広告 ネズミ駆除 害獣・害鳥対策

ネズミ駆除の費用相場と業者の選び方|自分でできる侵入口対策

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夜中に天井裏でカサカサと足音がする。台所に置いていた米袋の角がかじられていた。棚の奥に黒くて細長いフンが落ちている——ネズミがいるとわかった瞬間から、家の中の気持ちよさが一気に変わってしまいます。

ところが「ネズミ駆除」で検索すると、格安をうたう広告と数十万円という体験談が同時に出てきて、いくらが妥当なのかがつかめません。しかも本当に厄介なのは、1匹つかまえても、入ってくる穴が残っていれば同じことが繰り返される点です。

この記事では、当メディア編集部が環境省・東京都保健医療局・5つの区の公式ページ・独立行政法人国民生活センターの報道発表と、駆除サービス4社の公開情報を調べ、ネズミ駆除の費用相場・自分でできる範囲・業者の選び方を順に整理しました。法律上の扱いから高額請求トラブルの実例まで、依頼の前に知っておきたいことをまとめています。

読者
天井裏の物音がここ数日ずっと続いていて、たぶんネズミだと思うんです。ホームセンターの粘着シートを買ってきたんですが、それだけで終わりにできるものですか?
編集部
シートで捕まえること自体は間違っていませんが、それだけだと数日後にまた別の個体が入ってきます。エサ・巣の材料・入口の3つを同時に断つのが基本形です。費用の目安と、自分でやれる範囲から見ていきましょう。

【一言でいうと】ネズミ駆除は「捕る」より「入れない」|最初に決める3つのこと

物が散らかった部屋
写真はイメージです

先に結論をお伝えします。ネズミ対策の中心にあるのは捕獲そのものではなく、エサをなくし、巣の材料をなくし、出入りしている穴をふさぐことです。東京都保健医療局が発行している『都民のためのねずみ防除読本』も、防除を環境的防除・物理的防除・化学的防除の3つに分け、環境を整えて維持する環境的防除を土台に置いています。

そのうえで決めることは3つ。どの種類のネズミか、自分でどこまでやるか、業者に頼むならどの範囲までを見積もりに入れるかです。この3つが決まると、あとは金額の比較だけで済みます。まずは状況別の第一手を整理しました。

いまの状況 最初にやること 相談する先
天井裏で足音がする・フンを見つけた 通り道(ラットサイン)を探して場所を記録する まず自分で環境を整える/改善しなければ専門業者
台所の食品がかじられている 食品と生ごみをふた付きの容器に移す 自分で対処できる範囲
侵入口が壁の内側や屋根まわりにありそう 外周を歩いて穴やすき間の位置を控える 専門業者(防そ修繕をともなうため)
薬剤や粘着シートを試したが減らない 種類の見立てと侵入口の確認をやり直す 市区町村の保健所などの窓口/専門業者
屋根裏にいるのがネズミ以外かもしれない フンの大きさと落ちている場所を確認する 市区町村の窓口(許可が必要な動物のため)
訪問してきた業者に契約を迫られている その場でサインせず、いったん保留にする 消費生活センター等(消費者ホットライン「188」)

この記事は、上の表の右側へ進む前に知っておきたいことを順番に扱います。被害の中身、種類の見分け、法律上の扱い、費用相場、自分でできる手順、業者の選び方、そして自治体の窓口までです。

ネズミを放っておくと家の中で起きること

食器を洗い整理する様子
写真はイメージです

「音がするだけなら我慢できる」と考えて先延ばしにすると、被害の種類が増えていきます。ネズミの被害は、かじられる・汚される・住みつかれるの3方向に広がるためです。

まず食品です。袋や箱をかじって中身を食べるだけでなく、通り道になった場所には体の脂と汚れが付き、フンや尿も残ります。台東区は、食品を密閉できる容器に収納し、生ごみもふたの閉まる容器で保管するよう案内しています。エサがある限り、ネズミが去る理由がないからです。

次に建物です。ネズミの歯は伸び続けるため、木材・断熱材・配線など硬いものをかじる習性があります。天井裏に住みつかれると、断熱材が巣の材料として持ち出され、その部分の断熱性能が落ちることもあります。

感染症とダニ|掃除のときに気をつけること

衛生面の心配は、フンや尿そのものよりも、そこから広がるものにあります。東京都保健医療局の読本では、ねずみが関わる感染症として腎症候性出血熱・レプトスピラ症・鼠咬症が挙げられています。

このうちレプトスピラ症について、東京都健康安全研究センターは、感染している動物の尿、あるいはその尿で汚染された水や土壌と直接接触することで感染すると説明しています。皮膚に傷があるときは汚染された可能性のある水に入らないこと、といった予防の考え方も示されています。

もうひとつがダニです。葛飾区は、粘着シートなどでネズミが捕まったらすぐに処分するよう案内しており、そのままにしておくとネズミに寄生していたイエダニに刺されたり、ハエが発生したりするとしています。フンや巣の跡を掃除するときは、使い捨てのマスクと手袋を着けて、掃き掃除で舞い上げないようにしましょう。

なお、この記事では症状の見立てや手当ての方法は扱いません。掃除のあとや、かじられた・引っかかれたなどで体調に不安があるときは、自己判断せず医療機関に相談してください

出典:東京都保健医療局『都民のためのねずみ防除読本』(令和7年12月発行)東京都健康安全研究センター「レプトスピラ症」葛飾区「ねずみ駆除の手引き」

配線をかじられると電気のトラブルにつながる

見落とされがちなのが電気まわりの被害です。東京都保健医療局の読本は、都内でねずみが原因とみられる電気事故の発生件数と、ねずみに関連する火災件数の推移を、一般財団法人関東電気保安協会と東京消防庁の資料をもとに掲載しています。配線の被覆をかじられることが、そのまま事故につながり得るということです。

天井裏や床下は、住んでいる人がふだん目にしない場所です。物音に気づいた段階で手を打つことが、結果的にいちばん安く済むのは、こうした被害が見えないところで進むためでもあります。

家に住みつくネズミ3種|見分けると効く対策が変わる

建物に住みつくネズミは、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種で、まとめて家ネズミと呼ばれます。東京都保健医療局の読本は、防除の進め方の第一歩として「種類を見分ける」ことを挙げており、これは対策の効き方が種類ごとに違うためです。

図解
当メディア編集部作成
種類 体長 いる場所 性格・特徴 薬剤の効き
ドブネズミ 22〜26cm 屋外、建物の1階以下、床下や下水溝 目と耳が小さい。地面に巣をつくり、垂直移動は不得意 効きやすいとされる
クマネズミ 15〜20cm 建物のなか(天井裏・屋根裏) 目と耳が大きく、尾が体長より長い。壁を駆け上がる 感受性が低く、効きにくいとされる
ハツカネズミ 6〜9cm 倉庫や物置など。都心より郊外に多いとされる 3種で最小。穀類など植物質のエサを好む 効きやすいとされる

出典:東京都保健医療局『都民のためのねずみ防除読本』千代田区「ねずみの種類・特徴と対策」葛飾区「ねずみ駆除の手引き」公益社団法人東京都ペストコントロール協会「ネズミの種類」の公開情報をもとに当メディア編集部が作成

見分けの手がかりになるのは、どこで気配を感じたかです。千代田区は、区内で見かけるねずみを主に屋外を住みかとするドブネズミと、建物内に住み着くクマネズミの2種類として案内しています。天井裏で足音がするならクマネズミ、床下や庭まわりならドブネズミ、という当たりのつけ方ができます。

クマネズミに殺鼠剤が効きにくいとされる理由

住宅で相談が多いクマネズミは、対策がいちばん難しい種類でもあります。千代田区は、クマネズミの性格を臆病で警戒心が強いとし、殺そ剤や粘着シートを非常に警戒すると説明しています。見慣れない物が置かれると、そこを避けて通るということです。

薬剤そのものへの反応も違います。葛飾区は、クマネズミは殺鼠剤に対する感受性が低いうえ、免疫を持つ個体も存在するとしています。台東区も、殺そ剤はドブネズミには効果が高い一方、クマネズミは薬剤に抵抗力のある個体が増えていると案内しています。

つまり、クマネズミ相手に薬剤だけで押し切ろうとすると空振りに終わりやすい、ということです。同じ天井裏でも、フンが大きめでためフンのようになっている場合は、ネズミではない動物の可能性もあります。見分け方は次の記事で扱っています。

ネズミは鳥獣保護管理法の対象外|屋根裏の相手が別の獣なら話は変わる

物が散らかった部屋
写真はイメージです

「勝手に駆除して法律違反にならないのか」という不安を持つ方がいます。ここは正確に押さえておきましょう。

環境省の解説によると、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)は「鳥獣」を「鳥類又は哺乳類に属する野生動物」と定義しており、平成14年の法改正でネズミ・モグラ類と海棲哺乳類もこの概念に含まれることになりました。

そのうえで、同法第80条の規定により「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす鳥獣又は他の法令により捕獲等について適切な保護管理がなされている鳥獣」として、一部の海棲哺乳類とともにいえねずみ類3種が鳥獣保護管理法の対象外とされています。ここでいういえねずみ類3種が、ドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミです。

ただし、対象外なのはこの3種だけです。野山や畑にいる在来の野ネズミ、そしてハクビシン・イタチ・アライグマ・コウモリなどの獣は鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲することはできません。屋根裏の相手が家ネズミでなかった場合、自分で捕まえようとした時点で話が変わってしまいます。

また、対象外であることは「何をしてもよい」という意味ではありません。薬剤には使用方法の定めがありますし、捕獲した個体の扱いにも配慮が要ります。判断に迷うときは、市区町村の環境衛生を担当する窓口に相談するのが確実です。

出典:環境省「鳥獣保護管理法の概要」

ネズミ駆除の費用相場【2026年7月時点】

物が散らかった部屋
写真はイメージです

当メディア編集部が、執筆時点(2026年7月)に公開されている料金情報を調べたところ、住宅のネズミ駆除はおおむね2万円台から6万円台の幅で示されていました。ただし、この金額に侵入口をふさぐ工事が含まれるかどうかは、サービスによって扱いが分かれます。

公開元 公開されている金額 含まれる作業・前提
くらしのマーケット(みんなのマーケット株式会社) 延床面積60㎡で30,000〜50,000円 生息調査/毒餌・トラップ設置/1週間程度後に再訪してトラップ回収/再訪時に駆除状況の点検と報告
ミツモア(株式会社ミツモア)東京都の相場 30㎡まで25,600円/30〜50㎡は31,200〜39,000円/50〜70㎡は36,000〜45,000円/70〜100㎡は41,600〜52,000円/100〜150㎡は49,600〜62,000円 発生源の特定、駆除作業と死骸の回収、フンの清掃と消毒、忌避剤の散布。侵入口をふさぐ作業はオプション
ねずみ110番(シェアリングテクノロジー株式会社) 個人宅22,000円〜(税込)/店舗など21,800円〜(税込) 各種防鼠施工は別途見積もり。最長10年の再発防止保証(現場状況等により保証不可・対象外となる場合あり)。対応エリア・加盟店により記載価格や条件で対応できない場合がある
株式会社ダスキン(ご家庭向けネズミ駆除サービス) 料金は見積制 調査・見積り→捕獲・駆除→侵入経路遮断の3段階。土日・祝日・夜間の作業は追加費用が発生する場合があり、駐車スペースが必要

出典:くらしのマーケット(害獣駆除/ネズミ駆除)ミツモア(東京都のネズミ駆除)ねずみ110番株式会社ダスキン(ネズミ駆除サービス)(いずれも2026年7月時点。掲載は金額の出どころとして示すもので、特定の業者を推奨するものではありません)

表を並べて見えてくるのは、面積が料金の基準になっている一方で、侵入口の封鎖は別立てになりやすいという構図です。ミツモアの相場表では侵入口をふさぐ作業がオプション扱いで、ねずみ110番では防鼠施工が別途見積もりとされています。

そして東京都保健医療局の読本は、ねずみを効果的に駆除するには事前の生息状況調査と、それに基づく捕獲作業および防そ修繕、その後の効果判定が必要で、どうしても複数回の作業が要ると述べています。1回きりの作業で完結する前提の金額なのかどうかは、見積書を読むときの分かれ目になります。

ネズミ駆除の費用が変わる4つの条件

同じ「ネズミ駆除」でも金額に開きが出るのは、次の4つが重なるためです。電話だけで最終金額が決まらないのは、現地を見ないとこれらが判断できないからでもあります。

  • 施工する面積=延床面積や作業範囲が広がるほど上がる。面積帯で相場を示しているサービスが多い
  • 侵入口をふさぐ工事の有無=防そ修繕を含むか、オプションや別途見積もりかで総額が大きく動く
  • 作業の回数=調査・捕獲・効果判定で複数回になるのが前提。再訪が料金に含まれるかを確認したい
  • 保証の有無と期間=再発したときの再施工の範囲と条件。保証年数だけでなく対象外の条件も見る

加えて、東京都保健医療局の読本は、費用は周囲の環境・住宅構造・作業条件などによって異なるとしたうえで、見積書を作成してもらい、内容について納得できるまで十分に説明を聞くことが必要だと明記しています。行政の文書がここまで書いているのは、それだけ金額の開きが出やすい分野だということでもあります。

自分でできるネズミ対策|エサ・巣材・侵入口の3つを断つ

エアコンのある部屋
写真はイメージです

ここからは自分でやれる範囲です。東京都保健医療局の読本は、防除の進め方を「①種類を見分ける ②侵入経路と生息要因を明らかにする ③対策のための措置を講じる」の順に示しています。この順番どおりに進めるのが遠回りに見えていちばん早い方法です。

1ラットサインを探して通り道を特定する

ネズミは夜に動くため姿を見るのは難しいものですが、痕跡は残ります。東京都保健医療局の読本は、音・かじり跡・フン・足跡・体のこすり跡をラットサインとして挙げ、足跡やこすり跡は体から分泌される脂分と汚れが通り道に付着してできるもので、特有の黒光りした跡になると説明しています。千代田区も、クマネズミの通り道は黒く汚れていると案内しています。壁際や配管まわりを懐中電灯で照らして探してみてください。

2食べ物を断つ

台東区は、食品を密閉できる容器に収納し、生ごみもふたの閉まる容器に保管するよう案内しています。千代田区は、これに加えてペットのエサや鉢植えの花もクマネズミのエサになるとしています。ドブネズミについても、生ごみを袋のまま長時間放置すると、それをエサにして増えてしまうと説明されています。まずは台所と、ごみを置く場所からです。

3巣の材料を片づける

千代田区は、布類や紙類など不要なものを処分し、家の周辺が乱雑になっているとクマネズミの隠れ家になるため屋外の整理整頓も行うよう案内しています。ドブネズミについても、路上や建物の間の不要なものを撤去することが挙げられています。段ボール、古新聞、使っていない衣類は、そのまま巣の材料になります。

41cm以上のすき間をふさぐ

ここが対策の要です。千代田区は、侵入口の大きさが1cm以上あればかじって穴を広げて侵入するとしたうえで、電線などの導入部、屋根裏の通気口、エアコン室外機のパイプ導入部、閉まらない換気扇、建物と基礎のすき間、雨戸の戸袋のすき間、配管導入部、壁のひび割れを侵入経路として挙げています。ふさぐ材料には金属製のたわしや亀甲金網が案内されており、葛飾区も細かい目の金網・金属タワシ・コンクリート・パテなど、かじられにくい材料での補修を挙げています。高所や床下など危険な場所は、無理をせず業者に任せてください。

5トラップは通り道に、点検できる形で置く

葛飾区は、粘着板を台所や廊下、天井裏などネズミが走り回る場所に置くと効果的で、1枚より2枚と数が多いほうがかかりやすいとしています。通路の幅を狭くしてシートの上を通るように設置するとより効果的だとも案内されています。台東区も、フンが落ちている場所や通り道になりそうな壁際への設置を挙げています。捕まったらすぐに処分し、必ず点検できる場所に置くことが共通の注意点です。

殺鼠剤・粘着シートを使うときの注意

薬剤を使う場合、まず大前提になるのが表示の確認です。台東区は、殺そ剤について使用説明書の遵守が必須であるとしたうえで、薬剤では一時的な効果しか得られないため環境改善が重要だと案内しています。効果を期待して量を増やしたり、決められていない場所に置いたりすることは避けてください。

置き方にもこつがあります。葛飾区は、毒えさをネズミがよく出る場所に置くとしたうえで屋外には置かないよう注意を促し、食べないからといって場所をすぐに変えず、慣れるまで時間がかかるため少なくとも1週間程度は様子を見るよう案内しています。

小さなお子さんやペットがいるご家庭では、置き場所の選び方がそのまま安全につながります。手の届く場所や、ペットが立ち入る動線には置かないこと。そして自治体の案内に共通する「必ず点検できる場所に置く」という原則を守ることです。千代田区のように保健所で殺鼠剤や粘着シートを配布している自治体もあるので、購入する前に窓口へ問い合わせてみる価値もあります。

超音波やくん煙剤にどこまで期待できるか

手軽に見える機器やグッズは魅力的ですが、期待の置き方には注意が要ります。東京都や各区が示している防除の枠組みは、環境的防除・物理的防除・化学的防除の3つで、超音波を出す機器はこの3分類の中心には置かれていません。

機器そのものの当たり外れという論点もあります。独立行政法人国民生活センターは2020年7月16日、「超音波害虫駆除機を購入したが全く効果がない」という相談を受けて実施したテストの結果を公表しました。分解して調べたところ、超音波を出力する端子が回路基板から剥離してスピーカーへつながっておらず、超音波が出ていない状態だったという内容です。

くん煙剤についても、製品ごとに対象が決まっています。この点はFAQで具体的に触れますが、いずれの製品も、効果を保証するものとして使うのではなく、環境的防除と併せて使う道具として位置づけるのが現実的です。使用にあたっては、製品の表示と使用方法に必ず従ってください。

出典:台東区「ねずみの防除」千代田区「ねずみの種類・特徴と対策」葛飾区「ねずみ駆除の手引き」独立行政法人国民生活センター「部品の取り付け不良により正常に動作しなかった超音波害虫駆除機」(相談解決のためのテストから No.143)

業者に頼む目安と、行政の文書が示す選び方4つの視点

家電を運び整理する様子
写真はイメージです

自分でやってみて減らない、侵入口が高所や床下にある、店舗や飲食を扱う場所である——このあたりが業者に切り替える目安です。では、どこを見て選べばよいのでしょうか。

参考になるのが、東京都保健医療局の読本が挙げている業者選びの視点です。行政が発行している都民向けの冊子に、次の4点が並んでいます。

  • 事前の生息調査と、防除後の効果判定を適切に実施していること
  • 殺そ剤や粘着トラップを使った物理的・化学的防除以外に、環境的防除の側面からも対策を講じたり指導を行えること
  • 防そ修繕の内容や施工方法などについて、顧客にきちんと説明し、理解を得ていること
  • 費用は周囲の環境・住宅構造・作業条件などで異なるため、見積書を提出し、内容について納得を得られるまで十分に説明できること

そして同読本には、ねずみ防除に直接関係ない作業を強く勧めたり、必要以上に顧客の危機感をあおるような業者は、適切とはいえないという一文が続きます。行政の文書がここまで踏み込んでいる事実そのものが、この分野で起きていることを物語っています。

この4点を電話や現地調査の場面に置き換えると、質問はこうなります。作業前に調べるのか。終わったあと効いたかどうかをどう判断するのか。ふさぐ工事は含まれるのか、含まれるならどの材料でどこを直すのか。そして、その内訳が書面で出るのか。答えが具体的であるほど、安心して任せられます。

口コミを見る場合は、良い評価だけを拾わないことです。Web上では「連絡した当日に来てくれた」という声が見られる一方で、「見積もりより高くなった」「一度で終わらず追加の作業が必要になった」という指摘も見られます。日付が新しく、作業の内容まで書かれているものを優先して読むと、実態がつかみやすくなります。特定の業者を順位づけして紹介することは、この記事では行いません。

出典:東京都保健医療局『都民のためのねずみ防除読本』(令和7年12月発行)

ネズミ駆除で起きている高額請求トラブル

物が散らかった部屋
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害虫・害獣の駆除は、困っている人の心理につけこんだ勧誘が起きやすい分野です。独立行政法人国民生活センターは令和6年4月24日、この分野のトラブルについて報道発表を行い、注意を呼びかけました。

同センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられた駆除サービスの相談は、2018年度の854件から増え続け、2023年度は2,290件と、2022年度の同期(1,568件)に比べて約1.5倍になりました。契約当事者が10〜20歳代だった相談は、同じ年度に552件と前年同期の約2.6倍に増えています。

公表されているネズミの相談事例

報道発表に掲載された事例のひとつが、ネズミのケースです。自宅にネズミが出たため、ネットに「一軒家約5,000円~」と記載があった業者に見積もりを依頼した50歳代の女性の相談として、次の経過が紹介されています。

訪れた業者からは「人が入れない場所があるので半分だけ調査する」「ネズミの侵入経路は見当たらないが、たくさんいるようだ」と説明され、動画サイトでネズミ被害の動画を見せられました。料金はネットの表示価格と大きく違う約13万円。動画を見せられて不安になっていたため契約し、頭金約5,000円を支払って作業をしてもらったといいます。

その後、別の業者に見てもらったところ、前の業者が入れないと言っていた部分も調査したうえで侵入経路がわかったと説明され、ホームセンターで売っている粘着シートを数枚敷いてあるだけで、約13万円は高額だと指摘された、という内容です。契約書に書かれていたクーリング・オフを申し出たものの、できないと言われたとされています。

同センターは、消費者の不安をあおって契約を急かす勧誘について、冷静な判断力や熟慮の機会を奪うおそれがあり問題だとしています。また、クーリング・オフの申し出を妨害していると考えられる事例が見られる点も、問題として挙げられています。

国民生活センターが呼びかけている4つのこと

  • 広告の価格表示を鵜呑みにしない。3ケタ台の料金が並んでいるときは、その額で作業まで終わることはまずないと考える
  • 連絡する時点で「他社にも見積もりを頼みます」と伝える。比較させまいとする業者は候補から外す
  • クーリング・オフは、特商法上の訪問販売にあたる場合、書面を受け取った日を1日目として8日以内に通知できるとされている
  • 迷いが出た時点で身近な人に話し、消費生活センター等に相談する(消費者ホットライン「188」)

同センターは業界団体への要望として、公益社団法人日本ペストコントロール協会が持つ知識や「害虫相談所」などの相談窓口を消費者がより活用できるよう、継続的な普及・啓発を求めています。同協会の地区協会は全国47都道府県に設置され、害虫相談所では地域住民からの電話などによる相談を無料で受け付けているとされています。

「このままだと増える」という説明そのものは事実かもしれません。けれども、それは相見積もりを取らせない理由にはなりません。被害の深刻さと、契約を急ぐ必要性は別の話だと決めておくと、判断が揺れにくくなります。

出典:独立行政法人国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意-若い年代でトラブル急増中!-」(令和6年4月24日 報道発表)公益社団法人日本ペストコントロール協会

保健所・自治体はどこまで対応してくれる?

資源ごみの分別回収ボックス
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「ネズミ駆除は保健所がやってくれるのでは」と考える方は少なくありません。当メディア編集部が5つの区の公式ページを確認したところ、対応はおおむね4つの型に分かれていました。

  • 型①薬剤や器具を配布する=保健所の窓口で殺鼠剤や粘着シートを渡してくれる
  • 型②相談と業者の紹介にとどめる=駆除は行わず、団体や専門業者の窓口を案内する
  • 型③地域単位の取り組みに補助金を出す=町会や商店街が行う面的な防除が対象
  • 型④事業者向けの貸与制度がある=飲食店などにふた付きごみ容器を貸し出す
自治体 公開されている内容(2026年7月時点)
千代田区(東京都) 保健所がねずみに困っている人に殺鼠剤や粘着シートを配布。令和5年度からドブネズミ対策事業を実施し、町会などの地域単位の相談にも対応。区内で捕獲かごによる生息実態調査も実施
台東区(東京都) 台東保健所は駆除を実施せず、公益社団法人東京都ペストコントロール協会(平日午前9時から午後5時)を紹介。屋内用・屋外用のパンフレットを窓口で配布
葛飾区(東京都) 区では特定業者の紹介を行わないと明記。駆除が思うように進まない場合は生活衛生課の担当係に相談するよう案内し、相談先として同協会を紹介
渋谷区(東京都) ②+④ ハチや衛生害虫、ネズミに関する相談と駆除専門業者の紹介を実施。ネズミ対策用のふた付きごみ容器の貸与は飲食店が対象
中央区(東京都) 地域ねずみ駆除・防除等促進事業補助金。町会・自治会・商店街が地域一体で自主的に行うねずみ対策が対象で個人は対象外。環境改善実行委員会を設置する場合は補助率3分の2、上限額は構成員100人以下で20万円から401人以上で100万円まで。委員会を置かない場合は補助率2分の1で1団体1回限り

出典:千代田区台東区葛飾区渋谷区中央区(いずれも2026年7月時点)

共通しているのは、個人の住宅を自治体が直接駆除してくれる例はほとんどないということです。一方で、薬剤の配布や相談窓口の案内は無料で受けられます。業者に電話する前に、お住まいの市区町村の「ねずみ」の案内ページを見ておくと、使える制度を取りこぼさずに済みます。制度の内容や予算は年度によって変わります。

ネズミ駆除を業者に依頼するときの流れ

散らかった部屋を片付ける様子
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依頼の段取りを先に知っておくと、電話口で急かされても落ち着いていられます。ネズミの場合、効果判定までが一連の作業になる点が特徴です。

1気づいたことをメモにまとめる

音がする時間帯と場所、フンを見つけた場所と大きさ、かじられた物、屋外で見かけた場所を書き出します。建物の構造(戸建てか集合住宅か、築年数、床下や天井裏に点検口があるか)も伝えられるようにしておくと、概算の精度が上がります。

2お住まいの自治体の窓口を見ておく

薬剤や粘着シートを配布している自治体、地域単位の取り組みに補助を出している自治体があります。自分で試せる範囲が残っているのか、それとも業者の領域なのかを、窓口で相談してから判断すると無駄がありません。

32〜3社に同じ条件で見積もりを頼む

メモの内容を各社に同じように伝え、現地調査の可否と費用、対応できる日程を聞きます。このとき「侵入口をふさぐ工事を含めた金額」と「捕獲だけの金額」を分けて出してもらうと、社ごとの差がどこから来ているのかが見えます。

4見積書の内訳と再訪の扱いを確かめる

作業範囲、使う材料、ふさぐ箇所の数、再訪の回数と時期、保証の年数と対象外の条件が書面に落ちているかを見ます。「一式」だけの見積書は、あとで範囲の食い違いが起きやすくなります。急かされたときは、いったん保留にして構いません。

5作業後に効果の判定まで受ける

東京都保健医療局の読本は、防除後の効果判定を適切に実施していることを業者選びの視点に挙げています。作業が終わったあと、痕跡が減ったかどうかをどう確かめるのか、再発したときの連絡先はどこかを、作業当日に聞いておきましょう。

複数社の料金と口コミを並べて比べたい場合は、登録している事業者の作業内容と金額を先に見比べられるサービスを使う方法もあります。訪問されてからその場で決める、という流れを避けやすくなります。

\ 無料見積もり・詳細は公式サイトから /

くらしのマーケット 公式サイトはこちら

最新の料金・対応エリアは公式サイトでご確認ください

作業にあたっては、天井裏や物置に置いてある物をどかす必要が出ることもあります。巣の材料になっていた古い紙類や布類、使わなくなった家具をまとめて処分するなら、回収業者の選び方をまとめた記事が参考になります。

また、物が積み上がったまま長く放置された部屋は、エサ場と巣の材料が同時にそろった状態になりがちです。片づけそのものを外注する場合の費用感は、次の記事で扱っています。

ネズミ駆除についてよくある質問(FAQ)

Qバルサンなどのくん煙剤でネズミを駆除できますか。

A一般的なくん煙殺虫剤は、ネズミを対象にした製品ではありません。レック株式会社が公開している「バルサンワンタッチ煙タイプ」の適用害虫はカメムシ・ムカデ・アリなどの不快害虫で、ネズミは含まれていません。同社は「バルサン ネズミよけ + 不快害虫駆除 水タイプ」という製品も販売していますが、こちらはネズミの嫌がるハッカの香りで隠れたネズミを追い出すもので、駆除剤ではないので死骸が出ることはないと説明されています。製品を選ぶときは、パッケージの適用害虫と使用場所の表示に必ず従ってください。

Q保健所はネズミを駆除してくれますか。

A個人の住宅を保健所が直接駆除する例はほとんどありません。台東区は区として駆除を実施せず公益社団法人東京都ペストコントロール協会を紹介しており、葛飾区は特定業者の紹介を行わない旨を明記したうえで相談を受け付けています。一方、千代田区のように保健所で殺鼠剤や粘着シートを配布している区もあります。まずはお住まいの市区町村の「ねずみ」の案内ページを見るのが早道です。

Qネズミがいなくなったかどうかは、どうやって判断しますか。

A姿を見ないことより、痕跡が増えていないことを目安にします。東京都保健医療局の読本は、音・かじり跡・フン・足跡・体のこすり跡をラットサインとして挙げています。作業前にラットサインの場所を写真で記録しておき、数週間後に新しいフンやかじり跡が増えていないかを同じ場所で見比べる方法が現実的です。同読本は、事前の生息状況調査と防除後の効果判定が必要で複数回の作業が要るとしており、業者に頼む場合もこの効果判定まで含まれているかが確認したい点になります。

Q庭や物置でネズミを見かける場合はどうすればいいですか。

A屋外で見かけるのは主にドブネズミとされ、千代田区は屋外や建物1階以下を生活範囲とし地面に巣をつくると説明しています。対策の中心は、生ごみをふた付きの容器で管理することと、路上や建物の間に置かれた不要なものを撤去して隠れ場所をなくすことです。物置の周りに積んだ資材や古い植木鉢も隠れ家になります。屋外の環境が整うと、建物の中へ入る動機そのものが減っていきます。

Q賃貸住宅やマンションの場合、駆除費用は誰が負担しますか。

A自分で業者を手配する前に、管理会社や大家さんに連絡してください。建物の共用部分や構造に関わるすき間が侵入口になっている場合、個人の部屋だけを処理しても解決しないためです。費用の負担は契約内容によって変わります。話し合いがまとまらないときは、消費者ホットライン「188」から最寄りの消費生活センター等に相談する方法もあります。

※本記事の費用相場は、執筆時点(2026年7月)に各サービスが公開していた料金情報をもとに整理したもので、特定の業者を推奨するものではありません。税表記や含まれる作業範囲はサービスごとに異なり、実際の金額は建物の構造・面積・作業条件によって変動します。自治体の制度は年度によって内容や予算が変わります。薬剤・忌避剤は必ず製品の表示と使用方法に従ってお使いください。体調に不安があるときは医療機関に相談してください。

まとめ

ネズミ駆除でやることは、突き詰めると3つです。エサと巣の材料をなくすこと、1cm以上のすき間をふさぐこと、そして効いたかどうかを痕跡で確かめること。捕獲はこの流れの一部であって、目的ではありません。

費用の目安は、公開されている料金で2万円台から6万円台。ただし面積で決まる基本料金と、侵入口をふさぐ工事が別立てになっているケースが多いため、見積もりでは「ふさぐ工事を含めた金額」を必ず分けて出してもらいましょう。東京都保健医療局の読本は、業者選びの視点として事前調査と効果判定、環境的防除の指導、防そ修繕の説明、見積書による十分な説明の4点を挙げ、必要以上に危機感をあおる業者は適切とはいえないとしています。

そして、その場で契約しないこと。ネットに「一軒家約5,000円~」とあった業者に約13万円を請求された相談事例が、国民生活センターの報道発表に載っています。困っているときこそ、2〜3社に同じ条件で見積もりを頼む余裕を持ってください。屋根裏にいるのがネズミではないかもしれないと感じたら、フンの見分け方から確かめられます。

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