「引越しで大量に不用品が出た」「実家の片付けで家具も家電もまとめて処分したい」——そんなとき頼りになるのが不用品回収業者ですが、いざ探すと料金相場が分からず、どの業者が安全なのかも判断しづらいのが正直なところではないでしょうか。ネットには「無料回収」「積み放題〇〇円」といった魅力的な広告があふれる一方で、高額請求などのトラブルも後を絶ちません。
この記事では、当メディア編集部が国民生活センター・環境省の公的な注意喚起や、各サービスの公開情報・料金表を調査し、トラック積み放題プランの料金相場、失敗しない業者の選び方、安全な依頼先の3つのタイプをまとめました。悪質な「無料回収」を見抜くポイントや、品目別の処分方法へのリンクも用意していますので、不用品回収を業者に頼むか迷っている方はぜひ参考にしてください。


不用品回収の料金相場(トラック積み放題プランの目安)

不用品回収業者の料金は、多くの場合「軽トラック」「1.5トントラック」「2トントラック」といったトラックの大きさごとの積み放題プランで設定されています。荷台に積める分だけまとめて回収してもらえるため、量が多いほど1点あたりは割安になりやすいのが特徴です。まずは全体像として、公開されている料金相場を目安表にまとめました。
| プラン | 料金相場の目安(執筆時点) | 積める量の目安 | 向いている量 |
|---|---|---|---|
| 軽トラック積み放題 | 約10,000〜25,000円 | 荷台約1.5畳・高さ1m程度(約2.5立方メートル) | 一人暮らしの部屋の一部・少〜中量 |
| 1.5トントラック積み放題 | 約30,000〜50,000円 | 軽トラの約2倍 | 1〜2部屋分の家財 |
| 2トントラック積み放題 | 約35,000〜80,000円 | 1K〜2LDK分の家財 | 引越し・実家片付けなど大量 |
相場に幅があるのは、対応エリア・作業員の人数・階段作業やエレベーターの有無などの条件で料金が変わるためです。同じ「軽トラック積み放題」でも、業者や地域によって金額はかなり異なります。
実際の公開価格の一例として、事業者と料金・口コミを比較できるマッチングサイト「くらしのマーケット」は、不用品回収の料金相場を軽トラック1台8,000〜15,000円、2トントラック1台25,000〜39,000円と公開しています(執筆時点・税込表示)。一方、複数の不用品回収コラムでは軽トラ積み放題で20,000円前後、2トンで35,000〜60,000円程度という目安も紹介されており、依頼先によって開きがあることが分かります。
- 「〜円から」の最低料金は、荷台の積載上限(囲いの高さまで等)を確認してください。上限を超えると追加料金や別プランになります。
- 階段作業・出張費・エレベーターなし物件の割増などが別途かかる場合があります。見積もり時に「追加料金がないか」を必ず質問しましょう。
- 料金相場は執筆時点の各公式サイト・公開情報をもとにした目安です。実際の金額は必ず見積もりで確認してください。
積み放題プランの「詰め放題」に潜む落とし穴
積み放題プランは「トラックに積める分だけ定額」というシンプルさが魅力ですが、実はトラブルが起きやすいのもこのプランです。もっとも多いのが「荷台の囲いの高さまでしか積めない」という当日の条件変更で、広告の写真ほど積めなかったり、超過分に追加料金を求められたりするケースを、国民生活センターが公表しています。
軽トラックの荷台は、目安として長さ約1.9m×幅約1.3m×高さ約1m(約2.5立方メートル)です。冷蔵庫・洗濯機・ソファ・ベッドといった大型品を数点入れると、それだけで荷台はかなり埋まります。「一部屋分すべて」を軽トラ1台に収めるのは難しいことも多いため、量が多いなら最初から1.5トン・2トンプランを検討したほうが、追加料金の心配が少なく結果的に割安になることもあります。見積もりの際は、処分したい品目をリストにして写真を送り、「この量で追加料金は出ないか」を事前に確認しておくと安心です。
不用品回収業者の選び方(許可の確認が最重要)

不用品回収業者を選ぶとき、多くの方が「料金の安さ」で選びがちですが、それ以上に大切なのが「許可の確認」です。家庭から出る不用品を有料で回収するには法律上の許可が必要で、これを持たない業者に頼むと、高額請求や不法投棄などのトラブルにつながります。失敗しないための4つのポイントを順番に見ていきましょう。
1一般廃棄物処理業の許可(または市の委託・提携)があるかで選ぶ
家庭から出る不用品は法律上「一般廃棄物」にあたり、これを有料で収集運搬できるのは、市区町村の「一般廃棄物処理業(収集運搬業)の許可」を受けた業者、または市から委託・提携された業者だけです。環境省も「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要」と公式に案内しています。依頼前に「どの許可に基づいて回収するのか」を確認しましょう。
2「産業廃棄物許可」「古物商許可」だけでは家庭ごみを回収できない点を知る
「産業廃棄物収集運搬業の許可があります」「古物商許可を持っています」とアピールする業者もいますが、環境省は「産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では(家庭の不用品は)回収できません」と明記しています。産廃許可は工場・事業所向け、古物商許可は中古品の買取・販売のための許可であり、いずれも家庭の不用品を有料で回収する根拠にはなりません。この違いを知っておくだけで、無許可業者を大きく避けられます。
3料金体系と追加費用が明確かで選ぶ
料金トラブルの多くは「基本料金だけ安く見せて、当日に高額な追加費用を請求される」パターンです。積み放題なら積載の上限、階段料金・出張費・処分費(家電リサイクル法対象品など)が別途かかるかを、依頼前に書面や見積もりで確認しましょう。会社の所在地・固定電話・料金表が公式サイトに明示されているかも重要な判断材料です。
4複数社から相見積もりを取って比較する
1社の見積もりだけでは、その金額が適正かどうか判断できません。最低でも2〜3社から相見積もりを取り、料金だけでなく「許可の有無」「追加費用の条件」「対応の丁寧さ」も含めて比較しましょう。後述する審査制のマッチングサービスを使うと、複数社の比較が一度に行えて便利です。
不用品回収の依頼先3タイプを比較(自治体・市の許可業者・審査制マッチング)

不用品を処分する依頼先は、大きく①自治体の粗大ごみ収集 ②市の一般廃棄物処理業の許可業者 ③審査制のマッチング・一括見積もりサービスの3タイプに分かれます。どれか1つが正解ではなく、量・急ぎ度・手間のかけ方で選ぶのがコツです。まずは特徴を比較表で整理します。
| 依頼先タイプ | 費用の目安 | スピード | 手間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ①自治体の粗大ごみ収集 | 1点数百〜2,000円台と安い | 申込〜収集まで数日〜数週間 | 申込・処理券購入・搬出は自分 | 少量で日程に余裕がある人 |
| ②市の許可業者に直接依頼 | 作業内容・量で変動 | 相談次第・比較的早い | 運び出しまで任せられる | 許可を確認して確実に頼みたい人 |
| ③審査制マッチング・一括見積もり | 軽トラ約8,000円〜(業者による) | 最短即日〜数日 | フォーム入力で複数社を比較 | 大量・急ぎで相見積もりしたい人 |
①自治体の粗大ごみ収集(少量・急がないなら最も安い)
お住まいの市区町村の粗大ごみ収集は、公的な制度なので費用が安く、安全性の面でも安心です。多くの自治体で品目ごとの手数料制になっており、小さな品目は数百円、大型家具でも2,000円台が中心です。費用を最優先するなら、まず自治体の制度を検討するのが基本です。
ただし、申し込みから収集日まで数日〜数週間かかることがあり、引越しシーズンなどの繁忙期はさらに待つ場合があります。処理券の購入や、指定場所までの搬出も自分で行う必要があるため、「急ぎ」「大量」「重くて運べない」ケースには不向きです。お住まいの地域のルールは各自治体の公式サイトで確認しましょう。
②市の一般廃棄物処理業の許可業者に直接依頼する
「自治体の収集では日程が合わない」「運び出しまで任せたい」という場合は、市の一般廃棄物処理業(収集運搬業)の許可を受けた業者への直接依頼が選択肢になります。多くの自治体では、許可業者の一覧を公式サイトで公開しています。まずはお住まいの市区町村の公式サイトで「一般廃棄物処理業許可業者一覧」を確認し、掲載されている業者に問い合わせるのが確実です。
依頼の際は、品目・量・住まいの階数(エレベーターの有無)を伝えて見積もりを取りましょう。料金は作業条件で変わるため、複数社に相見積もりを取ると安心です。
③審査制のマッチング・一括見積もりサービス(大量・急ぎで比較したいなら)
「軽トラック1台分は出そう」「引越し前日までに全部片付けたい」という大量・急ぎのケースでは、複数の業者をまとめて比較できるサービスが便利です。1社ずつ電話をかける手間が省け、料金の相場感もつかめます。当編集部が公開情報を調査した範囲で、代表的なサービスを2つ紹介します。いずれも利用前に、加盟業者の許可の有無と料金条件を各業者へ直接確認してください。
エコノバは、不用品回収・ゴミ屋敷片付け・遺品整理などに対応する業者の一括見積もりサービスです。フォームに入力するだけで最大5社の見積もりを無料で比較でき、全国対応で利用できます(執筆時点)。公式サイトでは「厳しい審査基準や規約をクリアした、信頼のおけるプロの専門業者」を紹介する仕組みと案内されており、「相場が分からないのでとにかく複数社を比較したい」という方に向いています。
くらしのマーケットは、事業者の料金・口コミを見比べてオンライン予約できるマッチングサイトです。不用品回収の料金相場は軽トラック1台8,000〜15,000円・2トントラック1台25,000〜39,000円と案内され、予約前に料金を確認できるのが特徴です。累計117,730件以上の口コミ(執筆時点)を参考に、地元の事業者を評価で比較しながら選べます。
- マッチングサービスでも、加盟業者の許可の有無・料金条件(積載上限・階段料金・出張費など)は依頼前に各業者へ必ず確認してください。
- 一般廃棄物の収集運搬には市区町村の許可(または委託)が必要です。「どの許可に基づいて回収するのか」を見積もり時に質問しましょう。
- 掲載件数・料金目安は執筆時点の各公式サイトの情報です。
「無料回収」「巡回トラック」に注意|悪質業者の手口

不用品回収でとくに注意したいのが、「無料回収」をうたう業者や、スピーカーで放送しながら町内を巡回するトラック、チラシを配って回収を呼びかける廃品回収車です。これらは高額請求や不法投棄のトラブルにつながるケースが多く、国民生活センターや環境省も繰り返し注意喚起しています。
国民生活センターが2022年11月2日に発表した資料「不用品回収サービスのトラブル」によると、不用品回収サービスに関する相談は2018年の1,354件から2021年には2,231件へと増加傾向にあり、寄せられたトラブルは次のとおりです(同センター発表の要約)。
- 「無料回収」と思って頼んだのに、運搬費・作業費などの名目で高額な料金を請求された
- 「トラック詰め放題〇〇円」の広告を見て依頼したら、当日「荷台の囲いの高さまでしか積めない」と言われ、断るとキャンセル料を請求された
- 市区町村の一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者による被害
環境省も「廃棄物を無許可の回収業者に引き渡すと、適正な処理が確認できず、不法投棄・有害物質の環境放出・火災などのリスクがある」として、無許可の回収業者を利用しないよう公式に呼びかけています。前述のとおり、家庭の不用品を有料で回収できるのは市区町村の一般廃棄物処理業の許可(または委託)を受けた業者だけです。
やっかいなのは、無許可業者ほど「無料」「格安」「即日」といった消費者に響く言葉を前面に出す傾向がある点です。回収したものを適正に処理せず不法投棄すれば、その処理コストがかからない分、表向きの料金を安く見せられてしまいます。つまり、相場より極端に安い・無料をうたう業者ほど、かえって注意が必要ということです。安さだけで飛びつかず、「許可はあるか」「所在地と固定電話は明示されているか」「見積もりは書面で出るか」を落ち着いて確認しましょう。
万一、高額請求などのトラブルに遭った場合は、その場で支払わず、消費者ホットライン「188(いやや)」や、お住まいの消費生活センターに相談しましょう。次のポイントを押さえておくと、悪質業者を避けやすくなります。
- 巡回トラック・チラシ・拡声器の「無料回収」は利用しない(積み込み後の高額請求の典型パターンです)
- 依頼前に「一般廃棄物処理業の許可(または市の委託・提携)」を確認する
- 会社の所在地・固定電話・料金表が公開されているかを確認する
- 1社即決せず、複数社から相見積もりを取って比較する
出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日)/環境省「廃棄物の処分に無許可の回収業者を利用しないでください」(いずれも執筆時点)
自治体の粗大ごみと業者はどちらが安い?

「結局、自治体と不用品回収業者ではどちらが安いの?」という疑問はよくあります。結論から言うと、少量で日程に余裕があるなら自治体が安く、大量・急ぎ・運び出しが大変なら業者が便利という、費用と手間のトレードオフの関係です。
自治体の粗大ごみ収集は、多くの自治体で回収費用の一部が税金で賄われているため、1点あたりの手数料は数百〜2,000円台と割安です。一方で、申し込みから収集まで数日〜数週間かかり、処理券の購入や指定場所への搬出も自分で行う必要があります。
不用品回収業者は、電話1本で自宅まで来て運び出しまで任せられ、即日対応や家電も含めたまとめての回収に対応できる反面、人件費・運搬費が上乗せされるため自治体より割高になります。ただし、複数の不用品をまとめて処分する場合は、積み放題プランのほうがトータルで割安になることもあります。品目が数点なら自治体、部屋まるごと・引越し規模なら業者、と量で切り替えるのが目安です。
たとえば、粗大ごみが「布団1枚・椅子1脚・自転車1台」といった数点なら、自治体の手数料制(1点数百〜千円台)で数千円に収まることが多く、自分で搬出できるなら自治体が圧倒的に割安です。一方で、「1Kの部屋を丸ごと空にする」「実家の2部屋分を一度に片付ける」といったケースでは、粗大ごみを1点ずつ申し込むより、軽トラ〜2トンの積み放題でまとめて回収したほうが手間も少なく、費用対効果が高くなりやすいと言えます。
また、費用だけでなく「自分で運び出せるか」も重要な判断軸です。大型家具や家電は、一人での搬出が難しかったり、階段作業で壁や床を傷つけるリスクがあったりします。搬出の負担や住まいの階数も考慮に入れて、無理のない方法を選びましょう。家電リサイクル法の対象品(エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機)は自治体の粗大ごみに出せず、別途リサイクル料金がかかる点にも注意が必要です。
品目別の処分方法(不用品別の捨て方リンク集)

「業者にまとめて頼むほどではないけれど、この品目だけ捨て方を知りたい」という場合は、品目別の処分方法を確認するのが近道です。自治体で処分する方法、売る・譲る方法、業者に頼む場合の目安まで、代表的な品目ごとにまとめています。
大型家具は自治体の粗大ごみか業者依頼かで迷いやすい品目です。家具全般・ソファ・ビーズクッションの捨て方は次の記事で解説しています。
自転車や家電・日用品など、分別ルールが分かりにくい品目の捨て方はこちらです。
お住まいの地域での具体的な処分先を知りたい場合は、自治体の粗大ごみ・許可業者・一括見積もりを比較した地域別の記事も参考になります。
よくある質問(FAQ)
※料金相場・各サービスの掲載内容等は執筆時点の各公式サイトおよび公的機関の公表情報をもとにした目安です。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。
まとめ:不用品回収業者は「料金相場」と「許可の確認」で選ぶ
不用品回収を業者に頼むときは、①トラック積み放題プランの料金相場(軽トラ約10,000〜25,000円、2トン約35,000〜80,000円が目安)を把握し、②家庭の不用品を有料で回収できるのは市区町村の許可(または委託)を受けた業者だけという「許可の確認」を最優先にすることが、失敗を避ける最大のポイントです。
- 少量・急がない → 自治体の粗大ごみ収集(費用が最も安い)
- 許可を確認して確実に頼みたい → 市の一般廃棄物処理業の許可業者
- 大量・急ぎ・相見積もりしたい → 審査制の一括見積もり・マッチングサービス
- 「無料回収」の巡回トラック・チラシは使わない(高額請求トラブルの典型)
品目が数点だけなら、まずは品目別の処分方法をチェックして、自治体で安く処分できないかを確認するのがおすすめです。安全で納得のいく不用品処分のために、料金相場と許可の確認を忘れずに、自分の状況に合った依頼先を選んでください。