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調味料の捨て方|容器ごとは出せる?ソース・みりん・粉類の分別

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引っ越しの荷造りや大掃除でキッチンの棚を空にすると、使いかけのソース、底に少し残ったみりん、いつ買ったか思い出せない片栗粉、奥から出てきた缶詰が、まとめて手元に並びます。1本ずつ中身を出すのは面倒で、つい「このまま容器ごと出せないだろうか」と考えたくなるところです。

先にお伝えします。中身が残ったままの容器は、資源にも燃やすごみにも出せません。国分寺市はごみのよくある質問で「中身が残っている場合は収集することが出来ません。」と書いています。そして、空になった容器の行き先は「ペットボトルの形かどうか」では決まりません。決めているのは、その容器に何が入っていたかです。ソースやケチャップのボトルがペットボトル資源に出せないのは、省令が対象の中身を7品目に限定しているからです。

この記事では、①中身と容器をどう分けるか ②品目別に容器がどこへ行くか ③ソース・ケチャップの容器が外れる理由 ④みりん・料理酒の扱い ⑤小麦粉・片栗粉・砂糖・塩などの粉もの ⑥缶詰・びん詰め・チューブ ⑦未開封のものを捨てずに済ませる道 ⑧引っ越しで運んでもらえるのか、を順に確かめます。e-Gov法令検索で読める省令・政令・約款の条文と、横浜市ごみ分別辞典、国分寺市・小平市・豊中市の案内、環境省の手引き、引越し2社の公開情報を、当メディア編集部が一つずつ調べて整理しました(※2026年8月時点)。

なお、ごみの区分名も対象品目も市区町村ごとに違います。この記事に出てくる自治体の記載は、線の引かれ方を具体的に見るための例です。実際に出すときは、お住まいの自治体の分別辞典で品目名を引いてください。

読者
引っ越し前にキッチンを片づけていたら、調味料が20本くらい出てきました。中身が少し残っているものもあって、容器ごと捨てていいのか分からなくて止まっています。
編集部
中身と容器は必ず分けます。そのうえで容器は、素材ではなく「何が入っていたか」で行き先が変わります。ソースとしょうゆで答えが違うので、品目ごとに見ていきましょう。

【一言でいうと】調味料は容器ごと捨てられる?

食器を洗い整理する様子
写真はイメージです

中身が入ったまま容器ごと出すことは、基本的にできません。国分寺市の「調味料(醤油、みりん等)の容器もペットボトルとして出せますか」という質問への回答は、容器のマークで出し方を分けたうえで、最後にこう釘を刺しています。「中身が残っている場合は収集することが出来ません。中身はぼろ布や紙等に吸わせて「もやせるごみ」で出してください。」回収の可否を決めているのは容器の素材ではなく、まず中身が空かどうかです。

そのうえで、空になった容器の行き先が決まります。同じ市の同じ回答が、ペットボトルマークがある場合とプラマークがある場合で出し先を書き分けているとおり、調味料の容器は「ペットボトル」と「プラスチック資源」に分かれます。どちらになるかはボトルの見た目では判断できず、ラベルに印刷されたマークを見るしかありません。そのマークの付き方を決めているのが、後で見る省令です。

作業としては、次の2段階に分けて考えると迷いません(※2026年8月時点)。

段階 やること 行き先 出典
①中身 ぼろ布や紙などに吸わせる(粉・固形はそのまま袋へ) もやせるごみ(自治体により燃やすごみ等) 国分寺市「調味料(醤油、みりん等)の容器もペットボトルとして出せますか」の回答
②容器 軽く洗って乾かす。ペットボトルマークならラベル・注ぎ口・キャップを外す/プラマークならそのままで可 マークにより「ペットボトル」または「資源プラスチック」 国分寺市 同回答(図1・図2の説明)
②の例外 においや汚れが落ちず洗えない容器 もやせないごみ 国分寺市 同回答(洗うことが出来ない場合の扱い)

国分寺市は区分名を「もやせるごみ」「資源プラスチック」「もやせないごみ」と呼んでいます。区分名は自治体ごとに違うので、名前ではなく「中身」「マークのある容器」「洗えない容器」という3つの箱に分ける、という考え方だけを持ち帰ってください。

調味料の種類別・容器の出し方早見表

調味料の容器は中身が何だったかで行き先が変わるの図解
当メディア編集部作成

品目ごとの行き先を、横浜市ごみ分別辞典「MIctionary(ミクショナリー)」から1行ずつ引いて並べました。同じ「調味料のボトル」でも、しょうゆ・酢・みりんと、ソース・ケチャップ・マヨネーズで区分が分かれます。出典欄には、その値が載っている行のページと品目名をそのまま書いています(※2026年8月時点)。

品目 横浜市での区分 出し方のポイント(辞典の記載) 出典(横浜市ごみ分別辞典)
しょうゆの入っていたペットボトル 缶・びん・ペットボトル ペットボトルマークを確認 さ行「しょうゆの入っていたペットボトル」
めんつゆ・だし醤油(しょうゆ加工品)のペットボトル 缶・びん・ペットボトル ペットボトルマークを確認。プラマークのものはプラスチック資源へ さ行「しょうゆ加工品(めんつゆ、だし醤油など)の入っていたペットボトル」
酢(食酢・調味酢)のペットボトル 缶・びん・ペットボトル ペットボトルマークを確認 さ行「酢(食酢・調味酢)の入っていたペットボトル」
ノンオイルドレッシングのペットボトル 缶・びん・ペットボトル ペットボトルマークを確認。油脂を使っているドレッシングは軽くすすいでからプラスチック資源へ た行「ドレッシングタイプ調味料(ノンオイル)の入っていたペットボトル」
ソースの容器 プラスチック資源 辞典の備考欄に追記なし さ行「ソースの容器」
ケチャップの容器 プラスチック資源 辞典の備考欄に追記なし か行「ケチャップの容器」
マヨネーズの容器(プラスチック製) プラスチック資源 辞典の備考欄に追記なし ま行「マヨネーズの容器(プラスチック製)」
みりん・みりん風調味料のペットボトル 缶・びん・ペットボトル ペットボトルマークを確認 ま行「みりんの入っていたペットボトル」/「みりん風調味料の入っていたペットボトル」
料理酒のペットボトル マークがあれば缶・びん・ペットボトル/なければプラスチック資源 マークの有無で2行に分けて掲載 やらわ行「料理酒のペットボトル(ペットボトルマークがあるもの)」/「(ペットボトルマークがないもの)」
調味料の入っていたプラスチックボトル(品目不明のもの) プラスチック資源 ペットボトルマークのついているものは缶・びん・ペットボトルへ た行「調味料の入っていたプラスチックボトル」
調味料のびん 缶・びん・ペットボトル 金属製のフタは小さな金属類へ。プラスチックのみでできたフタはプラスチック資源へ た行「調味料のびん」
わさびなどのチューブ容器 プラスチック資源 中身を使い切って。 やらわ行「わさびのチューブ容器」
小麦粉などの紙袋 燃やすごみ 辞典の備考欄に追記なし か行「小麦粉等の袋(紙製)」
だしパック 燃やすごみ 辞典の備考欄に追記なし た行「だし(出汁)パック」
缶(飲料・食品用) 缶・びん・ペットボトル 飲料・食品用以外で30cm未満のものは小さな金属類へ。30cm以上は粗大ごみ か行「缶(飲料・食品用)」
一升びん 販売店または缶・びん・ペットボトル 辞典の備考欄に追記なし あ行「一升びん」
弁当などに付いてくる調味料の小袋 プラスチック資源 中身を使い切って。陶器・ガラス製のものは燃えないごみへ は行「弁当・食品等の調味料袋」

この表は横浜市の区分です。同じ品目でも、区分名と対象は自治体ごとに違います。表の値はすべて上のリンク先の一覧表に載っている行から取っており、複数の市の記載を混ぜてはいません。

ソースやケチャップの容器は、なぜペットボトル資源に出せないのか?

キッチンのシンクを掃除する様子
写真はイメージです

ここが、この記事でいちばん誤解されている点です。ソースやケチャップの容器は、手に持った感触も透明度もペットボトルにしか見えません。それでも横浜市の辞典では「プラスチック資源」に振られています。理由は自治体の都合ではなく、国の側でPETボトルの識別表示マークを付ける対象が絞られているからです。

線を引いているのは「洗って臭いが落ちるか」

根拠は2段構えです。まず資源の有効な利用の促進に関する法律施行令の別表第五の四の項が、識別表示の対象となるPET容器の中身を「飲料又は特定調味料」と書き、特定調味料をしょうゆ・食酢その他の主務省令で定める調味料と定めています。そのうえで平成20年農林水産省・経済産業省令第一号が、こう限定しています。

「資源の有効な利用の促進に関する法律施行令別表第五の四の項の上欄に規定する主務省令で定める調味料は、次に掲げる物品であって、食用油脂を含まず、かつ、簡易な洗浄により当該物品を充塡したポリエチレンテレフタレート製の容器から当該物品及び当該物品の臭いを除去できるものとする。」

続けて挙げられているのは、しょうゆ/しょうゆ加工品/アルコール発酵調味料/みりん風調味料/食酢/調味酢/ドレッシングタイプ調味料の7品目です。条件は2つで、食用油脂を含まないことと、簡単な洗浄で中身とにおいを落とせることです。ソースや焼肉のたれが外れるのは香辛料の香りが残るから、オイル入りのドレッシングや食用油が外れるのは油脂を含むからで、リサイクル工程で他のPETボトルに混ざると困る、という発想です。

PETボトルリサイクル推進協議会の「指定PETボトル」のページは、対象外をはっきり書いています。「食用油脂を含むもの(食用油、オイル成分を含むドレッシング等)、香辛料の強いもの(ソース、焼肉のたれ等)、非食品用途全般(洗剤、シャンプー、化粧品、医薬品等)のPETボトルは指定PETボトルではありません。従来通り、その他プラスチック製容器包装に分類されます。」横浜市の辞典がソース・ケチャップ・マヨネーズの容器をプラスチック資源に振っているのは、この線引きと同じ向きです。

マークがない容器・洗えない容器はどうするか

実際の作業では、条文を思い出す必要はありません。ラベルのマークを見れば答えが出るように制度ができているからです。次の順番で進めてください(※2026年8月時点)。

1中身を空にしてから容器に触る

残った中身をぼろ布や紙などに吸わせ、容器を空にします。国分寺市が書いているとおり、中身が残っている容器は収集されません。液体の中身を手やシンクを汚さずに処理する具体的なやり方は、しょうゆの記事で手順を追っています。

2マークを見て、キャップとラベルを外すか決める

横浜市の辞典は「調味料のびん」について、金属製のフタは小さな金属類へ、プラスチックのみでできたフタはプラスチック資源へ、と分けて書いています。外すかどうかはマークで変わります。国分寺市は、ペットボトルマークがある場合は「ラベル・注ぎ口、キャップは外して」資源プラスチックへ、プラマークがある場合は「ラベル・注ぎ口・キャップはそのままで大丈夫です。」としています。

3ラベルのマークで出し先を決める

PETボトルの識別表示マークがあればペットボトルの資源へ、プラマークだけならプラスチック資源へ。国分寺市は、汚れが落ちず洗えない容器についてはもやせないごみに出すよう案内しています。においが強い容器を無理に資源へ出すより、この扱いのほうが確実です。

みりん・料理酒は、アルコールが入っていても同じでいい?

ガスコンロの五徳に鍋をのせて調理する様子
写真はイメージです

みりんと料理酒だけ身構える人が多い品目です。結論から言うと、容器の扱いはほかの調味料と同じで、マークで決まります。横浜市の辞典は「みりんの入っていたペットボトル」と「みりん風調味料の入っていたペットボトル」をどちらも缶・びん・ペットボトルに振り、備考に「ペットボトルマークを確認」とだけ添えています。料理酒は親切で、マークがあるものとないものを別々の行に立て、あるものは缶・びん・ペットボトル、ないものはプラスチック資源、と書き分けています。

ここで、本みりんと料理酒が指定PETボトルに入る道筋は2本あります。本みりんは酒税法上の酒類なので酒類の枠で対象になり、みりん風調味料と、飲用できない処置をした発酵調味料は、さきほどの省令の「みりん風調味料」「アルコール発酵調味料」として対象になります。どちらの道筋でも、答えはラベルのマークに集約されます。

もう一つ、「アルコールが入っているから消防法の危険物にあたるのでは」という心配をよく見かけます。条文を並べておきます。消防法の別表第一 備考第十三号は、第四類の危険物である「アルコール類」をこう定義しています。「アルコール類とは、一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコール(変性アルコールを含む。)をいい、組成等を勘案して総務省令で定めるものを除く。」その除外を定めた危険物の規制に関する規則第一条の三第四項第一号は、「一分子を構成する炭素の原子の数が一個から三個までの飽和一価アルコールの含有量が六十パーセント未満の水溶液」を挙げています。

一方、酒税法第三条第十一号は、みりんを「次に掲げる酒類でアルコール分が十五度未満のもの(エキス分が四十度以上であることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)をいう。」と定義しています。同条第一号によれば、アルコール分とは「温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。」です。除外の線が六十パーセント未満、本みりんの定義が十五度未満。数字の桁がひとつ違います。該当するかどうかの最終的な判断は消防機関の領分なので編集部が言い切ることはしませんが、家庭のみりんや料理酒を、灯油やガソリンと同じ棚に置いて考える必要はなさそうだ、というのが条文から読み取れる形です。

小麦粉・片栗粉・砂糖・塩などの粉ものは何ゴミ?

親子でガスコンロの天板を拭き掃除する様子
写真はイメージです

粉ものは液体と違って吸わせる必要がないので、実務は簡単です。横浜市の辞典は「小麦粉等の袋(紙製)」を燃やすごみとし、食品そのものについては「食品残渣(生ごみなど)」を燃やすごみとして、備考に「可能な範囲で水気を切って」と添えています。袋ごと燃やすごみに出せるのは、袋が紙製で中身も燃やすごみだからで、プラスチックの袋なら中身を出して袋はプラスチック資源へ、という順番になります。粉が舞うのが気になるときは、袋の口を閉じてから別の袋に入れると扱いやすくなります。

むしろ迷いどころは、捨てるかどうかの判断のほうです。片栗粉や砂糖、塩の袋を裏返しても賞味期限が見当たらず、「表示が消えるほど古いのか」と不安になる人がいます。これは古いからではありません。食品表示基準の第三条第三項は「前二項の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる表示事項の表示は、同表の下欄に掲げる区分に該当する食品にあってはこれを省略することができる。」と定めており、消費期限又は賞味期限の表示を省略できる区分として、でん粉・チューインガム・冷菓・砂糖・アイスクリーム類・食塩及びうま味調味料・酒類・飲料水及び清涼飲料水・氷を挙げています。

片栗粉やコーンスターチはでん粉、上白糖は砂糖、食塩とうま味調味料はそのまま名指しされています。つまり、期限が書かれていないのは表示義務の対象外だからで、期限切れの証拠ではありません。小麦粉には賞味期限が付いていますが、これは小麦粉が上の区分に入っていないためです。同じ棚に並んでいても制度上の扱いが違う、ということになります(※2026年8月時点)。

ごま油やオリーブオイル、ラー油のように油そのものを捨てる場合は、粉ものとも液体調味料とも手順が変わります。横浜市の辞典も「食用油」に対しては、油を紙などに染み込ませるか固めてから燃やすごみへ、ボトルはプラスチック資源へ、と別の指示を出しています。油の処理は別の記事で手順をまとめています。

缶詰・びん詰め・チューブに中身が残っているときは?

食器を洗い整理する様子
写真はイメージです

缶詰は、中身を出せば普通の空き缶と同じ扱いになります。小平市の「カン(飲料、お菓子、缶詰、のりなど)の出し方」は「中身を空にして水で軽くすすぎ、透明か半透明の袋にカンだけを入れて出してください(汚れや異物があるとリサイクルできません)。」と案内し、さらに「油などで汚れの落ちないカンは燃やさないごみに出してください。」と逃げ道も示しています。ツナ缶やオイルサーディンのように油が抜けきらない缶は、無理に資源へ出さなくてよい、ということです。豊中市の「空き缶・危険ごみ(スプレー缶類)の分け方・出し方」も「飲料用や缶詰の空き缶は水で軽くすすいでから排出してください。」と同じ線を引いています。

ここで一つ注意があります。豊中市の同じページには、中身が残ったまま捨てざるを得ない場合に袋へ貼り紙をして出す、という案内も載っていますが、これはスプレー缶やガスボンベについての取り扱いで、缶詰の話ではありません。ページ内で節が分かれているので、缶詰に読み替えないでください。缶詰の中身が残っているなら、中身は食品として燃やすごみへ、缶はすすいで資源へ、が両市に共通する扱いです。

びん詰めは、横浜市の辞典の「調味料のびん」が缶・びん・ペットボトルで、フタは金属製なら小さな金属類、プラスチックのみならプラスチック資源に分かれます。一升びんは「販売店または缶・びん・ペットボトル」となっており、酒販店の回収ルートが残っている品目です。わさびやからしのチューブは「わさびのチューブ容器」がプラスチック資源で、備考は「中身を使い切って。」の一文です。チューブは切り開かずに、使い切ってから出すのが基本形になります。

なお、同じ「缶」でもスプレー缶とカセットボンベは別の品目です。小平市はスプレー缶・ガスカートリッジ缶を別袋で有害性資源の日に出すよう案内しており、豊中市も危険ごみとして扱っています。調味料と一緒に袋へ入れないでください(※2026年8月時点)。

未開封で期限内の調味料は、捨てるしかない?

部屋を片付ける様子
写真はイメージです

買い置きしすぎたしょうゆ、いただき物のだしセット、贈答用のオイル。開けていないものまで捨てるのは、気持ちのうえでも引っかかります。自治体や社会福祉協議会が受付をしているフードドライブに持ち込むという選択肢があり、受け入れの条件は、環境省が公開している手引きが具体的に示しています。

環境省の「フードドライブ実施の手引き」は、集める食品の条件として「常温で保存できるもの」「未開封で、包装が破損していないもの」「賞味期限まで1か月以上あるもの」「商品説明が日本語表記のもの」の4つを挙げています。同じ手引きのP6のコラム「よくある「回収できない食品」の例」には、回収できない食品として「開封されたもの、包装が破損し食品が外気に触れてしまうもの」「賞味期限が1か月未満のもの」が並びます。使いかけの調味料は、この時点でほぼ対象外になります。

おもしろいのは例外の置き方です。同じコラムは回収できない食品に「賞味期限の記載がないもの(砂糖、塩を除く)」と書き、さらに「アルコール類(料理酒を除く)」と書いています。砂糖と塩がわざわざ除かれているのは、さきほど見た食品表示基準の期限表示の省略規定と辻褄が合います。そして料理酒は、嗜好品としてのアルコール類ではなく調味料として扱われ、回収できる側に置かれています。手引きは食品の分類方法の例として「米、缶詰・びん、レトルト食品、インスタント食品、お菓子、飲料、調味料、粉もの、乾物、その他」を挙げており、調味料と粉ものはもともと想定された受け入れ品目です。

ただし、この手引きは実施団体向けの参考資料であって、全国共通のルールではありません。手引き自身も、集める食品は提供先団体と事前に調整することが重要だと繰り返しています。実際の受付条件は開催ごとに違うので、持ち込む前に主催者の告知を確認してください(※2026年8月時点)。

引っ越しのとき、調味料は持っていける?

荷造り・段ボールに荷物を詰める様子
写真はイメージです

「引越し業者は調味料を運べないことになっている」という説明を、あちこちで見かけます。当メディア編集部は、国土交通省が公開している標準引越運送約款(平成二年運輸省告示第五百七十七号・令和七年国土交通省告示第百九十三号による最終改正)の本文をテキストにして全文検索しました。「調味料」「食品」「液体」「飲料」の語は、いずれも一度も出てきません。引受拒絶を定める第四条第二項が挙げているのは、携帯できる貴重品、「火薬類その他の危険品、不潔な物品等他の荷物に損害を及ぼす恐れのあるもの」、動植物やピアノ・美術品など特殊な管理を要するもの、そして種類と性質を申告しなかったもの、の4つです。調味料はどこにも名指しされていません。

では実務の急所はどこかというと、申告と荷造りです。第八条第一項はこう定めています。「当店は、荷物を受け取る時に、第四条第二項各号に掲げる荷物、貴重品(第四条第二項第一号及び第三号に掲げるものを除く。)、壊れやすいもの(パソコン等の電子機器を含む。第二十四条第二項において同じ。)、変質若しくは腐敗しやすいもの等運送上特段の注意を要するものの有無並びにその種類及び性質を申告することを荷送人に求めます。」開封済みの調味料や生鮮食品は、この「変質若しくは腐敗しやすいもの」に当たります。

申告を怠ったときの結果まで書かれているのが、この約款の厳しいところです。第二十四条第二項は、変質又は腐敗しやすいもの等について「荷送人が第八条第一項の規定によるその有無の申告をせず、かつ、当店が過失なくしてその存在を知らなかった場合は、当店は、運送上の特段の注意を払わなかったことにより生じた当該荷物の滅失若しくは損傷又は当該荷物により生じた他の荷物の滅失、損傷若しくは遅延について、損害賠償の責任を負いません。」としています。さらに第二十三条第二号は、免責事由として「荷物の性質による発火、爆発、むれ、かび、腐敗、変色、さびその他これに類似する事由」を挙げています。黙って積んだしょうゆが漏れて隣の段ボールの服を汚しても、賠償されない組み立てになっている、ということです。荷造り自体も、第七条第一項が「荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。」と、荷送人の義務として定めています。

各社の実際の扱いは、公式の案内で確かめられます。アート引越センターのよくあるご質問「冷蔵庫の中身はどうしたらいい?」は「冷蔵庫の中身につきましては、当社では調味料などの保存のきくもの以外は基本的にお運びできないことになっております。」と書いています。調味料を運べないものとして挙げているのではなく、むしろ運べる側の例として挙げています。同じ回答は「特に夏の時期は短時間でもトラックの中は大変高温になりますので、生ものの輸送はお断りさせていただいております。」と続けており、断っているのは生ものです。

いっぽうサカイ引越センターのよくあるご質問「処分品・不用品」は、粗大ごみの引き取りについて説明したうえで「生活ゴミは、当社ではお引き受けできません。」と明記しています。運ぶことと、処分を引き受けることは別の話です。持っていくつもりのない調味料は、引越し当日に業者へ渡すのではなく、自分で自治体の区分に沿って出しておくのが確実です。開封済みで漏れそうなもの、夏場に持ち運ぶのが不安なものは、荷造りの前に処理を済ませてしまいましょう(※2026年8月時点)。

大量に出た調味料を、まとめて片づけたいときは?

作業員が住宅で作業する様子
写真はイメージです

実家の片づけなどで調味料が数十本まとめて出てくると、1本ずつマークを見るのが現実的でなくなります。それでも最初にすべきは自治体の分別辞典を開くことです。横浜市のように品目名で引ける一覧を用意している自治体は多く、「ソースの容器」「調味料のびん」のような細かい品目名まで載っています。中身の処理だけ自分で済ませてしまえば、容器は資源の収集日に出せます。

家具や家電も含めて一度に運び出したい場合に、片づけを事業者へ頼むという選択肢もあります。ここで確認したいのが許可です。廃棄物の処理及び清掃に関する法律第七条第一項は「一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。」と定めています。許可を出すのは市町村長で、区域ごとに与えられます。だから「全国対応」と書いてあっても、自分の市で家庭のごみを運べるかは別問題です。市の公式サイトに許可業者や委託業者の一覧が載っていることが多いので、見積もりを取る前にそこで名前を確かめておくと、話が早くなります。

もう一つ、事業者に頼めば何でも持っていってもらえるわけではない点も押さえておきます。サカイ引越センターが生活ゴミを引き受けないと書いているように、生ごみや中身の残った食品は、片づけを扱う事業者でも対象外にしていることがあります。調味料の中身は自分で処理し、容器と他の不用品をまとめて相談する、という分担にすると話が通りやすくなります(※2026年8月時点)。

調味料の捨て方でよくある質問(FAQ)

Q調味料は容器ごと捨てられますか?

A中身が入ったままでは出せません。国分寺市は「中身が残っている場合は収集することが出来ません。」と書いており、中身を紙や布に吸わせてから容器を出すよう案内しています。中身を空にしたあとであれば、容器はマークに応じて資源に出せます。

Q新聞紙が家にありません。中身は何に吸わせればいいですか?

A国分寺市の案内は「ぼろ布や紙等」と書いており、新聞紙に限定していません。キッチンペーパー、着古した衣類、紙パックの中に詰めた紙くずなどでも役割は同じです。液体の中身を漏らさず処理する具体的な段取りは、しょうゆの記事にまとめています。

Qボトルにマークが見当たりません。どちらに出せばいいですか?

A横浜市の辞典は「調味料の入っていたプラスチックボトル」をプラスチック資源とし、ペットボトルマークのついているものは缶・びん・ペットボトルへ、としています。マークが確認できないものはプラスチック資源側、というのが同市の整理です。区分名は自治体で違うため、お住まいの一覧表で品目を引いてください。

Q塩や砂糖に賞味期限が書いてありません。捨てたほうがいいですか?

A表示がないのは古いからではなく、食品表示基準第三条第三項が砂糖・食塩及びうま味調味料・でん粉などについて期限表示の省略を認めているためです。編集部が食べられるかどうかを判断することはできませんので、湿気やにおい移りなど保存状態を見て、ご自身で判断するか販売元にご確認ください。

Q引越し業者に、いらない調味料の処分も頼めますか?

Aサカイ引越センターは「生活ゴミは、当社ではお引き受けできません。」と明記しています。標準引越運送約款第一条第一項は不用品の処理等のサービスも約款の対象に含めていますが、何を引き受けるかは各社の判断です。中身の残った調味料は自分で処理しておくのが確実です。

※この記事は、e-Gov法令検索で確認できる資源の有効な利用の促進に関する法律施行令、平成20年農林水産省・経済産業省令第一号、消防法、危険物の規制に関する規則、酒税法、食品表示基準、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の条文と、国土交通省が公開する標準引越運送約款、横浜市ごみ分別辞典「MIctionary(ミクショナリー)」、国分寺市・小平市・豊中市の案内、環境省「フードドライブ実施の手引き」、アート引越センターおよびサカイ引越センターの公開情報をもとに、2026年8月時点で編集部が整理したものです。ごみの区分名・対象品目・収集方法は市区町村ごとに異なり、変更されることがあります。法令の解釈や個別の事案についての助言ではなく、食品が食べられるかどうかを判断するものでもありません。実際に出すときは、お住まいの市区町村の分別辞典と収集カレンダーをご確認ください。

まとめ

調味料の処分は、中身と容器を分けるところから始まります。中身が残ったままの容器は収集されないので、まず空にする。空にした容器は、素材ではなく「何が入っていたか」で行き先が変わり、その線を引いているのは、食用油脂を含まず簡易な洗浄で中身と臭いを除去できることという省令の要件です。しょうゆ・酢・みりん・ノンオイルドレッシングはペットボトルの資源へ、ソース・ケチャップ・マヨネーズはプラスチック資源へ、と分かれるのはこのためです。

粉ものは袋ごと燃やすごみに出せることが多く、砂糖や塩に賞味期限が書かれていないのは表示義務の対象外だからでした。未開封で期限に余裕があるものは、フードドライブに持ち込める場合があります。引っ越しで運ぶなら、約款が求めているのは「禁止」ではなく申告と荷造りです。中身を出して容器を洗う、この2手間で、ほとんどの調味料は迷わず出せるようになります。

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