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進学や転勤、同棲や家族での住み替え——引っ越しの見積もりを取る前にいちばん気になるのは「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。同じ引っ越しでも条件しだいで数万円単位の差が出るため、ネットで見かけた誰かの金額は、そのままではあてになりません。
結論からいうと、引っ越し業者に支払う費用は「移動距離」「荷物量(世帯人数)」「時期」の3つの条件でほぼ決まります。公開されている見積もりデータでは、通常期(5月〜1月)の平均は単身で5万円台後半、4人家族で10万円前後、繁忙期(2月〜4月)はその約1.4〜1.6倍が目安です(2026年7月時点)。
この記事では、当メディア編集部が引越し侍とSUUMO引越し見積もりが公開している相場データ、国土交通省の標準引越運送約款、独立行政法人国民生活センターの公表資料を調査し、距離・荷物量・時期別の料金早見表と費用を安く抑える方法を整理しました。手元の見積もりが妥当かを判断する物差しとしてお使いください。


引っ越し費用の相場はいくら?単身・家族別の平均【2026年7月時点】

一括見積もりサイトの引越し侍は、利用ユーザーの過去データから概算した世帯人数別の平均額を公開しています。通常期(5月〜1月)と繁忙期(2月〜4月)に分かれており、単身の平均は通常期57,708円・繁忙期88,130円でした(税表記は出典に記載なし)。
| 世帯人数 | 通常期(5月〜1月)の平均 | 繁忙期(2月〜4月)の平均 |
|---|---|---|
| 単身 | 57,708円 | 88,130円 |
| 2人 | 92,573円 | 132,278円 |
| 3人 | 99,770円 | 153,586円 |
| 4人 | 104,627円 | 164,818円 |
出典:引越し侍「引っ越し費用の相場料金」(利用ユーザーの過去データから概算した公表値・2026年7月時点。税込/税抜の区分は出典に記載なし)
別の公開データも見ておきましょう。SUUMO引越し見積もり(リクルート)が公開する相場では、通常期の全平均は単身(荷物小)47,158円〜5人家族以上169,220円、繁忙期の全平均は単身(荷物小)58,680円〜5人家族以上217,546円という幅でした。集計方法が違うため数字そのものは一致しませんが、通常期の単身は5万円前後から、家族は10万円前後からという桁感は2つのデータで共通しています。
出典:SUUMO引越し見積もり「引越し料金相場」(2026年7月時点。税込/税抜の区分は出典に記載なし)
なお、ここまでの金額はあくまで「引っ越し業者に支払う運送費用」の平均です。賃貸の敷金・礼金などを含めた総額の考え方は、記事後半のFAQで扱います。
引っ越し費用が決まる3つの条件と料金の内訳

平均額と自分の見積もりを見比べる前に、金額が動く仕組みを知っておくと確認や交渉がしやすくなります。引っ越し費用を左右するのは①移動距離 ②荷物量(トラックのサイズ・作業員数) ③時期の3条件で、ここにオプション作業の料金が加算されていく構造です。
料金の内訳は「基礎運賃+実費+オプション」
引越し侍の解説によると、基礎運賃は作業時間をもとに計算する時間制(基礎時間は4時間または8時間)と、移動距離をもとに計算する距離制(基礎距離100km)のどちらかで決まり、荷物量によって決まるトラックのサイズも基礎運賃に関わります。そこに実費(作業スタッフの人件費・段ボールなどの梱包資材費・高速道路などの交通費)と、オプションサービスの料金が乗ります。
オプションの例としては、エアコンの移設について取り外し工事5,000〜15,000円・取り付け工事15,000〜25,000円という目安が同サイトで公開されています(2026年7月時点・税表記は出典に記載なし)。冷蔵庫や大型家具の運搬は基本作業に含まれる一方、工事や特殊な作業が必要なものは別料金になりやすい、と覚えておくと見積書が読みやすくなります。
また、国土交通省が定める標準引越運送約款では、見積書に運賃等の合計額とその内訳を、搬出・搬入や荷造り作業などの内容ごとに区分してわかりやすく記載することとされています。内訳が「一式」だけの見積書になっていないかは、合計金額より先に確認したいポイントです。
出典:引越し侍「引っ越し費用の相場料金」/標準引越運送約款(平成2年運輸省告示第577号・最終改正 令和7年国土交通省告示第193号)第3条
距離別の引っ越し費用相場早見表【通常期・繁忙期】

同じ荷物量でも、同じ市内の近場か県外への長距離かで料金は大きく変わります。SUUMO引越し見積もりが公開している距離帯別の平均額を、通常期と繁忙期に分けて整理しました(いずれも2026年7月時点・税表記は出典に記載なし)。
通常期(5月〜1月)の距離別料金早見表
| 移動距離 | 単身(荷物小) | 単身(荷物大) | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜15km未満(同市区町村程度) | 38,588円 | 51,301円 | 69,100円 | 85,645円 | 103,984円 |
| 〜50km未満(同都道府県程度) | 41,542円 | 52,574円 | 75,990円 | 95,380円 | 123,903円 |
| 〜200km未満(同一地方程度) | 50,819円 | 69,442円 | 92,051円 | 110,326円 | 143,783円 |
| 〜500km未満(近隣地方程度) | 59,857円 | 87,577円 | 119,246円 | 151,067円 | 188,692円 |
| 500km以上(遠距離地方程度) | 73,185円 | 105,346円 | 164,104円 | 205,200円 | 240,098円 |
繁忙期(2月〜4月)の距離別料金早見表
| 移動距離 | 単身(荷物小) | 単身(荷物大) | 2人家族 | 3人家族 | 4人家族 |
|---|---|---|---|---|---|
| 〜15km未満(同市区町村程度) | 45,726円 | 62,754円 | 83,998円 | 106,316円 | 127,923円 |
| 〜50km未満(同都道府県程度) | 50,595円 | 69,099円 | 95,803円 | 119,953円 | 153,889円 |
| 〜200km未満(同一地方程度) | 61,482円 | 89,839円 | 130,274円 | 146,337円 | 193,193円 |
| 〜500km未満(近隣地方程度) | 71,272円 | 112,346円 | 167,757円 | 211,528円 | 258,454円 |
| 500km以上(遠距離地方程度) | 82,201円 | 132,609円 | 231,778円 | 291,535円 | 333,431円 |
出典:SUUMO引越し見積もり「引越し料金相場」(2026年7月時点)
県内(〜50km未満)の引っ越しなら通常期で単身4〜5万円台・家族7〜12万円台、500km以上の長距離では単身でも7万円台から、家族では16万円以上が平均という水準です。距離が伸びるほど「荷物を減らす」「時期をずらす」の効果額も大きくなるため、長距離の方ほど後述の節約の打ち手を検討する価値があります。
世帯人数別の引っ越し費用の目安|詳しくは各記事で

単身(一人暮らし)の場合、引越し侍のデータでは荷物が少ない人で3.6万円〜12.7万円程度、すでに一人暮らしをしていて荷物が多い人で4.6万円〜18万円程度と、距離しだいの幅があります。専用ボックス単位の定額サービス(単身パックなど)を使う選択肢もありますが、ボックスに収まる荷物量が上限で、入りきらない分は運べないか追加の料金・別便になる条件が一般的です。単身の荷物量別の目安や安く抑える組み立ては、次の記事で詳しく解説しています。
2人以上の世帯では、通常期の平均が2人92,573円・3人99,770円・4人104,627円(引越し侍・2026年7月時点)と人数に応じて上がりますが、単身から2人への差に比べると、2人から4人への差はゆるやかです。二人暮らし・家族の間取り別の目安や、家具・家電が多い場合の考え方は世帯別の記事にまとめています。
繁忙期(2月〜4月)と通常期でどれくらい変わるか

引越し侍の平均額で比べると、繁忙期は通常期の約1.4〜1.6倍です(単身57,708円→88,130円、4人家族104,627円→164,818円)。SUUMO引越し見積もりも、2月〜4月は入学や就職など新生活を迎える人の依頼が集中し、業者の作業員数やトラックが不足するため、希望日に引っ越しできないことが多いうえ費用も高くなりがちだと説明しています。
裏を返せば、日程を選べる人は時期を通常期にずらすだけで、平均ベースでこの差額分の余地が生まれます。ただし通常期の中にも転勤シーズンなどの波があり、「この月なら必ず安くなる」と言い切れるものではありません。月別の傾向や、繁忙期に引っ越さざるを得ない場合の日取りの考え方は、時期に特化した次の記事で扱っています。
引っ越し費用を安く抑える5つの方法

費用が「距離×荷物量×時期+オプション」で決まる以上、打ち手もこの条件を動かすことに尽きます。効果の出やすい順に整理しました。
1時期と日程をできる範囲でずらす
繁忙期(2月〜4月)を避けられるなら、それだけで平均ベースで約1.4〜1.6倍の差を回避できます。同じ時期でも、土日祝や午前開始は希望が集まりやすく、業者によっては平日や時間指定なしの便に割安なプランを設けている場合があります。
2荷物を減らしてトラックと人手を小さくする
基礎運賃はトラックのサイズ、実費は作業員の人数で変わるため、荷物を減らすことは料金の土台を下げる打ち手です。使っていない家具・家電を引っ越し前に処分すれば、新居の収納も楽になります。
3複数社から相見積もりを取って比べる
1社の言い値で決めず、同じ条件(日付・荷物リスト・作業範囲)で2〜3社の見積書を並べて比べます。金額だけでなく、内訳の区分と追加料金の条件がそろって書かれているかも比較の対象です。
4荷造り・荷ほどきを自分でやる範囲を広げる
梱包資材費や作業の人件費は実費として積み上がります。「荷造りはどこまで自分でやるか」を見積もり時に伝え、おまかせプランとの金額差を確認したうえで、無理のない範囲を選びましょう。
5オプション作業を本当に必要な分に絞る
エアコンの移設のように工事をともなう作業は別料金になりやすい項目です。引っ越し業者に頼む場合と、購入店や専門の工事業者に頼む場合の金額を見比べてから決めても遅くありません。
2つ目の「荷物を減らす」で大型の家具・家電が出てきたときは、自治体の粗大ごみは申し込みから収集まで日数がかかる場合があるため、退去日から逆算して早めに手を打つのが安全です。回収を業者に頼むときの選び方と料金の見方は、次の記事で確認できます。
一括見積もりの仕組みと営業連絡の注意点

相見積もりを1社ずつ依頼するのは手間がかかるため、条件を1回入力すると対応エリアの複数業者へまとめて見積もり依頼が送られる「一括見積もりサイト」がよく使われます。ただし、便利さと引き換えに知っておくべき注意点があります。
申し込むと、依頼が届いた複数の業者から電話やメールの営業連絡が来ます。入力した連絡先が見積もりを依頼した各社に渡る仕組み上、これは避けられず、特に申し込み直後に連絡が集中しがちです。引越し侍が自サイトに掲載している利用者アンケートにも、フォーム送信の直後から多くの電話がかかってきた、という声が見られます(結果的に安くなったという評価と併記されています)。
- 依頼する業者を選択できるサイトでは、送信前にチェックを2〜3社まで絞り込む
- 備考欄があれば「連絡はメール希望」「電話は平日18時以降のみ」のように連絡手段と時間帯を書いておく
- 依頼先を決めたら、残りの業者へ「他社に決めました」とメールで早めに断る(放置しないほうが連絡は早く止まります)
独立行政法人国民生活センターによると、引越サービスに関する相談はPIO-NETに登録された件数で2022年度1,958件、2023年度2,128件、2024年度2,343件と増加しています。公表されている事例には、引越料金見積りサイトに登録後に業者から電話があり申し込んだものの、解約を希望したら高額の解約料を請求された、というものもあります。次の見出しで扱う約款の解約手数料ルールを先に頭に入れておくと、この種のトラブルに気づきやすくなります。
出典:独立行政法人国民生活センター「引越サービス(各種相談の件数や傾向)」(2025年8月1日更新)
こうした注意点と対処を踏まえたうえで、複数社の料金を効率よく比べたい場合には、一括見積もりサービスを使うのが現実的な選択肢になります。
引っ越し業者の選び方|許可・見積書・約款を確認

金額の比較と同じくらい大切なのが、依頼してよい相手かどうかの確認です。引っ越しの荷物をトラックで有償で運ぶことは、貨物自動車運送事業法に基づく許可(一般貨物自動車運送事業など)や届出(軽トラックによる貨物軽自動車運送事業)を受けた事業者が行う事業です。SNSなどで見かける「格安で運びます」という個人的な誘いは、この許可・届出の確認ができないことが多く、家財の破損や事故が起きたときに運送事業者としての賠償の枠組みの外でトラブルを抱えることになりかねません。
国土交通省が定める標準引越運送約款を使う業者なら、見積書には事業許可番号や解約手数料の額を記載することとされ、見積り時に内金・手付金を請求しないこと、見積料を請求しないこと(下見に費用がかかる場合は事前に金額を知らせて了解を得ること)も定められています。解約・延期の手数料は、見積書に記載した受取日の前々日で見積運賃等の20%以内・前日で30%以内・当日で50%以内が上限です(2018年6月1日施行の改正後の内容)。ただし、業者が独自の約款を使っている場合もあるため、どの約款に基づく契約かは見積もり時に確認しましょう。
このほか、全日本トラック協会が認定する引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)も、法令や約款の遵守体制を見るひとつの目印になります(国土交通省のサイトで制度が紹介されています)。見積書のチェック項目や訪問見積もりの流れまで含めた業者選び全体は、次の記事で詳しく解説しています。
出典:標準引越運送約款(第1条・第3条・第21条)/国土交通省「引越運送業の契約のルールが変わります!」/国土交通省「引越事業者優良認定制度について」
引っ越し費用の相場についてよくある質問(FAQ)
※本記事の料金・相場は執筆時点(2026年7月)に各社・各機関の公式サイトで公開されていた情報で、税込・税抜の区分が出典に記載されていない金額を含みます。実際の料金は距離・荷物量・時期・作業条件・オプションで変動し、約款の内容は業者によって異なる場合があります。最新の情報は各公式サイトと見積書でご確認ください。
まとめ
引っ越し費用の相場は、「距離×荷物量(世帯人数)×時期」の3条件で読むのが基本です。通常期の平均は単身57,708円・4人家族104,627円(引越し侍・2026年7月時点)、繁忙期はその約1.4〜1.6倍で、距離が500kmを超えると家族では平均20万〜30万円台まで上がります。
安くする打ち手は、時期と日程をずらす・荷物を減らす・相見積もりで比べる・自分でやる範囲を広げる・オプションを絞るの5つ。一括見積もりを使う場合は、複数社から営業連絡が来ることを前提に、依頼社数を絞り連絡手段を指定して使うのがコツです。
最後は金額だけでなく、許可・見積書の内訳・約款まで確認できる業者かどうかで決めましょう。業者選びの具体的なチェック項目は、次の記事から確認できます。