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海外旅行や出張の予定が決まったとたん、ニュースで見た「トコジラミ」の三文字が頭をよぎる。あるいは、ベッドのマットレスの縁に黒い点が並んでいるのを見つけてしまった——どちらの入り口から来た方も、いま知りたいのは「で、何をすればいいのか」だと思います。
先にお伝えしておくと、この記事には虫の写真を一枚も載せていません。潜んでいる場所は線画の図解で示しますので、見るのがつらい方も最後まで読み進められます。
結論からいうと、トコジラミへの備えは「持ち込まない → 見つける → 熱で叩く → 限界を知る」の4段階で組み立てるのが現実的です。そして東京都をはじめとする自治体の案内は、そろって「家庭での対策だけで完全に駆除するのは難しい」という立場を取っています。この記事では、当メディア編集部が東京都保健医療局(出典:東京都保健医療局公式サイト)のリーフレットと相談件数の統計、板橋区・台東区・江戸川区・品川区・札幌市・那覇市の公式ページ、そして駆除サービス2社の公開料金を調べ、順序立てて整理しました。


- 01【一言でいうと】トコジラミ対策は「持ち込まない→見つける→熱で叩く→限界を知る」の4段階
- 02トコジラミの相談は近年増えている|東京都のデータで確認する
- 03対策①旅行・ホテルでトコジラミを持ち帰らない
- 04対策②自宅の潜伏場所を確認する|黒いシミ(血糞)が手がかり
- 05対策③熱と掃除機で数を減らす|洗濯・乾燥機・スチームの使い方
- 06対策④市販の殺虫剤が効かないことがある|スーパートコジラミ
- 07再発を防ぐために|中古家具・引越し・集合住宅で気をつけたいこと
- 08専門業者に依頼する判断基準と費用の目安
- 09トコジラミ対策のよくある質問(FAQ)
- 10まとめ|トコジラミ対策は「持ち込まない」がいちばん割に合う
【一言でいうと】トコジラミ対策は「持ち込まない→見つける→熱で叩く→限界を知る」の4段階
トコジラミ(別名ナンキンムシ)は、東京都保健医療局のリーフレット「知っていますか?トコジラミ」によると成虫で5mm〜8mm、丸く扁平でとても薄い褐色の虫で、夜に部屋の隙間から出てきて人や動物の血液を吸います。同リーフレットには、家庭で発生する要因は荷物などと共に外から持ち込まれることと考えられている、とも記されています。
つまり出発点は「持ち込まないこと」です。そのうえで、すでに室内にいるかどうかを確かめ、熱を使って数を減らし、市販薬が効かない場合があることを知っておく。この4段階が対策の骨格になります。
| 段階 | やること | 主な道具 | 自分でできる範囲 |
|---|---|---|---|
| ①持ち込まない (旅行・宿泊時) |
宿泊先でベッド周りを見てから荷物を置く/帰宅後すぐ洗う | ビニール袋・洗濯機・衣類乾燥機 | ほぼ全部できる。費用もほとんどかからない |
| ②見つける (潜伏場所の確認) |
ベッド・マットレス・家具と壁の間の黒いシミ(血糞)を探す | 懐中電灯・粘着シート・使い捨て手袋 | 確認まではできる。同定の断定は避ける |
| ③熱で叩く (洗濯・掃除機) |
寝具・衣類を高温で処理し、隙間に掃除機をかける | 熱乾燥機・スチーム・掃除機・密封できる袋 | 応急処置として有効とされる。全滅はねらわない |
| ④限界を知る (市販薬の効きにくさ) |
有効成分を確認して選ぶ/くん煙剤は安易に使わない | プロポクスル等の表示がある市販薬 | 使用は製品表示に従う。効果には限界がある |

東京都保健医療局のリーフレットには、一般的な殺虫剤は効果がない場合もあること、くん煙殺虫剤を使うことでかえって生息範囲が広がってしまうこともあること、家庭での対策だけで駆除することは困難であることが明記されています。「市販のスプレーを一本買えば終わり」という前提を、まず外しておくのが遠回りに見えて近道です。
トコジラミの相談は近年増えている|東京都のデータで確認する

「最近よく聞くけれど、本当に増えているの?」という疑問には、公的な数字で答えられます。東京都保健医療局が毎年公表している「ねずみ・衛生害虫等被害発生・相談件数」では、都内の区市町村および保健所に寄せられたトコジラミの相談件数が令和4年度405件、令和5年度537件、令和6年度486件と集計されています。
もう少し長い目で見ると変化がはっきりします。都のリーフレットに載っている相談件数の推移では、平成17年度は26件でした。ここ数年の水準は、その20倍近くにあたります。
背景について、江戸川区の生活衛生課は公式ページで、近年の人や物の世界規模の移動の増加に伴ってトコジラミの相談・被害件数が増加している、と説明しています。住まいがきれいかどうかとは別の要因で広がっているということです。自分を責める必要はまったくありません。
どこから入ってくるのか
持ち込みの経路として自治体の案内に出てくるのは、大きく3つです。ひとつは旅行や出張の荷物、もうひとつは中古の家具や書籍、そしてもうひとつが建物内の移動です。
品川区は、旅行先のカバンや購入した家具・書籍から卵や血糞がないか確認することを挙げています。江戸川区は、荷物などにまぎれて他の部屋に移動することもあると記載しています。集合住宅で隣室から移ってくる可能性がある、ということです。飛ぶことはできませんが、札幌市の説明によれば翅がないかわりにすばやく動きます。
対策①旅行・ホテルでトコジラミを持ち帰らない

国内旅行でも海外旅行でも、やることは同じです。宿泊先での最初の5分と、帰宅後の最初の10分。この2つの時間帯だけ意識すれば、持ち帰るリスクはかなり下げられます。
1部屋に入ったら、荷物を広げる前にベッド周りを見る
スーツケースをベッドや床にどんと置く前に、まずマットレスの四隅と縫い目、ヘッドボードの裏側、ベッドと壁の間を見ます。懐中電灯代わりにスマートフォンのライトを使うと確認しやすくなります。
探すのは虫そのものではなく、黒い点状のシミです。品川区は、旅行先のカバンや購入した家具・書籍から卵や血糞がないかを確認するよう案内しています。
2荷物はバスタブの中か、金属のラックの上に置く
那覇市は県外・海外へ旅行する市民向けの案内で、宿泊施設の部屋に入ったら荷物をバスタブの中に置くことを挙げ、その理由として、バスタブの多くはつるつるした素材でできているためトコジラミがいる確率が低いことを説明しています。
バスタブが使えない部屋なら、布張りのソファやベッドの上を避け、壁から離した金属製の荷物置きラックを選びます。カーペットの上に直置きしないだけでも意味があります。
3脱いだ服はビニール袋に入れて口を縛る
着替えた服をそのままスーツケースに戻すと、万が一付着していた場合に持ち帰る形になります。旅行用に薄いビニール袋を数枚入れておき、着用済みの衣類はそこにまとめて口を縛っておきます。
袋は最後まで開けず、自宅の洗濯機の前で開けるのが理想です。かさばらないので、持ち物としての負担もほとんどありません。
4気になったら、その場でフロントに相談する
シミや虫を見つけたときは、自分で対処しようとせず宿泊施設に伝えて部屋の交換を相談します。トコジラミは施設側にとっても対処すべき問題で、東京都保健医療局は旅館業営業施設向けのQ&Aを公開しています。
遠慮して黙って泊まるより、伝えたほうがお互いにとって良い結果になります。
服装・持ち物で気をつけたいこと
「トコジラミ対策の服装」を探す方も多いのですが、公的機関の案内に、特定の素材や形の服が有効だという記載は見当たりませんでした。過度な期待は禁物です。
それよりも効くのは、荷物の構成を「洗えるもの中心」にしておくことです。帰宅後にそのまま洗濯機と乾燥機にかけられる衣類の割合を増やしておくと、後の工程がまるごと楽になります。ドライクリーニング前提の服やスエードの靴を減らす、というだけの話です。ビニール袋を数枚、それに旅行中の汚れ物と清潔な衣類を分ける袋を1枚足すのが、持ち物としての現実的な備えになります。
帰宅後にやること
玄関で止めるのが基本です。スーツケースをリビングや寝室まで運び込んでから開ける習慣を、旅行の直後だけは変えてみてください。
玄関やベランダ、浴室など、寝室から離れた場所でスーツケースを開けます。ビニール袋にまとめた衣類は袋ごと洗濯機の前へ運び、そこで開封して洗濯へ。空になったスーツケースは、外側の縫い目やキャスター周辺に掃除機をかけてから収納します。那覇市も、衣類は付着しやすいため帰宅後すぐに洗濯すること、乾燥機もかけると熱に弱いトコジラミを退治できることを案内しています。
対策②自宅の潜伏場所を確認する|黒いシミ(血糞)が手がかり

自宅にいるかどうかを確かめる手がかりは、虫の姿ではなく「血糞(けっぷん)」と呼ばれる黒いシミです。東京都保健医療局のリーフレットは、生息している場所には血糞という黒いしみが多く見られると説明しています。台東区は黒いゴマのようなシミと表現し、あわせて脱皮殻や卵が見られるとしています。札幌市も黒い斑点状のフンのシミ跡が発見の目印になると案内しています。
探す場所も、都のリーフレットが具体的に列挙しています。ベッドの隙間や裏、マットレスの中、カーテンの折り目の間、カーペットの下、ソファの隙間、家具と壁の間、額縁の裏。台東区はこれに加えて、床・壁・柱・畳の隙間、ダンボール、電化製品の下や裏、コンセント内、ベッドの裏と隙間、カーテンを挙げています。

共通しているのは、暗くて狭くて温かい場所、そして人が眠る場所の近くという条件です。都のリーフレットも、夜間に吸血するため寝室・布団・ベッドの周りに多く生息すると記しています。家じゅうを探すのではなく、寝る場所から半径2メートルほどを重点的に見るところから始めてください。
- 確認するときの3つのサイン——黒い点状のシミ(血糞)/半透明の脱皮殻/白っぽい小さな卵
- 懐中電灯と使い捨て手袋を用意する。マットレスの縫い目は指でなぞらず、光を当てて見る
- 粘着シート(トラップ)はベッドの脚元や壁際に置くと、いるかどうかの判断材料になる
- ダンボールや紙袋を寝室にためない。台東区はダンボールを潜伏場所として挙げている
- 刺され跡の形や並び方だけで「トコジラミだ」と決めつけない。かゆみや腫れなどの症状があるときは医療機関へ
最後の項目は特に大切です。刺された跡の見た目から原因の虫を特定することは医療の領域で、この記事では扱いません。皮膚の症状が気になる場合は、自己判断せず皮膚科などへご相談ください。なお、寝具まわりの不調はダニが原因のこともあり、確認の手順が異なります。
見つけても最初にやってはいけないこと
手元にあるくん煙剤を焚きたくなりますが、これは自治体が明確に注意している行動です。東京都保健医療局のリーフレットは、くん煙殺虫剤を使用することでかえって生息範囲が広がってしまうこともあると記載しています。札幌市も、隣室への移動リスクがあるためくん煙剤は推奨していません。台東区は、トコジラミ専用ではないくん煙剤を使わないよう案内しています。
もうひとつ避けたいのが、寝室を離れて別の部屋で寝ることです。吸血源を追って生息範囲が広がる形になりかねません。部屋を移らず、その場で確認と処置を進めるほうが、結果として被害を狭い範囲に留めやすくなります。
対策③熱と掃除機で数を減らす|洗濯・乾燥機・スチームの使い方

自分でできる処置のなかで、公的機関の案内にはっきり書かれているのが熱の利用です。板橋区は駆除の応急処置として、シーツ・衣類などはお湯(80℃以上)に5分以上浸けるか、通常の洗濯後に熱乾燥機で乾かす方法を案内しています。札幌市も、熱風や高温の蒸気による処理が効果的だとしています。
ポイントは、水洗いだけでは熱が足りないという点です。洗濯は汚れとともに洗い流す工程、乾燥機は熱をかける工程、と役割が分かれていると考えてください。
1寝具・衣類は袋に入れて運び、洗濯機の前で開ける
シーツ、枕カバー、着ていた服をそのまま抱えて廊下を歩くと、途中で落ちる可能性があります。大きめのビニール袋に入れて口を縛り、洗濯機の前まで運んでから開けます。
使い終わった袋はその場で口を縛って捨てます。洗濯かごに一度あける、という工程を挟まないのがコツです。
2通常の洗濯のあと、熱乾燥機でしっかり乾かす
板橋区が案内しているとおり、通常の洗濯後に熱乾燥機で乾かします。自宅に乾燥機がない場合は、コインランドリーの高温乾燥機を使う方法があります。
機種によって設定できる温度と時間が異なるため、乾燥コースの表示を確認したうえで、生地が耐えられる範囲でいちばん高い温度を選びます。持ち込みと持ち帰りの際は袋を分け、使った袋は密封して捨ててください。
3洗えないものは、お湯またはスチームを検討する
板橋区は、お湯(80℃以上)に5分以上浸ける方法も挙げています。素材が耐えられるものに限られますが、洗濯機に入れられない小物には選択肢になります。
布張りのソファやマットレスの縫い目には、札幌市が挙げている高温の蒸気(スチーム)が使えます。スチームクリーナーやアイロンのスチーム機能を使う場合は、機器の取扱説明書と生地の表示を必ず確認してください。
4隙間にゆっくり掃除機をかけ、ごみはすぐ密封する
板橋区は、ゆっくりと掃除機を動かすこと、吸い取ったごみはすぐに密封して捨てることを案内しています。マットレスの縫い目、ベッドフレームの継ぎ目、幅木と床の境目、畳の縁を重点的に。
同区は、掃除機を人がいる部屋に置かない、またはポリ袋に入れておくことも挙げています。吸い取ったあとの保管まで含めて一連の作業だと考えてください。
洗えない服・ぬいぐるみをどうするか
子どものぬいぐるみや、洗濯表示で水洗いができない衣類は判断に迷うところです。ここは「洗う」ではなく「熱をかける」に発想を切り替えると整理できます。
洗濯表示で乾燥機が使えるものは、洗わずに乾燥機だけをかける方法があります。使えないものは、密封できる袋に入れて分離しておき、専門業者に相談するときに一緒に見てもらうのが安全です。ぬいぐるみを日光に当てるだけの方法は、自治体の案内に有効な処置として記載を見つけられませんでした。
対策④市販の殺虫剤が効かないことがある|スーパートコジラミ

ドラッグストアで殺虫スプレーを買ってきたのに手ごたえがない。その理由として自治体が説明しているのが、薬剤への抵抗性です。江戸川区は、市販されているピレスロイド系の殺虫剤が効かないトコジラミを「スーパートコジラミ」という呼び方で紹介しています。台東区も、市販の殺虫剤のなかでも一般的なピレスロイド系殺虫剤に抵抗性のあるトコジラミが増えていると記載しています。
市販の虫よけ・殺虫剤にはピレスロイド系の成分が使われていることが多く、そこに当たると効きにくい、という構図です。板橋区も、ピレスロイド系は効かないことがあると案内しています。
スプレーを選ぶときに見る場所
製品名や通販サイトの順位ではなく、パッケージの成分表示を見るのが確実です。品川区と江戸川区は、有効成分がプロポクスル、メトキサジアゾン等の殺虫剤を挙げています。板橋区も同じ2成分を挙げ、これらの成分の殺虫剤が効果があるとしています。
ただし、成分を合わせれば解決するわけではありません。台東区は、駆除に使う薬剤は卵に効果がないため複数回の施工が必要で、費用が高額になる可能性があると説明しています。1回で終わらせようとせず、孵化のタイミングを見越して繰り返す前提で考える必要があります。都のリーフレットによれば、卵は約1週間(5〜11日)でふ化します。
再発を防ぐために|中古家具・引越し・集合住宅で気をつけたいこと

一度落ち着いても、同じ経路がふさがっていなければまた入ってきます。持ち込みの経路として自治体が挙げているのは荷物と中古品ですから、防ぐ側もそこに手を打つことになります。
中古の家具や書籍を買ったときは、室内に運び込む前に確認します。品川区は、購入した家具・書籍から卵や血糞がないか確認することを挙げています。特に木製ベッドフレームの継ぎ目、引き出しの裏、本の背表紙の内側は見ておきたいところです。フリマアプリで届いた布製品は、開封を玄関で行い、そのまま洗濯と乾燥機に回す流れにしておくと安心です。
引越しのときも同じ考え方が使えます。旧居で荷造りをする段階で寝具と衣類を洗濯・乾燥してから梱包すれば、新居に持ち込むリスクを下げられます。ダンボールは潜伏場所になりうるため、荷ほどきが終わったものから早めに処分するのがおすすめです。引越しに合わせて不要なものを減らしておくと、確認する場所そのものが減ります。
集合住宅では、自室の対策だけで完結しないことがあります。江戸川区は、荷物などにまぎれて他の部屋に移動することもあると記載しています。共用部や隣室が発生源とみられる場合は、早めに管理会社や大家さんへ状況を伝えるほうが解決が早くなります。日常の備えとしては、板橋区が予防の基本として挙げている、こまめに掃除機をかける・目張りをして隙間を少なくする・ふとん周りを整理整頓してダンボールなどの不要なものを処分する、の3点が土台になります。
専門業者に依頼する判断基準と費用の目安

ここまでの処置は、あくまで数を減らすための応急的な手当てです。板橋区は、完全な駆除をするためにはプロ(駆除業者)に依頼するよう案内しています。江戸川区も、個人での完全な駆除は難しく、専門の駆除業者による駆除をすすめると記載しています。東京都保健医療局のリーフレットも、血糞が見つかった場合には早急に専門業者に見てもらい駆除を行うよう促しています。
相談先は3段階で考えると迷いません。
1まず自分でできる範囲を試す(数百円〜数千円)
ビニール袋、使い捨て手袋、粘着シート、有効成分を確認した市販薬。ここまでは手元の予算で始められます。旅行前後の持ち込み対策なら、これだけで十分に意味があります。
2お住まいの保健所や公的な相談窓口に聞く
自治体の多くは、衛生害虫についての相談窓口を保健所や生活衛生を担当する課に置いています。東京都保健医療局も、トコジラミについての問い合わせはお住まいの地区を管轄する保健所へ、と案内しています。
また、台東区と品川区は相談先として公益社団法人東京都ペストコントロール協会(電話03-3254-0014)を紹介しています。同協会は一般の方向けに害虫相談員を紹介する窓口を設けています。
3専門業者に調査と駆除を依頼する
生息調査、薬剤や熱による処理、その後の点検までをまとめて任せられます。卵に薬剤が効かない以上、点検と再処理まで含む形が一般的です。
トコジラミ駆除の費用相場(執筆時点)
出張サービスの比較サイト「くらしのマーケット」(運営はみんなのマーケット株式会社)のトコジラミ駆除のページでは、延べ床面積30平米の場合の料金相場が53,000円〜83,000円(税表記は出典に記載なし)と案内されています(執筆時点)。同ページには必須の作業内容として、作業内容の事前説明、被害調査、薬剤の塗布・散布、成虫の捕獲・卵の除去、作業日から30日間の保証、作業場所の簡易清掃が挙げられています。
もう一社見てみましょう。株式会社ダスキン(出典:ダスキン公式サイト)が展開する「ターミニックス」のトコジラミ駆除サービスでは、基本料金66,000円(税込)、ベッド1台の追加が22,000円(税込)、クローゼットの追加が5,500円(税込)と案内され、料金例として洋室20m²で93,500円(税込・税抜85,000円)が示されています(執筆時点)。作業は生息調査とバキューミング、ドライアイスによる冷却処理、薬剤処理、7〜10日後の初回点検、その約10日後の再点検という流れで、保証期間は30日間と記載されています。
両者を並べると、おおむね5万円台から10万円弱という幅が見えてきます。金額を左右するのは、部屋数と広さ、ベッドやソファなど布製家具の数、そして点検・再処理の回数です。
見積もりを取るときに確認したいこと
駆除サービスをめぐるトラブルには、公的機関から注意が出ています。独立行政法人国民生活センターは2024年4月24日、害虫・害獣駆除に関する報道発表を公表し、インターネット上の表示価格と実際の請求額がかけ離れた事例や、若い年代の相談が急増している状況を紹介しています。同センターが呼びかけているのは、契約する前に作業の範囲と支払総額の説明を受けること、そして複数の事業者に見積もりを依頼して見比べることです。
この分野は現地を見ないと範囲が確定しません。だからこそ、電話やチャットの段階で金額を確定させるのではなく、訪問調査のうえで作業範囲・回数・保証条件を書面にしてもらうのが安全です。品川区も、複数業者から見積もりを取ることをすすめています。迷ったときの相談先としては、局番なしの「188」(消費者ホットライン)に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターを案内してもらえます。事業者ごとの料金と作業内容を横並びで見たいときは、内容が一覧できる比較サイトを起点にするとよいでしょう。
トコジラミ対策のよくある質問(FAQ)
※本記事の料金・作業内容・各機関の案内は、執筆時点で公開されていた情報をもとにしています。薬剤は製品ごとに使い方も使える場所も違います。パッケージに書かれた表示を確認したうえでお使いください。刺され跡の診断・治療については扱っておりません。皮膚の症状や体調の変化がある場合は医療機関にご相談ください。
まとめ|トコジラミ対策は「持ち込まない」がいちばん割に合う
トコジラミへの備えは、①持ち込まない ②見つける ③熱で叩く ④限界を知る、の順に進めるのが現実的です。東京都のデータでは相談件数が令和6年度で486件、平成17年度の26件と比べると水準がまったく変わっており、住まいの清潔さとは別の要因で広がっていることがわかります。
旅行では、荷物を広げる前にベッド周りを見て、バスタブや金属ラックに荷物を置き、着用済みの衣類は袋に分ける。帰宅後は玄関でスーツケースを開け、そのまま洗濯と熱乾燥機へ。自宅で黒いシミを見つけたら、くん煙剤に手を伸ばす前に、板橋区が案内するお湯80℃以上に5分以上または通常の洗濯後の熱乾燥機、そして隙間への掃除機から始めます。
そのうえで、市販薬が効きにくい個体がいること、薬剤は卵に届かないことを踏まえると、自力での完全な駆除は難しい場面が多くなります。複数の自治体が専門業者への相談をすすめているのは、そのためです。費用の相場はおおむね5万円台から10万円弱。まずは寝室のマットレスの縫い目に、スマートフォンのライトを当ててみるところから始めてみてください。