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蜂の巣の作り始めは女王1匹|大きさ・形と蜂がいない理由

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軒下やベランダの手すりの裏に、親指の先ほどの灰色のかたまり。逆さにしたとっくりのようにも、小さな傘のようにも見えて、まわりにはハチが1匹いるだけか、まったく見当たらないこともあります。これは巣なのか、放っておいてよいのか——判断がつかないまま数日が過ぎてしまいがちな場面です。

結論からお伝えすると、春から初夏に見つかる直径数センチの巣は、越冬から目覚めた女王バチが1匹で作っている段階のことが多いです。森林総合研究所は、スズメバチについて「どの種も最初の巣はピンポン球か、せいぜい野球ボールくらいの大きさ、出入りするのも母バチ一匹だけなのでほとんど気づかれることはありません」と書いています。

この記事では、作り始めから女王バチ1匹の時期に絞って、巣の見た目・時期・ハチがいない理由・この時期にできること・時期を逃した場合の分かれ道を整理しました。ハチや巣の実物写真は使わず、線画の図解と資料の数値だけで判断できるようにしています。当メディア編集部が、森林総合研究所と、堺市・横浜市・中野区・千代田区・大阪市旭区・朝霞市・志木市が公開している資料をあたって作成しました(2026年8月時点)。

読者
物置の軒に、5センチくらいの灰色のかたまりができていました。ハチは1匹しか見ていないのですが、これは巣の作り始めなのでしょうか。
編集部
その大きさとハチの数なら、女王バチが1匹で作り始めた段階の可能性があります。この時期は「何をするか」より先に「いま巣がどの段階か」を見極めるほうが判断しやすいので、形・時期・ハチの数の順に見ていきましょう。

【一言でいうと】蜂の巣の作り始めはどんな見た目?

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

作り始めの巣の見た目は、大きく2つに分かれます。朝霞市は、スズメバチの巣について「作り始めの時期(5~6月)はとっくりを逆さにしたような形で、マーブル模様をしていることが多いです」と書き、アシナガバチの巣については「外部から個々の巣穴(六角形)が見え、全体がお椀のような形をしています」としています(朝霞市「朝霞市におけるハチの対応」節「ハチの巣の見分け方」)。

志木市も同じ見方で、スズメバチの巣を「初期にはとっくり又はつぼを逆さにしたような形をしています」と記載しています(志木市「ハチの巣を見かけたら」節「スズメバチの巣」)。外側が閉じていて出入口が1つならスズメバチ、六角形の穴が下から丸見えならアシナガバチ、という分け方は、作り始めの段階でも同じように使えます。

そしてもう1つ、外から巣そのものが見えないタイプがあります。堺市はオオスズメバチについて「地表にはハチが出入り出来るくらいの穴がありますがほとんど目立たず、ハチが頻繁に出入りしているのを目撃し初めて巣があることがわかります」と書いており、この場合は「巣の形」から入ることができません(2026年8月時点)。

巣のタイプ 作り始めの見た目 この時期に見えるハチ 最盛期の大きさ 出典(項目ごと)
スズメバチの巣 とっくり・つぼを逆さにした形。マーブル模様。出入口は1つ 女王蜂と幼虫のみ 直径20cm程度/直径30cmほどになる場合も 朝霞市(とっくり型・マーブル模様・女王蜂と幼虫・直径20cm程度)/志木市(つぼを逆さ・出入口1つ・直径30cm)
アシナガバチの巣 六角形の巣穴が露出したお椀型。外側の覆いがない 女王バチ1匹(千代田区・堺市の観察記録) 直径15cm程度 朝霞市(六角形・お椀型・直径15cm程度)/千代田区・堺市(この時期は女王バチ1匹)
土中・屋根裏・戸袋などの巣 外から巣は見えない。出入りするハチで初めて気づく 今回確認した資料に記載なし 今回確認した資料に記載なし 堺市(オオスズメバチの土中営巣・目立たない/モンスズメバチの屋根裏/ヒメスズメバチの隙間・空洞)

出典:朝霞市「朝霞市におけるハチの対応」/志木市「ハチの巣を見かけたら」/堺市「スズメバチ」節「どんな種類がいるの?どんな場所に巣をつくるの?」。大きさは資料により異なり、地域差もあります。

巣の形から種類を絞り込む手順そのものは、別の記事でタイプ別に整理しています。

蜂の巣を作り始めるのはいつ?女王1匹の時期はどれくらい続く?

庭の手入れをする様子
写真はイメージです

「春に作り始める」という説明は多くの資料で一致しています。森林総合研究所は「彼女たちが長い越冬を終えて巣作りを始めるのは、4月の終わりから5月の始め」と書き(森林総合研究所「自然探訪2011年5月 働き者の女王様 -スズメバチの創設女王-」)、大阪市旭区も「女王バチ1匹で巣作りをするので、この時期ではまだ巣は大きくありません」としています。

ところが、女王バチ1匹の時期がいつ終わるかは、資料によってかなりばらつきます。最初の働きバチが出る時期を6月とする資料もあれば、7月から8月とする資料もあり、対象にしているハチの種類も違います。「あと何日の猶予があるか」を1つの数字で言い切れない、というのが実際のところです。

資料 対象 女王1匹で巣を作る時期 最初の働きバチが出る時期 出典(項目ごと)
森林総合研究所 スズメバチ 4月の終わりから5月の始め 巣を作り始めてから一ヶ月以上も先 森林総合研究所(開始時期・一ヶ月以上)
堺市 スズメバチ 5月頃 6月頃 堺市(5月頃・6月頃)
横浜市 スズメバチ 4月から6月まで (「4月から6月までの最初の働きバチが羽化するまでの間」と記載。羽化月の単独表記なし) 横浜市(4月から6月)
大阪市旭区 スズメバチ・アシナガバチ 4月~6月 6月中旬ごろ 大阪市旭区(4月~6月・6月中旬ごろ)
中野区 スズメバチ 4月から6月にかけて 6月から7月にかけて 中野区(4月から6月・6月から7月)
千代田区 アシナガバチ 4月下旬頃から 7月から8月 千代田区(4月下旬頃・7月から8月)
堺市(観察記録) アシナガバチ 4月中旬~下旬 6月 堺市「アシナガバチの巣の観察」(4月中旬~下旬・6月)

出典:森林総合研究所「自然探訪2011年5月 働き者の女王様 -スズメバチの創設女王-」/堺市「スズメバチ」節「年間を通してどんな生活をしているの?」/横浜市「ハチについて」節「スズメバチは早期に発見、早期に駆除しましょう」/大阪市旭区「ハチ類について」/中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「スズメバチ」/千代田区「アシナガバチの巣の除去」節「アシナガバチの生態」/堺市「アシナガバチの巣の観察」PDF。地域と種類によって時期は前後します。

蜂の巣の作り始めは女王バチ1匹の期間の図解
当メディア編集部作成

巣の中で何が進んでいるかは、堺市が生活衛生センター内のアシナガバチの巣を1年通して観察した記録が具体的です。「4月中旬~下旬」の節では「小さな巣が出来ると育房の中に卵を産みつけます」、「5月~6月上旬」の節では「さらに育房を増やし卵を産みつづけます。やがて最初の卵がふ化し始めます」と記録されています。

そして「6月」の節で「最初の働きバチが誕生しました。このころから女王バチは産卵に専念するようになり、巣作りは働きバチが担当します」と、役割が切り替わります。作り始めの巣は「これから大きくなる小さな巣」ではなく、女王バチ1匹がすべての作業を抱えている特殊な期間だと考えると、この後の判断がしやすくなります。

同じ記録には巣の材料も書かれていて、「巣の材料は植物のせんいをかみ砕き、だ液と混ぜ合わせたものです」とあります。作り始めの巣が紙のように灰色でざらついて見えるのは、この作り方によるものです。アシナガバチの種ごとの巣の形は、別の記事で扱っています。

作り始めの巣に蜂がいない・1匹しかいないのはどういう状態?

住宅の外観・住まいの様子
写真はイメージです

「巣はあるのにハチが見えない」「1匹しかいない」は、放棄された巣とはかぎりません。千代田区はアシナガバチについて「最初は女王バチ1匹で巣を作り、産卵やエサ集めをしています」と書いています(千代田区「アシナガバチの巣の除去」節「アシナガバチの生態」)。この時期の女王バチは、巣にとどまる係と外に出る係を兼ねているため、留守の瞬間があるということです。

森林総合研究所も「でも、始まったばかりの巣には働きバチはいません」としたうえで、母バチの仕事を「巣作り、卵の保温、餌集めのための狩り、外敵からの防衛などなど」と列挙しています。見に行くたびにハチがいたりいなかったりするのは、この段階では自然な状態です。朝霞市も、作り始めの時期の巣には「女王蜂と幼虫しかいません」と書いています。

一方で、本当に空になっている巣もあります。中野区は「巣は春先から作られ冬には空になります。寒い時期に発見された巣に再びハチが戻ってくることはありません」と記載しています(中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「区では除去できない場合」)。これは寒い時期に見つけた巣についての説明であって、春から夏の巣に当てはめられるものではありません。同じページでも節が違えば前提が違う、という読み分けが要ります。

3つめのパターンは、巣ではなく通りがかりのハチを見ている場合です。志木市は「巣が見つからない場合は、餌を探していずれいなくなることも多いので、何日か様子を見てください」と案内しています。ハチだけを何度も見かけるのに巣が見当たらないなら、まず巣の有無から確かめる段階だということになります(2026年8月時点)。

「作り始めのうちに見つける」が成り立つ巣と、成り立たない巣がある

屋根裏・小屋裏の様子
写真はイメージです

自治体の資料も、「作り始めのうちに見つけて対処すればよい」とはっきり助言しています。横浜市は「4月から6月までの最初の働きバチが羽化するまでの間は、女王バチ1匹で巣作りを行っている時期なので、その間に巣を発見できれば、比較的安全で費用も安く駆除が行えます」と記載しています(横浜市「ハチについて」節「スズメバチは早期に発見、早期に駆除しましょう」)。大阪市旭区も「日常生活に支障のある場所に巣がつくられたときは、小さなうちに取り除きましょう」としています。

ただし、同じ横浜市のページで「巣を作られやすい場所」として挙げられているのは、天井裏・壁の中・床下・戸袋の中・垣根や植え込みの中・木の洞の中で、このうち天井裏・壁の中・床下・戸袋の中・木の洞の中には「スズメバチのみ」という注記が付いています。つまり、点検を勧めている当の資料が、スズメバチの営巣先の多くを「外から見えない場所」として並べていることになります。

堺市の記載も同じ方向です。同市は、モンスズメバチは「閉鎖的な屋根裏への営巣が多く」、ヒメスズメバチは「ちょっとした隙間や空洞に小規模な巣を作ります」、オオスズメバチは土中で、地表の穴は「ほとんど目立たず」としています。軒下や庭木に作るコガタスズメバチやアシナガバチであれば早期発見は現実的ですが、閉鎖空間に入る種では、作り始めの巣を目で見つける前提そのものが成り立ちません。

森林総合研究所も、最初の巣は「出入りするのも母バチ一匹だけなのでほとんど気づかれることはありません」と書いています。「早期発見できなかった」のではなく、そもそも見えない巣があった——この可能性を残しておくと、夏に急に大きな巣が現れたように感じたときの理解が変わります。

もうひとつ、同じ資料には見落とされがちな数字があります。森林総合研究所は、働きバチが羽化するまでの期間を「スズメバチの生活史の中で最も巣が失敗しやすい時期なのです」としたうえで、「この期間を無事に過ごせるのは、創設された巣のうちの半分にも満たないでしょう」と書いています(森林総合研究所「自然探訪2011年5月 働き者の女王様 -スズメバチの創設女王-」)。作り始めの巣を見つけたからといって、そのすべてが夏の大きな巣になるわけではない、という見方も資料上は成り立ちます(2026年8月時点)。もちろん、これは「放置してよい」という意味ではなく、生活の動線上にある巣は別の判断が要ります。

室外機の内部のように、設備の中に入り込まれて全体が見えない場合の考え方は、別の記事で扱っています。

作り始めの巣を見つけたら、この時期にできることは?

住宅の玄関まわりの様子
写真はイメージです

まず、触らないことが前提になります。堺市は「巣を発見しても石をぶつけたり棒でつついたりといったいたずらをしないでください」と書いています。中野区も、女王バチ1匹の時期について「この時期は攻撃性がほとんどありませんが、振動や衝撃を与えてハチを刺激すれば、攻撃してくることもあります」としており、おとなしい時期であることと、刺激しても安全であることは別だと読めます。

次にやっておくと役に立つのが記録です。中野区は巣の除去を申し込むときに確認する内容として「巣の形、大きさ、色、巣ができている場所、ハチの様子などをお伺いします」と明記しています(中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「スズメバチの巣の除去」)。相談や見積もりの前に、この5項目をメモと日付で残しておけば、電話口でのやり取りが一度で済みます。巣は数日単位で変わりますので、日付を添えるのがポイントです。

そのうえで、お住まいの自治体が何をしてくれるのかを先に確認します。ここは自治体ごとに扱いがまったく違い、同じ「作り始めの巣」でも回答が変わります。

自治体 巣の除去・駆除の扱い 出典(項目ごと)
中野区 個人住宅やアパート・マンションにできたスズメバチの巣の除去を区が行う。アシナガバチなどの巣の撤去は行わない 中野区(スズメバチの巣の除去・アシナガバチは対象外)
朝霞市 私有地における巣の駆除は行わない。ただし人に危害を及ぼすおそれのあるスズメバチの巣に限り撤去 朝霞市(私有地は対象外・スズメバチの巣に限り撤去)
志木市 生命に危険を及ぼすおそれのあるスズメバチの巣に限って駆除 志木市(スズメバチの巣に限って駆除)
堺市 原則としてハチの駆除は行わず、巣がある場所の管理者が対処する 堺市(原則行わない・管理者が対処)
大阪市(旭区) 原則としてハチの駆除は行わない。区役所で駆除方法の指導と専門駆除業者の案内を行う 大阪市旭区(原則行わない・指導と業者案内)
横浜市 福祉保健センターでは巣の駆除は行わないが、相談・駆除業者の案内・防護服や駆除機材の貸出しを行う 横浜市(駆除は行わない・相談と貸出し)

出典:中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「スズメバチの巣の除去」「区では除去できない場合」/朝霞市「朝霞市におけるハチの対応」節「自宅にハチの巣が出来てお困りの場合」/志木市「ハチの巣を見かけたら」節「ハチの主な種類について」/堺市「スズメバチ」節「駆除については」/大阪市旭区「ハチ類について」節「ハチの駆除について」/横浜市「ハチについて」節「相談窓口について」(2026年8月時点)。制度は市区町村ごとに異なり改定もありますので、必ずお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。

資料のなかには、居住者が自分で作業する場合の手順まで案内している自治体もあります。ただし本記事では、作業の方法・使用する薬剤・分量については扱いません。作り始めの巣を自分で扱ってよいかどうかの判断は、巣の位置と種類、手が届くかどうかで変わるためです。

また、資料は、生活に支障がないなら手をつけないという選択肢も明確に示しています。千代田区は「生活上問題ない場所にある場合は、巣をそのままにしておきましょう」と書いています。物置の奥、人が通らない高所、隣家からも離れている——そうした位置なら、そのまま様子を見るという判断も成り立ちます。

  • 巣に石や棒を当てない・揺らさない → 堺市・中野区の記載
  • 形・大きさ・色・場所・ハチの様子を、日付を添えて記録する → 中野区が相談時に確認する項目
  • 洗濯物や玄関など、毎日通る動線と巣の位置関係を確かめる
  • お住まいの自治体が対応するかを、生活衛生・環境担当のページで確認する
  • 生活に支障がない位置なら、そのままにする選択肢もある → 千代田区の記載

手が届く小さな巣かどうかという判定の考え方そのものは、別の記事で整理しています。

作り始めの時期を逃すと、何がどう変わる?

集合住宅の外観
写真はイメージです

変わるのは、巣の大きさだけではありません。中野区は「6月から7月にかけて働きバチが羽化するようになると、女王バチは産卵に専念します。その後は働きバチの数が増え、巣は急速に大きくなっていきます」としたうえで、「このころになると巣は球形(ボール状)となり、攻撃性も強くなりますので注意が必要です」と書いています(中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「スズメバチ」)。形が変わることと、ハチの側の反応が変わることが同時に起きるということです。

堺市「アシナガバチの巣の観察」PDFも、「7月下旬~8月」の節を「活動最盛期」として「働きバチは外敵から巣を守り防衛本能が高まります」と記しています。作り始めの巣で「近づいても何もされなかった」経験があっても、同じ距離が数週間後には通用しない可能性があります。

費用の面でも差が出ます。横浜市は7月から10月の相談について「その時期になると、巣が大きくなっている場合が多く、専門業者に駆除を委託するしかなく、相当額の費用が掛かります」と記載しています。同じ巣でも、見つけた時期によって選べる手段の幅が変わる、というのが自治体側の説明です。

なお、巣がなくなった後についても補足があります。中野区は、巣を取り除いた場合として「巣が大きい場合には、外泊しているハチが数日後に巣のあった場所に戻ってしばらく飛び回ることがあります」と書いています。巣が見えなくなってもハチが飛んでいる、という状況は起こり得るということです。スズメバチの巣になっていた場合の費用の考え方は、別の記事で整理しています。

作り始めの巣で、業者に頼む目安は?賃貸・アパートでは誰が連絡する?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

作り始めの段階でも、依頼したほうがよい場面ははっきりしています。横浜市は早期発見を勧める同じページに「※スズメバチは攻撃性が高く非常に危険ですので、無理にご自分で駆除をしようとせず、専門駆除業者に依頼することをおすすめします」という注記を置いています(横浜市「ハチについて」節「相談窓口について」)。「早いうちに」と「自分で」は、同じ資料のなかでも別のことを指しているわけです。

賃貸やアパートでは、動く人が決まっている点にも注意が要ります。中野区は除去の申込みについて「連絡は、個人住宅やアパート・マンションの所有者又は管理者の方からお願いします」としています(中野区「スズメバチとその他のハチについて」節「スズメバチの巣の除去」)。志木市「ハチの巣を見かけたら」も「巣ができた建物や場所の管理者や所有者の方が、直接、環境推進課へご連絡いただきますようお願いいたします」と書いており、大阪市は「ハチの巣を駆除する場合は、巣のある場所の所有者または管理者自身の責任で行ってください」としています。集合住宅で見つけたときは、自分で手配する前に管理会社や大家へ連絡するのが先です。

  • 巣の外側が閉じていて、スズメバチの巣の可能性がある → 自分で近づかない前提で相談する
  • 屋根裏・戸袋・壁の中・室外機など、外から全体が見えない場所にある
  • 脚立やはしごが必要な高さ、または身を乗り出す必要がある
  • 賃貸・アパート・マンションで、建物の共用部分にできている → まず管理会社・所有者へ
  • 巣の種類が判断できない/すでに複数のハチが出入りしている

依頼先は大きく3つのタイプに分かれます。①お住まいの自治体の生活衛生・環境担当(対応の可否と相談窓口の確認。中野区のようにスズメバチの巣を区が除去する例もあります)②各都道府県のペストコントロール協会(堺市は大阪府ペストコントロール協会 電話06-6942-1891、中野区は公益社団法人東京都ペストコントロール協会 電話03-3254-0014を案内しています)③料金と口コミが事前に見える審査制のマッチングサービス。

依頼するときは、巣の位置と高さ、外から見える形、建物のどこか(軒下・戸袋・屋根裏など)、いつから気づいたかを先に伝えると、見積もりの前提がそろいます。金額については、高所作業の追加費用の有無、巣の撤去まで含むか、当日に巣が想定より大きかった場合の扱いを、作業前に書面で確認しておくと想定外の請求を避けやすくなります。

業者の選び方についても、自治体が方針を示しています。中野区はペストコントロール協会を紹介したうえで「複数の業者から見積もりを取ることができますので、よく相談し、納得できる業者を選んでください」と案内しています。1社の提示額だけで決めない、というのが公的な窓口の推奨だということです。

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蜂の巣の作り始めについてよくある質問(FAQ)

Q秋に小さい巣を見つけました。これも作り始めですか?

A資料の書きぶりからは、秋の小さな巣を作り始めと考える根拠は見当たりません。大阪市旭区「ハチ類について」は巣が「9月下旬から10月上旬ごろには最大になります」とし、堺市は12月から3月頃を越冬期として「巣は1年限りで中は空になり翌年は同じ巣を使うことはありません」と記載しています。中野区も「巣は春先から作られ冬には空になります」としています。秋以降に見つけた小さな巣は、営巣が途中で終わった巣か、外から一部しか見えていない巣の可能性があります。判断がつかない場合は自治体の窓口へご相談ください(2026年8月時点)。

Q去年と同じ場所に、また作り始めの巣ができました。同じ巣を使っているのですか?

A巣そのものの再利用は、複数の自治体がそろって否定しています。堺市は「巣は1年限りで中は空になり翌年は同じ巣を使うことはありません」、大阪市旭区は「巣は1年限りで使い捨てられます。残った巣は、翌年には利用されることはありません」、中野区は「ハチの巣の利用は1年限りで再利用されることはありません」と記載しています。一方で、場所が選ばれやすいこと自体は変わりません。大阪市旭区は点検の対象として「過去に巣ができていた周辺や、ハチの姿をよく見かけるように感じた時などは、点検してください」と書いており、朝霞市も「巣のできやすい場所(昨年巣を作られてしまった場所等)」を対策の対象に挙げています。

Q作り始めの段階で、スズメバチかアシナガバチかを知る必要はありますか?

Aあります。自治体の対応が種類で分かれるためです。中野区はスズメバチの巣の除去を行う一方で「区ではアシナガバチなどの巣の撤去は行っていません」と明記し、朝霞市と志木市もスズメバチの巣に限って対応するとしています。作り始めの段階では、外側の覆いがあり出入口が1つならスズメバチの巣、六角形の穴が下から見えるならアシナガバチの巣、という形の違いが手がかりになります(朝霞市・志木市の記載)。ただし土中や屋根裏の巣は形が見えないため、この方法では判断できません。

Q巣に近づかずに、ハチが増えているかを確かめる方法はありますか?

A出入りするハチの数と、巣の見た目の変化を、離れた場所から日付とともに記録するのが基本です。堺市の観察記録では、女王バチ1匹の段階から働きバチの誕生までが月単位で進んでいます。中野区が相談時に確認する項目も「巣の形、大きさ、色、巣ができている場所、ハチの様子」で、いずれも離れた位置から確認できるものです。近づく・揺らす・のぞき込むといった行為は、堺市が「いたずらをしないでください」として避けるよう求めています。

Q刺されてしまったときはどうすればよいですか?

A本記事では処置や症状の判断についてはお答えできません。気になる症状があるときは、自己判断せず速やかに医療機関を受診してください。刺された場所の近くに巣がある可能性が高いため、同じ場所には近づかず、家族にも位置を伝えておいてください。

※この記事の巣の形・大きさ・時期・自治体の対応は、森林総合研究所と堺市・横浜市・中野区・千代田区・大阪市旭区・朝霞市・志木市が2026年8月時点で公開している資料の記載を整理したものです。作り始めの巣かどうかは巣の位置・種類・地域によって見え方が変わり、記事だけで確定できるものではありません。自治体の駆除対応や貸出制度は市区町村ごとに異なり改定もありますので、必ずお住まいの自治体の最新情報をご確認ください。本記事は駆除の作業方法・使用薬剤については扱っていません。刺傷にともなう症状や処置については医療機関の判断に従ってください。

まとめ|蜂の巣の作り始めは「形・時期・ハチの数」の3点で見る

作り始めの巣は、外側が閉じてとっくりを逆さにしたような形ならスズメバチ、六角形の穴が露出したお椀型ならアシナガバチ、というところから絞れます。時期は4月から6月が中心ですが、女王バチ1匹の期間がいつ終わるかは資料によって6月から8月まで幅があり、森林総合研究所も最初の働きバチを「巣を作り始めてから一ヶ月以上も先」とするにとどめています。1つの数字では言い切れません。ハチが見えない・1匹しかいないのは、この段階では珍しいことではありません。

この時期にできるのは、触らずに形・大きさ・色・場所・ハチの様子を日付とともに記録し、自治体の対応の可否を確かめ、動線と巣の距離を見直すところまでです。そして、屋根裏や戸袋のように外から見えない巣では、そもそも作り始めで見つけること自体が難しいという事実も、森林総合研究所と横浜市・堺市の記載から読み取れます。スズメバチの巣だった場合は、種類によって危険度も対応も変わりますので、次の記事もあわせてご覧ください。

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