※当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、記事内に広告(PR)を含む場合があります。
誰も住まなくなった実家の家財を業者にまとめて任せたい。そう考えて検索すると、不用品回収・遺品整理・空き家整理と名乗る業者がずらりと並び、「どこに頼めば安心なのか」で手が止まってしまいがちです。空き家の片付けは一度に大量の家財を引き渡すうえ、遠方から依頼するケースも多いため、業者選びの失敗が高額請求や不法投棄といったトラブルに直結しやすい分野でもあります。
この記事では、空き家の片付け業者の選び方を「空き家の所在地の市区町村の許可・委託」という軸から整理し、遺品整理業者との違い、費用の目安、遠方から立ち会いなしで依頼する方法、買取を併用して費用を抑えるコツまでをまとめました。当メディア編集部が環境省・国民生活センターの公表資料と複数の事業者の公開料金を調査して構成しています。


空き家の片付けはどんな業者に頼める?遺品整理業者との違い

空き家の残置物の片付けを依頼できる業者は、大きく分けて「不用品回収・片付け系」と「遺品整理系」の2タイプです。名前は違っても作業内容は重なる部分が多く、どちらのタイプでも、家財の搬出・処分を任せるなら空き家の所在地の市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可(または委託・提携)が前提になります。
| タイプ | 得意なこと | 向いているケース |
|---|---|---|
| 不用品回収・片付け系 | 大量の家財の分別・搬出・処分をスピーディーに | とにかく早く空にしたい・売却や解体の期限がある |
| 遺品整理系 | 形見や貴重品を探しながらの丁寧な仕分け・供養の手配 | 故人の家財が残っている・思い出の品を大切に扱ってほしい |
| (参考)自治体ルート | 粗大ごみ収集など費用を抑えた処分 | 自分で仕分け・搬出できる量に収まる |
「遺品整理士が在籍」とうたう業者も多く見かけますが、遺品整理士は一般財団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格で、廃棄物を運搬するための行政の許可とは別物です。資格は仕分けの丁寧さを推し量る材料にはなりますが、資格の有無と、ごみを合法的に運べるかどうかは切り離して確認する必要があります。遺品整理士の資格の中身はこちらの記事で詳しく解説しています。
なお、貴重品の仕分けなど片付け全体をどんな順番で進めるか、自分でやるか業者に頼むかの判断基準は、空き家の片付けの記事にまとめています。まだ全体像を描けていない方はこちらから読むのがおすすめです。
空き家の片付け業者の選び方|5つのチェックポイント

業者のサイトや広告の印象だけで決めず、次の5点を順番にチェックしましょう。①が最初にして最大の関門です。
1空き家の所在地の市区町村の許可・委託があるか
空き家から出る家財は家庭の廃棄物(一般廃棄物)にあたり、その収集・運搬を業として行えるのは、廃棄物処理法に基づく市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者か、市区町村から委託を受けた業者に限られます。この許可は市区町村ごとに出るため、確認先は自分の居住地ではなく空き家がある自治体です。
2買取もお願いするなら古物商許可があるか
家財の買取には、都道府県公安委員会の古物商許可が別に必要です。「買取額を作業費から差し引きます」という提案を受けるつもりなら、会社概要や見積書で「◯◯県公安委員会許可 第◯号」の表記を探しておきましょう。
3見積書に内訳と追加料金の条件が明記されているか
人件費・車両費・処分費などの内訳が書面で示されるか、2階からの搬出・トラックを横付けできない場合の運搬距離・物置や庭の残置物といった追加料金の発生条件が事前に説明されるかを見ます。総額が「一式」でしか示されない業者は比較のしようがありません。
4遠方からの依頼に対応する仕組みがあるか
写真や動画での概算見積もり、鍵預かりでの作業、作業前後の写真報告など、立ち会いを減らす仕組みの有無は空き家ならではの確認項目です。対応範囲は業者ごとに大きく違います。
5損害賠償保険と近隣への配慮
長く空けていた家は建具や床が傷んでいることもあり、搬出時の破損リスクは残ります。損害賠償保険の加入と、養生・作業車の駐車位置・近隣への声かけといった配慮を事前に確認しておくと、離れていても安心です。
許可の確認は「空き家の所在地」の市区町村で行う
①の確認方法は難しくありません。見積もりの問い合わせ時に「◯◯市(空き家の所在地)の一般廃棄物収集運搬業の許可か委託に基づいて運搬してもらえますか」と聞き、許可番号や委託・提携先を答えられるかを見るだけです。あいまいな返事しか返ってこない業者は、その時点で候補から外して構いません。
国民生活センターも、市区町村以外に不用品の処分を頼む場合は市区町村のホームページや窓口への問い合わせで一般廃棄物処理業の許可業者を探し、複数社から見積もりを取って追加料金がかからないことを確認するよう案内しています(2022年11月公表)。空き家の所在地の自治体サイトで一覧が見つからないときは、ごみ担当課に電話すれば教えてもらえます。帰省のついでに窓口へ寄って、許可業者を紹介してもらうのも確実な方法です。
空き家で悪質な回収業者に遭わないための見分け方

空き家の郵便受けには回収業者のチラシが投函されがちで、久しぶりに帰省したときに目にして「ちょうどいい」と連絡したくなるかもしれません。しかし環境省は、家庭の廃棄物を回収できるのは一般廃棄物処理業の許可を持つ業者(または市区町村の委託を受けた業者)であり、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと注意を呼びかけています。同ページでは、無許可の回収業者による不法投棄や、回収時に高額な処理料金を請求された事例も紹介されています。
金銭トラブルの相談も少なくありません。国民生活センターの公表資料によると、不用品回収サービスに関する相談は2021年度に2,231件寄せられており、「軽トラックパック7,000円・2トントラックパック2万5,000円」という広告を見て申し込んだところ、作業当日に25万円を請求されたという事例が紹介されています。広告を大々的に出している事業者が必ずしも許可業者とは限らない、という同センターの指摘は、空き家の片付けでもそのまま当てはまります。
空き家の場合は特に、依頼者が遠方にいて相場感のないまま「せっかく来てもらったから」とその場で契約してしまいやすい状況があります。訪問当日に契約を迫る・総額を書面で出さない・会社の所在地や許可の説明を避ける業者とは、その場で契約しないと決めておきましょう。万が一、身に覚えのない高額請求を受けたら、その場で支払わず消費者ホットライン「188」に相談する方法があります。
街を巡回する廃品回収車や「無料回収」をうたうトラックの仕組みと断り方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
信頼できる不用品回収業者の探し方を広く知りたい方は、不用品回収業者のおすすめ記事もあわせてどうぞ。
空き家の片付け業者の費用相場

費用は間取りと物量でおおむね決まります。空き家片付けの事業者検索サイト「みんなの遺品整理」(株式会社LIFULL senior運営)が公開する相場では、1Kで33,515円〜、4LDKで214,583円〜が目安とされています(執筆時点・2026年7月)。一軒家まるごとなら、物量次第で数十万円規模になると考えておくと現実的です。
同じ間取りでも金額を左右するのは、家財の量、トラックを敷地に付けられるか、階段搬出の有無、買取できる品の有無といった条件です。「〜円から」の下限額ではなく、現地見積もりの総額と追加料金の条件で2〜3社を比較するのが、後悔しない選び方です。間取り別の詳しい金額や安く抑える工夫は、一軒家の片付け費用の記事で解説しています。
遠方から立ち会いなしで空き家の片付けを依頼する方法

「何度も帰省できない」という方のために、多くの業者が立ち会いを減らす依頼方法を用意しています。一般的な流れは、①各部屋の写真や動画を送って概算見積もりを取る、②可能なら1回だけ現地で正式見積もりと打ち合わせ、③作業当日は鍵を預けて任せ、④作業前後の写真報告と施錠確認を受けて精算、というものです。完全に立ち会いなしで完結できるかは業者により異なるため、最初の問い合わせで確認しましょう。
任せきりにする分、取り決めは書面に残すことが大切です。次の4点を押さえておくとトラブルを防ぎやすくなります。
- 残す物の指定:権利証・通帳・印鑑・アルバムなど「見つけたら残す物」をリスト化して共有する(貴重品の仕分けは可能な限り自分で先に済ませる)
- 鍵の受け渡し方法:郵送か手渡しか、作業後の返却方法と施錠の最終確認者を決める
- 報告の形式:作業前・作業後の室内写真、買取品や発見物の一覧を送ってもらう
- 支払い条件:追加料金が発生する場合は作業前に連絡・承諾を取る取り決めにする
庭の物置や敷地内の残置物も見積もり対象に含められることが多いので、写真を送る際は屋外もひと通り撮っておくと、当日の「見積もり外」を減らせます。
買取を併用して空き家の片付け費用を抑えるコツ

長年人が暮らした家には、桐たんすや鉄瓶、着物、骨董、カメラ、切手など「古いからこそ値が付く物」が眠っていることがあります。買取に対応する片付け業者なら、査定額を作業費から差し引いてもらえる場合があり、処分費の圧縮につながります。
ここでも確認するのは許可です。前述のとおり中古品の買い受けには古物商許可が必要で、買取をうたいながら許可の表記がない業者は避けるのが無難です。骨董や着物など専門性の高い品は、片付け業者の査定と買取専門店の査定で評価が分かれることもあるため、高く売れそうな品だけ事前に専門店へ相談しておく方法もあります。
「これは売れるのか捨てるべきか」の見極めは、無理に自分で判断せず、見積もりの際に「買取できる物があるか見てほしい」と伝えるだけでも十分です。査定は無料の業者が多いものの、条件は事前に確認しておきましょう。
空き家の片付け業者に依頼する流れ

実際の依頼は、次の5ステップで進みます。問い合わせから作業完了まで、早ければ1〜2週間程度です。
1問い合わせ・相談
空き家の所在地・間取り・家財の量(写真があるとスムーズ)を伝えます。この時点で許可・委託と遠方対応の可否を確認しておきましょう。
2見積もり(現地または写真・動画)
現地見積もりが基本ですが、遠方なら写真・動画での概算→現地で確定という2段階も可能です。買取希望の品もこの段階で見せます。
32〜3社を比較して契約
総額・内訳・追加料金の条件・作業日数を並べて比較し、書面で契約します。キャンセル料の規定もここで確認します。
4作業当日
分別・搬出・買取品の引き取りが行われます。立ち会わない場合は、写真報告と発見物の連絡方法をあらかじめ決めておきます。
5仕上がり確認・精算
作業後の室内を確認(遠方なら写真で確認)し、見積もりどおりの金額かをチェックして精算します。
依頼先探しには、掲載審査を設けている事業者検索サイトを起点にすると、候補を絞り込みやすくなります。みんなの遺品整理は、遺品整理士の資格を持つ事業者のみを掲載する検索サイトで、空き家の片付けにも対応しており、地域と間取りから無料で見積もり相談ができます。
空き家の片付け業者についてよくある質問(FAQ)
※料金・サービス内容は執筆時点(2026年7月)の各公式サイト・公表資料に基づく目安です。最新の情報は各公式サイト・自治体窓口でご確認ください。
まとめ
空き家の片付け業者は、①空き家の所在地の市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可・委託、②買取併用なら古物商許可、③見積書の内訳と追加料金の条件、④遠方対応の仕組み、⑤保険と近隣配慮、の5点で選べば大きく外しません。とくに許可の確認先が「自分の住む街ではなく空き家のある自治体」である点は、覚えておきたいポイントです。
遠方からでも、写真見積もりと書面での取り決めを使えば立ち会いを最小限にできます。まずは2〜3社から見積もりを取り、総額と対応を比べるところから始めてみてください。