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四十九日の法要が近づき、本位牌を用意する段になって、「それまで手を合わせてきた白木の位牌は、このあとどうすればよいのだろう」と手が止まってしまう方は少なくありません。葬儀のあいだ故人の名前が記され、ずっとそばにあったものだからこそ、ぞんざいに扱うのはためらわれる——そのお気持ちはごく自然なものです。
先に結論をお伝えすると、白木位牌は四十九日までの「仮の位牌」であり、本位牌に切り替えたあとは、菩提寺でお焚き上げしていただくのが一般的とされています。処分の方法は「①菩提寺でのお焚き上げ」「②本位牌を購入した仏壇店での引き取り」「③お焚き上げ・供養サービス」の3つに整理できます。
この記事では、当メディア編集部が寺院・仏壇店・供養サービスの公開情報を調べ、本位牌への切り替えの流れ、宗派による考え方の違い、費用(お布施)の目安、そしてご自身で手放す場合の考え方までを、落ち着いてご説明します。


白木位牌の処分方法3つの比較早見表

白木位牌を手放す方法は、大きく分けて次の3つです。まずは全体像を早見表で確認しましょう。費用の安さだけでなく、お焚き上げ(供養)まで丁寧にお願いできるか、遠方でも頼めるかを目安にすると、ご自身に合う方法が選びやすくなります。
| 方法 | 費用の目安 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|---|
| ①菩提寺でお焚き上げ | お布施として数千円〜1万円程度(法要とは別のお気持ち) | 四十九日法要と合わせて頼める・宗派に沿った作法で送れる | 菩提寺やお付き合いのある寺院がある方 |
| ②仏壇店での引き取り | 本位牌の購入時は無料〜数千円程度 | 本位牌を買う流れでそのまま託せる | 仏壇店で本位牌を新調する方 |
| ③お焚き上げ・供養サービス | 3,000円〜1万円程度(郵送・点数で幅) | 郵送に対応する業者もあり遠方でも頼める | 付き合いのある寺院がない・遠方の方 |
ポイントは、どの方法でも「ただ捨てる」のではなく、読経などの供養を経てお焚き上げするのが基本だという点です。金額はいずれも宗派・地域・依頼先によって幅があり、あくまで執筆時点の目安になります。次章では、処分に入る前に確認しておきたい「本位牌への切り替え」から順にご説明します。
【まず知っておきたい】白木位牌は本位牌に切り替えてから手放す

白木位牌は、「仮位牌」「野位牌」とも呼ばれ、葬儀から四十九日までの忌明けを迎えるまでのあいだ、一時的に用いる白木のお位牌とされています。表面を塗らない白木のままなのは、あくまで一時的なものだからで、四十九日を境に、漆塗りなどの「本位牌」へと引き継ぐのが一般的な流れです。
この引き継ぎのために、四十九日の法要では、僧侶に読経していただいて故人の魂を白木位牌から本位牌へ移す「魂入れ(開眼供養)」を行うのが通例とされています。この儀式を経て本位牌が正式なお位牌となり、白木位牌はその役目を終える、という考え方です。呼び方や作法は宗派・寺院によって異なります。
そして役目を終えた白木位牌は、読経などで供養したうえでお焚き上げし、天へお還しするのが望ましいとされています。納めるタイミングは、四十九日の法要や、その後の納骨の際に合わせてお願いする方が多いようです。本位牌が間に合わないなど事情がある場合は、時期を含めて菩提寺に相談しておくと安心です。
※お位牌の呼び方・切り替えの作法・時期は、宗派やお寺、ご家庭の考え方によって異なります。ここでは広く見られる一例をご紹介しています。
【宗派で異なる】浄土真宗など位牌を用いない場合の考え方

お位牌の扱いは、宗派によって前提から異なります。とくに浄土真宗では、亡くなった方はすぐに阿弥陀如来の救いによって浄土に往生するという教えから、故人の魂が位牌に宿るとは考えず、本位牌を用いないのが一般的とされています。そのため、位牌の代わりに、法名を記した「法名軸(ほうみょうじく)」や、代々の法名を記す「過去帳」を用いてお祀りする形が広く知られています。
ただし浄土真宗でも、葬儀から中陰(四十九日まで)の期間に、白木の仮の位牌を用いる場合があります。この場合も本位牌へは切り替えず、期間を終えたあとは法名軸・過去帳に引き継ぎ、白木位牌はお寺でお焚き上げしていただくという流れが取られることが多いようです。宗派内の会派(本願寺派・大谷派など)でも作法に違いがあるとされます。
いずれにしても、供養の要否や納める時期は、宗派の一般論だけで判断せず、菩提寺やお付き合いのある同じ宗派の寺院に確認するのが確実です。ご自宅の宗派が分からない場合は、まず親族に尋ねたり、葬儀を執り行った寺院・葬儀社に問い合わせたりするところから始めるとよいでしょう。
方法①菩提寺でお焚き上げしてもらう(四十九日法要のときが一般的)

もっとも安心感が高いのが、菩提寺(お付き合いのあるお寺)に白木位牌のお焚き上げをお願いする方法です。四十九日法要で本位牌への魂入れを行うそのタイミングで、役目を終えた白木位牌をそのまま預かっていただけることが多く、供養から処分までを一度の機会で丁寧に済ませられます。
1本位牌を四十九日に間に合うよう用意する
仏壇店などで本位牌を注文します。文字入れに二週間ほどかかることもあるため、四十九日法要から逆算して早めに手配しておくと安心です。白木位牌に記された戒名・没年月日などを、本位牌に書き写してもらいます。
2四十九日法要で魂入れ(開眼供養)を行っていただく
法要の際に、僧侶へ本位牌への魂入れと、白木位牌のお焚き上げをあわせて相談します。白木位牌を当日持参し、その場で預けられるかどうかを、事前に確認しておきましょう。
3白木位牌を預け、お焚き上げしていただく
供養を終えた白木位牌を寺院に納め、後日お焚き上げしていただきます。お布施の目安や、お焚き上げの時期についても、このときに確認しておくと後々の不安が残りません。
費用は、白木位牌のお焚き上げに対するお布施として数千円〜1万円程度をお包みするのが一つの目安とされますが、四十九日法要のお布施に含めてお渡しする場合もあり、決まった額はありません。金額に迷うときは、「お位牌のお焚き上げのお礼はどのようにすればよいか」と、率直にお寺へ尋ねてみるとよいでしょう。
方法②本位牌を購入した仏壇店に引き取ってもらう

「菩提寺がない」「お寺に持ち込む手間を省きたい」という場合に選ばれているのが、本位牌を新調する仏壇店(仏具店)に、白木位牌の引き取りをお願いする方法です。本位牌を購入する流れの中で相談できるため、別に依頼先を探す手間がありません。
仏壇店によっては、本位牌の購入者に対して白木位牌の引き取りやお焚き上げの手配を、無料または数千円程度で受け付けているところもあります。提携する寺院で供養したうえでお焚き上げしてくれる店もあれば、引き取りのみで供養は別という店もあるため、依頼前に「供養(お焚き上げ)まで対応してもらえるか」を確認しておくことが大切です。
店頭だけでなく、通信販売で本位牌を扱う仏壇店でも、白木位牌を宅配便で送って供養・お焚き上げしてもらえるサービスを設けている場合があります。手元にお寺のあてがない方にとって、本位牌の準備と白木位牌の始末を一か所で整えられる、現実的な選択肢といえます。
方法③お焚き上げ・供養サービスに依頼する(郵送対応も)

お寺とのお付き合いがなく、仏壇店を通す予定もないという場合には、位牌や仏具のお焚き上げを専門に扱う供養サービスに依頼する方法があります。近年は、寺院や神社と連携して供養を行うサービスが増えており、白木位牌のような小さなものは、宅配便で送って供養してもらえる「郵送供養」に対応するところも見られます。
費用は、位牌1基あたり3,000円〜1万円程度が目安とされ、送るものの点数や大きさ、供養証明書の有無によって変わります。専用の袋やキットに白木位牌を入れて発送し、後日まとめてお焚き上げしていただく形が一般的です。自宅から一歩も出ずに手続きを終えられる点が、この方法の利点とされています。
依頼する際は、どこの寺社が、どのような形で供養・お焚き上げを行うのか、費用の内訳と合わせて明記されているかを確かめておくと安心です。供養が済んだことを知らせる証明書や連絡をくれるサービスもあります。極端な安さだけを強調したり、供養の実態がはっきりしなかったりする先は避け、内容に納得してから申し込みましょう。
白木位牌を自分で処分する場合の考え方

白木位牌は木でできた小さなものであるため、「自分で処分してもよいのだろうか」と考える方もいらっしゃいます。魂入れを済ませた本位牌に故人をお迎えしたあとであれば、役目を終えた白木位牌そのものは木の品として扱えると考えられていますが、これまで手を合わせてきたものだけに、いきなりごみとして出すことに抵抗を感じる方が多いのも事実です。
どうしてもご自身で手放す場合は、白紙で包む、塩を添えるなどして清めてから、他のごみと分けて出すという民間の作法が知られています。ただしこれらは地域や家庭に伝わる慣習であり、決まった正解があるわけではありません。お住まいの自治体のごみ区分(多くは可燃ごみですが、地域により異なります)も、念のため確認しておきましょう。
とはいえ、白木位牌はお焚き上げの費用もさほど高額にはなりにくく、供養してから送り出したという納得感は、後々の心の負担を軽くしてくれます。迷われるようであれば、無理にご自身で処分せず、方法①〜③のいずれかで供養してからお焚き上げしていただくことをおすすめします。ご自身の気持ちが落ち着く形を、ゆっくり選んでいただければと思います。
白木位牌の処分にかかる費用・お布施の目安

白木位牌の処分にかかる費用は、依頼先によって幅がありますが、仏壇や大型の仏具ほど高額にはなりにくいのが特徴です。中心となるのは「お焚き上げに対するお布施・供養料」で、おおむね数千円〜1万円程度に収まる場合が多いとされています。依頼先ごとの目安を整理しておきましょう。
| 依頼先 | 費用の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 菩提寺でのお焚き上げ | お布施 数千円〜1万円程度 | 四十九日法要のお布施に含める場合も。額に決まりはなくお気持ち |
| 仏壇店での引き取り | 無料〜数千円程度 | 本位牌の購入者向けに無料の店も。供養の有無で変動 |
| お焚き上げ・供養サービス(郵送) | 3,000円〜1万円程度 | 点数・サイズ・供養証明書の有無で幅 |
費用を抑えたい場合は、四十九日法要をお願いする流れの中で白木位牌のお焚き上げも一緒に相談すると、別途の手配が要らず負担が軽くなります。一方、お寺のあてがない場合は、仏壇店の引き取りや郵送供養サービスのほうが、手間なく済ませられることが多いようです。いずれの金額も執筆時点の目安のため、実際の費用は各依頼先にご確認ください。
※お布施・供養料の目安は、宗派・地域・寺院・依頼先によって異なります。金額に迷う場合は、依頼先へ直接ご相談ください。
白木位牌の処分でよくある質問(FAQ)
※供養の要否・時期・費用の扱いは執筆時点の一般的な情報です。宗派・地域・寺院・依頼先により異なるため、最新の内容は各寺院・仏壇店・供養サービスにご確認ください。
まとめ
白木位牌は四十九日までの仮のお位牌であり、本位牌へ魂入れを済ませたあと、供養してお焚き上げするのが基本です。あわてて処分せず、四十九日や納骨の機会に合わせて、丁寧に送り出していきましょう。改めて3つの方法を振り返ります。
| 方法 | こんな方に |
|---|---|
| ①菩提寺でお焚き上げ | お付き合いのある寺院があり、四十九日と合わせて頼みたい方 |
| ②仏壇店での引き取り | 本位牌を新調し、その流れで一緒に託したい方 |
| ③お焚き上げ・供養サービス | お寺のあてがなく、郵送でも丁寧に供養したい方 |
宗派によって位牌の考え方そのものが異なるため、迷ったときは菩提寺やお付き合いのある寺院に相談するのが確実です。仏壇や他の仏具も合わせて手放したい場合や、供養の全体像については、関連記事もあわせてご覧ください。長くそばにあった白木位牌を、ご自身とご家族が納得できる形で送り出していただければと思います。