発火を含む発生件数を21,751件としています(データ出典は一般廃棄物処理実態調査・令和6年度)。発火の発生品目は多い順にモバイルバッテリー171件、加熱式たばこ115件、コードレス掃除機73件、スマートフォン33件、電気かみそり32件です(環境省 リチウムイオン電池による火災防止のための啓発強化の取組について(PDF))。

総務省消防庁の資料では、火災報告をもとに過去10年(平成24年〜令和3年)を集計しており、充電式電池等を発火源とする火災は、令和3年で塵芥車(ごみ収集車)47件(同年の塵芥車の全火災件数は327件)、廃棄物処理施設32件(同190件)でした。同資料は、4つの消防本部から提供された事例(廃棄物処理施設28件・塵芥車47件)について「全て不適当な廃棄が原因で出火したものであった。」と記しています(総務省消防庁 廃棄物処理施設等で発生した充電式電池等を原因とする火災の実態(PDF))。

製品側の事故もNITE(製品評価技術基盤機構)が公表しています。同機構は令和8年7月15日のプレスリリースで「2021年から2025年までの5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報では、『リチウムイオン電池搭載製品』の事故は2140件あり」と伝えています(NITE 『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を)。

スマートフォンやコードレス掃除機のように、電池が本体に組み込まれている機器は、電池だけを取り出せないことがほとんどです。それぞれの捨て方は別の記事にまとめています。

液漏れを繰り返さないための使い方|電池工業会の注意事項と実例

リビングでくつろぐ家族
写真はイメージです

掃除が終わったら、次に同じ思いをしないための使い方を押さえておくと、労力が報われます。電池工業会の「一次電池の安全で正しい使い方」から、家庭で効きやすい項目を挙げます(電池工業会 一次電池の安全で正しい使い方)。

  • 使い切ったらすぐ外す — 「使い切った電池をそのまま機器に入れておくと、液もれなどを起こして機器を傷めることになります。」
  • スイッチのない機器はこまめに交換 — 「スイッチのない機器は常に弱い電流が流れ電池が消耗しています。」(時計・ワイヤレスマウス・リモコンなど)
  • 新旧を混ぜない — 「新しい電池と古い電池を一緒に使うと、古い電池から液もれが発生するおそれがあるので取替える際は必ず全ての電池を新しいものに交換してください。」
  • 銘柄・種類・サイズを混ぜない — 混ぜて使うと「それぞれの電池の性能が違うため、液もれ・発熱・破裂・発火の原因となります。」
  • 向きを間違えない — 「プラス(+)マイナス(-)を逆にすると、電池が充電される場合やショートする場合があり、液もれ・発熱・破裂・発火するおそれがあり危険です。」
  • 長期間使わない機器からは抜いておく — 取り出した電池は個別にケースへ入れるなどしてショートさせない

同会が公開している実例も、家庭で起きる典型そのものです。テレビのリモコンの事例は「テレビのリモコンが動作しなくなったため電池を確認したところ、白い結晶のようなものが電池とその周囲に付着していた。」というもので、同会は原因を「電池の取替え時期の遅れから過放電(使い過ぎ)状態に至ったために内部の電解液が漏れたものです。」と説明しています。同ページはリモコンについて「半年に一回の点検や一年に一回の電池交換をお勧めします。」とも書いています(電池工業会 電池にまつわるトラブルの内容は具体的にどんなものですか?)。

もうひとつ、からくり時計の事例では「乾電池を複数個使用するからくり時計で、からくりを動かす乾電池が液漏れし、からくり時計が故障した。」というもので、同会は、時計自体は動いていたため電池の消耗に気づきにくかったことを原因に挙げています。機器の一部だけが動かなくなったときは、電池の交換時期のサインとして受け取っておくと安全です。

公的機関の注意喚起もあります。消費者庁と独立行政法人国民生活センターは平成30年7月20日、事故情報データバンクに平成25年6月から平成30年6月末までの5年間で電池の液漏れ・発熱・破裂等の事故情報が332件寄せられていること(現象別では発熱118件、液漏れ110件、破裂84件、発煙34件など)を公表し、装填時・装填後の注意点を挙げています(消費者庁・国民生活センター 電池の発熱、液漏れ、破裂に注意しましょう!(PDF))。

使えなくなった機器や電池をまとめて処分するとき|依頼先と許可の確かめ方

家電を運び整理する様子
写真はイメージです

液漏れをきっかけに引き出しを開けたら、動かない時計、古いラジオ、使っていないおもちゃがまとめて出てきた——という展開はよくあります。電池そのものは自治体の区分に従って出し、機器のほうがまとまった量になるなら、自治体の粗大ごみ・小型家電の回収か、不用品回収の事業者に一度で頼むかを比べるのが現実的です。電池工業会は、2021年の使用済み乾電池(リチウム一次電池を含む)を年間約3万4000トンと推定し、そのほとんどが一般廃棄物として自治体によって回収・処理されているとしています(電池工業会 乾電池やリチウム一次電池の捨て方・リサイクル/同会会員調べ)。まずは自治体のルートが基本、と考えて差し支えありません。

ここで、電池の記事だからこそ確かめてほしいことがあります。家庭から出た不用品を有償で運び出すには、その市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可、または市区町村からの委託が要ります。中古品を買い取るための古物商許可や、工場などから出る廃棄物を扱う産業廃棄物の許可を掲げていても、それは家庭ごみを運べる根拠にはなりません。電池のように保管や運搬で発火のおそれがあるものが混ざるほど、正規のルートかどうかは重みを増します。許可は市区町村ごとに出されるため、個別の事業者について当メディアが有無を断定することはしません。見積もりの前に、依頼先が自分の住む市区町村での許可や委託をどう説明するか、そのうえで電池類を引き取れるかどうかを、はっきり確認してから頼んでください。

複数の事業者から見積もりを取って比べたい場合は、一括見積もりのサービスを使う方法もあります。

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最新の料金・キャンペーンは公式サイトでご確認ください

依頼先の選び方や料金の相場、無許可の回収に関する注意点は、それぞれ別の記事で詳しく扱っています。

電池の液漏れの掃除のよくある質問(FAQ)

Q液漏れした電池が入っていた機器は、掃除すればまた使えますか。

A使えることもありますが、確約はできません。パナソニックは、きれいに拭き取った後に水分を多く含んだ布で何度も清掃することで「ほとんど影響がなくなる場合があります。」としつつ、「(アルカリ液が機器の内部に侵入した場合は清掃は不可能です。)」とも書いています。乾かして新しい電池を入れても反応しないときは、メーカー窓口か販売店に型番を伝えて相談してください。

Q白い粉は掃除機で吸い取ってもよいですか。

A各社のページに掃除機を使う手順は書かれていません。パナソニックの案内は「粉が飛び散らないようにティッシュやウエスなどで取り除いてください。」で、続けて綿棒の先を水で湿らせて除去する方法を示しています。粉を舞い上げない方向で書かれているため、吸引や吹き飛ばしは避けてください。

Qアルカリ性なので、酸性のもので中和してから拭けばよいのでは。

A電池工業会・電池メーカー・機器メーカーの公開ページに、家庭で中和してから拭くという手順は見当たりませんでした。書かれているのはいずれも水で湿らせて拭き取る方法です。またマンガン乾電池の電解液は弱酸性と説明されており、電池の種類によって前提が変わります。自己流の薬剤を持ち込まず、水で拭き取る手順にとどめてください。

Qボタン電池も乾電池と同じ袋にまとめて出してよいですか。

A自治体によります。世田谷区はボタン電池(アルカリボタン電池・酸化銀電池・空気亜鉛電池)を区では収集できないとして、ボタン電池回収缶や販売店への相談を案内しています。一方、横浜市と名古屋市はボタン電池も「電池類」としてまとめて収集しています。お住まいの自治体のページで区分を見てから袋に入れてください。

Q液漏れした電池はいつまでに捨てればよいですか。

A期限を示した公的な基準は見当たりませんでしたが、置いたままにしておく利点はありません。ティッシュに包んでビニール袋に入れ、ほかの電池や金属と触れない状態にしたうえで、自治体の収集日まで子どもやペットの手の届かない場所に保管してください。電池工業会は、電池を金属製品と一緒に持ち運んだり保管したりしないよう求めています。

※本記事の電池の性質・掃除の方法は各メーカーおよび一般社団法人電池工業会の公開ページ、ごみの区分は各自治体の公式ページ、火災の件数は環境省・総務省消防庁・NITE・消費者庁および国民生活センターの公表資料に基づく2026年8月時点の内容です。分別区分や収集方法は改定されることがあり、機器の状態によって対処も変わります。実際に出す前にお住まいの自治体のページを、機器の可否は取扱説明書とメーカー窓口をご覧ください。

まとめ|「触らない・取り出す・湿らせて拭く」の順で

電池の液漏れの掃除は、順番さえ守れば難しい作業ではありません。素手で触らずに手袋と保護めがねを用意し、電池を先に取り出してティッシュとビニール袋にまとめ、水で湿らせた綿棒で拭いて、よく乾かしてから新しい電池をそろえて入れる。この5段階です。

ただし前提として、漏れる液の性質は電池の種類ごとに違います。アルカリ乾電池は水酸化カリウムを主成分とする強アルカリ性、マンガン乾電池は塩化亜鉛を主成分とする弱酸性、コイン形リチウム電池は有機溶媒を内蔵し漏液時は火気から遠ざける、と各社が書き分けています。充電式のリチウムイオン電池にいたっては、拭いて使い続ける対象ではありません。

捨て方も自治体で分かれます。乾電池が不燃ごみの区、一次も二次もまとめて「電池類」で収集する市、袋の色まで指定する市があり、ボタン電池を収集しない自治体もあります。掃除が終わったら、必ずお住まいの自治体のページで区分を確かめてから袋に入れてください。そして、液が皮膚や目、口に付いてしまったときは、すぐに大量の流水で洗い、医療機関を受診してください。

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