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「風は出ているのに部屋が冷えない」というとき、まず思い浮かぶのがエアコンのガス補充ではないでしょうか。ところが調べてみると、費用は数千円から数万円まで幅があり、どれが自分のケースに当てはまるのか分かりにくいものです。
ここで押さえておきたいのが、エアコンの冷媒ガスは使うほど減っていく消耗品ではない、という点です。ガスが減っているのなら、どこかから漏れている可能性が高いため、漏れをそのままにして補充だけをしても、しばらくすると同じ症状がぶり返すことがあります。
この記事では、当メディア編集部が複数社の公開料金と公的機関の情報を調査し、ガス補充・ガス漏れ修理の費用の目安、点検から修理までの流れ、依頼先の選び方、買い替えを考えたほうがよいケースまでを整理しました。金額はすべて執筆時点(2026年7月)のものです。


- 01【結論】エアコンのガス補充の費用相場と、補充だけでは終わらない理由
- 02エアコンのガス(冷媒)は消耗品ではない|減っているならどこかで漏れている
- 03エアコンのガス漏れのサイン|効きが悪い・霜・配管やバルブの状態
- 04ガス漏れの点検から修理・ガス補充までの流れ
- 05エアコンのガス補充・ガス漏れ修理の費用相場【作業別】
- 06ガス補充の費用が変わる要因と、費用を抑えるコツ
- 07エアコンのガス補充を自分でやるのはおすすめしない理由
- 08エアコンのガス補充・修理はどこに頼む?依頼先3タイプ
- 09ガス補充より買い替えを検討したほうがよいケース
- 10エアコン修理でよくあるトラブルと注意点
- 11エアコンのガス補充の費用に関するよくある質問(FAQ)
- 12まとめ
【結論】エアコンのガス補充の費用相場と、補充だけでは終わらない理由
結論から言うと、エアコンのガス補充を業者に依頼した場合の費用はおおむね1万5,000円〜2万5,000円が目安で、漏れた箇所の修理まで含めると数万円になることもあります。
ただし金額よりも先に知っておきたいのが、ガス補充は「減った分を足す作業」ではなく「漏れを直したうえで規定量を入れ直す作業」だということです。まずは作業別の目安を確認してみましょう。

| 作業の内容 | 費用の目安 | 出典(執筆時点) |
|---|---|---|
| ガス補充(充填) | 15,000〜25,000円ほど | EPARKくらしのレスキュー |
| ガス漏れ修理(1台) | 16,000〜19,000円 | くらしのマーケット |
| ガス補充の費用相場(加盟業者の施工データ) | 25,701円(3万円未満が約6割) | 電気工事110番 |
| 修理・ガス補充を業者に依頼した場合 | 6,000〜50,000円程度(状況により10万円以上) | 東京ガス株式会社「ウチコト」 |
同じ「ガス補充」でも、点検だけで済むのか、配管や部品の交換まで必要なのかで金額は大きく変わります。数字はあくまで目安として、実際は現地を見てもらったうえでの見積もりで判断してください。
エアコンのガス(冷媒)は消耗品ではない|減っているならどこかで漏れている

エアコンの冷媒ガスは、室内機と室外機をつなぐ配管の中を循環しています。ガソリンのように燃やして消費するものではなく、密閉された回路の中をぐるぐる回り続けるだけなので、正常な状態では量が変わりません。
東京ガス株式会社の情報サイト「ウチコト」でも、冷媒について「通常、ガスは減らないため補充する必要はありません」と説明されています(出典:東京ガス株式会社「ウチコト」/執筆時点)。
つまり「ガスが少ない」と診断された時点で、どこかに漏れ道ができている可能性が高いということです。主な原因としては、次のようなものが挙げられています。
- 取り付けや移設のときの配管の接続不良(フレア加工の不良など)
- 年数の経過による銅配管の劣化・腐食(塩害やアンモニアなどの影響)
- 室外機を無理に動かした・転倒させたことによる配管や開閉バルブの変形
- 室内機の熱交換器や冷媒回路そのものの損傷
同サイトでは「原因を直さずにガスだけを補充しても、再び漏れてしまう」とも注意が呼びかけられています。補充後しばらくして再び冷えなくなったという場合は、漏れ箇所が残っていることが考えられます。
「エアコンは定期的なガス補充が必要」という説明を受けたときは、なぜ減ったのか、どこから漏れているのかを合わせて聞いてみると判断しやすくなります。冷えない原因はガス以外にもあるため、症状の切り分けから始めるのが安心です。
エアコンのガス漏れのサイン|効きが悪い・霜・配管やバルブの状態

ガス漏れが起きているときには、いくつか見た目でわかるサインが出ることがあります。ウチコトでは、冷房の効きの低下に加えて、次のような確認方法が紹介されています。
- 細い配管に霜が付く:冷房運転を15分ほど続けたあと、室内機と室外機をつなぐ細いほうの配管に白い霜が付いていないか見る
- 室内機の熱交換器(フィン)にも霜が確認できる場合がある
- 室外機の開閉バルブの周辺にオイル(潤滑油)が多量に付着している
- 室外機から常温の風しか出ていない
ただし、これらのサインが出ていても必ずガス漏れとは限りません。フィルターの目詰まり、室外機の周りが物でふさがれている、運転モードや設定温度の問題など、冷えない理由は複数あります。
確認するときは、室内機のカバーを外して内部に手を入れたり、室外機を分解したりしないでください。作業の前には運転を止めて電源プラグを抜くかブレーカーを落とすのが基本で、高所やベランダの手すり際での無理な確認は避けましょう。感電や落下のおそれがあります。
ガス漏れの点検から修理・ガス補充までの流れ

業者に依頼した場合、ガスを入れて終わりではなく、いくつかの工程を踏むのが一般的です。電気工事110番が公開している作業の流れをもとに、代表的な手順を整理しました。
1点検して漏れ箇所を特定する
圧力の測定や検知器などで、どこからガスが漏れているのかを調べます。ここを省くと、補充しても同じ症状が戻ってくる可能性があります。
2漏れている箇所を修理する
配管の接続部の締め直し、配管の交換、部品の交換など、原因に応じた処置を行います。損傷の程度によって、この工程の費用が最も変動します。
3真空引きをする
配管の中を真空状態にして、残った空気や水分、ゴミを取り除く作業です。この工程を飛ばすと、補充後の効きに影響が出ることがあります。
4規定量のガスを充填し、動作確認をする
機種ごとに決められた種類・量の冷媒を入れ、実際に運転して冷え方を確かめます。一連の作業は当日中に終わることが多いものの、大がかりな修理では数日かかる場合もあります。
見積もりを取るときは、「漏れ箇所の特定」と「真空引き」が作業に含まれているかを確認しておくと、後から追加費用が発生しにくくなります。再発したときの対応についても、あらかじめ聞いておくと安心です。
エアコンのガス補充・ガス漏れ修理の費用相場【作業別】

費用の内訳は、大きく「ガス代」「技術料・工賃」「諸経費」に分けられます。技術料・工賃には、主に真空引きと充填の作業が含まれます(出典:電気工事110番/2024年11月7日公開・執筆時点)。
同サイトが加盟業者の施工データから算出した室内エアコンのガス補充費用の相場は25,701円で、費用帯では3万円未満が約6割とされています。実際の施工事例では2,200円・3,300円・6,600円・11,000円・25,300円・30,800円といった料金が公開されており、症状と作業範囲によって開きがあることがわかります。
一方、くらしのマーケットに出品されているエアコン修理の相場は、ガス漏れ1台あたり16,000円〜19,000円、水漏れ1台あたり11,000円〜20,000円と表示されています(出典:くらしのマーケット/執筆時点)。EPARKくらしのレスキューでは、ガス補充の相場を15,000円〜25,000円ほどとしています。
これらを合わせると、点検+補充だけなら1万円台〜2万円台、漏れ箇所の修理を伴うと3万円以上になることもあるというのが現状の目安です(出典:EPARKくらしのレスキュー/執筆時点)。なお、店舗や事務所で使う業務用エアコンは冷媒の量が多く、家庭用より高額になる傾向があります。
ガス補充の費用が変わる要因と、費用を抑えるコツ

同じガス補充でも金額が違うのは、次のような条件が影響するためです。
- 冷媒の種類と充填量:機種ごとに指定された冷媒を規定量入れる必要がある(住宅用エアコンは0.5〜1kg程度が目安)
- 漏れている箇所:配管の接続部の締め直しで済むのか、配管交換や熱交換器の修理まで必要なのか
- 設置状況:高所設置、室外機が屋根やベランダの奥にあるなど、作業に手間がかかる場合
- 出張費・時期:エリアや繁忙期(真夏)の需要状況
費用を抑えたいときは、まず保証の有無を確かめるのが近道です。メーカーによっては、本体とは別に冷媒回路へ長めの保証期間を設けている場合があり、購入時に販売店の延長保証に加入していることもあります。
そのうえで、複数の業者から見積もりを取り、作業範囲を同じ条件で比べると判断しやすくなります。真夏は依頼が集中するため、気温が上がりきる前に試運転をして不具合に気づいておくと、落ち着いて業者を選べます。
エアコンのガス補充を自分でやるのはおすすめしない理由

インターネットには自分でガスを入れる方法を紹介する情報もありますが、家庭用エアコンについては業者への依頼をおすすめします。理由は主に3つです。
1つ目は、冷媒は機種ごとに種類と量が決められており、入れすぎても不足しても不調や故障の原因になることです。目分量で足せるものではなく、真空引きを含めた工程には専用の機材が必要になります。EPARKくらしのレスキューでは、道具をすべてそろえると約30,000円〜50,000円ほどかかるため業者に依頼したほうが安いと紹介されています。
2つ目は安全面です。電気工事110番でも、エアコンのガスは扱い方を誤ると事故につながる危険性があると注意が示されています。3つ目は保証で、日立の家電品では、使用上の誤りや改造・不当な修理による故障、取り付け場所の移動や輸送による故障は無料修理規定の対象外と案内されています(出典:日立の家電品(ルームエアコンの保証期間)/執筆時点)。自分で触ったことで、受けられたはずの保証を失うことも考えられます。
なお法令面では、家庭用のエアコンはフロン排出抑制法でいう「第一種特定製品」にはあたらず、同法に基づく回収などの義務の対象外とされています(廃棄時は家電リサイクル法でフロン類の回収が義務づけられています)。一方で店舗や事務所などで使う業務用エアコンは第一種特定製品にあたり、冷媒の充塡・回収は都道府県知事の登録を受けた第一種フロン類充塡回収業者に委託する必要があります(出典:環境省「フロン排出抑制法」ポータルサイト FAQ/執筆時点)。
エアコンのガス補充・修理はどこに頼む?依頼先3タイプ

依頼先は大きく3つに分けられます。保証が残っているかどうかで、選ぶ順番が変わります。
1メーカー・購入した販売店の修理窓口
保証期間内であれば、まずここに相談するのが基本です。純正部品での修理になり、品番から症状に応じた概算を案内してもらえる場合もあります。保証書やレシートなど購入日がわかるものを手元に用意しておきましょう。
2地域の電気工事店・エアコン修理業者
保証が切れている場合の相談先です。近隣であれば出張費を抑えやすく、対応も早い傾向があります。ガス漏れの調査に対応しているか、真空引きまで行うかを事前に確認しておくと安心です。
3料金と口コミを比較できるマッチングサービス
登録された事業者の作業内容・料金・口コミをまとめて比べられるサービスです。作業範囲が明示されている出品を選べば、追加費用の不安を減らしやすくなります。
どのタイプを選ぶ場合でも、作業前に故障原因・修理内容・費用の説明を受け、書面の見積もりをもらっておくことが大切です。特定の業者を順位付けして勧めることはできませんが、作業範囲と再発時の対応が明記されているかは共通の比較軸になります。
ガス補充より買い替えを検討したほうがよいケース

修理と買い替えのどちらが妥当かは、使用年数と修理費用の見積もりで判断します。目安になるのが部品の保有期間です。
パナソニック株式会社は補修用性能部品の最低保有期間をエアコンで10年とし、「保有期間の始期はその製品の製造を打ち切ったとき」と案内しています(出典:パナソニック株式会社/執筆時点)。製造が終了してから年数が経った機種は、部品が確保できず修理そのものができない場合があります。
ウチコトでも、ガスや部品が生産中止になっている場合は買い替えが必要になること、保証期間が終了しているなら再び壊れるリスクを考えて買い替えを検討する考え方が示されています。
- 使用10年前後で、冷媒回路や熱交換器の修理が必要と診断された
- 修理の見積もりが、同等クラスの新品価格に近づいている
- 過去にもガス漏れで修理しており、再発している
- 指定の冷媒や部品の入手が難しいと説明された
買い替える場合、取り外したエアコンは家電リサイクル法の対象品目にあたるため、粗大ごみとしては出せません。販売店の引き取りなどの正規ルートで処分する必要があります。まずは修理の見積もりを取り、新品の購入費用と比べて決めるのが失敗の少ない進め方です。
エアコン修理でよくあるトラブルと注意点

急いで業者を探すときほど注意したいのが、費用や作業内容をめぐるトラブルです。独立行政法人国民生活センターは2026年6月3日、「エアコン修理のトラブルに注意!」として注意を呼びかけています。
同センターによると、PIO-NETに寄せられたエアコンの修理に関する相談件数は2021年度の451件から、2022年度593件、2023年度871件、2024年度975件、2025年度は1,251件へと増加しています(出典:独立行政法人国民生活センター(2026年6月3日公表))。
公表されている相談事例には、「ネットで検索した業者に修理を依頼したが直らず、購入を勧められた」「修理後の動作確認等をせず帰ってしまった」「業者と連絡が取れなくなった」「説明や見積もり額の提示がないまま作業が始まってしまった」といったものが挙げられています。
同センターのアドバイスとしては、本格的に気温が高くなる前に試運転をして故障がないか確認しておくこと、低価格を強調する広告をうのみにせず作業前に故障原因・修理内容・修理費用を確認すること、業者が帰る前に直ったことを一緒に確かめること、請求額や作業内容に納得できない場合はその場で支払わず説明を求めることなどが示されています。日頃から地域の電気工事店など信頼できる相談先を調べておくことも勧められています。
不安に思ったときやトラブルが起きたときは、消費者ホットライン「188(いやや!)」番で最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。
エアコンのガス補充の費用に関するよくある質問(FAQ)
※料金・保証内容等は執筆時点(2026年7月)に各社が公開している情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
まとめ
エアコンのガス補充にかかる費用は1万5,000円〜2万5,000円ほどが目安で、漏れ箇所の修理まで含めると6,000円〜5万円程度、大がかりな修理では10万円を超えることもあります。金額に幅があるのは、点検で済むのか、配管や部品の交換まで必要なのかで作業量が変わるためです。
最も大切なのは、冷媒ガスが消耗品ではないという点です。減っているのなら、どこかに漏れがあると考えて、漏れ箇所の特定と修理をしてから充填する流れを取ることで、同じ症状の繰り返しを避けやすくなります。
まずは保証の有無を確認し、そのうえで複数の業者に作業範囲を明示した見積もりを依頼してみてください。使用年数が10年前後で高額な修理が必要と診断された場合は、買い替えの費用と比べたうえで判断すると納得しやすくなります。