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台所の隅、床下収納の底、天井裏の点検口のそば——黒くて小さな粒がいくつも落ちているのを見つけると、まず「これはネズミのフンなのか」「触ってしまって大丈夫か」が気になって、掃除の手が止まってしまいます。
検索すると実物の写真を並べたページが多く出てきますが、フンの色や湿り具合は落ちてからの時間で変わるため、写真1枚と見比べても迷いやすいものです。自治体が案内で手がかりにしているのは、見た目の色よりも「大きさ」「丸いか細長いか」「どこに落ちているか」の3点です。
この記事では、葛飾区・中野区・千代田区・台東区・姫路市が公開している住民向けの案内と、公益社団法人東京都ペストコントロール協会の情報をもとに、当メディア編集部が「フンから種類を絞る手順」と「安全な掃除・消毒の手順」を整理しました。動物やフンの写真は使わず、線画の図解だけで進みます。


【一言でいうと】大きさと落ちている場所でネズミの種類は絞れる
家の中に住みつくネズミは、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種類です。葛飾区のねずみ駆除の手引きは、この3種についてフンの大きさをドブネズミ=1〜2cm/クマネズミ=0.6〜1cm/ハツカネズミ=0.4〜0.7cmと示しています。まずは大きさを見て、次に形と落ちている場所を重ねると、どの種類かの当たりがつきます。
下の図解で、3種のフンの違いを整理しました。色や湿り具合ではなく、大きさ・形・場所の3点で見るのがポイントです。

| 種類 | フンの大きさ | 形・落ち方 | よく見つかる場所 |
|---|---|---|---|
| ドブネズミ | 1〜2cm(10〜20mm) | 丸みがある | 下水溝・床下・建物1階以下 |
| クマネズミ | 0.6〜1cm(6〜10mm) | 散らばって、細長く不揃い | 天井裏・屋根裏など高い場所 |
| ハツカネズミ | 0.4〜0.7cm(4〜6mm) | 最も小さく細かい | 畑地の周辺・倉庫・納屋 |
※大きさは葛飾区、形・落ち方は中野区、場所は千代田区・葛飾区が公開しているページ(2026年7月時点で確認)をもとに、当メディア編集部が一覧化しました。大きさや形だけで種類を確定できるものではありません。
ネズミのフンの見分け方|大きさ・形・落ちている場所で見る

色や太さは落ちてからの時間で変わるため、そこから見はじめると迷いやすくなります。先に確認するのは、大きさ・形と落ち方・場所の順です。
まず大きさを見る|1〜2cmか、5mm前後か
葛飾区のねずみ駆除の手引きは、3種のフンの大きさを種類ごとに記しています。ドブネズミは1〜2cm、クマネズミは0.6〜1cm、ハツカネズミは0.4〜0.7cmで、体が大きいほどフンも大きくなります。1cmを超える大きめの粒ならドブネズミ、5mm前後の小さな粒ならクマネズミかハツカネズミ、と大きく分けられます。
中野区のネズミの被害にご注意をも、ドブネズミを10〜20mm、クマネズミを6〜10mm、ハツカネズミを4〜6mmと数値で示しており、両区の記載はおおむね一致しています。指で測るのは避け、定規やコインを近くに置いて写真に残しておくと、あとで相談するときの材料になります。
形と落ち方|丸いか、細長く不揃いか
中野区は形についても記しています。ドブネズミは「丸みがある」、クマネズミは「散らばって、細長く不揃い」という特徴です。一か所にまとまっているか、通り道に沿ってばらばらと散っているかも見てください。
ハツカネズミは3種のなかで最も小さく、葛飾区は「小型のため他種の幼獣と間違われる」と注意を添えています。小さい粒が見つかったからといってハツカネズミと決めつけず、ほかの手がかりと合わせて考えるのが安全です。
見つけた場所とラットサイン
千代田区のねずみの種類・特徴と対策は、区内で見かけるネズミを、屋外を住みかとするドブネズミと、建物内に住み着くクマネズミの2種類として紹介しています。ドブネズミは屋外や建物1階以下、クマネズミは天井や屋根裏といった高い場所という違いです。天井裏や高い棚の上でフンを見つけたなら、クマネズミの可能性が高いと考えられます。
千代田区は、クマネズミについて「とおり道は黒く汚れている(ラットサインと呼びます)」とも記しています。中野区も、体の汚れたネズミが夜間歩き回ることで壁が部分的に汚れる現象をラットサインと呼んでいます。フンだけでなく、壁際や配管まわりに黒いこすれ跡がないかも合わせて見ておきましょう。
ネズミのフンに似ているもの|コウモリ・ゴキブリとの違い

黒くて小さな粒は、ネズミ以外の生き物のフンのこともあります。公益社団法人東京都ペストコントロール協会はネズミの種類のページで、ネズミのフンに似た糞としてコウモリとクロゴキブリを挙げています。
コウモリのフン|軒先や屋根の下でもろく崩れる
同協会は、コウモリのフンについて「大きさは5〜10mmで夏期に軒先や屋根の下に落ちていることが多い」「昆虫しか食べないためネズミの糞に比べてもろいのが特徴」と説明しています。軒先や屋根の下で見つかり、指でつまむと崩れやすいなら、ネズミではなくコウモリの可能性があります。
ゴキブリのフン|台所の隙間に小さく、放射状の筋
クロゴキブリのフンについて同協会は「大きさは2,3mmで台所の隙間や屋外に近い箇所に落ちていることが多い」とし、「餌によっても異なりますが、放射状の筋が確認されることがあります」と記しています。2〜3mmとネズミのフンよりさらに小さく、台所の隙間に集まっているなら、ゴキブリのフンを疑ってみてください。いずれにしても、見た目だけで確定できるものではないため、複数の手がかりを重ねることが大切です。
ネズミのフンを見つけたときの掃除と消毒の手順

掃除は「触らない準備」と「舞い上げない工夫」から始めます。姫路市の保健所は、げっ歯類が関わる感染症の案内のなかで、フンや尿の掃除の注意点を具体的に示しています。手順に落とし込むと次のようになります。
1片付ける前に、場所と大きさを記録する
どこに、どのくらいの大きさのフンが、どんなふうに落ちていたかは、あとで自治体や業者に相談するときの説明材料になります。コインや定規を近くに置いて写真に残しておくと、大きさが伝わりやすくなります。掃除を始めると痕跡は消えるため、記録は先に済ませてください。
2マスクと手袋を着けてから近づく
姫路市の保健所はハンタウイルス感染症についての案内で、掃除の際は「マスクや手袋を着用しましょう」と呼びかけています。長袖・長ズボンにして、肌が直接フンに触れない状態をつくってから作業に入りましょう。
3乾いたまま掃かない・掃除機で吸わない
姫路市の保健所は「掃き掃除や掃除機の使用は避け、湿らせてから拭き取りましょう」とし、「ほこりを吸い込まないよう注意してください」と案内しています。乾いたフンをほうきで掃いたり掃除機で吸ったりすると、細かい粉じんが舞い上がってしまうためです。作業中は窓を開けて風を通しておきましょう。
4湿らせて拭き取り、袋に入れて口を閉じる
フンや尿の部分を湿らせてから、ペーパーやウエスで包み込むように拭き取ります。取り除いたものはごみ袋に入れて口をしっかり縛り、お住まいの自治体の分別ルールに従って処分してください。使ったペーパーや手袋も一緒に処分します。
5拭き取ったあとの面を消毒する
拭き取りのあとは、その面を消毒します。消毒剤は用途と使える素材が製品ごとに決まっているため、必ず容器の表示にある使用方法・希釈のしかた・使える場所を確認してから使い、複数の薬剤を混ぜないでください。塩素系の薬剤は換気をしながら使います。
6作業後は手を洗う
姫路市の保健所は「掃除後は、手洗いを行いましょう」と案内しています。手袋を外したあとも、手と顔を石けんで洗ってください。台東区のねずみの防除も、ネズミによる衛生上の被害に注意するよう呼びかけています。
フンが同じ場所に増え続ける、天井裏など手の届きにくい場所に広がっているといった場合は、無理に自分で作業せず、清掃や消毒を専門業者に相談する選択肢もあります。
ネズミのフンを放置するとどうなる|感染症とダニ

フンをそのままにしておくと困るのは、見た目やにおいだけではありません。台東区は、ネズミがサルモネラ菌や赤痢菌などを媒介したり、ネズミに寄生しているイエダニが人を吸血したりする衛生上の被害があると案内しています。フンや尿が残った場所は、こうした不衛生の原因になりやすいと考えられます。
姫路市の保健所は、ハンタウイルス感染症について、げっ歯類が保有し、感染した動物の排泄物に触れたり、その乾燥した粉じんを吸い込んだりして感染する感染症だと説明しています。あわせて、日本では1984年以降、国内での患者の発生は報告されていないとも記しています。掃除で乾いた粉じんを舞い上げない工夫が大切なのは、こうした背景があるためです。
ここで挙げたのは、あくまで各自治体・保健所が案内している一般的な情報です。症状の有無や体調の判断は当メディアでできることではありません。掃除のあとで体調に不安を感じたときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。
フンが続くなら|侵入とエサを断って再発を防ぐ

フンを片付けても、入口と食べ物が残っていれば同じことが繰り返されます。台東区は、屋内のネズミ対策として「餌となる食物をなくす」「巣づくりの場所や材料をなくす」「出入口をふさぐ」の3つを挙げています。
食品や生ごみはふたの閉まる容器に収納し、紙くずや布きれといった巣の材料になるものを放置しないこと。そして、ネズミは1cmほどの隙間でも通り抜けるため、床下の通風口やエアコンの配管まわり、換気扇、戸袋などの隙間を金属のたわしや金網でふさぐことが基本になります。千代田区は、クマネズミが1cm以上の穴をかじって広げて侵入すると案内しています。
殺鼠剤や粘着シートを使う場合は、台東区が「使用上の注意・説明書をよく読み、取り扱いには十分注意しましょう」と呼びかけているとおり、必ず製品の表示に従ってください。同区は、こうした薬剤やトラップによる防除は一時的な効果にとどまり、侵入口や住みやすい環境を改善しない限りまた増えるとも記しています。
フンが続く、天井裏で物音がするなど被害が広がっている場合は、駆除の費用や業者の選び方をまとめた記事、音を使った対策の記事も参考にしてください。
ネズミのフンについてよくある質問(FAQ)
※本記事は、2026年7月の時点で公開されていた各機関のページを当メディア編集部が確認し、要点をまとめたものです。確認したのは葛飾区・中野区・千代田区・台東区・姫路市(健康福祉局保健所)と、公益社団法人東京都ペストコントロール協会の各ページになります。フンの種類の最終的な判断は、現地を確認できる自治体の担当課や専門業者にご相談ください。消毒剤・殺鼠剤をお使いになる場合は、各製品に表示された使用方法と使用場所の指定を守ってお使いください。掃除後に体調の変化を感じた場合は、医療機関へご相談ください。
まとめ
黒くて小さな粒を見つけたら、色より先に、大きさ・形と落ち方・見つけた場所の3点を確認してください。1〜2cmで丸みがあり床下や1階まわりならドブネズミ、6〜10mmで散らばって細長く天井裏ならクマネズミ、4〜7mmと最も小さければハツカネズミ、という当たりのつけ方になります。軒先でもろく崩れるならコウモリ、台所の隙間で2〜3mmと小さいならゴキブリの可能性もあります。
掃除は素手で行わず、マスクと手袋を着けてから。乾いたまま掃いたり掃除機で吸ったりせず、湿らせて拭き取り、面を消毒して、最後に手を洗います。消毒剤は必ず製品の表示に従って使ってください。
そして、フンが続くようなら、それはネズミがまだ出入りしているサインです。侵入口をふさぎ、エサと巣材をなくすのが基本で、被害が広がっているなら駆除の費用や業者選び、音を使った対策の記事も合わせて確認してみてください。大きめのフンで獣の可能性がある場合は、獣のフンの見分け方の記事が参考になります。