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槽洗浄コースを回しても、市販のクリーナーを使っても、洗濯物に黒いカスが付く。乾燥に時間がかかる。においが抜けない——。ここまで来ると、原因は自分の手が届く場所ではなく、洗濯槽の裏側や乾燥経路に残っているのかもしれません。
そこで浮かぶのが「洗濯機クリーニングを業者に頼む」という選択肢ですが、検索すると1万円台から4万円近くまで金額が並び、何が違うのか分かりにくいところです。さらに「自分で分解すれば無料では」という考えも頭をよぎります。
この記事では、当メディア編集部がハウスクリーニング各社の公開料金ページ、洗濯機メーカーの公式案内、公的機関の公表資料を調査し、縦型とドラム式の料金の幅・完全分解洗浄の上乗せ額・見積もりで確認する6項目を整理しました。実名のランキングは掲載していません。社名は公開料金と受付条件の出典としてのみ挙げています。


【一言でいうと】洗濯機クリーニングを業者に頼むといくら?

定額制のハウスクリーニング3社の公開料金では、洗濯槽を外さない標準的な作業で縦型が12,100〜15,400円、ドラム式が18,700〜22,000円(いずれも税込・2026年8月時点の通常価格)です。洗濯槽やパルセーターまで外す完全分解洗浄を加えると、縦型で23,100円、ドラム式で38,500円(税込)まで上がります。
ただし、頼む前に決めるべきなのは金額ではなく「今の状態がクリーニングで変わる段階なのか」です。下の表で、ご自宅の状況がどこに当てはまるかを確認してみてください。
| 今の状況 | 向いている選択肢 | 費用の目安(2026年8月時点) |
|---|---|---|
| 槽洗浄コースや市販のクリーナーをまだ試していない | まず自分で手入れをする | 洗濯槽クリーナー代(製品により異なります) |
| 槽洗浄を繰り返しても黒いカスが出る/乾燥時間が長いまま | 洗濯機クリーニングを業者に頼む | 縦型12,100〜15,400円・ドラム式18,700〜22,000円(税込・定額制3社の通常価格) |
| 洗濯槽の裏側まで一度きれいにしたい | 完全分解洗浄のオプションを付けて頼む | 縦型23,100円・ドラム式38,500円(税込・おそうじ本舗の基本料金+オプション) |
| エラー表示が消えない/異音がする/水漏れがある | メーカーまたは販売店の修理窓口に相談する | 汚れではなく不具合の可能性があるため点検が先 |
※当メディア編集部がおそうじ本舗・ダスキン・カジタクの公開料金ページをもとに整理(2026年8月時点・税込)。金額の内訳と条件は「洗濯機クリーニングの料金相場」で詳しく解説します。
洗濯機クリーニングはどこから業者の領域?自分で分解しない理由
洗濯機クリーニングの金額を比べる前に、押さえておきたいのが作業の線引きです。「洗濯機 分解洗浄 自分で」と調べる方は多いのですが、洗濯槽を外す作業はメーカーが利用者向けに想定している手入れではありません。

自分でできるのは取扱説明書に載っている手入れまで
フィルター類、洗剤の投入ケース、ドアまわりのゴムパッキン、そして槽洗浄コース。ここまでは取扱説明書に手順が載っている範囲で、道具も特別なものは要りません。手順と頻度の目安は別の記事にまとめています。
使う洗浄剤についても、メーカーと機種ごとに使ってよいものが決まっています。塩素系と酸素系のどちらを使えるかは取扱説明書の記載が正で、製品の表示どおりの分量と放置時間を守ることが前提です。クリーナーの種類ごとの違いは、こちらで整理しています。
洗濯槽を外す作業から先が業者の領域
パナソニックは洗濯機の分解について、公式のよくあるご質問で「けがや故障のおそれがあるため、お客様ご自身で洗濯機を分解しないでください」と案内しています。同じページは、パナソニック認定業者以外の分解サービスを利用した場合は保証の対象外になる旨も明記しています(パナソニック「洗濯機を分解してお手入れできるか」/2026年8月時点)。
日立も、縦型の底にあるかくはん翼(パルセーター)について、取り外しや取り付けに専用の工具が必要なため利用者自身では外せないとし、破損や故障につながる可能性があるとして販売店や修理相談窓口への連絡を案内しています(日立「かくはん翼(パルセーター)を自分でお手入れや交換できますか?」/2026年8月時点)。
洗濯機は水と電気を同時に扱う家電です。分解に踏み込むと、感電や水漏れに加えて、組み直しの不備が次の故障を呼ぶという二重のリスクが生じます。費用を抑えたつもりが、保証の効かない修理費に化ける——これが、自分で分解することをおすすめしない理由です。
汚れではなく不具合かもしれないとき
クリーニングで解決するのは、あくまで汚れが原因の症状です。エラー表示が消えない、運転中に金属音がする、床に水がにじむといった状態は、汚れではなく部品の不具合である可能性があります。この場合はクリーニングを重ねるより、メーカーや販売店の修理窓口に先に相談したほうが早く片付きます。
洗濯機クリーニングの料金相場|縦型・ドラム式の公開料金(2026年8月時点)

洗濯機クリーニングの料金は、定額制のハウスクリーニング会社と、事業者ごとに料金が異なるマッチングサービスとで、見え方が変わります。まずは定額制3社が公開している料金を、機種の区分ごとに並べます。
| 事業者 | 縦型 | 縦型(乾燥機能付き) | ドラム式 | 作業範囲・条件 |
|---|---|---|---|---|
| おそうじ本舗 | 12,100円/台(約2時間) | 区分なし | 18,700円/台(約2時間) | 本体の外側・内側/脱水槽(分解を伴わない洗浄)。完全分解洗浄は縦型+11,000円/台、ドラム式+19,800円/台。日立製(縦型)は+5,500円/台 |
| ダスキン | 15,400円(税抜14,000円) | 18,700円(税抜17,000円) | 22,000円(税抜20,000円) | 洗濯槽を分解せずに洗浄。洗浄水に12時間以上浸け置き。2槽式は対象外。乾燥機の取り外しが必要な場合は+3,630円(税抜3,300円) |
| カジタク | 14,300円(60〜80分) | 18,700円(80〜110分) | 19,800円(70〜100分) | 本体の外側・内側/洗濯・脱水槽(分解を伴わない洗浄)・パーツ。2層式・海外メーカー・洗濯機上に乾燥機があるタイプは対象外 |
※金額はすべて1台あたり・税込(ダスキンは税抜も併記)。出典=おそうじ本舗「縦型洗濯機クリーニング」/同「ドラム式洗濯機クリーニング」/ダスキン「全自動洗濯機除菌クリーニング」/カジタク「洗濯機クリーニング」(いずれも2026年8月時点)。カジタクは執筆時点でキャンペーンを実施しており、縦型12,870円・縦型(乾燥機能付き)16,830円・ドラム式17,820円を表示しています。
3社を並べると、洗濯槽を外さない標準的な作業では縦型が12,100〜15,400円、乾燥機能付きの縦型が18,700円、ドラム式が18,700〜22,000円(税込・通常価格)という水準になります。ドラム式が高いのは、乾燥経路やフィルターまわりまで手が入る分、作業の範囲が広くなるためです。
これに対して、洗濯槽やパルセーターを外す完全分解洗浄はオプション扱いです。おそうじ本舗の公開料金では、基本料金と合わせて縦型で23,100円、ドラム式で38,500円(いずれも税込)になります。標準の作業と完全分解洗浄では、そもそも触れる場所が違うと考えたほうが実態に近いでしょう。
一方、マッチングサービスのくらしのマーケットが同社サイトに掲載している洗濯機クリーニングの相場は、縦型12,000〜17,000円/台、ドラム式20,000〜30,000円/台です(同ページに税の表記はないため、予約前に各事業者の表示をご確認ください/2026年8月時点)。事業者ごとに作業範囲も料金も異なるため、金額だけを見て比べると中身がそろわない点には注意が必要です。
浴室やキッチンなど他の場所もまとめて頼むつもりなら、箇所別の相場を先に押さえておくと総額を見積もりやすくなります。
洗濯機クリーニングの料金が変わる4つの要因

同じ「洗濯機クリーニング」でも、見積もりの金額が数千円から2万円近く動くことがあります。差が生まれる場所は、おおむね次の4つに集約されます。
1縦型かドラム式か、乾燥機能が付いているか
料金表がまず分かれるのがこの区分です。ダスキンは縦型全自動洗濯機・縦型全自動洗濯乾燥機・ドラム式洗濯乾燥機で料金を分けており、カジタクも縦型・縦型(乾燥機能付き)・ドラム式の3区分で作業時間まで変えています。
問い合わせの段階で「縦型です」だけでなく、乾燥機能の有無まで伝えると、返ってくる金額のずれが小さくなります。
2洗濯槽を外すのか、外さないのか
標準プランの作業範囲を、おそうじ本舗・カジタクとも「分解を伴わない洗浄」と明記しています。洗濯槽やパルセーターを外すのは完全分解洗浄のオプションで、おそうじ本舗では縦型+11,000円/台、ドラム式+19,800円/台(税込)です。
カジタクは標準プランについて「洗濯槽を分解しての作業ではない為、臭いと汚れは取り切れない場合があります」と公開ページに明記しています。どちらを頼むのかは、見積もりの前に決めておきたい点です。
3メーカー・型番による加算と受付の可否
同じ日立製の洗濯機でも、事業者によって扱いが変わります。おそうじ本舗は縦型の日立製に+5,500円/台のオプションを設けたうえで、「ビートウォッシュ」は完全分解洗浄と日立製オプションを合わせて注文するよう案内しています。シャープ製の「穴なし槽」は完全分解洗浄でのみ対応する旨も、同社が明記しています。
これに対しカジタクは、日立製の縦型洗濯乾燥機「ビートウォッシュ(BW-Dシリーズ)」を構造上の理由で作業対象外とし、型番が該当する機種は申し込めないとしています。型番を伝えずに金額だけ聞いても意味がないのは、この差があるためです。
4設置場所と、追加になるオプション
洗濯機の下に防水パン(洗濯パン)があるか、かさ上げ台が必要かでも作業と金額が変わります。おそうじ本舗のドラム式のページは、洗濯パンのクリーニングを2,200円/式、かさ上げ台の設置を9,900円/台(いずれも税込)とオプションで示しています。カジタクは洗濯パン清掃を3,300円とし、設置状況によっては作業できない場合があるとしています。
また、ダスキンは作業上、乾燥機の取り外しが必要な場合に3,630円(税抜3,300円)が加わるとしています。設置環境は写真を撮って先に共有しておくと、当日の追加が起きにくくなります。
年式も見落とせません。おそうじ本舗は製造から6年以上経過した洗濯機について、メーカーが部品の製造を終了しているため断る場合やサービスを保証できない可能性があるとしています。カジタクも製造後7年を超える洗濯機は補償の対象外としています。製造年は、問い合わせの時点で伝えておくのが確実です。
エアコンなど他の箇所とまとめて頼むと移動費を分散できることもあります。エアコン側の料金の考え方は、こちらで整理しています。
洗濯機クリーニング業者の選び方|見積もりで確認する6項目

洗濯機クリーニングは、作業のほとんどが自分では見えない場所で進みます。だからこそ、金額よりも「何をして、何をしないのか」が書面に残るかどうかが判断の分かれ目になります。
| 確認項目 | 問い合わせで聞くこと | 確認しないと起きやすいこと |
|---|---|---|
| ①機種の受付可否 | メーカー名・型番・製造年を伝えて作業できるか | 訪問当日に「この型番は対象外」と言われる |
| ②作業範囲 | 洗濯槽を外すのか、外さない洗浄なのか | 「分解洗浄」の中身が思っていたものと違う |
| ③追加料金の条件 | 洗濯パン・かさ上げ台・乾燥機の取り外しは別料金か | 作業後に見ていない金額を請求される |
| ④損害賠償保険と補償 | 保険に入っているか、申し出の期限と対象外の範囲 | 不具合に気づいたときには申告期限を過ぎている |
| ⑤再訪・やり直しの扱い | 作業後に不具合が出た場合の対応と費用負担 | 「掃除が原因か分からない」で話が止まる |
| ⑥キャンセル規定 | いつからキャンセル料が発生するか | 日程変更のつもりが料金の発生につながる |
※当メディア編集部が各社の公開ページと公的機関の公表資料をもとに整理(2026年8月時点)。特定の事業者の優劣や順位を示すものではありません。
独立行政法人国民生活センターは2025年2月28日公表の「ハウスクリーニングのトラブルにご注意」で、消費者へのアドバイスとして必ず複数社から見積もりを取り、事業者の選定は慎重に行うこと、そして故障や損傷があったときの補償の内容や保険に加入しているかを契約前に確認することを挙げています。料金や説明に納得できない場合は、きっぱりと契約を断るようにとも呼びかけています(国民生活センター「ハウスクリーニングのトラブルにご注意」)。
同じ資料は、クリーニング方法も含めて確認し、必要に応じてメーカーに問い合わせる方法も示しています(同センターはエアコンの例として挙げています)。洗濯機でも、対応機種の可否はメーカー側の案内と突き合わせておくと判断しやすくなります。
Web上の口コミには「乾燥時間が元に戻った」「においが気にならなくなった」といった声が見られます。一方で「思っていたより高くついた」「型番を伝えたら分解できないと断られた」という指摘もありました。当メディア編集部が確認した範囲では、型番と作業範囲を先にすり合わせたかどうかが評価の分かれ目になっています。口コミは事業者ごとの個別の体験なので、料金や作業範囲は必ず公開ページと見積書で確認してください。
洗濯機クリーニングを頼む流れと当日までに準備しておくこと

問い合わせから作業完了までの流れは、どの事業者でもおおむね共通しています。準備で手が止まりやすいのは、当日そのものではなく「作業のあと」です。
1メーカー名・型番・製造年を控えて問い合わせる
型番は本体の側面や扉の内側、取扱説明書の表紙で確認できます。カジタクは予約の際に洗濯機のメーカー名と製造年の入力を求めており、型番による対象外の指定もあります。最初のやり取りでここを伝えておくと、当日の行き違いが減ります。
2作業範囲と追加料金の条件を書面で受け取る
洗濯槽を外すのか外さないのか、洗濯パンやかさ上げ台は別料金か。口頭の説明ではなく、メールや見積書など後から見返せる形で受け取ります。やり取りの記録が残る手段を選んでおくと、万一のときに事実確認がしやすくなります。
3設置場所のまわりを空けておく
洗濯機の前後と、浴室に続く動線の荷物をどかしておきます。洗濯槽を洗うために浴室を使う場合があるため、洗面所や浴室に置いた小物は移動できるようにしておくと作業が滞りません。駐車スペースの有無も、予約時に伝えておく項目です。
4作業後しばらく洗濯機が使えない前提で予定を組む
つけ置き洗浄を行う事業者では、作業後に一定時間、洗濯機を使えません。カジタクは公開ページで、作業後約3時間(ドラム式は3〜4時間・メーカーにより変動)は洗濯機を使用できず、その後に満水状態で標準コースを1サイクル回すよう案内しています。ダスキンも洗浄水に12時間以上浸け置きする工程を示しています。
洗濯物をためた状態で当日を迎えると困るので、前日までに洗い終えておくのが安全です。
複数の事業者を同じ条件で比べたい場合は、地域の事業者を料金と口コミで検索できるマッチングサービスを使うと、対応機種と作業範囲を並べて確認できます。申し込みの前に、型番と完全分解洗浄の可否を必ず質問しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
※料金・作業範囲・対象外機種・キャンペーンの内容は執筆時点(2026年8月)に各公式サイトで確認した情報です。最新の内容と、お使いの機種で受けられる作業については、各公式サイトおよび取扱説明書でご確認ください。
まとめ
洗濯機クリーニングの公開料金は、洗濯槽を外さない標準的な作業で縦型12,100〜15,400円、乾燥機能付きの縦型18,700円、ドラム式18,700〜22,000円(税込・定額制3社の通常価格・2026年8月時点)。洗濯槽やパルセーターまで外す完全分解洗浄はオプション扱いで、縦型23,100円・ドラム式38,500円(税込)まで上がります。
金額が動く理由は、①機種の区分 ②洗濯槽を外すかどうか ③メーカー・型番による加算と受付の可否 ④設置場所とオプション、の4つです。メーカー名・型番・製造年を先に伝えれば、この4つはほぼ問い合わせの段階で確定します。
そして、自分で分解する選択肢は外してください。パナソニックも日立も、利用者による分解を想定していないと明記しています。手が届く範囲は取扱説明書どおりに手入れをして、その先は作業範囲と補償の条件を書面で確認したうえで頼む。この線引きが、洗濯機クリーニングでいちばん失敗しにくい進め方です。