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受験や安産、健康、交通安全——。願いを込めていただいたお守りは、一年を過ごすうちにいくつも手元にたまっていくものです。新しいお守りをいただいたり、願いが叶ったりしたとき、「古いお守りをどう手放せばいいのか」「そのままゴミに出してよいのだろうか」と、ためらいながら引き出しにしまったままにしている方は少なくありません。
結論から申し上げると、お守りは「捨てる」前に、感謝の気持ちを込めて授かった神社やお寺へ返納し、お焚き上げしていただくのが基本とされています。とはいえ、遠方でいただいたお守りや、事情があってお参りに行けない場合もあります。
この記事では、お守りの手放し方を「①授かった神社・お寺へ返納」「②近くの神社・お寺へ返納」「③どんど焼き(左義長)」「④郵送で返納」「⑤自宅で手放す」の5つに分け、それぞれの方法と作法、費用の目安、注意点を、神社本庁など公的な情報をもとに落ち着いてご説明します。神社のお守りとお寺のお守りで返す先が異なる点にも触れていきます。


【最初に】お守りは「捨てる」前に、感謝して返納・お焚き上げを

お守りは、神社であれば神様の、お寺であれば仏様のご加護を願ってお受けするものです。そのため、役目を終えたお守りも、単なる不用品として処分するのではなく、一年間見守っていただいたことへの感謝を伝えたうえで手放すという考え方が大切にされています。
最も丁寧とされるのは、お守りをお受けした神社やお寺へお返しし、お焚き上げ(浄火でお焚きあげる儀式)をしていただく方法です。多くの寺社の境内には、古いお守りやお札を納めるための「古神札納所(こしんさつのうじょ)」や「納め所」が設けられています。
神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へ
気をつけたいのは、神社でいただいたお守りは神社へ、お寺でいただいたお守りはお寺へお返しするのが基本とされている点です。神様をおまつりする神社と、仏様をおまつりするお寺は、信仰の成り立ちが異なるためです。
お守りの表面に神社名が書かれていれば神社、寺院名やご本尊の名が書かれていればお寺のものと見分けられることが多いです。判断に迷うときは、納める前にその社寺の社務所・寺務所に確認しておくと安心です。
お守りを手放すタイミングの目安
お守りを手放す時期に、厳密な決まりがあるわけではありません。神社本庁は、お守りについて「年末に神社にお焚き上げしてもらい新しいお守りを受けるのが基本だが、願いが叶うまで身につけても差し支えない」という趣旨の案内をしています。
一つの目安として「いただいてから一年」「願いが叶ったとき」を区切りにする方が多いようです。ただしこれは信仰や地域、社寺の考え方によって異なるため、あくまで目安として、ご自身の気持ちの区切りで手放してよいものとされています。
お守りの処分・返納方法5つの比較早見表

お守りを手放す方法は、大きく分けて次の5つです。まずは全体像を早見表で確認しましょう。丁寧さ・手間・費用の目安を見ながら、ご自身の状況に合う方法を選んでいきます。
| 方法 | 費用の目安 | 手間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ①授かった神社・お寺へ返納 | お焚き上げ料(お気持ち) | その社寺へお参りに行く | 最も丁寧に手放したい人 |
| ②近くの神社・お寺へ返納 | お焚き上げ料(お気持ち) | 近所の社寺へ持参・要ひと声 | 遠方でいただいた人 |
| ③どんど焼き(左義長) | 無料〜お気持ち | 1月中旬の行事に合わせる | 正月飾りとまとめて納めたい人 |
| ④郵送で返納 | 送料+お焚き上げ料 | 受付可否の事前確認が必要 | お参りに行けない人 |
| ⑤自宅で手放す | 基本無料 | 塩でお清めし紙に包む | 近くに返納先がない人 |
ポイントは、どの方法でも「これまで見守っていただいたことへの感謝」を大切にするという点です。費用は社寺やお守りの種類によって幅があり、あくまで執筆時点の目安です。次章から一つずつ、作法と注意点を見ていきましょう。
方法①授かった神社・お寺へ返納する(古神札納所に納める)

最も丁寧で正式とされるのは、お守りをお受けした神社やお寺へ、直接お返しする方法です。神社本庁も、古いお神札・お守りは「一年間お守りいただいたことに感謝を申し上げてから、受けた神社の古神札納所等へ納めてお焚き上げしていただく」という趣旨の案内をしています。
多くの寺社では、境内の授与所(お守りをいただく窓口)の近くや参道脇に「古神札納所」「古札納め所」と書かれた箱や場所が設けられています。ここに、感謝の気持ちとともにそっとお守りを納めます。分からないときは社務所・寺務所でたずねると案内していただけます。
お焚き上げにあたっては、お気持ちとして「お焚き上げ料」や「初穂料」を納める形が一般的です。金額が決まっている社寺もあれば「お気持ちで」とされる場合もあり、目安は社寺によって異なります。納め所の近くに賽銭箱が用意されていることも多いです。
方法②近くの神社・お寺へ返納する(神仏の別に注意)

旅行先や遠方の社寺でいただいたお守りなど、授かった場所へ足を運ぶのが難しい場合は、お近くの神社やお寺へお返しすることもできるとされています。この場合も、神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へ、という神仏の別は変わりません。
ただし注意したいのは、「自分のところで授与したお守りしか受け付けない」という社寺もあるという点です。とくにお寺は、宗派によって扱いが異なる場合があります。納める前に「よそでいただいたお守りですが、こちらでお納めしてもよいでしょうか」と一声かけるのが丁寧なマナーとされています。
なお、金属製やプラスチック製のお守り、ガラスケース入りのものなどは、そのままお焚き上げできないことがあります。受け付けてもらえるかどうかも、あわせて確認しておくと安心です。
方法③どんど焼き・左義長で焚き上げてもらう

お正月明けに各地の神社などで行われる「どんど焼き」「左義長(さぎちょう)」で、お守りを焚き上げていただく方法もあります。正月飾りや古いお札とともに、お守りを浄火でお焚き上げする小正月の行事で、地域に古くから根づいた風習です。
神社本庁の案内によると、多くの神社では大晦日から1月15日(小正月)ごろにかけて左義長・どんど焼き等が行われ、正月飾りや古いお神札・お守りがお焚き上げされるとされています。時期や受け付けるものは地域・社寺によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
近年は、消防や近隣への配慮から、どんど焼きを行わない、または受け付ける品を限定する社寺も増えています。プラスチックや金属を含むお守りは受け付けられないこともあるため、持ち込む前に問い合わせておくと確実です。
方法④郵送で返納する(受け付けているか事前に確認)

遠方でいただいたお守りで、近くに同じ系統の社寺がない場合などは、郵送での返納を受け付けている社寺もあります。ただし、すべての社寺が対応しているわけではなく、送り付けは失礼にあたります。必ず先に、郵送でお納めできるかを問い合わせてから発送してください。
受け付けている場合の一般的な手順は、次のとおりです。作法や同封するものは社寺の案内に従いましょう。
1郵送で受け付けているか社寺に確認する
まず電話や公式サイトで、郵送での返納を受け付けているか、送り先や同封するもの(お焚き上げ料の納め方など)を確認します。受け付けていない社寺に送るのは避けます。
2お守りを白い紙や封筒に包む
お守りを白い半紙や封筒に包み、それを配送用の封筒・箱に入れます。感謝の気持ちを一言添えた手紙を同封する方もいます。
3お焚き上げ料を添えて送付する
社寺の案内に沿って、お焚き上げ料(初穂料)を現金書留などで添えます。宛名は「〇〇神社 社務所御中」などとし、案内があればそれに従って発送します。
送料やお焚き上げ料は自己負担が基本です。金額の目安は社寺によって異なるため、確認した内容に従って納めましょう。
方法⑤自宅で手放す(塩でお清めして白い紙に包む)

近くに返納できる社寺がなく、郵送も難しい場合は、自宅で手放すことも選択肢の一つとされています。古くから、お塩を振りかけてお清めし、白い紙などにくるんで出すやり方が、民間の慣習として広く知られています。
自宅で手放す場合の作法として、次のような手順が民間の慣習として広く紹介されています。あくまで慣習であり、決まった正解があるわけではないため、気持ちの区切りとして丁寧に行うことが大切です。
ごみの区分は自治体によって異なります。金属やガラス、鈴などが付いている場合は、素材ごとに分別が必要になることもあるため、お住まいの自治体のルールを確認してから出すようにしましょう。抵抗を感じる場合は無理をせず、返納やお焚き上げを検討するのがおすすめです。
遺品整理・生前整理でお守りや神札がまとめて出たときは

実家の片付けや遺品整理・生前整理を進めるなかで、お守りやお札、神棚まわりの品が数多く出てくることがあります。故人が大切にしてきたものだからこそ、感謝を込めて手放したいと考える方は多いものです。
点数が少なければ、これまでご紹介した返納やお焚き上げで対応できます。一方で、家財整理と並行して量が多いお守り・お札を手放したいときは、供養やお焚き上げに対応する遺品整理業者へまとめて相談するという方法もあります。その際は、一般廃棄物収集運搬業の許可(または自治体の委託・提携)があるかを確認して選ぶことが大切です。
複数の業者に見積もりを取り、供養の対応内容や費用の内訳を比べてから依頼すると安心です。急いで決めず、内容に納得してから任せましょう。
お守りを処分するときの注意点

お守りを手放すときに気をつけたい点を、いくつか整理しておきます。いずれも「感謝を込めて、決まりごとに配慮しながら手放す」という考え方につながるものです。
まず、神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へ返すのが基本という点です。よその社寺へ納める場合は、事前に受け付けてもらえるか一声かけましょう。また、金属・プラスチック・ガラスケース入りのお守りは、そのままお焚き上げできないことがあるため、素材を伝えて確認しておくと安心です。
もう一つ注意したいのが、街を巡回する「無料回収」をうたう業者や、拡声器で回るトラックにお守りや不用品をまとめて渡してしまうケースです。回収後に高額な料金を請求されたり、不法投棄につながったりするトラブルの相談が、国民生活センターなどに寄せられています。大切なお守りを託すのであれば、許可のある社寺や事業者に、内容と費用を確かめてからお願いするようにしましょう。
※作法・費用・受け付けの可否は執筆時点の一般的な情報です。信仰・地域・社寺により異なるため、最新の内容は返納先の神社・お寺にご確認ください。
お守りの捨て方でよくある質問(FAQ)
※本記事は一般的な作法・慣習をまとめたものです。信仰・地域・宗派・社寺により扱いが異なります。最新かつ正式な作法は、返納先の神社・お寺にご確認ください。
まとめ
お守りは「捨てる」前に、これまで見守っていただいたことへ感謝し、授かった神社・お寺への返納やお焚き上げで手放すのが基本とされています。難しい場合も、近くの社寺への返納・どんど焼き・郵送・自宅でのお清めなど、状況に合わせた方法があります。改めて5つの方法を振り返ります。
| 方法 | こんな方に |
|---|---|
| ①授かった神社・お寺へ返納 | 最も丁寧に手放したい方 |
| ②近くの神社・お寺へ返納 | 遠方でいただいた方 |
| ③どんど焼き(左義長) | 正月飾りとまとめて納めたい方 |
| ④郵送で返納 | お参りに行けない方 |
| ⑤自宅で手放す | 近くに返納先がない方 |
どの方法を選ぶ場合も、神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へという神仏の別と、社寺ごとの受け付けの可否を確認しておくことが大切です。遺品整理などでまとめて手放したいときは、供養に対応し、許可のある依頼先を選びましょう。故人やご自身の想いを大切に、感謝を込めて手放していただければと思います。