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遺品整理業者の選び方|許可・見積書で確認する6項目と依頼の流れ

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親御さんや連れ合いを見送ったあと、住まいに残された家財をどうするか。自分たちだけでは手が回らないと分かっていても、いざ遺品整理を業者に頼もうとすると、検索結果に並ぶ会社のどこが違うのか分からず、そこで手が止まってしまう方は少なくありません。

先にお伝えすると、業者選びの起点は料金でも口コミでもなく、その業者が「家庭から出た物を運ぶ許可」と「買い取る許可」を持っているかです。この2つは公的な制度に基づくもので、業者側の説明を待たなくても、依頼する側が自分で確かめられます。

この記事では、当メディア編集部が総務省行政評価局の調査結果報告書、環境省・独立行政法人国民生活センターの公表資料、警視庁と裁判所の案内、一般財団法人遺品整理士認定協会の公式情報を調べ、遺品整理業者を選ぶときに確認する6項目と依頼の流れを整理しました。間取り別の費用相場は別の記事に譲り、ここでは「どう選ぶか」だけを扱います。

読者
母の家の片付けを業者にお願いしようと思っているのですが、どこも似たようなことが書いてあって、何を基準に選べばいいのか分かりません。母の大切にしていた物もあるので、失敗したくなくて…。
編集部
お気持ちお察しします。まずは金額を比べる前に、その会社が制度上どこまでできる会社なのかを確かめるのが近道です。公的な資料で確認できる調べ方から、見積書と当日の取り決めまで、順番にご説明しますね。

【一言でいうと】遺品整理業者の選び方は「2つの許可」から確認する

図解
当メディア編集部作成

遺品整理業者を選ぶときは、家庭から出た不用品を運ぶ「一般廃棄物収集運搬業の許可(または市町村の委託)」と、買い取りを行うための「古物商の許可」の2つを最初に確認します。そのうえで、見積書・契約書・当日の取り決めを書面で詰めていくと、金額の比較も意味を持つようになります。

確認する項目は次の6つです。順番にも意味があり、上の2つが確認できない業者は、料金がどれだけ魅力的でも候補から外して構いません。

確認 見るところ どこで確かめるか
①一般廃棄物収集運搬業の許可 作業した市町村の許可(または委託・提携)があるか 自治体公式サイトの一覧/見積もり時の質問
②古物商の許可 買い取りをうたうなら許可証の番号が公開されているか 業者サイトの表示/許可証の提示
③遺品整理士の資格 民間資格であることを理解したうえでの目安 認定協会の公式サイト
④見積書と契約書 内訳・追加料金の条件・キャンセル料の記載 書面(口頭の説明だけで進めない)
⑤立ち会い・貴重品・遺言書 残す物の伝え方と、見つかったときの扱い 契約前の打ち合わせ
⑥オプションの範囲 供養・清掃・買い取りがどこまで含まれるか 見積書の項目

以下では、それぞれを公的機関の公表資料に沿って掘り下げていきます。

遺品整理業者に頼めるのは「区分」と「搬出」|依頼する範囲を先に決める

家具を運ぶ作業の様子
写真はイメージです

「遺品整理業者」という看板は同じでも、実際に引き受けている作業は会社ごとに違います。総務省行政評価局が令和2年3月に公表した調査結果報告書では、遺品整理のサービスを、遺品を依頼者の手元に残すものと不用なものとに分ける「区分」と、それを故人宅から運び出す「搬出」という2つの核に整理しています。

同報告書が調査協力を得た69事業者の内訳を見ると、「区分」した上で「搬出」まで行う事業者は45、「区分」のみを行い搬出は他の許可事業者や依頼者が行うという事業者は21でした。ほかに、依頼者が不用と区分したものの「搬出」のみを行う事業者が1、遺品の「供養」をする事業者が1、仏壇を専門に引き取る事業者が1と記載されています。

つまり、同じ業種名でも「仕分けを一緒にやってくれる会社」と「運び出しを担う会社」では、頼めることが異なります。問い合わせの前に、仕分けから任せたいのか、自分たちで分けたものを運んでほしいのかを決めておくと、話が早く進みます。

出典:総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)(2026年8月時点)

手元に残す物の仕分けだけでもご自身で進めておきたい場合の手順は、次の記事にまとめています。

確認①一般廃棄物収集運搬業の許可(または市町村の委託)があるか

書類の整理・保管の様子
写真はイメージです

遺品整理では、家財のうち相当量が廃棄物になります。事業として一般家庭から出た廃棄物の運搬を行うには、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第7条第1項に基づく市町村の許可が必要で、この許可は国や都道府県ではなく市町村ごとに出されます。

環境省のQ&Aページでは、Q3として「産業廃棄物処理業の許可」と「古物商の許可」を持つ回収業者に依頼してよいかという問いを立て、ご家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要であり、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと答えています。産業廃棄物処理業許可は工場や企業の廃棄物を処理するための許可だ、という説明も同じページにあります。

許可を持たない事業者も実際にいる、という前提で確認する

前述の総務省の報告書には、この点の実態が数字で載っています。調査協力を得られた69事業者の許可の取得状況は、一般廃棄物収集運搬業許可及び古物商許可を取得が27、一般廃棄物収集運搬業許可のみ取得が7、古物商許可のみ取得が32、どちらも取得していないが3でした。一般廃棄物収集運搬業の許可を取得していない事業者が35あったことになります。

ただし、これは「35社が違法」という意味ではありません。同報告書は、許可を取得していない35事業者の廃棄物の取扱いとして、サービス実施場所の市町村の許可事業者を活用するが18、自社から排出された廃棄物として取引のある許可事業者に処理を依頼するが14、廃棄物の処理は依頼者が行うこととしているが3だったと整理し、違法性等に関する事実認定や判断は行わないと明記しています。依頼する側としては、「誰が、どの許可で運ぶのか」を説明してもらえるかどうかを見るのが現実的です。

あわせて知っておきたいのが、この許可は申請すれば必ず取れるものではないという点です。報告書は、市町村による収集運搬が困難であることや市町村の一般廃棄物処理計画に適合することなどを満たして初めて与えられる(廃掃法第7条第5項)ため、一定の能力を示せば必ず許可が取得できるという性格のものではない、と説明しています。

遺品整理に限定した許可を出している自治体もある

報告書によると、遺品整理に伴い発生した廃棄物に限定して許可を付与している市町村が、調査に協力した28市町村のうち4市町村ありました。福岡市は令和元年7月に、遺品整理に伴い発生した廃棄物に限定した許可を遺品整理サービス事業者へ新たに付与しています。

福岡市の公式ページには現在、「遺品整理及び引越時に発生する家庭系ごみに限定した一般廃棄物収集運搬業許可について」として、自ら請け負った遺品整理又は引越時に発生する家庭系ごみに対象を限定していること、許可の有効期間が許可証交付日から2年間であることが記載され、許可を受けた業者名も公表されています(2026年8月時点で2社)。許可が市町村ごとの制度であることが、この一例からもよく分かります。

許可を確認する3つの方法

方法 やること 確認できること
自治体の公表資料を見る 作業する市町村名と「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」で検索し、自治体公式サイトの名簿を開く 依頼先の社名が名簿にあるか
業者に質問する 「○○市の一般廃棄物収集運搬業の許可はお持ちですか」と尋ねる 許可番号と許可を出した市町村名を答えられるか。委託・提携なら提携先の許可
自治体の窓口に聞く ごみ担当課に電話し、その社名で許可を出しているか確認する 名簿が見つからないときの確実な方法

出典:環境省「廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」Q3福岡市「遺品整理及び引越時に発生する家庭系ごみに限定した一般廃棄物収集運搬業許可について」(いずれも2026年8月時点)

街を巡回する無料回収のトラックに家財を渡してしまうケースについては、別の記事で注意点を整理しています。

確認②買取をうたうなら古物商許可の番号が公開されているか

調べ物をして検討する女性
写真はイメージです

「使えるものは買い取って処分費用から差し引きます」という案内は、遺品整理の見積もりでよく出てきます。中古品の売買を業として行うには古物営業法上の古物商の許可が必要で、この許可は営業所が所在する都道府県公安委員会が出します。総務省の報告書も、遺品のうち古物に該当するものの買取り・売却を行うためには古物商の許可が必要だと明記しています。

環境省のQ&Aページでは、Q5として、比較的新しくて十分に使える家電製品を中古品として売却したい場合について、古物商の許可を有し、信用できる業者に中古品としての買取りを依頼してくださいと案内しています。買い取りは処分とは別の制度で動いている、という整理です。

サイトに許可番号が載っているかを見る

確認の入口は、業者のウェブサイトです。警視庁の解説によると、令和6年4月1日施行の古物営業法の改正で、古物商または古物市場主は、氏名又は名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号をウェブサイトの消費者の目につきやすい箇所に明瞭に掲載することとされました。常時使用する従業員が5人以下の場合などの除外規定はありますが、インターネット取引を用いる特定古物商は除外規定にかかわらず掲載義務があるとされています。

つまり、サイト上で買い取りをうたっているのに公安委員会名と許可証の番号がどこにも見当たらない場合は、その理由を尋ねてよい、ということです。会社概要やフッターに記載されていることが多いので、問い合わせ前に一度探してみてください。

自宅での買い取りは「訪問購入」に当たる場合がある

ご自宅で査定・買い取りを受ける取引は、特定商取引法の「訪問購入」に該当する場合があります。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、訪問購入について、勧誘に先立って事業者の氏名や勧誘の目的、購入しようとする物品の種類を告げること、勧誘の要請をしていない相手に自宅等で勧誘してはならないこと、契約時に物品の種類・購入価格・申込みの撤回に関する事項などを記載した書面を渡すことが定められていると説明されています。

個々の取引が訪問購入に当たるかどうかは事情によって変わるため、ここでは制度の紹介にとどめます。判断に迷うときは、消費者ホットライン「188」からお住まいの消費生活センターへ相談できます。

出典:警視庁「古物営業法の一部改正について(令和6年4月1日施行)」消費者庁「訪問購入|特定商取引法ガイド」(いずれも2026年8月時点)

どんな遺品に値がつきやすいのか、査定の受け方は次の記事で詳しく解説しています。

確認③遺品整理士の資格をどう見るか|国家資格ではない

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

業者のサイトでよく目にする「遺品整理士」は、一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格です。国が与える許可や国家資格ではないため、資格の有無と、前の2つで見た許可の有無は別の話になります。ここを混同すると、「有資格者がいるから安心」と考えて許可の確認を飛ばしてしまいます。

同協会は北海道千歳市に所在し、公式サイトでは、遺品整理という事業を通じて家族の証や地域の絆の復活をはかるため、法例を守り、すぐれた遺品整理士の養成を行うことを事業目的として掲げています。あわせて「優良企業一覧」のページで、資格の認定を受けて適正業務を行っているとする企業を都道府県別に公開しており、2026年8月時点の登録企業数は1,637社と表示されています。

資格を、遺品の扱いや貴重品の捜索に慣れているかどうかの目安として使うのは有効です。ただし判断の軸はあくまで許可と書面で、資格は補助的な材料と位置づけておくと、選び方がぶれません。

出典:一般財団法人遺品整理士認定協会「協会概要」同協会「優良企業一覧」(いずれも2026年8月時点)

資格の取り方や「資格はいらない」と言われる理由まで知りたい方は、次の記事をご覧ください。

確認④見積書と契約書に内訳・追加料金・キャンセル料が書かれているか

書類を整理・記入する様子
写真はイメージです

独立行政法人国民生活センターは2018年7月19日、遺品整理サービスの契約トラブルについて公表しました。同ページには、見積もりの際にせかされて契約したという相談、解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求されたという相談、作業時に予定外の料金を請求され最終的に見積金額の2倍の費用を請求されたという相談、処分しないよう頼んだ物を勝手に処分されたという相談が、相談事例として紹介されています。

同センターが挙げている消費者へのアドバイスは5つです。複数社から見積もりを取るなど事業者の選定は慎重に行うこと、作業内容や費用を明確に出してもらうなど見積書の内容を十分に確認すること、料金やキャンセル料・具体的な作業内容を事前に確認すること、残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくこと、そして事業者とトラブルになった場合には消費生活センターに相談することです。

見積書と契約書の実態を知っておく

総務省の報告書は、この見積書と契約書の実情も調べています。69事業者のうち、見積りに当たって書面を作成していることが確認できたのは63、見積料については57事業者が「徴収しない」と回答しました。一方で、事業者を通じて用いられているような見積書の様式は無く、諸項目を積算して見積もる例もあれば「○○一式」と見積もる例もあると記載されています。追加料金について見積書で明記している事業者は4にとどまりました。

契約書については、作成することが確認できた事業者が43(うち見積書で代替しているのが6)、作成していないことが確認できた事業者が24で、その理由として「必要性を感じない」が17でした。見積書・契約書のいずれも作成していない事業者も5あったとされています。キャンセル料については、実際の契約書に、依頼者の事情によるキャンセルや日時の変更について当日キャンセルは見積額の40%、前日キャンセルは見積額の20%を請求するといった記述がみられた例が挙げられています。

ここから言えるのは、書面が出てくるかどうか、そこに内訳と条件が書かれているかどうかは会社によって差がある、ということです。「一式」でまとめられた見積書を受け取ったら、車両費・人件費・処分費・オプションの内訳と、どんなときに追加料金が発生するのかを、書面に足してもらうよう頼んでみてください。

見積書はどのくらいの金額で出てくるのか

同報告書は、提供を受けた実際の見積書75例の金額分布も公表しています。10万円以下が7例、10万円超20万円以下が19例、20万円超30万円以下が23例、30万円超40万円以下が12例、40万円超50万円以下が5例、50万円超60万円以下が3例、60万円超100万円以下が4例、100万円超が2例でした。報告書には税込・税別の表記はありません。

ただしこれは間取り別の相場ではなく、集まった見積書の分布です。報告書自身も、サンプリングなどの統計の手法を使って得たものではないこと、これを実績値と考えるべきではないことを注記しています。ご自宅の条件でいくらになるかは、現地を見てもらった見積もりでしか出ません。

なお同報告書は、国民生活センターのレポートを引用する形で、支払い手段の9割以上が即時払い(現金等での一括払い)となっていると紹介しています。支払いのタイミングと方法も、契約前に確認しておきたい項目です。

出典:独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル−料金や作業内容に関するトラブルが発生しています−」(2018年7月19日公表)総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査結果報告書」(令和2年3月)(いずれも2026年8月時点)

間取りごとの費用の目安や、費用を抑える考え方は費用の記事に、実際にトラブルが起きてしまったときの動き方は次の記事にまとめています。

確認⑤立ち会い・貴重品・遺言書の扱いを先に決められるか

古い写真アルバム
写真はイメージです

遺品整理でいちばん取り返しがつかないのは、残すつもりだった物が処分されてしまうことです。国民生活センターも、残しておく遺品と処分する遺品を明確に分けておくようアドバイスしています。手元に残したい物は、可能であれば作業前に別の部屋へ移すか、箱にまとめて印を付けておくと確実です。

遠方に住んでいて当日に行けない、という事情もあります。総務省の報告書では、原則立会い不要とする事業者が69のうち14あり、その理由として「依頼者が遠方に住んでいる場合が多いため」「多くの依頼は単純な家財の処分であるため」といった回答が挙げられています。また、原則立会い不要とする場合でも、手元に残したい遺品の事前の運び出しを依頼したうえで、作業前後の写真を撮影して依頼者の携帯電話にメールで送付する、作業後に作業完了報告書等を作成・送付するなどの対応をしている事業者がみられたと記載されています。立ち会えない場合は、記録をどう残してもらえるかを契約前に決めておきましょう。

遺言書が出てきたら、その場で開けない

作業中に封のされた遺言書が出てくることがあります。裁判所の案内によると、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないとされています。検認は、相続人に対し遺言の存在および内容を知らせるとともに、遺言書の形状や加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における内容を明確にして偽造・変造を防止する手続で、遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

検認の申立てをするのは遺言書の保管者、または遺言書を発見した相続人で、申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。なお、公正証書による遺言と、法務局に保管されている自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書は検認が不要とされています。

現金・預金通帳・印鑑・権利証といった貴重品も同様に、見つけたら作業を止めて依頼者へ渡してもらう取り決めを、打ち合わせの段階で共有しておくと安心です。相続の手続きそのものについては、専門家や家庭裁判所の窓口にご相談ください。

出典:裁判所「遺言書の検認」(2026年8月時点)

確認⑥供養・清掃・買取などオプションの範囲が書面にあるか

寺社・供養にまつわる情景
写真はイメージです

遺品整理の見積書には、仕分けと搬出のほかに、さまざまなオプションが並びます。総務省の報告書では、「区分」と「搬出」以外にオプションでハウスクリーニングや家屋のリフォーム、解体等を実施するものもあると記載されており、見積書には遺品整理の核となるサービスのほかに、家電4品目のリサイクル費用や清掃などのオプションサービスに関する費用を計上する事業者も多いと整理されています。

パソコンやスマートフォンといったデジタル遺品の扱いについても、同報告書は、専門家と連携してデータの取出しを行っているとする事業者がある一方で、「そのまま返却する」「依頼があればハードディスク等を破壊する」と回答する事業者が多かったと記載しています。データをどうするかは会社ごとに方針が違うため、パソコンを残す場合はここも確認事項です。

仏壇や写真の供養(お焚き上げ)は、対応する会社もあれば行わない会社もあります。前述のとおり、遺品の「供養」をする事業者は69のうち1、仏壇を専門に引き取る事業者も1と記載されており、標準で付いてくるサービスではありません。宗派や地域によって作法も異なるため、希望する場合は早い段階で相談してください。

契約書に何が書かれているかも見ておく

同報告書は、提供を受けた見積書・契約書の記載内容として、実施するサービスの内容、依頼者の秘密保持、個人情報の取扱いのほか、損害賠償やトラブルが発生した場合の取扱い、依頼者が他の相続人の同意を得て遺品の処分権限を有していること、搬出した遺品の所有権の放棄などを記載している例があったと紹介しています。

特に、相続人が複数いるご家庭では、「他の相続人の同意を得ていること」を依頼者側が確認する条項が入ることがあります。あとから親族間で行き違いにならないよう、依頼の前に家族で合意を取っておくことをおすすめします。

遺品整理業者に依頼する流れ

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

ここまでの6項目を、実際の依頼のどの場面で確認するかを流れに沿って並べます。相談から作業日まで、日程が合えば1〜2週間ほどで進むことが多いですが、繁忙期や人気の会社は先まで予約が埋まっていることもあります。

1相談時に住まいの条件と希望を伝える

間取り、階数とエレベーターの有無、トラックを停められる場所、仕分けから頼みたいのか搬出だけかを伝えます。この段階で「作業する市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可はお持ちですか」と質問しておくと、そのあとの比較が楽になります。

2現地を見てもらい、見積書を受け取る

実際に部屋を見てもらったうえで、書面の見積書を出してもらいます。内訳が「一式」だけになっていないか、追加料金が発生する条件、キャンセル料の定めが書かれているかを、その場で確認します。

3複数社の見積書を同じ条件で並べる

国民生活センターも複数社から見積もりを取るよう案内しています。金額だけでなく、作業範囲・オプションの含み方・支払い方法まで並べて比べると、安さの理由が見えてきます。その場で契約を急かされたときは、いったん持ち帰って構いません。

4残す物と貴重品・遺言書の扱いを決めて契約する

手元に残す物の印の付け方、貴重品が出てきたときの連絡方法、立ち会えない場合の記録の残し方を取り決めます。決まった内容は口頭で終わらせず、契約書か見積書の備考に残してもらいます。

5作業当日と支払い

当日は、残す物の確認から始めます。作業後は、仕上がりと搬出後の状態を見てから、見積書どおりの金額かを確かめて支払います。聞いていない請求があれば、その場で内訳の説明を求めてください。

自分で何社も探して日程を調整するのが難しいときは、業者を検索・紹介するサービスを使う方法もあります。「みんなの遺品整理」は株式会社LIFULL seniorが運営する片付け・遺品整理業者の検索サイトで、公式サイトには、遺品整理士の資格を発行する遺品整理士認定協会と提携し、加盟審査を通った業者を掲載していること、最大3社まで紹介し相見積りの手配を行うこと、全国914社の空き状況を把握していることが記載されています(2026年8月時点)。いずれの方法でも、紹介された各社と日程を調整して訪問見積もりを受ける手間は残りますので、時間に少し余裕を持って動き始めてください。

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遺品整理業者の選び方についてよくある質問(FAQ)

Q見積もりは何社くらいから取ればよいですか。

A国民生活センターは、複数社から見積もりを取るなど事業者の選定は慎重に行うようアドバイスしています。何社という決まりはありませんが、金額の妥当性を判断するには2〜3社を同じ条件で比べると差が見えやすくなります。訪問見積もりには一定の時間がかかるため、日程に無理のない範囲で社数を決めてください。

Q一般廃棄物収集運搬業の許可がない業者は、すべて頼んではいけないのですか。

A一律に判断することはできません。総務省の調査では、許可を取得していない事業者の多くが、作業場所の市町村の許可事業者を活用したり、取引のある許可事業者に処理を依頼したりしていました。大切なのは、家財のうち廃棄物になる分を誰がどの許可で運ぶのかを説明してもらえるかです。説明があいまいなまま契約するのは避けましょう。

Q遺品整理士がいる業者なら安心して任せられますか。

A遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会の民間資格で、国の許可ではありません。遺品の扱いに慣れているかの目安にはなりますが、資格の有無は許可の有無とは別の話です。資格を確認する場合も、一般廃棄物収集運搬業の許可と見積書の内訳は、あわせて確かめてください。

Q遠方に住んでいて作業に立ち会えません。頼めますか。

A立ち会いを原則不要としている事業者もあります。総務省の調査では、そうした事業者の中に、作業前後の写真を送付したり、作業完了報告書を作成・送付したりして対応している例がみられました。依頼する際は、残したい物を事前に運び出せるか、記録をどの形で受け取れるかを確認しておくと安心です。

Q口コミはどう読めばよいですか。

AWeb上では「思い出の品を丁寧に扱ってもらえた」という声が見られる一方で、「当日になって作業範囲の認識が食い違った」という指摘も見られます。評価の高さだけでなく、投稿の日付が新しいか、作業の内容が具体的に書かれているかを見て、良い評価と不満の両方に目を通してから判断しましょう。

※本記事の許可・制度に関する記述、事業者数や件数などの数値は、執筆時点(2026年8月)に各公的機関・公式サイトで公開されていた情報にもとづきます。料金は家財の量・住まいの条件・地域・業者によって変わり、記載した金額分布は相場を示すものではありません。相続や個別の契約に関する判断は、専門家やお住まいの消費生活センターにご相談ください。

まとめ

遺品整理業者の選び方は、①作業する市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(または委託・提携)、②買い取りをうたうなら古物商の許可証の番号、③遺品整理士は民間資格という位置づけ、④見積書と契約書の内訳・追加料金・キャンセル料、⑤立ち会いと貴重品・遺言書の取り決め、⑥供養や清掃などオプションの範囲、という6項目に整理できます。

大切なご家族の暮らしの跡を人に託すのは、簡単なことではありません。それでも、確認すべきところが分かっていれば、限られた時間のなかでも納得して任せられる相手を選べます。費用の目安を知ってから動きたい方は、あわせて次の記事もご覧ください。

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